No.531640 武装神姫「tw×in」 第二十三話風麦梟さん 2013-01-14 13:37:30 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:406 閲覧ユーザー数:404 |
「おめでとう〜宗哉!」
「おめでとうございますコナユキさん!」
「ありがとう、真南」
「ありがとうございますなのですルミアさん」
調理戦術の神姫に勝ち、その後も勝利で飾り、何とかブロック突破を果たした。これでオレ達5人は残った訳だが……それはつまり、次にはオレ達がどこかで必ず当たるということだ。
そんな感じで、次の試合順が表示されたので皆で確認する。
第一試合に天野・カナユメ
第二試合に真南・ミズナ
第三試合に木部・空影の名前をそれぞれ確認。
そして、第四試合、
「まさかカレン以外で宗哉と戦うとはな」
「オレもスレイニじゃないけどね」
東太・ヒリンと、オレ・コナユキがぶつかった。
「貴殿が次の相手か」
ヒリンが腰に手を組んだ状態でオレとコナユキを見た。
「やるからには正々堂々、どちらが負けても悔いの無い勝負をしよう」
「うん、よろしくね」
「よろしくなのです」
正々堂々か、ヒリンは礼儀正しい性格をしているな。
「そういやさっきのバトル見てたけど、コナユキの武装揃ってないんだな」
「最近はポイントの入りが少なくてね。ショップにも行ってないし」
今現在のポイント数を見るに……武装が1つか2つくらいか。全部には足りないな。
「へへっ、そりゃつまり固有レールアクションは使えないってことだよな」
まぁ、そういうことだ。
「そう言うってことは、東太達は…」
「おうよ! ヒリンは固有レールアクションが使える正式武装が揃ってるぜ!」
東太達のバトルも見ていた。そのヒリンが身を包んでいたのがムルメルティア型の正式装備の物だとは分かっていたけど、まさかその装備だったのか。
「手に入れたの一昨日なのに、よく揃ったね」
「あぁ、それも実はカレンが…」
「マスター?」
言葉を遮り、カレンが東太を下から見上げている。
「ま……まぁ色々あってな! 正式装備一式が揃ったんだよ!」
「へぇー」
追求はしないことにした。きっと訊いたら、東太が、カレンに酷い目にあうだろうから。
「色々って、いったい何があったのです?」
しかしコナユキは追求した。
「え……えっと……」
下からの威圧感に東太は言葉を詰まらせる。カレンの横では、ヒリンの顔にも焦りが見える。
だが、その更に隣にいるコナユキは分からないという風にきょとんとしていた。
「コナユキ、色々は色々だよ。追求はしないであげるんだ」
「むぅ……気になるのです……でもマスターがそう言うならやめるのです」
ほっ、聞き分けの良い子で助かったよ。
「さ、サンキュー、宗哉」
「感謝する」
「どういたしまして」
「だが、バトルでは手加減無しだぜ」
「うん、もちろん」
「マスター、やっぱりわたし気になるのです!」
「いいっ!?」
「フフフッ……」
うーん、解決にもう少し掛かりそうだね。
筐体が2つの為、まず第一と第二試合が行われた。
そして今、両方の決着がほぼ同時に終了した。
「さすが真南だな」
「うん、武器の選択も良かったね」
真南は勝利を納めた。
だが、
「非常に、惜しかった」
「あぁ、かなりの僅差だったな」
天野は負けてしまった。
「ゴメンね真南、後一撃って所までいったのに」
バトルを終えた2人が戻って来た。互いに神姫は肩の上に乗せている。
「ドンマイだよかなちゃん。敵はわたしが取るからね!」
確かに次の対戦相手はその相手だが。
「敵は取るものじゃなく、討つものだって言った方がいいですかね?」
「ううん、黙っていよう、スレイニ」
確かそういう言葉もあった筈だから。
「クソッ、アタシとしたことが……」
肩から台の上に降りたカナユメはだいぶ悔しそうな表情だった。負けたのが本当に悔しいのだろう。
「どんまいなのです、カナユメさん」
コナユキが真南を真似てカナユメに声をかけるが、
「コナユキ……ふ、フンッ、キサマに慰められる筋合はない」
カナユメはそっぽを向いた。
「えぇ!?」
「こらカナユメ、せっかく言ってくれたんだから素直に聞いておきなさい」
一方天野はそこまで悔しがってはいないようで、カナユメの態度を注意している。
「し、しかしだなマスター、アタシとコイツはライバルであって、慰めるなど…」
そこへ、
「うらー、そんなの関係なしに、慰められたお礼を言うものうらよ」
オレ達と共にバトルを見ていたうらが、カナユメの隣へと移動した。
「うらさんまで……」
「だからさんはいらないうらよ。とにかく、どんまいにはお礼を言ううら」
「うぅ……」
コナユキから背けていた視線を、チラッと向けて、
「あ……ありがとう……」
消えそうな声で、お礼を言った。
「ふわぁ……カナユメさん!」
コナユキはカナユメの両手をがっし! と握り、
「カナユメさんの敵は、必ずわたしが取ってみせるのです!」
「あ、あぁ……よろしく……って、あ、いや、違う! 今のは聞かなかったことにしてくれ!」
「がんばるのですマスター! 必ず、カナユメさんの敵を取るのです!」
「だから敵は討つものだってば」
「でもねコナユキ、それをするには…」
大会の決勝までいく必要があるし、先に真南が勝ってしまうかもしれない。
でも、その前に、
『お待たせ致しました。第三試合と第四試合を戦う選手の方、速やかに会場までお集まり下さい』
「行こうぜ宗哉」
「うん」
東太とヒリン、
「行くよ、空影」
「了解です、マスター」
「頑張って下さいマスター、姉上」
そして多分、木部と空影に勝たなくてはいけないんだ。
Ride on!
第一第二、第三第四試合の間が空いたのは、フィールドのチェンジをしていたからだ。
現に先ほど、第一第二試合は荒野だったが、今のフィールドは廃墟だ。
ブロック戦と同じ武器武装を付けたコナユキの対面、長い道路の向こう側にヒリンを発見した。
先ほど言ったように、ヒリンはムルメルティア型の正式装備……ヘッド、ボディ、アーム、スカート、レッグ、リアに加え、アクセサリー:アウゲンビンデ……眼帯も付けている。
「ふわぁ……なんだか強そうなのです。特にあの背中の腕がすごいのです」
コナユキが驚いたのが、ヒリンのリアパーツ:IM&ヴィントシュートース
左側が腕、右側がバズーカ砲の形をしており、ルミアのアーム武装のように、アレをバズーカの武器として使う事が出来る。
アレは必ず入ってるとして残りの武器にも注意だな。
『よし、まずは相手の出方を見るよ』
「はいなのです!」
Ready…………Go!
「行くぞ!」
オレ達は待ちを選んだのでヒリンが一人こちらへと突撃を開始、
「標準セット、距離、角度、共にオールグリーン」
一定の距離までくると、リアパーツの右側につけられたバズーカ砲、通称IM―――インターメラル3.5mm主砲の砲口がこちらを向く。
「ファイヤ!」
瞬間、バズーカ弾が放たれた。
弧を描きながら高威力のバズーカ弾がコナユキに迫る。
『ジャンプで回避!』
コナユキは真上へと跳躍、
『空中ダッシュで間合いを詰めるんだ』
「はいなのです!」
そこから空中をダッシュしてヒリンへと近づいた。
バズーカの注意点は、着弾した後の爆風。それにもまだ威力があるので、ただの回避ではダメージを受けてしまうんだ。
安全圏となる空中を跳び、ヒリンのほぼ真上へと到着。そこから落下しつつ、小剣を振るう。
ヒリンは後ろへとステップで下がり、小剣は地面にぶつかった。
「まだ行くのです!」
体制を立て直して再び小剣をヒリンに対して振るが、
「遅い!」
ヒリンの方が早かった。
「きゃあ!?」
ヒリンの攻撃は出が早く、そこから三連コンボを喰らってコナユキはダウンした。
「い、今のは何の武器なんです? 何も持っていなかったように見えたのですが」
『うん、本当に何も持っていなかったよ』
ヒリンの攻撃は予想外に、武器ではなく。なんと素手によるパンチだった。
武器には攻撃の出る速度というものがある。その中で小剣は早い部類に入り、その上にナックルやダブルナイフがあるが、その最たる物は、まさかの何も持たない握り拳による攻撃だ。
でもまさか、それを使う神姫がいるなんて思わなかった。
『大丈夫? コナユキ』
「はいなのです、驚きましたけど、ダメージは全く感じないのです」
速度こそ最速だが、素手は素手、武装で身を包んだ神姫にダメージを期待出来ないのが難点だ。
コナユキはゆっくりと起き上がり、ヒリンを見る。
「あれなら何回当たっても平気なのです! ガンガン行きましょう、マスター!」
『いや、一応ダメージではあるから注意してね』
数字にしたら、1〜5くらいだけど。
「はいなのです!」
コナユキは聞き分けの良い子だ。
まぁ何回とまでは言わないけど、素手はまだ当たっても平気だろう。注意すべきは、やはり背中のバズーカとまだ出ていないもう1つの武器……前のバトルから変えてはいけないから知っている、ダブルナイフ:グリーフエングレイバーだな。
『よし、作戦行くよコナユキ』
「はいなのです!」
オレが作戦を伝えると、コナユキは即座に行動に移した。
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