No.531163

俺の彼女と幼なじみがネタすぎる

アッキさん

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』の第1話のパロディです。楽しんで行ってね。

2013-01-13 11:19:42 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2074   閲覧ユーザー数:2059

【注意】この物語は『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』第1話、『高校生活のスタートは修羅場』の二次創作です。未見の人はネタバレになるかもしれないので、ご注意ください。

 

 

【対応を間違えて修羅場】

鋭太「きどう……えいた……」

 

 

 と、俺、季堂鋭太は天井に手を伸ばして、そこでやっと思考がクリアになってくる。寝返りを打つとそこには机があり、俺は肘をぶつける。とても痛い。

 

 

鋭太「いってー……」

 

 

「えーくん? いるのー?」

 

 

 窓の外からそんな声が聞こえて来て、鋭太の意識は完全に眠気から解放された。

 起き上がるとそこには予定していた少女の顔があった。

 

 

 春先千和。小1からの付き合いの、いわゆる「幼なじみ」。背が小さくて、俺の肩までしかない。長い髪の両側をリボンでゆわえてるのが、まるで犬の耳みたいに見える。くりっとした大きな目も、なんだか子犬っぽくてあどけない。まだ初々しさの残る制服のスカートを着た、鋭太の幼ななじみ。

 ちゃちゃい。

 かわいい。

 だけど「残念」。

 

 

 そんな残念チワワこと春先千和はこちらを見ると、

 

 

千和「あっ、居た」

 

 

 と、本当に驚いたリアクションを取る。

 

 

千和「なんかすごい音したけど、大丈夫?」

 

 

 窓を開けて入ってくると共にそう言う千和に、

 

 

鋭太「あぁ、俺の彼女が慰めてくれるから大丈夫!」

 

 

千和「……えーくん、かのじょ、いるの?」

 

 

 冗談を言ったつもりが千和からは黒いオーラが出てる。やばい、こう見えて千和は剣道有段者。俺なんかとは比べ物にならないほど、強い。

 冗談だとごまかす鋭太だった。

 

 

【愛の価値で修羅場】

 夜。両親が共働きの千和は鋭太の家でご飯を食べる事になった。しかし千和の表情は晴れない。千和は肉が好きだ、けれども鋭太の作っているのは煮っ転がし。肉が入っていないのだ。

 

 

千和「にーく! にーく! にーく! ……にくー」

 

 

 千和の表情は暗いままだ。

 

 

千和「……えーくんの、ばか。むっつりエッチ。大嫌い」

 

 

鋭太「ぶたこま余ってるけど、みそ炒めで食うか?」

 

 

 と言う鋭太の申し出に千和は驚いた顔をして、すぐに満面の笑みへと顔をコロッと変える。

 

 

千和「……はっ! やった! えーくん、愛してるー!」

 

 

鋭太「はぁー……。グラムいくらの、愛だよ……」

 

 

 鋭太がそう言うと千和は、

 

 

千和「コンビニで298円で売ってたから、それくらいかな!?」

 

 

鋭太「それは安いのか?」

 

 

 と鋭太は嘆息するのであった。

 

 

【席替えで修羅場】

担任「えー、皆さん。今日は席替えをしまーす」

 

 

 担任の言葉に生徒からは不満の声が上がるが、鋭太にはどうでも良い事だった。ただただ、静かに勉強できればそれで鋭太は満足だったのだから。

 そして席替えはくじびきで決まった。

 

 

担任「はい。中間トップの季堂君。24番」

 

 

 軽く個人情報をばらす担任の言葉を軽く受け流しつつ、鋭太は席替えで決まった席に着く。

 

 

鋭太(まっ、最後尾も悪くないな)

 

 

 鋭太は勉強が出来るならばどこでも良かった。なので特に不満も無かった。

 

 

男子生徒A「おい!」

男子生徒B「なに……!」

女子生徒A「わー……!」

 

 

 前がうるさいので何事かと思って鋭太が見ると、昨日千和が話していた夏川真涼がこちらに向かってきた。

 

 

 夏川真涼。

 銀色の長い髪。蒼く済んだ瞳。肌は粉雪のように白く、くちびるはサクランボのように瑞々しい。半分混じっていると言う異国の血が為せる、妖精のような美貌。

 

 

 鋭太は千和の言葉を思い浮かべていた。その視線の先で真涼は鋭太の隣に座る。彼女はゆっくりと鋭太へと視線を動かす。

 

 

真涼「よろしく」

 

 

鋭太「あぁ……。よろしく……」

 

 

 鋭太はそう言いながらも、うるさくなって勉強に集中出来そうに無いと思うなと思う鋭太だった。

 

 

【放課後は修羅場】

 放課後。季堂鋭太は帰りの準備をしていた時、真涼が話しかける。

 

 

真涼「季堂君」

 

 

鋭太「俺?」

 

 

 見るとそこにはこちらを見てニコリと微笑みながら立っている真涼の姿があった。

 

 

真涼「はい」

 

 

 ん?、と鋭太は怪しがる。そんな中、真涼は言葉を続ける。

 

 

真涼「季堂君。今日は私と一緒に帰りませんか?」

 

 

鋭太「はい?」

 

 

 どういう事だ。何が起きている。

 

 

真涼「ねっ、一緒に帰りましょ? 季堂君?」

 

 

 そう言いながら真涼は微笑む。その笑顔はまさに天使の笑顔。見る者全てを魅了する微笑み。

 

 

鋭太(馬鹿な! 馬鹿な! 何が起きてる!?

 あの夏川真涼が、俺に一緒に帰ろうだと!?

 ……落ち着け、季堂鋭太。これは罠だ。騙されるな、クールに行け!)

 

 

鋭太「なっ……! ちゃにがもくてきだ!」

 

 

真涼「はぁ……?」

 

 

 呆れた顔をする真涼。そんな呆けた顔も可愛い。美少女は得である。

 

 

鋭太(噛んだ……)

 

 

鋭太「何が目的だ!」

 

 

真涼「“もくてき”?」

 

 

鋭太「何かの罰ゲームか? 俺を笑い者にしようって事か?」

 

 

真涼「言っても良いのかしら? 一緒に帰りたい理由をこんな所で……」

 

 

 と、明らかに楽しんでいる様子で彼女はそう言う。

 

 

鋭太「だからそれを聞いてるんだよ!」

 

 

 鋭太はイラッとしながらもそう聞く。

 

 

真紗「それは……その……愛に動く人間は信用出来る。季堂鋭太、私に惚れていいぞ!」

 

 

鋭太「間に合ってます」

 

 

真涼「な、何よー!」

 

 

 そう言いながら頬を膨らませる真涼を意外と可愛いと思う鋭太であった。


 
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