No.52959

かつての悪友 その1

トモキさん

この話は恋姫†無双の最初にちょろっと出たある男の話。

このキャラをどこかで出したかったという思いが強まり、書くことにしました。

話は真・恋姫†無双の蜀ED後になります。

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2009-01-19 01:22:55 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:6630   閲覧ユーザー数:5636

 

???「ここはどこや…」

 

俺は倒れた身体を起こし周りを見渡してみた。

周りは木に囲まれており自分はどうやら道の真ん中に倒れていたみたいだ。

 

???「なんやここ?なんでこんなとこで寝てんねん…」

 

そう言って俺こと及川佑はとりあえず状況確認をしてみた。

 

及川「確か昨日は冬休み明けの新学期やで、かずピーを優しく起こしたろ思て部屋に入ったら…」

 

及川「…」

 

及川「思い出せへん…」

 

及川「まあええか。」

 

結構お気楽な及川君であった。

 

及川「さて、いったいどないしようか…」

 

及川「とりあえず道なりに進んでみよか…」

 

進むこと30分後…

広大な平原が山々に囲まれ、明らかに日本でない事がこの時点でわかってしまった…

 

及川「フランチェスカにこないなとこあったっけ?」

 

及川「少なくとも俺は知らへんな…」

 

前方を見ると砂煙が舞っている。

どうやら馬に乗った人達がこちらに近づいてきているようだ。

 

及川「なんやなんや!?」

 

その馬に乗った人達は皆鎧を着けており、彼の目にも明らかに嫌な気配が漂ってきたのがわかった。

彼は逃げ出そうとしたが、その前に囲まれてしまった。

すると、一人の綺麗な女性が前に出てきた。

 

???「貴様、何者だ。何故ご主人様と同じ格好をしている!!」

 

及川は目の前にいる女性があの有名な関羽だとは知らなかった。

そのためにいつもの調子で返してしまうのであった。

 

及川「自分、及川佑言いますねん。お姉さん名前なんていう名ですか?」

 

愛紗「私は関雲長。この国の将軍だ。」

 

及川「関雲長?お姉さんコスプレやってんの?関雲長のコスプレなんて初めてみたわ。」

 

愛紗「こすぷれ?訳のわからん言葉を…」

 

愛紗「お主、もしかして天の国から来たのか?」

 

及川「天の国?来たも何も、ここ日本ちゃうの?」

 

愛紗「にっぽん?やはりお主もご主人様と同じ所から…」

 

愛紗「その服もぽりえすてるとか言うやつなのか?」

 

及川「ポリエステルて、フランチェスカの学生やったら皆これ着とるで。」

 

愛紗「フランチェスカ…ご主人様がそのような言葉を言ってたような…」

 

愛紗「お主、北郷一刀様を知っているか?」

 

及川「何や、かずピーおるんかいな!」

 

及川「しかもご主人様扱い…メイド喫茶でしか味わえへんその呼び名を…」

 

愛紗「貴様、われらが主をか、かずピーとなどと呼ぶとは!!」

 

目の前に大きな戟が及川の首下で止まった…

刃物を前にしたのかさすがの及川も動きが止まった。

 

愛紗「とりあえず、着いて来てもらおうか。」

 

及川「俺に選択権はあるんやろか?」

 

愛紗「ない。」

 

及川「なら優しく連れてってぇな~」

 

そのころご主人様こと北郷一刀はと言うと…

 

北郷「はあ…」

 

北郷「どうして俺はこうやって椅子に座って仕事をしているんだろ…」

 

仕事に忙しく、皆ともあまり会えないためかストレスがたまり、ため息として吐き出されている。

争いはなくなり、今では魏や呉と協力して大陸を治めているため、事務的な仕事がかなり増えた。

中でも、税や治安についてはいまだ仕事が減らない一方である。

 

北郷「こう日中にずっと座ってると、あの頃を思い出す…」

 

それは元いた世界。

こちらでは天の国と呼ばれている世界であり、この時代よりも千年以上も後のところである。

そこでは学生として、フランチェスカという元お嬢様学校に通っていた。

 

北郷「あの頃が懐かしいな…」

 

北郷「不動先輩とか、章仁とか元気にしてるかな…」

 

北郷「及川は…」

 

北郷「元気だな…」

 

北郷「俺はこのままこの世界にずっといるのかな…」

 

一刀にとってこの世界は第二の故郷のようなもの、だからといって元の世界が気にならない訳ではない。

 

北郷「とにかく今日のノルマを終わらすか…」

 

そう言った矢先になんだか部屋の外が慌しい。

すると急に部屋を慌てるようにしてノックする音が。

 

愛紗「ご主人様!!至急広間の方に着て下さい!!」

 

北郷「どうしたの!?そんなに慌てて?」

 

愛紗「とにかくコチラへ!!」

 

そうして愛紗に引っ張られて広間に着くとすでに皆集まっている。

 

北郷「今日って何か会議あったっけ?」

 

及川「お~い、かずピ~」

 

ナゼダカドコカデキイタコトアルヨウナ…

とりあえず聞こえないフリ…

 

及川「私のかずピ~、シカトはやめてぇな…」

 

その言葉を聞いた蜀の面々は冷たい目線を。

 

桃香「ご主人様、そっちの人だったんだ…」

 

朱里「はわわ~」雛里「あわわ~」

 

星「主、閨に最近呼んでくれないのはそういう事だったのですか?この趙子竜それには気づきませんでした…」

 

北郷「いや、違うから…」

 

北郷「おい、及川」

 

及川「何や、かずピ~。うちらの仲やで、そんな黒いオーラ出さんといてや。」

 

北郷「とりあえず、一発殴らせろ。」

 

及川「ちょっ、やめっ…」

 

ゴチンッ!!

 

及川「痛ッ!!何するんや!」

 

北郷「なんでお前がこっちにいるんだよ!!」

 

及川「わからへん……気がついたら森に倒れとって、兵に囲まれて、連れてこられた…」

 

そこらへんの事情は愛紗に聞いてみた。

聞いた話によると、昨夜この辺に俺と同じように流星がながれたらしい。

それで兵を連れて落ちた辺りを調べに行ったら…

 

北郷「こいつがいたと…」

 

愛紗「ご主人様この方は…」

 

北郷「及川佑って言って、俺の天の国の悪友みたいなもんだ。」

 

及川「ど~も、かずピーの親友の及川佑言います。皆さんよろしゅう~」

 

こうしてこの男及川は蜀にいつの間にか住み着いたのであった…

 

 

続く…

 

 

 

 

 

 

 

 
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