No.529052

真・金姫†無双 #1

一郎太さん

今日2つ目。

休みだったという事で、リハビリも兼ねて。

どぞ。

2013-01-07 19:28:38 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:12193   閲覧ユーザー数:8944

 

 

#1

 

 

「…………あれ?」

 

ふいに覚醒した俺は、瞼を開いて最初の視界に違和感を覚えた。

 

「なんだ、ここ……?」

 

その違和感を解消する為に、記憶を辿る。いつも通りに学校へ行き、テスト前の商売を完遂する。放課後のサッカー部助っ人前に畑に行って、作業をして……。

 

「……そうだった」

 

蔵で鏡を見つけたと思ったら、それが光り始めたのだ。そして意識が途切れて――。

 

「あ、目が覚めましたか?」

「……え?」

 

思考の海から俺を呼び戻したのは、女性の声。身体を起こしてそちらに目を向ければ、茶色がかった髪の、妙齢の女性が入って来たところだった。

 

「この子が見つけたんです。いきなり凄い光と音がしたかと思うと、貴方が倒れていた、って」

「この、子?」

 

言われて初めて気が付いた。女性の背に隠れるように、小さな影。その影も自身を指された事に、ほんの少しだけ顔をのぞかせて、こちらを見せた。女性によく似ている。姉妹か?

 

「世話になったみたいだな、ありがとう。えぇと……」

「ほら、亞莎、自己紹介しなさい」

「はやっ!?あの、その…呂蒙、です……うぅぅ…」

 

姉に促され、名乗った名は呂蒙。こらまた珍しい名前だ。あれ?姉さんは別の名前で呼んでなかった?

 

「俺は北郷一刀だ、ありがとう、呂蒙」

「えと、姓が北で名が郷…字が一刀さん、ですか?」

「へ?」

 

何かがずれていた。

 

 

 

 

 

 

呂蒙の家で過ごすこと数週間。なんとか違和感を出さないように振る舞いつつ、情報収集を重ねる。得た情報は、信じ難い事だらけだった。正直ドッキリを疑う程で、あの広いフランチェスカにこんな場所を作ってもおかしくはないとも思えるが、そもそも俺をこれだけ長い時間授業にも出さず拘束する意味がない。逆説的に、信じなければならないという状態に陥った。

 

「あの、ここってどう読むんですか、一刀さん?」

「えーと、これはだな――」

 

そうした状況のなか、俺は邑の人たちともとうに打ち解けていた。農作業を手伝ったり、漁に行ったり、山菜を採ったり――。

 

「一刀さんは凄いです……」

「呂蒙だって頑張ってるだろ?独学でそれなら、俺なんてすぐに追い抜かれてしまうさ」

「そ、そんな事ないです!」

 

そして、呂蒙ともよく過ごしている。彼女は向上心が強く、姉と共に武の鍛錬をし、姉が居ない時は、こうして勉強をしていた。将来役人にでもなるのだろうか。

 

「――今日はこんなところかな」

「はい……で、では!」

「あぁ、分かってるよ」

 

余談ではあるが、俺はいま、邑人たちと同じような服装をしている。俺がこの地に来た時のフランチェスカの制服では目立ちすぎると、姉さんが気を利かせて用意してくれたのだ。

ちなみに姉さんは、俺が、最近街で噂になっている『天の御遣い』とやらではないかと言っているが、俺はそんな大それた人間ではない。別世界と言えば確かに異常な状況ではあるが、山を砕く事も河を堰き止める事も出来やしない。あるのは、だいぶ進んだ知識だけだ。

 

ま、その知識を使って呂蒙に色々と教える事が出来る事は喜ばしいのだが。

 

 

 

 

 

 

さらに時は流れる。

 

「――――お姉ちゃん、ちゃんと寝てないと駄目だよ」

「ごほっ、ごほっ…すみません、亞莎」

 

姉さんが体調を崩し、それがなかなか改善の兆しを見せない、そうした頃だった。

 

「亞莎…」

「なに、お姉ちゃん?」

「一刀さんは、いま何処に?」

「邑の人たちと一緒に、狩りに……」

「そう、ですか……」

 

その時に行われた会話を、俺は聞いていない。

 

「亞莎、聞きなさい……」

「え?」

「もし、私に何かあった、その時は――――」

 

ただ、姉さんと呂蒙の願いに沿った動きを、俺はとる事になる。

 

「姉さん、ちょっと俺、出かけてきます」

「……え?」

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

と言う訳で、亞莎たんがメインヒロインのようです。

 

 

頑張って欲しいですね。

 

 

とりあえず、これ以降は1日1話を目標にちまちま上げていこうかと思います。

 

 

オチなんてまったく決めてないので、どんな流れになるかわかんないんだぜ。

 

 

そして、ギャグの要素が皆無……

 

 

どうしよう……(´;ω:`)

 

 

そんなこんなでまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 


 
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