No.528920 魔法少女リリカルなのはStrikerS~二次創作~ 第29話 「再会、ミッドチルダより」4mさん 2013-01-07 10:06:28 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3171 閲覧ユーザー数:2939 |
「じゃあ、行ってくるねダン」
「うん、頑張って・・・」
「ご飯は置いておいたから、あんまり無理しないでね」
「わかった。行ってらっしゃい」
シャムが玄関の扉を閉めて、車で走り去った音が聞こえた
・・・まったく情けない、ほとほとそう思う
「・・・38.5℃か」
俺は、夏風邪を引いて現在ベッドの上で横になっていた
「あー・・・頭がボーッとする」
体調管理も仕事のうちいう言葉を聞いたことがあるけど、 今ほどそれを実感したことはない
仕事に行けないのがこんなに辛いとは
「・・・お腹すいた」
とりあえず、何か食べておこう
ーーーーーーーーーー
~機動六課、食堂~
「え?兄さん休みなんですか?」
「ええ、風邪だって。珍しいわよねぇこの時期に。ダンテ ちゃんにやってもらおうと思ったことたくさんあるのに・ ・・」
昼、意外な事実にエリオは驚いた
もちろんそれは、普段はそうは見えないがいざその時なる と圧倒的な力で敵をなぎ倒すダンテが風邪休んだことであ る
午後から休みを貰えたので、ダンテも誘い街に行こうと思 っていたのだが予想もできなかった答えにガクッときた
「あれ?エリオ君、お兄ちゃんは?」
「あ、うん。休みだってさ」
「えー!?」
「ダン兄が休みなんて・・・」
「珍しいわよね」
「ほんまなぁ、朝に『昼のバイト休みます』って連絡きた ときびっくりしたで」
テーブルに座っているフォワード陣も驚きを隠せないよう だ
一方で、連絡をもらっていた隊長陣は落ち着いていた
「せっかくお兄ちゃんを誘おうと思っていたのに・・・」
「仕方ないよキャロ、また今度だね」
「キャロは本当にダンテ君が好きなんだね」
なのはがキャロに話しかける
「はい!前にフェイトさんから一緒にプリントシールを撮 ったという話を聞いてからいつか私たちもと!」
「あ、キャロ。その話は・・・」
慌ててエリオが止めに入ったがもう遅かった
「へぇ・・・フェイトちゃん、ふうん・・・ほぅ」
「おまたせ・・・ってどうしたのはやて?そんな恐い目を して」
「フェイトちゃん、ここ座ろうか。ここや」
はやては自分の隣の一つ空いた席にフェイトを座らせた
一方、某烈火の将は自分に飛び火が来ないよう皆から目を (というか顔を)そらし、一人昼食をとっていた
「いったいどういうことか私にじっくりしっかりねっとり 教えてもらえんかな?」
「は、はやて?ま・・・まさか」
「「ごめんなさいー!フェイトさん!」」
声がしたほうにフェイトが顔を向けると、エリオとキャロ が手を合わせて頭を下げていた
「さてと・・・シグナムにはあとで話を聞くとして、フェ イトちゃん?」
「な・・・なのは?」
なのはに助け舟を出してもらおうとその方向を見ると、今 か今かとプリントシールを探ろうとしている姿があった
「お、お手柔らかに・・・」
ーーーーーーーーーー
「ん?メールだ。なになに?」
ースバルさんー
本文、ダン兄!次は私だよ!
「・・・ん?」
ーなのはさんー
本文、いいなー、私も誘ってくれればいいのに。今度皆に 内緒で行こうね?
「んん?」
ーはやてさんー
本文、ずるい!
「な、何なんだろう・・・?」
ーーーーーーーーーー
「いやー、ええ表情しとるなぁ」
「うん、ほんとだね」
「な、なのは?そろそろ手首が痛いかなって・・・」
机に置かれたプリントシールには、三人のいろいろな姿が 写っていた
一人恥ずかしがっていたが、揃ってピースしているもの
三人で肩を組んでいるもの
シグナムの腕を両方掴み、文字で『取り合い!絶対に負け ません!』と書かれているもの
中で何があったのか、シグナムがダンテにベッドロックし ているものなど
写真はそれぞれ違えど共通しているのは、どれも表情がい きいきしているということだ
「いいなー、フェイトちゃんいいなー」
「な、なのは。そろそろ揺らすのは・・・気持ちが・・・ 」
「くぅ~、ダンテ君うらやましいわ」
「ティア!私たちも取りに行こう!ね!」
「エリオ君!私たちも!」
「う、うん。そうだね」
この写真がきっかけでそれぞれが今日の予定の話に花を咲 かせていた
ーーーーーーーーーー
「・・・薬が、無い」
昼食後、薬を飲もうと思い食器棚の引き出しやラックの中 などを探してみたが一向に見つからず、ソファーに座り込 んでいた
容態は先ほどよりは幾分良くなっていたが、まだ熱はある ようだ体が重い
「さて・・・どうしましょう」
かつてある人は言いました『自分の道は自分で切り開くも のだ』と
家には誰もいない
わざわざ呼び戻すわけにもいかない
薬がない
自分しかいない
・・・もう答えは決まっていた
「ちょっとくらいなら・・・大丈夫」
まだあまり寒くはない季節だが、風邪を引いているのでき ちんとそれなりの服を着て家を出た
ーーーーーーーーーー
~機動六課~
「大丈夫?お金持った?あ、足りなかったら困るから少し ・・・」
「フェイトさん、僕もうお給料貰っているので・・・」
「あ・・・そうだったね」
機動六課では、フェイトの親バカが炸裂していた
エリオはもう給料を貰っているのに、少し過保護なフェイ トはお金を渡そうとしているのだ
「フェイトちゃん」
「うん?あ、キャロ」
「フェイトさん、エリオ君」
なのはの呼び掛けに気づいたフェイトとエリオは、なのは の向いている方向を見る
そこには、普段の制服とはうって変わって年頃の可愛い制 服を身にまとっているキャロがいた
フード付きの上着にスカート、小さなポーチ肩から下げ、 頭にはカチューシャがチョイスされていた
「どうかな・・・エリオ君///」
「うん、凄く・・・かわいいよ///」
二人のやりとりに、なのはとフェイトからも笑みがこぼれ た
ーーーーーーーー
~機動六課ークラナガン、道中~
「ねー!ティアー!」
「なにー!?」
街へ続く道中、スバルはティアナに大声で呼び掛ける
それもそのはず、ティアナのバイクで街へ向かっているの だ
「こっそりさー!ダン兄さー!誘ったりできないかなー! 」
「無理に!決まってるでしょー!」
心地よい風が全面に吹きつける中一瞬、良いかもとティア ナは思ってしまった
「ダンテさん風邪なんでしょー!また今度誘えばいいじゃ ないー!」
「うんわかったー!ねぇー!ティアー!」
「今度はなにー!?」
「ティアってさー!ダン兄のことどう思ってるのー!?」
「今する話ー!?」
予想外の質問に、ティアナは少し顔をスバルに向けた
スバルもティアナと同じく風を感じていたが、見間違いか どうかスバルの頬が少し赤みがかっていた
「そうねー!悪くないかもー!」
「そっかー!」
するとスバルはティアナ背中から顔を離して言った
「面白くなりそうかもー!」
「意味わかんないわよー!」
バイクはそのまま風を切りながら街へと向かっていった
二人の管理局員ではなく、二人の少女を乗せて
ーーーーーーーーーー
~クラナガン~
「か、風邪薬ってどこに売って・・・ぶぇっくし!」
昼下がり、俺は力を振り絞り街中を散策していた
ジャムがくれた翻訳用デバイスで探しているものの、風邪 薬どころか薬屋さん自体が見つからない
というか、見つけたとしてもブランドがわからないんじゃ ・・・
「あーあ・・・」
完全な準備不足だ
一体どうしたことか・・・
「はぁ~・・・あ?」
今、目の前で、見慣れた人たちが通り過ぎていったような 気がする
「あれ?」
今日って、休暇だって聞いたような気がするんだけど
なんでその見慣れた人たちの行き先が映画館でも服屋さん でもゲーセンでもなくてマンホールの中なんだ?
「あーダメダメダメぜーったいダメだ」
一瞬脳裏にある選択肢が浮かんだけど従ったら俺が大変な 目に会いそうな気がする
「・・・あーもう!俺のバカー!」
その後を追い、俺もマンホールに入った
ーーーーーーーーーー
~地下~
「はぁ・・・はぁ・・・」
薄暗く、まともに光も入らないくらいの地下水道を俺は無 駄に息を切らしながら壁づたいに歩いていた
「皆どこに行ったんだよ・・・」
地下に入ったはいいけど、いつの間にか皆を見失ってしま った
おまけにあちこちからドカーンとかバコーンとかドガシャ ーンとか物騒な音が聞こえてくるし
明らかに何かが起こっている
「とりあえず、皆を見つけないと」
「あなた!ここで何をしてるの!」
後ろから女の人の声が聞こえたので振り返ってみた
そこには、青い髪の長髪にスバルさんのようなナックルを つけた、見るからに管理局員みたいな人が立っていた
「・・・スバ」
「ここは今立ち入り禁止よ!あなた・・・何者?」
女の人は身構える
俺は慌てて弁解した
「あ、えっと・・・こ、この地下水道の整備士です!」
何言ってんだ俺ー!
「・・・そうですか、では速やかに地上へ上がってくださ い。ここは危険です」
そう言い残すと、女の人は行ってしまった
なんとか、ごまかせたようだ
「・・・あの人の言うとおりだよね」
いくら気になるからといってこんな状態じゃ・・・迷惑に なるだけだ
「じゃ、戻りますか」
そうして、体を後ろに向けたその時だった
周りの空間が歪んだ気がした
「・・・わや」
壁一面には黒いうねった線がびっしりと走っており、水は 真っ赤に染まり、目の前には幾何学的な模様が描かれた壁 がそびえ立っていた
もう後戻りはできない
「・・・」
これから何が起こるのか、身構えた時だった
「ん」
ふと後ろに何かを感じ振り返ってみた
するとそこには、目の前にふわふわと野球ボール程の大き さの赤い光の玉が浮かんでいた
「・・・?」
何なのだろうと考えていると、その光の玉は何かに吸い寄 せられるように前へ前へと進んでゆく
「・・・ついてこいって言ってるのか?」
その光の玉は進んでは止まり、進んでは止まるを繰り返し
俺をどこかへ誘っているかのようだった
ーーーーーーーーーー
「・・・?どこまで行くんだ」
いつものように俺に対する妨害も無ければ、壁やらがしっ ちゃかめっちゃかに変形することもない
その赤い光の玉についていっているだけである
「ねぇ・・・一体どこに・・・?」
その時だった、赤い光の玉が止まった次の瞬間、俺の周り が真っ白になった
「な、なんだこれ?」
秋ごろの朝早くの草原に出た感じ、霧に包まれ真っ白にな り周りが何も見えない
「ど・・・どうなってるんだ?」
見えるのは赤い光の玉だけ・・・いやまて、なんだかこっ ちに近づいてきてないか?
「な、なに?んがぁ!」
入った
入り込んできたのだ
その赤い光の玉が、俺の胸目掛けて飛んできたのかと思っ たら、えぐるように
「・・・!んむ!」
体の中に何かが入り込む
初めての感覚に、俺は膝をついてしゃがみこんしまった
それと同時に、周りの空間も元に戻っていく
薄暗い、地下水道へと
ーーーーーーーー
~地下水道~
「・・・!」
起きた出来事に、驚いて顔を上げる
白い空間は消え去り、そこにはさっきと変わらない薄暗い 空間が広がっているだけだった
「・・・ここは?」
周りを見渡していたそのとき
「ダン兄!?」
「へ?」
聞き慣れた声が聞こえ、その方向を見ると、さっきの青い 長髪の人とフォワード陣がいた
「な、なんでダン兄がここに!?」
「いや、俺にもわからなくて・・・」
その時、ふと後ろからも視線を感じ振り返ってみると・・ ・そこには
「・・・ルーちゃん?」
「・・・ネロ」
少し前に出会った少女にそっくりな女の子が立っていた
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