No.528362 ファイアーエムブレム~永遠の絆~ 1章~異形の者~soranoさん 2013-01-06 01:25:59 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1822 閲覧ユーザー数:1732 |
~西方三島・某所~
墓場から離れたアルとニニアンは自分達を待っている3人の仲間達に近づいた。
「よう、アル。墓参りはすんだのか?」
「ああ。………で?さっきニニアンから聞いたけど、本当にシャニーとティトがこっちに向かっているのか、エフラム。」
仲間の一人―――エトルリア貴族の嫡男であり、旅の途中で出会い、本人の希望で護衛の騎士達と共に旅をしている仲間―――エフラムに尋ねられたアルは頷いた後、尋ね返した。
「ああ。幸い2人はこの島内で雇われていたようで、すぐ連絡がついた。」
「………にしてもいいんですか?話によると確かその2人ってアル殿と顔見知りなんでしょう?なんでまたその2人を雇う事にしたんすか。」
「………フォルデ。口が過ぎるぞ。」
エフラムに続くように尋ねたエフラムの護衛騎士の一人―――フォルデの言葉を聞いたフォルデと同じくエフラムの護衛騎士の一人であり、フォルデのライバル―――カイルは静かな口調で言った。
「イリアの傭兵騎士は絶対裏切らないって話だから、大丈夫だと思うぜ。……それよりお前らはエトルリアに帰らなくていいのかよ?確か妹がいるんだろう?」
「ああ。エイリークにはゼトがいる。あいつがいるからこそ、俺は安心して武者修行をしていられるんだ。」
「………だからと言って1年も留守にするのはいかがかと。エフラム様はいずれはルネス家の跡取りとなるのですから………」
「わかっている。だが、アルの話を聞いてそれが真実かどうかわからずに国に帰る訳にはいかない。」
眉を顰めて言ったカイルの忠告にエフラムは頷いて答えた。
「しっかし………”魔王”ですか………そんな御伽話みたいな存在が本当にいるんですかね~。」
フォルデが空を見上げて呟いたその時
「アル君――――!」
深い緑色の髪を一束に纏めて腰までなびかせ、漆黒のヘアバンドをつけた女性が冷徹な目つきをした男性と共に走ってアルに近づいて来た。
「どうしたんだ、ニノ、ジャファル。」
自分達に近づいて来た女性と男性―――エフラム達との旅の途中、傭兵の集団に襲われている所を助け、その時の恩で仲間になった夫妻―――ニノとジャファルにアルは尋ねた。
「………村に人間じゃない、何かが近づいている。」
「何っ!?」
「人間じゃない………まさか”竜”か!?」
ジャファルの話を聞いたアルは驚き、エフラムは尋ねた。
「ううん、違うわ!骨みたいなのが武器を持っていたり、後死体が動いたり、大きな目玉が飛んでいるの!」
「まさか………アル様の話にあった”魔物”ですか………!?」
ニノの話を聞いたニニアンはアルを見た。
「………かもしれねえ。急ぐぞ!」
そしてアル達はニノとジャファルの案内の元、ある場所に向かった。案内された場所に向かうとそこには骸骨が剣や槍、弓を持って勝手に動き、死体らしきものや巨大な目玉らしきものがゆっくりと村に向かった進軍していた。
「何だあれは………!?」
「………っつ………!なんという闇の気配………!」
異形の者達を見たエフラムは驚き、ニニアンは身を竦めた。
「なあ、カイル。俺達、集団で夢を見ている訳じゃねえよな?」
「残念ながら現実だ。………それにしてもまさかあのような存在が本当にいるとは………」
フォルデに尋ねられたカイルは信じられない表情で異形達を見つめながら答えた。
「………唸れ、業火の理!………フォルブレイズ!!」
その時、アルは魔法を放った!するとすざましい炎の竜巻が起こり、異形の軍の半分を焼き尽くした!
「フォルブレイズ!?オイオイオイ……!確かその名前の魔法って………!」
「”神将器”―――”業火の理”………!あ、ありえん………!あの魔法は現代の”神将”の一人、リキア同盟の盟主、リリーナ様しか扱えないはずなのに………!」
アルの魔法を見たフォルデとカイルは信じられない表情をし
「う、嘘………!魔道書もなしであの魔法を放つなんて………!」
「………”大賢者”でさえあの魔法は魔道書を使っていたはずだ。」
ニノは驚きの表情で呟き、ジャファルは静かに呟いた。そして異形の者達はアル達に気付き、村に向かうのをやめて、アル達に向かって進軍して来た!
「……来るぞ!構えろ!」
その様子に気付いたエフラムは槍を掲げて号令をかけ
「ニノとニニアンは援護!ジャファルは2人の護衛!後は全員、突っ込め!」
アルは仲間達に指示をし、仲間達と共に戦闘を開始した!
「そらっ!!」
「ハアッ!!」
先陣を切るかの如く、フォルデとカイルはそれぞれ馬を巧みに操って槍や剣を振るって敵の軍勢を縦横無尽に駆け回って次々と敵を殺して行き
「ハアッ!!」
「セイッ!!」
フォルデ達が切り開いた道を広げるかのようにアルとエフラムは肩を並べてアルは剣(ラグネル)をエフラムは槍(レギンレイヴ)を振るって敵の軍勢の傷口を広げ
「エルファイアー!!」
「フィンブル!!」
一方ニノとニニアンはそれぞれ魔法を放って、アル達の援護をし
「………………」
二人に近づいて来た魔物にはジャファルが黙々と両手にそれぞれ持った短刀で滅して行った!
「えへへ………それにしてもまた貴女に会えるとは思わなかったよ、ニニアンさん。」
「はい…………ニノさんは行方不明になったとエリウッド様からお聞きしましたが………」
「うん………ジャファルが”黒い牙”の残党を狙う傭兵達に狙われて、あたしやルゥ達の為に姿を消したの。それであたしはジャファルを追う為にルゥ達をルセアさんに預けてジャファルを探してずっと旅をしていたの。…………あたしも狙われていたから、ルゥ達を巻き込むわけにはいかなかったし………」
ニニアンに尋ねられたニノは暗い表情で答えた。
「ニノさん…………」
「そんなに暗い顔をしないで、ニニアンさん!ジャファルとも再会できたし、アル君のお蔭で危ない所も助けてもらったんだから。………それにルゥとレイは今でも元気にしているから、十分だよ。それよりニニアンさんこそエリウッド様に会いに行かなくていいの?」
「はい………アル様には始祖竜の力で再び蘇らせて頂いた恩もありますし、エリウッド様とロイが平和に暮らし続ける為にもアル様のお手伝いをすると決めたんです。」
「そっか。………お互い、頑張ろうね!」
「………はい。」
ニノ励ましの言葉にニニアンは静かに頷いた後、再び魔法を放ったり杖を使って傷ついた仲間の傷を回復し、さらにニニアンは疲労を回復させたり、一時的に防御能力を上げる効果を持つ踊りで仲間達を援護して行った!そしてしばらく戦っていると戦場に2人の天馬騎士が近づいて来た。
「え~と………手紙で指定された場所は確かこの辺だよね、お姉ちゃん。」
「ええ。………それにしてもどうしてわざわざ私達を指名したのかしら?」
天馬騎兵(ファルコンナイト)の一人――シャニーの言葉に頷いた同じく天馬騎兵(ファルコンナイト)の一人でありシャニーの姉――ティトは首を傾げていた。
「それは勿論私達の名前が有名になったからに決まっているじゃない!」
「もう………すぐ調子に乗るんだから、この娘は………」
シャニーの言葉を聞いたティトは呆れた表情で溜息を吐いた。
「そういえば、今度の雇い主さんはエトルリアの貴族なんだって?」
「ええ。ルネス公爵家の嫡男、エフラム様よ。」
「エトルリアの貴族か~………エトルリアの貴族で思い出したけど、クレイン様とはその後どうなっているの、お姉ちゃん?」
「なっ…………!?何でそんな事を聞くのよ!」
「フフ………私、知っているんだよ?月に何回かクレイン様からお姉ちゃん宛てに手紙が届いている事を。」
顔を真っ赤にして自分を見るティトにシャニーは微笑みながら尋ねた。
「~~っ!クレイン様とはただの友人として文通をしているだけよ!それのどこが悪いのよ!?」
「ホントに~?」
「………もう!雑談は終わりにして、貴女は先行してエフラム様がいないか確かめて来なさい!」
「は~い。」
ティトの指示に頷いたシャニーは天馬を駆ってどこかへ向かって少しすると戻って来た。
「向こうの方に貴族らしき人が騎士の人達と一緒になんか変な相手と戦っていたよ!」
「なんですって!?………それより変な相手ってどういう事よ。」
「う、うん………私も最初見た時は信じられなかったんだけど………骨や死体が動いていたの……」
「ハア!?シャニー………あなた、夢でも見たんじゃないの?」
シャニーの報告を聞いたティトは声を上げた後、呆れた表情で尋ねた。
「本当だよ~!それよりもっと驚く人がその貴族っぽい人達と一緒に戦っていたよ。」
「?誰よ。」
「………アル君。」
「………シャニー。冗談はほどほどにしないと怒るわよ?彼は4年前に死んだはずよ。」
「本当だって!髪型は前と違ったけど、あの顔は絶対アル君だって!とにかく一緒に来たらわかるよ!」
「………わかったわ。」
そしてティトはシャニーと共にアル達が戦っている戦場に向かった。
「ほら!あの蒼い髪の人!」
「………嘘…………なんで彼が生きているの?それにあの異形の者達は一体…………とりあえずあの貴族の方に近づくわよ、シャニー!」
「はーい!」
ティトとシャニーは天馬を駆って、アルと共に戦っているエフラムに近づいた。
「貴方がエフラム様ですか?」
「ん、そうだが………ああ、俺が呼んだ傭兵か。」
「はい。私達を雇いたいとの事ですが…………」
エフラムの言葉にティトは頷いた後尋ねた。
「ああ。正確には俺じゃなく、あいつ―――アルだ。俺は代理人としてお前達を呼んだだけだ。詳しい事はアルに聞いてくれ。」
「え?わ、わかりました。」
エフラムの答えを聞いたティトは戸惑った様子で頷いた後、シャニーと共にアルに近づいた。
「やっほ~、アル君!久しぶり!死んだって聞いたけど生きていたんだね!」
「よお、シャニー。後ティトも久しぶりだな。」
「…………ええ。貴方が生きていた事には驚きましたが………とりあえずその件は置いておいて、イリアの傭兵として尋ねます。先程エフラム様から聞きましたが、貴方が私達を雇いたいとの事ですが………失礼ですが貴方に報酬が払えるのでしょうか?」
「ああ。………とりあえず、これが報酬だ。」
ティトの言葉に頷いたアルは2人にそれぞれ宝玉を渡した。
「なっ!?この宝玉は………!」
「これって………”金の宝玉”!?ちょ、ちょっと!さすがにこれはもらいすぎだよ!?確かこの宝玉って、2万ゴールドするじゃない!私の傭兵としての契約金は3000だし、ティトお姉ちゃんは6000だよ!?」
渡された宝玉を見たティトは目を見開き、シャニーは驚いた後慌てた様子で言った。
「しばらく俺達と行動してもらうからな。とりあえずそれが前金だ。」
「ま、前金でもこれはさすがに多いって………」
アルの説明を聞いたシャニーは表情を引き攣らせて言った。
「………その中には俺の存在の口止め料が入っているからな。………契約が終わっても俺が生きている事は誰にも言うなよ。」
「え…………なんで!?ティーナ姫やロイ様達、すっごく悲しんだ事を知らないの!?」
アルの話を聞いたシャニーは驚いて尋ねたが
「………詮索は無用だ。イリアの傭兵騎士は絶対裏切らないんだろう?」
「………わかりました。今から貴方の指揮下に入り、貴方の事は口外しません。シャニー、報酬も受け取った以上イリアの傭兵騎士として………わかっているわね?」
「………は~い…………」
アルの言葉にティトは静かに頷いた後シャニーに視線を向け、視線を向けられたシャニーは納得していなさそうな表情で頷いた。
「よし。じゃあさっさと目の前の奴等を殲滅するぞ!」
「はい!」
「了~解!」
こうしてティトとシャニーを仲間に加えたアル達は再び魔物達との戦闘を開始した。機動力のあるフォルデとカイルが戦場を縦横無尽にかけながら敵を次々と滅して行き、ティトとシャニーは空から強襲して2人の援護、アルとエフラム、ジャファルは4人に続くように次々と敵を倒し、7人が倒しそびれた敵達はニノとニニアンが魔法で倒して行った。
「終わりました………」
敵の全滅を見たニニアンは安堵の溜息を吐いた。
「まさかアルの話通りだったとは………」
「アル殿、もしかして今倒した奴等はここだけじゃなく、大陸中にも現れた可能性はありますか?」
一方エフラムは考え込み、フォルデはアルに尋ねた。
「多分現れているだろうな。」
「やはり………!エフラム様、事はエレブ大陸中の問題!一刻も早く帰国して王宮に報告し、対策を練りましょう!」
アルの話を聞いたカイルは血相を変えてエフラムに提案した。
「…………そうだな。しかしそれにはアルの説明が必要だ。………アル、手間をかけて悪いが俺と共にアクレイアに来てくれないか?」
「………………………エルフィン達なら口は堅いからいいかな………ロイ達に俺の存在を知らせずにどうやってさっきの奴等の事を知らせようと悩んでいたけど………エルフィンに頼めば、俺の存在をバラさずにロイ達に知らせてくれるしな。その案で行くか!」
「ああ。………行くぞ、エトルリアへ!」
そしてアル達は次なる目的地に向かって移動を始めた。
「…………………………」
「ジャファル?どうしたの?」
一方アル達が歩いている一方、立ち止まっているジャファルに気付いたニノはジャファルに尋ねたが
「……………いや…………行くぞ、ニノ。」
「う、うん。」
ジャファルは何も答えずニノを促し、ニノと共にアル達を追って行った。
「………オイオイオイ………!なんでニニアン様が生きてんだ………!?俺もあの人の遺体が葬儀で埋められるのをちゃんと見たし………加えて4年前の戦争で死んだはずの”碧き覇者”まで……………どうなってんだ??しかもあいつは”死神”…………!それにニノまで。………”死神”とニノがなんでニニアン様達と行動しているのかわからねえが………さっきの異形の奴等の事も含めてリリーナ様に報告しなくちゃな………!」
一方その様子を遠くから見ていた茶髪と茶色の瞳を持つ男性は信じられない表情でニニアンとアルに視線を向けた後、複雑な表情に変えてジャファルを見つめた後、どこかへと去った。
アル達がエトルリアに向かっている一方、ミリーナがティーナに仕え始めて一週間が経とうとしていた…………
私は烈火の中で一番好きなのはニノです。初期プレイから常に使い続けているお気に入りキャラなのでジャファルとセットで登場させました。時期的に育てるのにはホント、苦労しました………感想お待ちしております。
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