No.527352

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 番外編×3ーx3 edited one by an extraー

ザルバさん

皆さん明けましておめでとうございます。更新が遅れ気味ですみません。これを考えるのに時間が結構かかりました。今回は番外編を三つ作りました。楽しんでください。今年もよろしく願いします。

2013-01-03 22:34:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3114   閲覧ユーザー数:3012

Episode 1 猫鬼ごっこ-Cat tag―

 

なんかおかしい。

 朝、いつもどおりに朝食を食べているのに皆の視線を感じる。とういうかマジで見てる。箒達もなんか見てくるし・・・・・・恐いな。

「なあ、何で皆して俺を見てるんだ?」

「な、何もないぞ。」

「そ、そうですわよ。ほほほ。」

「き、気のせいじゃない。」

「そ、そうだよ。」

「つ、疲れてるのか。」

 そう言ってるけど思いっきり動揺してるよ。しかも視線がなぜか頭。どうして?

 そう思いながら朝食を食べ終え、教室に向かった。

「おはよ~。」

「あっ!織斑君おは・・・・・・」

 ブフーー!!

 うお!なんだ!

「静かにしろお前ら。今から・・・・」

 千冬姉が入ってきたけど言葉が途中で途切れてる。なんでだ?

「織斑先生、どうし・・・・・」

 山田先生も!どうしたの!今日なんか皆変だよ!

「き、聞いていましたけどここまでとは・・・・・・・」

「流石にな・・・・・・・」

 どういうことだ?

「一応言っておくが今日は通常授業を取り止め特別行事を行う。」

「どうしてですか、織斑先生?」

 一夏が千冬尋ねた瞬間いきなり扉が勢いよく開く。入ってきたのは生徒会長こと楯無だ。

「説明しよう!」

「いや、いいです。」

「させて!」

 

「で、なんなんですか?」

「織斑君、自分の頭触ってみて。」

「どうし・・・・・なんだ?」

 一夏が頭に触れてみるとなにやら三角状の物が二つ頭に載っていた。

「はい。」

 楯無は一夏に鏡を見せた。一夏の頭には黒い猫耳のカチューシャが乗っけられていいた。

「何でこんなことするんですか。」

「い、いひゃひいひゃい。おふぃふらふんはひゃひて!」

 一夏は楯無の頬を引っ張る。

「で、何でこんなことするんですか?」

「いや~。最近部活抽選が待ち遠しかった部活が多くてね~。流石にここまで来ると状況的にやばいから織斑君を使ったゲームをしようと思ってね。」

「つまりターゲット一人の鬼ごっこって分けですね。」

「そうそう。」

『イジメか!!』

 皆がツッコンだ。

「まあまあ。織斑君だから大丈夫だって。」

「本人の了解を得るという言葉はあなたの辞書にありますか?」

「・・・・・なんだって?」

 トン

「ぐはあ!!」

 一夏と伊御の必殺技、内から弾けるパンチが炸裂した。

「ま、ああいいじゃない。それにこれは決定事項だし。」

「それでルールは?」

「簡単簡単、一夏君のカチューシャを取ったらいいって話。なんと勝者には!」

『しょ、勝者には・・・』

 皆のたんを飲む音が響く。

「一夏君の部屋に一日泊まる権利を上げます!」

『うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!』

 一気に歓声が沸いた!てかよく周り見たら一年全員集まってるぽいし!

「やってやるわよ~~~~!!!」

「チーム組んでもいいですか!!」

「いいわよ。でも最大五人までね☆」

「よし!じゃあ今から・・・・」

「ストップ!」

『エ~~~~~~!!!!!!』

「今から始めたら一年一組の生徒の誰かが勝ちになっちゃうじゃない。開始時間は十時、お昼時間はノーカンで午後の五時まで!いいわね。」

『は~い。』

「ちなみに今回は全校生徒さんかだから。」

 おい!それ最悪の事態だろ!てか俺一人にどんだけ戦力投入してんだよ!生徒会長にやれよそれ!

 

 時間は九時五十五分、皆は戦闘準備完了、一夏はポケットの中に様々な道具を仕込んで逃走準備OK。でも・・・・・・

「やるわよ!やってやるわよ!」

「ふふふ、じゅるり。」

「同人誌の資料・・・・」

 正直・・・・・・・ここの学校の生徒の恐いと思うときがあるのは変かな。おっとそう思っている内にも十秒前じゃん!!少しでも移動するか。

「5」

「4」

「3」

「2」

「1」

『スターーーーーーーーーーーーーーーーート!!』

 うお!わかっていたけど驚くわ!!

「あっ!織斑君発見!」

「α、γ突撃!」

 やべ!見つかった!

 一夏は廊下を走る。曲がろうと思った途端前から敵がやって来た。

「発見!!」

 くっ!この状況で挟み撃ちは絶望的だ。なら!

 ガチャン(窓の鍵を開ける音)

 ダッ(窓枠に足を掛ける音)

 シュッ(一夏が窓から飛び出す音)

「なんばしとっと~~~!!!!!!!」

 騒ぐ女子達。だが一夏は木に乗っかる。

「よっと。」

 一夏は木から飛び降りて走る。

 

 一夏から約三キロ離れた所、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラの五人は遠くから観察していた。

「あいつは死ぬことを恐れないのか。」

「アタシでもあんなことしないわよ。」

「その前に女子には出来ないと思うよ。」

「私は出来るぞ。」

「あんたは軍服型の制服だからでしょ。他の生徒は皆スカートよ。」

「だからなんだ?」

「ラウラ、普通の女の子はスカートの中を覗かれたくないんだよ。」

「そうなのか!クラリッサは自分からスカートの中を見せるのは普通だと言ってたぞ!」

「そいつ今度連れて来なさい!一夏の前に!そして内から弾けるパンチを喰らわせない!」

 ガイガイワヤワヤしながら時間が過ぎていく。

 

 一方一夏は今体育館屋上に来ていた。屋上は結構風が吹いていた正直恐い。

「お、織斑君!か、かかかかか観念しなさい!」

「そ、そそそそそそうよ!こんなところじゃ逃げ場はないよ。」

 足がくがく生まれたての小鹿のように震えさせても説得力ないよ!

「・・・・・無理しなくていいぞ。」

「織斑君がこんなところに逃げ込むからでしょ!」

 まあそうだな。でも皆上手く誘い込んできたからそれに乗ったまでなんだが・・・・・・

 一夏は手すりを掴んだ。

「織斑君、もしかして降参してくれた!」

「いや、逃げるよ。」

 一夏はポケットからワイヤー一本が突き出ている道具を取り出す。一夏はワイヤーの先端についている金具を道具につける。一夏はそれを腰のベルトにつなぐ。

「じゃ。」

 一夏は手すりに足をかけ下に下りる。

『なっ、何してんの!』

 皆驚いて身体を前のめりて覗き込む。だがそこには一夏がゆっくり降りている鋼稀有が目に入ってきた。

「イーサン、イーサンがいるよ!」

「てか危ないよ!」

 一夏は地上に着くとリモコンのボタンを押し金具のスイッチを切って回収する。そして一夏はまた逃げ出した。

「・・・・・・・・・はっ!今の光景に気を取られてた!」

「私も!」

「追うわよ!」

「ま、待って。流石に今の見てたから腰が抜けちゃった。」

「あたしも。」

 

 ふう。まさかアメリカで作られた簡易型フック(軍使用)がこんなところで使えるなんてな。まあこれだけ備えておけば逃げ切れる可能性はあるな。んっ!そういやなんで五人なんだ?まあよくわかんないけど今は・・・・・・・

「いた!織斑君!」

 今度は先輩だ。厄介さが増したな。

『し~~~~~~りょ~~~~~~~~~~~』

 コワ!マジでコワ!ここの生徒不女子多すぎだよ!

 まだ見ぬ昼に向かい一夏は地面を蹴り進んだ。

 

 お昼のチャイムが鳴り前半終了。結構皆身体使ってた。普段から運動して内政とが多いからな。

「あっ!織斑君。午後は捕まえるよ!」

「ははは、期待しておくよ。」

 一夏はカツ丼大盛りセットを頼んで席に座った。

「あっ!一夏!」

「っ!シャル!それに皆も!」

 箒達が一夏と同じ席に座ってきた。

「逃げているの見ていたけどすごかったよ。」

「軍使用の道具を使うとは流石だな。」

「そうか?」

「そうよ。それにあんな危険なこと普通の人はしないわよ。」

「そうですわね。スカートを履いている女子の時点で無理ですわね。」

「そういやお前らの姿を見なかったけど・・・・」

「わざわざそんなことを言うと思うか?」

「それもそうだな。」

 

 午後の戦闘開始。皆は体操着を着ている。流石女子ネットワーク、情報交換は伊達じゃないな。

『待て!!!!!』

 でもこれ何度見てもイジメだよ。お母さん泣くよ。お父さん頭痛いよ。おじいちゃん腰抜かすよ。おばあちゃん笑顔でスルーだよ。・・・・・て、そんな場合じゃなかった。

 一夏は女子の大群から脱兎の如く逃げているが執念に囚われた女子の体力は底なしだ。一夏の今の服装は上着を脱いでベルトに道具を付けている状態。一夏はフックを圧縮ガスで飛ばしフックを引っ掛け圧縮ガスで飛翔する。

「なんだあれ!」

「どこで売ってるの!」

 ちなみにこれは『進撃の巨人』から参照しています。

 一夏は圧縮ガスを上手に活用して木に飛ぶ。だが木下には既に女子第二軍がスタンバイしていた。

「ふふふ、織斑君。まさに背水の陣だよ。」

「そうだね。」

「でもこの言葉って習っている時期くらいしか使わなくない?」

「あ~、あるある。」

「あるよね~。」

 一夏は二つ先の木にロープを投げ込む。グイグイとロープを引っ張って張りを確認する。

「織斑君綱にしがみついて渡る木だね。」

「でもバレバレだよ!」

 が、一夏はその斜め上を行く。

「甘い。」

 一夏はロープの上を走り渡った。距離は約十メートル、タイム1,22秒。

『はや!』

 一夏はロープを手早く回収し気から飛び降り、逃げた。

 

 IS学園のアリーナ。一夏は今危機的状況に立たされている。

 四方をセシリア、鈴、シャルロット、ラウラがISを展開して取り囲んでいる。というのも箒達のチームが他の女子を利用してアリーナに誘い込んだ。

「一夏さん、諦めた方が懸命でしてよ。」

「この状況に希望はないわよ。」

「一夏、おとなしく摑まって。」

「降参も時にはいいぞ。」

 ・・・・・・・やばいな。

「参ったな。ISチャージしてないからこれじゃあ・・・・お仕舞いだなっておい!」

 いつの間にか女子の大群が周りを取り囲んでいた。こういう行動力を授業で使わないかな~。

 セシリア達が一夏に向かって一直線に向かってくると同時に女子たちも向かってきた。後五メートルとなった距離で一夏は笑み伸び表情を顔に出した。

「っ!しまった!」

 ラウラが気付いた瞬間、一夏は白式を展開する。

 そして瞬間加速+マッハムーブを匠に使いアリーナの出口に向かった。

『なっ!』

 そう。一夏が言ったあの言葉は嘘だったのだ。

 一夏はそのままアリーナを出て行った。時間は既に午後四時五十七分を示していた。

「このままの状態で行けば俺の勝ちは決定だな。」

 そう言ってアリーナを出た瞬間であった。突然頭から何かなくなる感覚がした。一夏は頭を確認すると猫耳のカチューシャが無くなっていた。

「・・・・・・・・・・・え?」

 一夏は辺りを見渡すと猫耳カチューシャを持っている箒の姿があった。

「すまないが私達の勝ちだ。」

 時間は午後四時五十九分を示していた。

 

「・・・・・・・この作戦は誰が考えた。」

「私だ。」

「ラウラ!」

「一夏を普通に追いかけていたらまず時間的に見ても不可能のかの生のほうが高い。」

「ですからどうせなら皆さんを利用してアリーナに誘い込む作戦でしたの。」

「あわよくばこっちで一夏を捕まえる。」

「それでもダメなら箒が捕まえることにしたんだよ。」

「ははは、よく考えたな。」

 こうして箒達は一夏の部屋で寝ることになったがラウラの寝巻きの件でもめたのはまた別の話。

 

Episode2 ホラーとG-Horror and G―

 

 夏の残暑がまだ残るとある休日。一夏の部屋に箒達と楯無が入ってきていた。

「いきなりだけどホラー映画見ない。」

「ヴぇ!」

「何で一夏は『ヴぇ』っていったの?」

「まさかアンタこういうの苦手だとか?」

「ほほほ、流石に一夏さんでも!」

 セシリアの視線の先にいた一夏がいなくなった。どのような感じかというとまさしく瞬動と表現してもおかしくない。

「捕まえたぞ。」

 ラウラが片手で掴んでいる先には服を引っ張られている一夏の姿があった。

「でも意外だね。一夏がホラー苦手なんて。」

「私はそういう類は見ないからな。どういうものか興味心身だ。」

「へ~。そうなんだ。一夏も!」

 ラウラに捕まっているはずの一夏の姿はなかった。あれはまさかの残像!

 

「で、どうして苦手なのかな一夏君。」

 楯無が一夏に尋問する。

「う~ん。なんていうかあの恐い感じが・・・」

「やっぱり一夏も恐いものがあるんだ。」

「カサッと動くあれっぽくてな。」

「とは違った!」

「つまり一夏君にとってゾンビとかの大群が・・・・・」

「「「「「大群が?」」」」」

「Gの大群だと。」

「ホラーより恐いですわ!」

 

 そんなこんなでホラー映画鑑賞。

『ぎゃああああああああ!!!』

「「ひいいいいい!」」

 絶叫するセシリアとシャルロット。

「た、たたたたた楯無先輩は恐くないんですの!」

「流石にこれは・・・・・」

 楯無のほうを向く二人の視線の先にはデスマスクを被った楯無の姿があった。

「ぎゃあ~~~~~~~!!!!!!」

「どうかしたか二人とも!」 

 二人は一夏のほうを向くとゾンビマスクを被った鈴の姿にまたしても絶叫した。

「ふぎゃ~~~~~~~!!!!!!!!!!」

 一夏、箒、ラウラは楯無と鈴の方を向いた。

「「「・・・・・・・・・・・・」」」

 三人は何もなかったの用にテレビに視線を向けた。

「「無視しないで!!!」」

 

 時間は過ぎて映画鑑賞終了。

「一夏君、どうかったって暗っ!」

 一夏はどこか廃人のように暗くなっていた。

「嫌なんか心が冷え切った感じで・・・・・」

「あ~。」

「一夏、ココア飲むか?」

「ありがと、ラウラ。いただくよ。」

「ラウラ、僕ももらっていいかな?」

「ああ。」

「俺が入れるよ。」

「じゃあ私も。」

「私も。」

「あたしも。」

「それじゃあ皆の分入れるか。」

 冷えた心を暖めるココアが体に入って映画鑑賞は幕を閉じた。

 

Episode3 放送漫才―Broadcast comic dialog―

 

 何の変哲もない日常を過ごしている箒達。普通と違っているといえばISを使っていること。今は教室で一夏を除いたいつもの面子で食事をしている。

「一夏の姿を誰か見たか?」

「いいえ。」

「どうせ購買にでも行ってんじゃない。」

 その時学校放送が流れた。

『あー、あー、マイクテスマイクテス。どうも皆さんこんにちは。放送クラブの菊池ことねです。今日は風邪で休んでしまった相方に代わって特別ゲストでお送りします。』

「ん?特別ゲストって誰だろう?」

『今回は生徒会長の許し並びに学校側の許可を得てやっておりますので了承してください。さて、今回のゲストは!』

『どうも!今日たまたま学校が休みだった戌井榊と!』

『頼まれて呼ぶだけだったはずがドナドナされた織村一夏です。』

「「「「「!!」」」」」

『なおこの放送は教室のテレビで見れますので見たいクラスは見てください。』

「ねえ見たい一手を挙げて。」

 一組の生徒の一人が尋ねてきた。

「面白そうね。」

「どんな子か見てみたいし。」

 満場一致で見ることになった。

 

 放送室では一夏、ことね、榊が座ってラジオをしようとしていた。

「それでは戌井榊君に質問です。ずばり、織斑君ってどんな感じですか?」

「まあ一言で言うと・・・・・・・片手だな。」

「何だよそれ?」

「伊御と同じで『卑弥呼』とかの難曲知ってるか?」

「ええ。まあ。」

「二人とも片手で出来るからな。」

「MAJIDE!!」

「そんなに自慢することじゃないだろ。」

「それ以前に片手で出来ないだろ!」

「まあこの話はこのくらいにして次行きましょう。」

「お悩み相談?」

「へ~。こっちの学校でもあんのか。」

「ええ。では人気の『お悩み相談コーナー』。」

 BGMが流れると同時に始まる。

「このコーナーは私達が応募していただいた人の相談を切り捨てたり、泣き崩れたり、笑い転げたりするコーナーです。」

「「解決する気ねえ!!」」

「冗談です。解決もやぶさかではありません。」

「ほとんど意味ないじゃん!」

「おなやみそーだんこーなー。」

「救助しろ。」

「ではMさんからのお悩みです。」

「流した!」

「気になるあの人の落とし方を教えてください。」

「う~ん。まず屋上に呼び出す。」

「以外にベタだな、榊。」

「でもここは女子高ですからデートですね。」

「つまり店の屋上に呼び出すのか。そして高鳴る胸の鼓動を抑えて、そっと・・・・」

「「?」」

「押す。」

「「なっ!」」

「落ちます。」

「落としどころが違います!」

「さらにこれを加えると印象でよくなるぜ。」

「相手は痛みでまともに耳を貸せないぞ。」

「『私・・・・・・本気よ(笑)』」

 恐っ・・・・・・・

 学園にいる誰もが思った。

「これで君の気持ちが伝わるはずだ。」

「伝えた先に未来がないぞ。」

「じゃあ、あなたを今から落としますってのはどうよ。」

「なんだか告白の言葉が脅迫の言葉に聞こえてきました。」

「一世一代の告白はやっぱインパクトないとな。」

「何に別れを告げる気だ?」

「昨日までの私に、さようなら。」

「それじゃあ恋にさよならじゃないですか!」

「告白じゃなくて告別の言葉になったりしてな。」

 榊はそう言って笑った。

 

「なんだか面白いね。」

「榊のボケには毎度だけど驚かされるわ。」

「逆に一夏さんがぼけに入ることってあるのかしら?」

 

「え~と、気を取り直していこうか。」

「ですね。私は告白が一番いいと思いますよ。」

「ほう。」

「恋は戦場です。あらゆる困難を乗り越えて勝ち進んでいくんです。」

「「・・・・・・」」

「女の子は、生まれながらにして~、戦恋武将です!」

「「・・・・・・・」」

「ちなみに、私の使う計略は『火計』です。故意の炎で燃やし尽くします!」

「計略なら俺もあるぜ。」

「ああ、『滑稽』だろ。」

「ぬあっ!」

「ふっ!」

 一夏の言葉に覆わずことねは口に手を当てて笑う。

「計の字ない上に使いどころね~!!」

「で、ではカオスな人物を見たさんからの相談です。ある人に幾度となくアピールをしているんですがことごとくスルーされます。わかっていますけど唐変木なんです。どうしたらいいでしょう?」

「つまり、ニブチンか~・・・・」

「ニブチンですか~・・・・」

「う~ん、鈍いのか~・・・・っ!」

「「ニブチン・・・」」

 二人はじっと見た。

「う~ん、これは厄介ですね。」

「ああ、難解だ。」

「今なんでこっち見て言った?」

「う~ん、やっぱりニブチンには変化球よりストレートの方がいいかもしれませんね。」

「じゃあニブチンにストレート投げた反応をチェックしてみようぜ。」

「君が好きだ。」

 一夏がストレートを投げた。

「・・・・す、ストライク!」

「役が逆だ~~~~!!!あっ!!」

 榊は思わず机にひじを突いた。

「絶妙なタイミングのボケに我を忘れツッコミしちまった。」

「まれに見ない突っ込みでしたね。」

「俺はボケたつもりはないんだが・・・・」

「でも『好きだ』だったら思いっきり告白じゃないですか。」

「ていうか、もっと真剣に思いを伝えたらいいと思うよ、俺はな。」

「なんか乙女として負けた気がします。」

「ドンマイ。」

「あくまで俺の意見だぞ。」

 一夏は顔を紅くし、ことねは湯気を出していた。

 

「で、ではでは次にお願いコーナー。このコーナーはゲストを含め、私達が皆さんからのしてほしいことをするコーナーです。」

「へ~、じゃあ俺から行くぜ。」

 榊は箱から髪を一枚取り出した。

「え~と、逆立ちしたまま目の前の人の似顔絵を描く。」

「どんなことをこの人は望んでいるんですか!」

「一夏、紙とペンあるか?」

「ああ。」

「そして何もなかったのように行ってますけど!」

榊は紙とペンを地面に置きスタンバイ。

「一夏が書きやすいから一夏を書くぜ。」

「お前こういうことは出来るんだよな。勉強は出来ないけど。」

「じゃあいくぜ!うりゃりゃりゃりゃりゃやりゃ!」

榊は空中に逆立ちした状態で両手を匠に使い一夏の顔を描いていった。

「榊君、結構慣れているんですね。」

「まあ榊は逆立ちしたままゲームしてたしな。」

「どんな光景ですか!」

「出来たぜ!」

「そして早!」

 榊はカメラに似顔絵を見せた。めっさ似ていた。

「じゃあ次は俺か。え~と、男子で絶対恥ずかしくていえないような告白をしてください・・か。」

「ここは魅すると後が痛いですよ、織斑君。」

「同感だ。インパクトだ!」

「じゃあ・・・・・」

 放送を聴いている人も、テレビを見ている人も期待して一夏の言葉を待つ。

「俺のものに・・・・なれ。」

 ブフゥゥゥゥッ

 学園内の大半の生徒は鼻血を吹いた。

「こ、これは威力が半端ナイです。」

「わかっていても防げない攻撃並みだな。」

「俺は伊御か!」

「伊御って誰ですか?」

「まあ一夏と同じだな。」

「あ~。」

「なに納得してんだ。」

「おっと、そろそろ時間ですね。じゃあ締めに織斑君お願いします。」

「レッツゴー!」

「何でそうなる。」

「当て無き美への探求を胸にお昼を我慢した女子達へ嬉ハズカシなストロベリートークを!」

「う~ん・・・・・・明日の君は、今日より綺麗だよ。」

 またしても学園全体が血に染まった。

「つお~言うわけでこれにて放送を終わります。生徒の皆さん、午後の教師からの睡眠尋問に注意してくださいね。」

 その後血まみれになっている教室を教師達は驚き、掃除に時間を費やしたのは言うまでもない。


 
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