No.527200

新春スペシャル作品  忍者大戦ヤグラ  その1

BLACKさん

この作品は「ハヤテのごとく!(アニメ3期)」と「世界忍者戦ジライヤ」を見た影響で作った作品で両作品を足して2で割った作品となってます。割合としてはハヤテ7:ジライヤ3くらいになってます。

2013-01-03 17:00:00 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1268   閲覧ユーザー数:1246

 

主な登場人物

 

 

芥子頭治(からし とうじ)

 

主人公、男性。18歳。黒髪短髪。

忍者の任務中に唯衣と出会ってしまい、執事をやることになり、執事をやっている。ほぼ万能だがどこか抜けている。

何故万能かと言うと、彼が世界忍者の一人だからである。

世界忍者としての実力も本物。忍者の格好をしている時は「ヤグラ」と名乗っている。

忍者の流派は「日隠流(ひがくれりゅう)」

 

 

 

 

凪村唯衣(なぎむら ゆい)

 

ヒロイン、女性。16歳。銀長髪。

大富豪の凪村家の令嬢。頭脳明晰、スタイル抜群のほぼ万能だがどこか抜けている。

忍者に興味を持ったために頭治を執事に迎え入れる。

 

 

 

ユリア

 

女性。17歳。紫色の長髪。

頭治が執事をやる前から唯衣の専属メイドとして働いてる女性。スタイル抜群。

外国の大学を飛び級で卒業している。そのため学校に行っていない。ほぼ万能だが頭治と唯衣同様、どこか抜けている。

世界忍者ではないが、実力は世界忍者に匹敵する。

 

 

 

凪村友里(なぎむら ゆり)

 

故人。享年25歳。茶髪長髪。

唯衣の母親。唯衣と似たような顔立ちでスタイルも抜群だったが、成績はそうでもなかった。そして天然。

 

 

 

カイル・ハイム

 

故人。享年20歳。銀髪短髪。

唯衣の父親とされる人物。何らかの事情で友里の前からいなくなってしまった。

実はある物が目当てで凪村家に侵入した泥棒だが、友里に見つかってしまうものの、そのまま友里と恋に落ち、唯衣が生まれる。

何やらその死や泥棒したのにはとんでもない理由があるとか……。

 

 

 

 

 

頭治や唯衣の友人達

 

 

 

 

 

織田巽香(おだ せんか)

 

女性。17歳。黒髪セミロング。

頭治と同じ世界忍者。忍者時は「セン」と名乗っている。

忍者の流派は「織田流」

 

 

 

山本和樹(やまもと かずき)

 

男性。16歳。茶髪短髪。

頭治と同じ世界忍者であると同時に唯衣の同級生。忍者時は「レッパ」と名乗っている。

忍者の流派は「邪滅流」

 

 

 

賀上梁(かがみ りょう)

 

男性。17歳。黒髪短髪。

頭治と同じ世界忍者。忍者時は「シシガ」と名乗っている。

忍者の流派は「獅子流」

 

 

 

宮木葵(みやき あおい)

 

女性。16歳。青長髪。

唯衣の同級生で生徒会長。頭脳明晰で武道全般の達人。

かなりしっかりしているためによく唯衣などのフォローをする。

 

 

 

凪村號(なぎむら ごう)

 

男性。58歳。白髪短髪。

唯衣の祖父で唯衣の母である友里の父親。

凪村家を大富豪にした人物。

16年前に一度起こったことをきっかけに烈山(頭治の父親)と出会い、仲良くなる。

そのことは頭治と唯衣は知らない。

 

 

 

芥子烈山(からし れつざん)

 

男性。58歳。白髪短髪。

頭治の父であり「日隠流」を教えた師父でもある。

若くして現役を退いてはいるが、実力は今でも一級品であり、世界忍者最強とも謳われている。

頭治が唯衣と会うきっかけを作った人物でもある。

 

 

 

 

 

魔血(まけつ)一族

 

 

正体不明とされる悪の世界忍者の集団。物語開始前から世界をまたにかけ、暗躍している(らしい)。

一族と言っているが血の繋がりがあるのは一部の者だけで、部下(もっぱら戦闘員)は妖術で生み出された鴉天狗の化身。

 

 

 

 

 

とある場所。

そこには広い庭にその中心には大きい屋敷がある。

ここは凪村家の私有地。そこには主に一人の凪村家のお嬢様と専属メイドの女性が一人、そして執事が一人と三人が住んでいた。

その広い土地の中庭では凪村家の令嬢、凪村唯衣が椅子に座って紅茶を飲んでいた。

そこに一人の男執事がやって来る。

 

「お嬢様、紅茶のおかわりを持ってまいりました」

「ご苦労、頭治」

 

頭治と呼ばれた執事に礼を言う唯衣。

 

「これくらい、当然です」

「随分執事業が板についてきてるわね、頭治君」

 

そこに唯衣の専属メイドのユリアもやって来る。

 

「ユリア……そうね。でも出来ればそう言った執事の丁寧な言葉じゃなくて、対等に話してもらいたいわ」

「そうはいきませんよ、お嬢様。執事は執事らしくですよ」

「構わないわ。少なくとも私達三人の時くらいは……」

「そうですか……ではいつもの調子にしましょう」

 

すると頭治はネクタイをほどき、シャツのボタンも開け、ズボンの中に入れていたシャツを出す。

 

「やっぱり少しきついな、この服」

「それが執事としての正装よ。でも……」

「そっちの方が頭治らしいわね」

「おいおい、それってどういう意味だよ唯衣」

 

頭治は少しおどけながら怒った様子を見せる。

 

「そのまんまよ。あなたは破天荒な感じがあってる」

「そうですね。もう半年も前になるわね」

「俺がこの家に始めてきた時か」

 

三人はその時を思い出す。

 

 

話は半年前に戻る。

 

「せいっ! やあっ!」

 

自身の家の道場で木刀を振る。

 

「頭治」

 

そこに和服を着た年配の男が入って来る。

 

「親父!」

 

頭治の父親、芥子烈山である。

 

「頭治。お前に最終試験を与えようと思う」

「最終試験……」

「そうだ」

「それで内容は?」

「ある家からある物を持ち出してもらいたい。ただし誰にも見つからずにな」

「それって……泥棒じゃないのか?」

「大丈夫だ。家長とは話をつけてある。家長はその家には住んでいるわけではないが、後日家の者がないと気付いたら家長が後で話をすると言っているから安心しろ」

「その家長って親父の知り合い?」

「うむ。随分古くからの知り合いだな。それでお前に取ってもらいたいものはこれだ」

 

烈山は懐から写真を出す。

その写真に映し出されているものはダイヤの指輪であった。

 

「これを? 随分高そうだけど、大丈夫か?」

「大丈夫だ。それと場所だが、その写真の裏に書いておいた」

 

頭治は場所の確認をする。

 

「まあ着けばすぐにわかる。ただし期限があるからな」

「期限?」

「明日の午後5時までにここにその指輪を持ってくることだ」

「明日の午後5時って……まるまる24時間かよ」

「ああ。それと始める時間も決めてある。明日の午前10時からだ」

「7時間!? しかもその日って晴れじゃねえか! 今日の夜から大雪が降るってことだから雪で足跡つくぜ親父!」

「これも試練だ。それくらいどうにかしてみせろ」

「……まあ忍者たるものどんな自体にも対処しろ……だろ親父」

「そういうことだ」

 

それから翌日になり、頭治は目的の場所を訪れる。

 

「……でけええ!!」

 

頭治の目の前には広い私有地とその中心に立つ屋敷があった。

 

「あの屋敷まで行くのに時間かかかりそうだな。

とりあえず……」

 

頭治はひとまず屋敷周りを一周したが、一周するのに30分かかった。

 

「人はいないみたいだな。10時よりも少し前に来てよかった……。っても10時まで後30分もない。

とにかく一番侵入しやすい方法を考えないとな。親父は道具を一切使うなと言って手袋以外は持たせてくれなかったもんな。

まあ緊急事態があるといけないからあの装備の持ち出しだけは許してくれたけど……」

 

頭治はぼやく。

 

「柵が高い。とにかく侵入方法は……」

 

すると頭治はその家の近くで何かの工事をしていて、そこにクレーン車があることに気づく。

 

「あれ使うしかないか」

 

そして午前10時になる。

 

「よし、いくぞ!」

 

頭治は近くの工事現場まで一気に走って行き、クレーン車のクレーンに何とか気づかれずにしがみつく。

 

(この高さなら……いけるぞ!)

 

頭治はクレーン車から飛び降り、土地を囲う高い柵を飛び越えて、私有地に侵入する。

 

「侵入成功……この足跡とかを消しながら、進むぜ」

 

頭治は監視カメラなどの死角などをよく見ながら進み、さらには後ろ向きに歩きながら、足跡を雪で消していく。

 

「とりあえず、屋敷の壁に到着。問題は屋敷への侵入だけど……」

 

窓はどこも開いていない。

 

「堂々とじゃないが、正面から侵入するしかないな」

 

すると玄関からは一人のメイドが出てきて、外出していく。

 

「屋敷に入るチャンス」

 

頭治はそのメイドが出ていってすぐに玄関の入り口を数十センチだけ開け、その玄関の開いた上から入っていく。

その動きは忍者と言うより壁や木を動き回る動物のようなものであった。

頭治は上手く屋敷内に潜入。誰にも見つかっていない。

 

「後は目的のもの探しだけど、うまくいくかな?」

 

頭治は物陰に隠れるなどしてうまく警備をかいくぐりながら、色んな部屋に侵入する。

しかし目的の指輪を見つけ出すことが出来ず、ただ時間が過ぎるのみ。

 

「やばい、後2時間……」

 

残り2時間と言うことで焦り始める頭治。その時であった。

 

「きゃあああああああああ!!」

 

突如、窓ガラスが割れると同時に女性の悲鳴が聞こえてくる。

 

「何だ!?」

 

頭治は気になって女性の悲鳴が聞こえてきた部屋の方へと向かう。

 

 

「探せー!」

「探すでやんす!」

 

その部屋には少女一人と窓ガラスを割って入って来た鴉天狗のような者が五人と黒い鬼の仮面を被った男一人と半仮面の鬼の仮面を被った女が一人いた。

 

「あ、あなた達は一体……」

「娘。『銀嶺(ぎんれい)』はどこだ?」

「『銀嶺』?」

「とぼけるな、娘!」

 

半仮面の女がその部屋にいた少女の胸ぐらを掴んで壁に叩きつける。

 

「貴様の家に伝わるはずの懐中時計の『銀嶺』だ!」

「そんなのあるなんて私……」

「知らぬのか。だが我らの姿を見た以上……」

「死んでもらうぞ、娘!」

 

半仮面の女が少女の服をきつく締め、羽交い絞めにする。

 

「あ……ああ……」

 

少女は苦しむ。そこに……。

 

「どりゃあ!」

 

頭治が部屋の扉を蹴破って入って来る。

 

「……だ、誰?」

 

少女は当然頭治を知らない。

 

「貴様、何者だ?」

「てめらこそ何者だ?」

 

頭治は部屋の周りにいる鴉天狗を見る。

 

「そうか……手前らが魔血一族か」

「我らのことを知っていると言うことは貴様も……」

「お察しの通りだぜ」

「こんなところで世界忍者と出会うとはな」

(世界忍者?)

「どうだ? 我らと一緒に……」

「悪いが悪名高い魔血一族には手を貸せねえぜ!」

「そうか、ならば貴様から先に始末してくれる!」

 

半仮面の女が少女を放し、刀を抜いて頭治に襲い掛かる。

 

「おっと!」

 

頭治はその攻撃を避け、半仮面の女をいなす。

 

「人前だけど、緊急時だ。親父も許してくれるだろ」

 

頭治はどこからか出した武装をつける。

その武装は紺色の忍服だが、鎧のように固そうなものだった。

 

「日隠流正統候補。ヤグラ!」

 

頭治はヤグラと名乗る。

 

「やれ!」

「きぇええええ!!」

 

ヤグラに鴉天狗達が襲い掛かってくる。

 

「ふん! とりゃあ!」

 

ヤグラは背中に背負う刀「閃光神堂剣」を取り、鴉天狗達の攻撃を防ぎ、攻撃する。

 

「ぎゃあああ!」

「てりゃあああ!」

 

それでもさすがに狭い場所で敵の方が人数が多い。

 

「仕方ない。閃光神堂剣!!」

 

ヤグラが刀の名前を叫ぶと閃光神堂剣の刀身は光り輝きだす。

 

「でやああああああ!!」

 

ヤグラが鴉天狗達を全て斬ると鴉天狗達は光となって消滅した。

 

「次はお前達の番だ」

「くっ……」

「今は退くとしよう。だが必ず……」

 

仮面の男と女は最初に侵入してきた窓ガラスの方から脱出した。

 

「ふぅ……」

 

ヤグラは閃光神堂剣を背中の鞘に納める。

 

「あなたは一体……」

「親父……ばれちまったよ」

 

 

それから頭治の呼び出しで烈山がやって来、さらに烈山の連絡を受けて家長も後でやって来るとのことだった。

そこには頭治に烈山、頭治が助けた少女と専属のメイドが一人いた。

 

「なるほどですね……あなたは唯衣のお爺様の古くからのお知り合いで……」

「あなたがその子供ね」

「信じてもらえないかもしれんが、そう言うことだ」

「親父、すまねえ。正体ばらしちまったぜ」

「いや、人命が関わっている以上仕方あるまい。それで號の方は……」

「もう間もなくかと……」

 

するとそこに烈山と同い年くらいの男がやって来た。

少女の祖父である號である。

 

「爺様」

「お爺様、この二人の言っていることは本当なのでしょうか?

この方がお爺様の知り合いで、あの方がお爺様に頼まれたものを取りに来たのは……」

「本当じゃ。ところで指示した物は見つかったかの?」

「実はあのどさくさでね……」

 

頭治はポケットから試験の課題だった指輪を出す。

 

「それ……返して!」

 

少女は頭治から指輪を取り上げる。

 

「どうしたんだよ?」

「これは母さんの結婚指輪よ!」

「ええ!? 親父、なんてものを俺に取りに行かせようとしてるんだよ!」

「いや、それを取りに行けと言ったのは號だぞ」

「爺様が?」

 

少女とメイドは號の方に顔を向ける。

 

「なんで爺様がそんなことを?」

「探しておったのじゃろ……」

「ええ。どこかになくなってたと思ったけど……」

「本棚の近くに落ちてたぞ」

「そんなところに……」

「礼を言うべきなのか、泥棒に入ったのを怒るべきか……」

「そこは任せる」

「…………」

「なあところでさ親父、俺の試験どうなるんだ?」

「目的のものを取って来たのはいいが、人に見つからずの禁を破った。

その時点で試験は失格だ。だが……人命を守り、魔血一族を追い払ったことは評価に値する。

試験は失格、だがお前を日隠流の正統としよう」

「ほんとか、親父!」

 

頭治は喜ぶ。

 

「それで唯衣、お前は礼を言うのか? 怒るのか?」

「決めたわ」

 

唯衣と呼ばれた少女は立ち上がる。

 

「あなた、私の執事になりなさい」

「は? なんで?」

「あなたに礼を言うか、怒るかはもう少し時間をかけることにした。

それに……興味あるからね、その世界忍者というものに……」

「忍者になりたいのか?」

「いいえ、ただ興味があるだけよ」

「……どうしようか」

「……頭治、執事をやれ」

「親父!?」

「銀嶺というものを狙って魔血一族がまた来る可能性が高い。ならばまたその子が狙われる可能性もある。

頭治、お前は執事をかねて護衛をしろ。そうすれば……」

「なるほどな。……それに正統候補から正統になっての初めての仕事にもなるな」

「そう言うことだ」

「それじゃあよろしくな」

 

頭治も立ち上がり、唯衣に握手を求める。

 

「執事が仕える主人に握手を求めるもの?」

「あら?」

「これは少し教育と心得を教える必要がありますね」

 

メイドが苦笑いする。

 

「私の名前はユリアですわ」

「よろしく」

 

頭治とユリアは握手する。

 

「…………」

「どうした? 號?」

「その魔血一族は銀嶺を狙っていると言ったのか?」

「はい」

「それはどこにあるんだ?」

「実は……儂も分からん」

「へ?」

「わからんと言うと……失くしたって事か?」

「失くしたと言うよりは盗まれたと言うべきだな。16年前に」

「16年前……」

「私の生まれた年、もしかして……」

 

唯衣は嫌な予感がしていた。

 

「お前の考えている通りじゃ。お前の父のカイル・ハイムが盗み出したんじゃよ」

「なんで?」

「そこまでは知らん。そんでその後の奴の消息は不明じゃ。今もな……」

「…………」

「ショックか? 唯衣」

「ショックだけど、生まれた時から父と会ったことないからあまり実感がわかない」

「そうだろうな。まあとにかくはそう言うことだ」

「……それをヤツ……魔血一族の長である潔斎は知らんだろうな」

「潔斎?」

「魔血一族の首領、魔血潔斎のことだ。鬼の仮面をしていなかったか?」

「ああ、あの黒いの……」

「そう言えばもう一人半仮面の女と鴉天狗もいたわ」

「女の方は恐らくは奴の娘、魔血霞。鴉天狗達は妖術で生み出されたものだ。

いくら倒しても時間を置けばまた新しく生み出すことは可能だ」

「また出てくるのかあの鴉天狗」

「もっぱら偵察が目的だがな。とにかくは……頭治」

「わかったよ。……ところでこの家ってなんて家だ?」

「凪村よ」

「凪村……ああ、あの金持ちの家か」

 

こうして頭治は凪村家の唯衣の執事として迎えられた。

 

 

「この半年の間にまた色々なことがあったわね」

「ああ」

 

頭治と唯衣は思い出す。

唯衣の通っている学校の教室を見てみたらまさか自分と同じ世界忍者の人間がいたり、頭治の幼馴染の女世界忍者が押しかけてきたり、魔血一族に騙されてきた世界忍者と戦ったりなどもした。

 

「でもいまだに銀嶺って言う懐中時計見つからないわね」

「もう壊れちまったのかな? というか魔血一族はそれをなんで探してるんだろうか?」

「さあ~? お爺様は高価なものとしか認識してませんでしたけど……」

「ただの高価なもので血眼になって探すものか?」

 

頭治の言うとおりである。

いくら高価でこの世に一つしかないものであろうと、よほどのマニアでない限りは探す理由にならない。

金になるものなら探せばいくらでもあるのだから……。

 

「それは首領に聞いてみないとわからないわ」

「だよな~」

 

そんな時屋敷の電話と繋がっているユリアの携帯電話が鳴る。

 

「失礼」

 

ユリアは電話に出る。

 

「もしもし凪村ですが……え? わかりました」

 

ユリアはしばらく電話相手と会話し、電話を切る。

 

「唯衣」

「どうしたの? ユリア」

「唯衣のお父様になるカイル・ハイムの遺品が見つかり、引き取りに来てくれと言うことです」

「え?」

 

それは衝撃的なものであった。

それとほぼ時を同じくして、魔血一族の隠れ家では……。

 

「何!? 銀嶺が見つかった?」

 

潔斎は霞の報告を受けていた。

 

「は、鴉天狗達の報告によりますと、銀嶺はアメリカのニューヨークにあるそうです。

ただ、警官達とシェルターによる厳重な警備があり、簡単には獲れないとのこと……」

「そうか……」

「父上、どうなさいますか?」

「知れたことを獲りに行くまで……、だがそれだけの警備となるとこちらも策を弄する必要があるな」

「……そう思いまして、既に私が手を打っておきました」

「ほぅ……してどんな手をだ?」

「それは……」

 

霞は何かを潔斎に伝える。

 

「面白い。これで銀嶺がようやくこの魔血一族のものになるぞ……ふふふ、はははははは!!」

 

潔斎は大いに笑うのだった。

 

 

 

 

 

 

忍者大戦ヤグラ  ここに開幕!


 
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