…ファンガルドにはそれぞれの種族が入り乱れている。
当然文化もそれぞれ違う。そして年末の過ごし方もやっぱり違う…。
ここ、九段下久遠の住むアパートの一室では…。
「クオンー、こんにちわー」
「あ、シオン姉ちゃんにリオン、こんにちわー」
入ってきたのは彼女の姉妹ロボットである九段下詩音と九段下璃穏である。
彼女たちは年末は姉妹3人で過ごすのがお約束になっているようだ。
コタツを囲み、ミカンをほおばりながら過ごす三姉妹。
「…いやぁ、今年も一年大変だったわよ。違反車が多くてさ…中央分離帯ぶち破って逆走よ逆走」
「うわー…そりゃまたハタ迷惑な…。リオンはどうだった?」
「マンホールの中に張り付いてたら足滑らせて下水の中に落っこちたっけなー。もうクセェしキモチ悪りぃし最悪だったぜ」
「クオンは?」
「あー…この一年で一番辛かったといえばお腹に穴を空けられて死にかけたことかなぁ…」
思い思いの話を進めていくうちに、辺りはすっかり暮れていた。
「と、もうこんな時間かー。じゃぁそろそろ始めよっか」
「あぁ…そーだな」
「アレの時間ね」
三姉妹の言う『アレ』…その答えはすぐに判明した。
台所でクオンが大きめの鍋を用意し、何かを茹で始めた。
…それは地球・ニホン地域発祥の料理である『ソバ』。そして今日は12月31日…。
やがてソバが茹で上がった。コタツの上には天ぷらも用意されている。
「おお!やっぱ大晦日は年越しソバだなっ!」
「そうそう。やっぱりコレがなきゃ一年締まらないわよねェ」
「それじゃあ今年一年、お疲れ様。来年もいい年になりますように…」
三姉妹は年越しソバを食べながら…ゆったりした時間を過ごした。
テレビは年末特番。次々に繰り出される超人芸のオンパレードが映し出されていく…。
やがて画面が切り替わり、カウントダウンが始まった。
『さぁ、新年まであと10!9!8…』
「いよいよだね…」
三人の視線はテレビに釘付けだ。もうすぐ一つの年が終わる。
そしてまた、新たな年が始まるのだ…。
『…3!2!!1!!ゼロ!!明けましておめでとうございます!!』
Tweet |
|
|
4
|
2
|
追加するフォルダを選択
気づけば年末だったので。
◆出演
クオン:http://www.tinami.com/view/372605
シオン:http://www.tinami.com/view/380011
続きを表示