凪SIDE
「そんな・・・・・!」
悲鳴にも近い声を上げる沙和。
そして、俯き、悔しそうに拳を握り締める真桜。
真桜の言葉を聞いた私も、どうやってここを切り抜けるか考えようとするが、全く持って何も浮かばない。
それどころか、最早、絶望すら感じていて、頭には自分が、沙和が、真桜が、仲間が、村のみんなが、次々に殺されていく姿が鮮明と浮かび上がる。
(ここで退けば、村のみんなを見殺しにしてしまう。しかし、ここで退かなければ、我々も・・・・・・・ッ!!)
最悪なる悪循環。考えれば考えるほど、泥沼に沈んでいくような息苦しさ。
そして、こうして自分たちが立ち止まっている間も、次々に殺されていく仲間を思うことからくる重圧。
そして、死への恐怖。
全てが私に重くのしかかっているようで、動くことができないでいた。
沈黙。
戦の喧騒のなか、大量の敵に対する術を持たない私たちは、沈黙するしかできなかった・・・・・
華琳SIDE
「申し上げますっ!近くの村が賊の大群による攻撃を受けておりますっ!!」
玉座の間に駆け込んできた兵士がそういった。
「なに?」
冷静にそう返したのは、私の臣下の一人である秋蘭だ。
「華琳様!すぐに向かいましょう!」
と、戦う気満々といった表情で私に言ってきたのは、春蘭。
「そうね、その村を見捨てるわけにはいかないわ。でも、その前にもう少し情報を集めてからよ」
そう春蘭に返した、私は、その兵に尋ねる。
「で、その情報はどこから?」
「はっ!その村に義勇軍が向かったらしく、その軍の何名かが傷を負ったままこちらへとやって参りました。」
「では、その者たちには休息を取らせてあげなさい。」
「はっ!」
そうして、その兵は玉座の間を後にした。
「桂花!春蘭!秋蘭!」
「「「はっ!」」」
「すぐに出立の準備を!」
「「「御意!」」」
そう三人に命じた私は、玉座を離れ、戦の準備を始めた。
凪SIDE
どうすればいい。どうすればいい。どうすればいい。
考えても考えても、その答えが出る事はなかった。
どれだけ敵を倒しても、まるで無限に存在するかのごとく、賊の数は減らない。
むしろ増えている気がする。
それもそのはず、近くにいた他の賊たちもその利を得ようとして、集まってきているのである。
もはや私も、沙和も、真桜も、戦い続けるだけの力は残っていない。
立っているのもやっとだ。
しかし、賊の勢いは衰える事はなく、何度も剣を叩きつけてくる。私はともかく、真桜と沙和はもともと戦いが得意ではない。
ここまで立っているだけでも、すごいといえる。
しかし、それでも限界があった。
「きゃっ!」
甲高い金属音と共に沙和が声を上げた。
武器を弾き飛ばされてしまったのだ。
「沙和っ!」
思わず、沙和の方を向いてしまった。
「っ!凪ちゃん!前なの!」
それがいけなかったのか、顔をもどすと、賊が今にも私を切りかかろうとしていた。
「くぅっ!!」
とっさに防御し、なんとか防ぐことはできた。しかし・・・・・・・
「なっ!?」
無理やり防御体制にはいったためか、そこで体制を崩してしまい、地面に後ろから倒れこんでしまった。
「凪っ!」「凪ちゃん!」
なんとか立ち上がろうとするも、疲労のせいで、足にうまく力が入らない。
(ここまで・・・・・なのか?)
上を見上げると、賊の一人が勝ちを確信した顔で剣を振り上げていた。
(すまない・・・・沙和・・・・真桜・・・・)
そして、まるで世界が遅くなったかのように、ゆっくりと剣を振り下ろした。
そこで私は、自らの死を確信し、目を閉じた。
そのとき、自分のすぐ真横を、風が駆け抜けた。
あとがき
どうも、暇神です。
今回は一刀はお休みです。
はい、というわけで今回の話ですが、とりあえず華琳達をぶっこんでみました。
華琳様が、近くに賊がいるのに気付かないわけがありませんからね。
しかし、無理やりねじ込んだからか、ものすごく不自然ですね・・・・・(汗
もう少し何とかできなかったのかと思うかもしれませんが、すいません。
今の自分の文章力じゃ、あれが精一杯です。もっと上達するようにがんばります。
えー、話は変わりますが、
前回、あとがきにていきなりアンケートを取らせていただきました。
その結果が出ましたので、発表いたします。
アンケートの結果、
亞沙と音々音に決まりました!!
アンケートに答えてくださった方、(特に音々音に入れてくださった方)←個人的感情
お答えいただき、ありがとうございました!!
それでは、ここらへんで、
次回も、
お楽しみに!!
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第六話目です。
年を越す前に投稿が間に合って良かった・・・・・
前回のいきなりのアンケートに答えていただいた方々。
ありがとうございました。とりあえず、前回のコメント欄にもかきましたが、後書きでも結果をお伝えしようと思います。
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