episode97 全学年トーナメントその3
そうしてトーナメントも中間に差し掛かった。
三日目でエリーナと隼人が対決して、隼人の戦略でエリーナは武器全損となって敗北。次に箒と一夏が対決して、善戦して一夏が勝利を収めた。
『さぁて!!今日も波乱の予感がする全学年トーナメント四日目!!続いての対戦はこちら!!』
と、巨大モニターに対戦表が表示された。
『ここまで難なく勝利を収めてきた神風選手とボーデヴィッヒ選手の対決です!!』
アリーナ内にはバンシィ・アサルトⅡを纏った隼人と、シュヴァレツェア・レーゲンを纏ったラウラが居た。
『しかもこの二人は師弟関係という事もあり、まさに師弟対決となります!!果たして弟子は師匠を超えられるでしょうか!?』
「ようやくラウラと対決か」
「そうですね。待ちわびましたよ」
隼人とラウラは通信をして試合開始を待っていた。
「ラウラ。本気で掛かって来い」
「そのつもりです、師匠」
『それでは、試合開始です!!』
そして試合開始の合図であるブザーが鳴り響くと、二人は同時に一気に飛び上がった。
ラウラはレールカノンを正面に向けて放つも隼人は身体を少しずらしてかわし、両腕のビームトンファーを展開してラウラに飛び出した。
ラウラはプラズマ手刀を出すと向かってくる隼人に向かって行き、両者同時に両腕を振るって刃を交えた。
そのまま両者は一旦離れると再度刃を交え、メビウスの輪を描くように飛んで刃を繰り返して行った。
そして数回刃を交えた時に、隼人はラウラを押し返して左腕のビームトンファーを突き出すもラウラは一気に上に飛び上がってかわして隼人の背後に立つ。
「これで!」
ラウラは右手を前に出すが、隼人は振り向き際に右手でラウラの右手を弾く。
「くっ!」
「甘い!」
隼人は左腕のアームドアーマーVNを突き出すもラウラはとっさに後ろに下がると非固定ユニットよりワイヤーブレードを二基射出して切り掛かる。
隼人はワイヤーブレードをかわすとビームトンファーを振るってワイヤーを切断する。
しかしその直後にラウラがレールカノンを放ったが、隼人は右腕のビームトンファーを振るってレールカノンの弾丸を切り裂いた。
「さすがです!」
ラウラはプラズマ手刀を振るって隼人に接近して振るうが、隼人はビームトンファーで受け止めた。
「ふん!」
隼人はラウラを押し返すと右手にハイパーバズーカを展開して弾頭を放った。
ラウラはレールカノンを放って撃ち落すと、その直後にワイヤーブレードを射出するも隼人はアームドアーマーVNを展開して振るうとワイヤーを切り裂いた。
『試合開始早々激しいバトルとなってきました!!これは見逃せないぞ!!』
「まだです!」
ラウラはレールカノンを連続して放ったが、隼人はトンファーを振るって切り裂いて行った。
しかし連続で起きた爆風で隼人は少しバランスを崩す。
するとラウラは直後に一気に飛び出すと、瞬間加速を掛けて隼人の懐に入った。
「これならば!!」
そして右手を前に出してAICで隼人の動きを止めた。
「っ!」
AICで隼人は動きを止められた。
そしてラウラはレールカノンを隼人に向けた。
「この距離で撃つのか!」
「多少のリスクは承知の上です!」
ラウラはガコンとレールカノンのリボルバー式の弾倉を回して、かなり近い距離でラウラは弾丸を放った。
「くっ!」
そしてバンシィに弾丸が直撃して爆発し、ラウラは爆風と衝撃で吹き飛ばされた。
『おぉっと!!ボーデヴィッヒ選手の捨て身の戦法が神風選手のバンシィに炸裂した!!これは効果抜群か!』
(徹甲榴弾はこの距離で使うべきではないが・・・)
爆風と衝撃で、レーゲンのシールドエネルギーは少し削られてしまった。
「だが、これならば」
と、爆煙が晴れると――――
「っ!?」
すると煙の中から金色の光が放たれると、デストロイモードに変身したバンシィが姿を現した。
「中々やるじゃねぇか、ラウラ!!さっきはさすがに効いたぜ!」
と、さっきの攻撃で隼人は何かのスイッチが入っていた。
「そんな!?あの攻撃を受けて無事で居られるはずが!?」
「無事じゃ済んでねぇが、あのくらいなら想定範囲内さ!」
隼人は一気に飛び出すとビームトンファーを振るい、ラウラはとっさにプラズマ手刀を交差して前に出すがそのまま吹き飛ばされる。
ラウラはとっさに下降してアリーナの地面に着地すると、すぐに隼人も地面に着地した。
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
隼人は地面を蹴って飛び出してビームトンファーを振るうが、ラウラは横に飛んで斬撃をかわし、レールカノンを放ったが、隼人は右手にバックパックのビームサーベルを抜き放つと同時にブーメランのように放り投げて弾丸を切り裂き、そのままレールカノンの接続部を切り裂いてカノンを切り落とす。
「くっ!」
ラウラはとっさにレールカノンから離れるとカノンは爆発して、そのまま地面を蹴って隼人に向かって飛び出すと、プラズマ手刀を突き出した。
しかし隼人は向かってくるラウラの非固定ユニットに両手を置くと、そのままラウラの上で逆立ちをした。
「え・・・?」
ラウラは一瞬唖然とするが、その直後に隼人はそのまま後ろの方に倒れてラウラの背中に踵落としをした。
「ぐっ!?」
それによってラウラは前のめりに倒れそうになるが、何とか体勢を立て直して後ろを向く。
しかし振り向いた時には隼人は目の前に来て、左腕のアームドアーマーVNを突き出してラウラの腹部を殴りつけた。
「っ!?」
ラウラはそのまま後ろに吹き飛ばされてアリーナの壁に叩き付けられる。
「悪いな!!
そして隼人は一気に飛び出してラウラの腹部にアームドアーマーVNを叩き付けた。
「――――!」
ラウラはその直後に気絶して、シュヴァレツェア・レーゲンのシールドエネルギーが尽きた。
『決まった!!神風選手、大ダメージを受けるもボーデヴィッヒ選手を撃破!!』
「・・・・」
(相変わらずえげつないわね・・・隼人)
ピットのモニターから鈴は戦闘を見ていた。
(ってか、ちょっと性格変わっていたし)
鈴は「はぁ」とため息を付いて呆れる。
「さてと、そろそろ準備でもしますか」
と、鈴は甲龍を展開した。
その仕様は以前より大きく変化していた。
何も無かった両腕部にはそれぞれ違うが、新装備が施されており、左腕には小型の衝撃砲を搭載し、右腕には腕部下部に小型コンテナが搭載されていた。非固定ユニットも左右それぞれ異なり、右側の衝撃砲は収束型であり、左側の衝撃砲は拡散型に換装されていた。
「あたしの次の相手は・・・」
鈴は対戦表を見ると――――
「・・・簪、か」
鈴の次の対戦相手は簪であった。
(ちょうどいいじゃないの。どっちが上で、隼人にふさわしいか、確かめれる。そしてあたしが勝てば・・・隼人だってきっと・・・)
鈴の瞳には闘志がみなぎっていた。
「おつかれさま、隼人」
そうして鈴とは向かい側のピットに待機していた簪が帰還してきた隼人を出迎える。
「あぁ」
隼人はバンシィを解除した。
「簪は次の試合があるのか?」
「うん」
「そうか。頑張れよ」
「頑張る」
そうして準備が終わって簪はピットから飛び出してアリーナに入る。
「・・・・」
隼人はピットの奥に進んでモニターに表示される対戦表を見る。
(簪の対戦相手は・・・鈴か)
隼人はため息のように一息吐いて対戦表を見る。
後書き
今回もなぜかラウラが悲惨な目に…。狙っているわけではないのですが…うーん。
次回はある意味ヒロイン対決?
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!