No.523271

デート・ア・ライブ 漆黒と邪霊のファンタジア

さん

夏にネプテューヌのアニメ放映!
やあぁぁぁぁあほぉぉぉぃ!!!!

2012-12-25 23:17:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1491   閲覧ユーザー数:1406

「………マジか」

 

この世として存在する最大の惨禍と壮絶な戦いを繰り広げ互角という結果になり、そのあとAST部隊という超人軍隊に連行され、ちゃっかりこちらに都合のいい情報を頂いた紅夜は目の前の惨状に呟いた。

彼が見たのは、家だったものだった物だ。

それは、今日初めて訪れたこれから素晴らしい記憶が、詰め込まれる予定であった家が瓦礫当然となっていたのだ。

紅夜は、呆然とその悲劇が起こった後の惨状に口を開くしかない。

 

「……………」

 

ぽかーん、として表情から数分後、紅夜はようやく現実を受け入れた様に頭を振り回した。

 

「………はぁ」

 

よくよく考えれば、世界の惨禍である邪霊が出現する際に起きる極大の空間震を相殺したとは言え、紅夜と邪霊はその後、人智を超えた壮絶な戦い遊び(・・)をしたのだ。

そこらの精霊の空間震より、その戦い(遊び)のほうが圧倒的に被害が広がっている。

事実、紅夜の家のお隣さんやそのお隣さんも、家としての原型がなくなるまで破壊されているのだから。

 

「…………ん?」

 

何か気配を感じて、夕闇に染まっている空を仰いだ。

そこには、大きな翼を広げて降下してくる鳥の様な何かだ。

遠目で見ても、羽らしきものはない、そして目がどこにあるのかすら分からないほど真っ白だ。

 

「式神…?、あいつからか?」

 

ふっくりと真っ白の鳥もどきは、紅夜の肩に降りた。

 

「……………」

 

凄まじくメンドクサイことを書かれていそうだと思いながら、紅夜は鳥型の式神を掴んで、その手の怪力で潰す。

潰された式神を整形していた液体は、地面に落ちるわけではなく摩訶不思議な力で動かされ、虚空で浮かぶこの世界ではない文字を生成する。

 

「えーなになに……」

『早速接触したそうだね。紅夜のことだから助けるとか生温い優しさ感情を出しているでしょうが、……ああ、関係ない話はどうでもいいね。えっと、直線的に言うと保険に加入していませんでした。』

 

 

 

「………………………はっ?」

 

今一、意味が分からなかったからもう一度。

 

『今紅夜は謎の顔になっているだろうから補足だよ。精霊ってあれは地震や津波という災害の位置だからね。建物などが破壊され、保険に加入すれば当然お金が降りてくるだろうけど、うん……忘れていた。テヘッ☆』

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?!?!?」

 

喉が潰れんばかりの絶叫。

 

『まぁ、君には優秀な下僕がいるだろうし結果オーライだよね。神様って言っても全知全能じゃないからねー。って言うかそもそも全知全能なんて存在していれば、神なんて一人で十分だよね?』

 

全くどうでもいい話である。

 

『まぁ、頑張ってね(ハートマーク)。あとこれを全部見たころに爆発するから』

「なっーーーー」

 

ドカーン。と地雷を踏んだような夕闇の空に爆発音が響いた。

 

「……………」

 

砂煙から現れた紅夜は無傷だった。

刹那の間に黒の狂気(ミイヴルス)を具現させ、盾にすることで爆発から体を守ったのだ。

無言で、夜になっている空を見ながら紅夜は一つの決意をする。

 

ーーーあいつを一発、殴るっ!!!。と

 

 

「はぁ………」

 

深淵色が見えるほどのふかーい陰気を感じさせるため息をしながら、紅夜は後ろ腰に手を回す。

そこには、何重に鎖で縛られた本があった。

それは、黄金で装飾され、紅い筋のようなものが血管の様に広がり中央には、人間の眼らしきものがある。その眼は生きているかのごとく、周囲を険しく見ている。

紅夜は、その本を手に取り表示に魔力を流すと鎖が主人を歓迎するように消滅し、ページが開かれる。

 

「ーーー手伝え、シュゴス」

 

特定のページを開き、口元まで持っていき呟く。

召喚に必要な魔力をその邪悪な本ーーー『死霊秘法(ネクロノミコン)』から吸収されていき、紅夜の中心に魔法陣が展開させ、そこから何かがボコボコとあふれ出す。

既に太陽は沈み、漆黒の夜空となった下で、不気味な光を放ちながら、この世界には存在しない異形の化物が姿を現し、

 

『テケリ・リ!』

 

独特の産声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んーーーっ」

 

カーテンから差し込んだ朝の陽光に目を擦る。

霞んだ目線でモソモソと最寄りの目覚まし時計を探して手に取る。

 

「あぁ、まだ大丈夫だな。」

 

今日は四月十日、月曜日。

紅夜が初の学校生活を始める記念すべき日だ。

自室のベットから降り、知覚に置いてあるタンスを開けるとそこには、綺麗に畳まれた制服が仕舞われている。

 

「俺が…学校か……」

 

自身の過去を思い出せば、学校なんて遠すぎる所だと思っていた紅夜は少しだけ嬉しそうな顔して制服に手を通す。

 

「……そういえば」

 

制服に着替えながら紅夜はここまでのことを思い出す。

シュゴスというスライムのような魔物と協力して自宅を直していると、陸上自衛隊らしき集団が来て大急ぎで逃げて頃合いを見て、場所へ戻ると崩壊していた自宅が綺麗さっぱり治っていたことに驚愕したり、精霊又は邪霊探しにこの星を回っていると双子の精霊と出くわし、どっちが奴を先に仕留めれるかという勝負で追い回されたり、ある精霊には「あなた、美味しそうですわ」と言われいきなり襲われたりーーー紅夜の心境では、精霊もかなり恐ろしい(性格的に)と記憶した苦い経験が生まれた。

 

「……そういえば、十禍以外にまだ邪霊と会ってないな」

 

いつになったら会えるんだろう。と不謹慎なことを紅夜は考えている。

精霊もだが、邪霊も姿を現す時に発生する空間の地震、空間震の威力は凄まじい。

十禍のときは、紅夜がいたからこそ空間震への被害は少なかったが、互いの戦いでは街が街として形が無くなるほどの激闘を繰り広げているからだ。

 

「主人、朝ご飯ができました」

「あぁ、分かった」

 

思考に沈んでいるとコンコンと慎ましいノック音に現在に戻される。

入学式に色々なプリントが貰えることを予想し、教科書類も入れるための手荷物バックを持ち、急いで自室のドアを開け、一階に降り台所に向かう。

 

「おはよう、ニア」

「おはようございます」

 

そこには、絶世の美女がいた。

壁画でも描かれていそうな慈悲深い女神の様な容姿に、自然を想像させる美しき長髪、服装こそは普通のエプロンだが、朝日に反射してみせる髪の色や容姿は一層彼女の美しさを彩っている。

 

「今日はいよいよ通学日です。忘れ物はありませんか?」

「大丈夫。昨日ちゃんと準備したから、それに今日は入学式だぞ?いわば顔合わせなんだから、ぶっちゃけ制服を着て、身を証明できるものさえあれば大丈夫だろ」

 

そう言って、紅夜は小さく欠伸をした。

 

「そんな意識ではダメダメです。常に清楚な心を忘れず、己が学生であることを自覚してください!」

「へぇへぇ、分かったよ」

「返事は”はい”です!」

「……はい」

 

相変わらず真面目な奴だと、紅夜は心の中で呟きながら食卓に置かれたいい匂いがする食事に目をやる。

 

「では、偉大なる白痴の神に恵みに感謝して、いただきましょう」

「……………」

 

とりあえずあの破壊と創造を無限に繰り返す混沌を崇める価値なんてあるのか?どちらかと言えば黒山羊を生み続ける女神の方がまだ理解できる。っと紅夜は口から出そうになったが、言ったら小言の旋風で下

手をすれば朝飯抜きとか言われそうなので、心の中に突っ込みを封印した。

 

「いただきます」

「いただきます」

 

まずは味噌汁を頂く。

絶対にこの世界に存在しない具材を入っているが、紅夜は何も言わない。おいしければもういいのだ。(諦めている)

 

「んー。いい味噌を使っているな。あぁ、詳細は言うなよ。朝からSAN値を下げたくない」

「はぁ…?」

 

ニアは真面目な性格ゆえに先に封殺しておくと絶対に言わない。

とりあえず、ご飯くらいは普通のご飯であってほしいと願いながら紅夜は頬張る。とりあえず美味しかった。

 

パシッ

 

「あいたっ」

「食事中にテレビは邪道です」

 

今日の天気くらいは見てもいいじゃないか……と紅夜は内心呟き、新聞を見ようと手を伸ばすが、

 

パシッ

 

「食べる時は食べる。減り張りをきちんとしましょう」

「………はい」

 

二度同じところを叩かれたところを抑えながらこの真面目魔物!と紅夜は心の中で訴えた。

口では勝てないことは分かっているので、紅夜はこんな子供染みたことしかできない。哀れ

 

「ごちそうさま」

「おそまつさまでした」

 

食事を済ませたところで要約紅夜はテレビを付けることが出来た。

テレビ時間を見るとまだ余裕があるため、そのままニュースで天気予報を見る。

 

「今日は晴れか……」

「布団を干すにはちょうどいいですね」

「そうだな……そうだ、ニア」

「はい、なんでしょうかご主人」

「付き合ってくれ」(買い物に)

 

ドアァァン!!!ーと朝の穏やか空気は容易く破壊された。

 

「なっ、なぁぁ……、わ、私は、主人の忠実なる下僕で……そのようなことは…け、決して、許さないです!!あ、で、でも……主人が……こんな穢れた私で、良ければ…」

「…………痛い」

 

例え下僕レベルでも魔物は魔物、紅夜の驚くべき発言に吃驚仰天、その人間離れた怪力で机はひっくり返り紅夜の顔面に直撃した。

 

「は、はわわわ!。大丈夫ですかご主人様っ!!!」

「…鼻が折れるかと思った」

「おのれっ!まさかこの家に主人の命を狙うトラップが!?」

 

お前の所為だよ。誰かどう見ても突っ込みしたくなるこの現状に紅夜は、ため息を付いた。

良かったのは互いに食事は終わっていることだろう。下手をすれば大急ぎで予備の制服に着替えなければならない羽目になる所だったのだから。

 

「はぁ、もういい、ニア。今日は午前で帰れると思うから、その時に買い物行かないか?」

「えっ………あのそれは、その……デートのお誘いですか…?」

「ん…?あぁ」

 

後半が聞こえなかったが、紅夜はとりあえず頷いた。

 

「行ってきます」

「主人とデート…!主人とデート!…」

 

何やら壊れたラジオの様に同じことを繰り返して呟くニアを無視して、紅夜はこれから始まる学校生活に期待と不安を抱きながらドアを開けた。

 

 


 
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