これはある復讐の物語。
「5月22日、パンツロボを壊したのは貴様だな!」
パンツを頭からかぶり、さらに別のパンツを口を覆うマスクにして被る謎の少年。
そして服には「T」と書いてあり、どこかのヒーローチックなスーツを着ていた。
その変態的な少年は一人の男の胸ぐらをつかむ。
「し、知らねえよ」
「嘘をつくな!」
変態少年は男を壁に叩きつける。
「ほ、本当だよ。俺はその日は麻雀してたんだ。これが証拠だ」
男はその時の記念写真を見せる、日付もその年の5月22日と書かれていた。
「ち、こいつじゃなかったか」
その時、変態少年のパンツの一枚からタイマー音が鳴り響く。
「いけない、スーツの持続時間が……」
変態少年は男の胸ぐらを離す。
「とおっ!」
変態少年はジャンプする。
「トバットアターーーック!!」
そう言う名の飛び蹴りをくらわせ、男は倒れ、気を失う。
「パンツロボ……」
変態少年は顔を隠す二枚のパンツを取る。
「お前の仇はどこにいるんだ!?」
少年、桜井智樹は叫ぶのだった。
そらのおとしもの 快傑トバット
物語は5月22日より前から始まる。
「よし、完成したぞ!」
少年、桜井智樹はあるロボットを作り出した。その名はパンツロボ。
女性のパンツを外装としているが、自転車や人型ロボットに変形するという内部は何できているか作った智樹本人でさえよく分かっていない。
パンツロボは智樹の意思に合せるように動き、智樹と一緒に女性へのセクハラ、覗き、盗撮なども一緒にやっていた。
しかし5月22日にあることが起こった。
それは智樹がパンツロボを自転車モードにしてツーリングをしていた時のことだった。
「今日は少し行った町で女湯を覗くぞー!」
智樹が活きこんでパンツロボをこいでいると…………。
「!!」
パンツロボは突如スピードを上げる。
「ど、どうしたんだ? パンツロボ!?」
智樹の命令を無視してパンツロボは進む。
その先には明らかにスピード違反のバスがまっすぐ進んでいた。
しかしそのバスは明らかに様子がおかしく、乗客だけでなく運転手も混乱していた。
「パンツロボ、何する気だ!?」
パンツロボはバスにのたどり着く直前に人型にチェンジし、智樹を強制的に降ろす。
「いて」
そしてパンツロボはバスの前に立ち、バスを止める。
パンツロボは何メートルも後ずさりしながらもバスを何とか止めることに成功した。
バスの乗車口が開き、そこから乗客と運転手が降りてくる。
「ああ、ありがとうございます」
「あなたのロボットがいなければ今頃は……」
乗客たちは智樹に感謝するが、智樹はそんな場合ではないという状態だった。
「パンツロボ!」
智樹は急いでパンツロボのところに駆け寄る。
パンツロボの腕からは煙が噴き出しており、オーバーヒートを起こしていた。
「すぐに直してやるからな!」
智樹はパンツロボを連れて、家に帰ろうとする。
「けど、なんであんなスピードでバスが動いてたんだ?」
智樹が運転手に尋ねる。
「わかりません。いつも通り、運転していたら突然……」
「? まあ、そこは警察に任せるか」
智樹は家へと戻った。
どこかの場所では……。
「パンツロボの破壊に失敗したのか」
「申しわけございません」
前髪のせいで目元が見えない男が偉そうに椅子に座っており、その男の前には極道チックな男が一人いた。
「申しわけございませんではないだろ!」
男は立ち上がり、極道な男を殴り飛ばす。
「す、すみません」
「だが、パンツロボも無事ではなかったみたいだからな……」
「……わかりました!」
極道な男はその部屋からすぐに出て行った。
「我らの邪魔をする者はなんとしても排除する」
男はまた椅子に座る。
智樹の家ではパンツロボの修理が行われていた。
「あと少しだ、あと少し直るぞ。パンツロボ。
直ったら今度こそ、女湯を覗きに行くぞ」
しかし、それは叶わぬ夢となる。
突然智樹の家に謎の男と一緒にいた極道の男が殴り込みにやって来た。
「パンツロボーーーーー!!」
「お前は、大連組の組長!」
「覚悟ーーー!!」
大連組組長はナイフを持って襲撃したが、智樹は見事に返り討ち。
組長は逃げようとする。
「待て!」
智樹はそれを追う。
しかしその後ろからマシンガンの銃撃が飛んでくる。
その智樹をまだ完全に直りきっていなかったパンツロボが庇い、銃撃をくらう。
「パンツロボーーーーーーー!!」
マシンガンの銃撃が止む。
パンツロボはその場に倒れる。
「と……もき……くん。今までありがとう」
そしてパンツロボは爆発した。
「パンツロボーーーーーーーーー!!!!」
智樹は泣け叫んだ。
その隙に組長は逃げて行った。
「パンツロボ、お前の仇は取ってやる」
智樹はパンツロボはもはや修復不可能なことを知ると、パンツロボの外装に使われていた女性パンツを利用してヒーロー的なスーツを開発を始める。
それから数日が経つ。
「完成したぞーーーーー!!」
智樹はパンツロボの壊れた外装から特殊スーツとマスク、「トバットスーツ」を作り出した。
そして残った外装を自分が運転しなくても自動で動く車「トバッカー」も作った。
「いくぞ!」
智樹はトバットスーツを装着し、最後に二枚のパンツマスクを付ける。
「ゴーーーーー!!」
智樹はトバッカーに乗り込み、大連組のところに向かった。
大連組では地上げなど悪行をし終えたところだったらしく、大連組の構成員達が帰ってきたばかりだった。
「今日もがっぽり儲けましたな」
「ああ。あいつら、力を見せつければ簡単に土地の権利書だって渡しちまうもんな」
「けど、あの風音って女、なかなかうんと言わねえな」
「ああ。親がいないくせに『弟たちの為に土地は売れません』って頑なだもんな。おまけに中学生のくせにいい体してるのによ~」
「今度は体で教えてやろうぜ」
「それもいいかもな~」
「まあとにかく、この調子でもっともっと金を集めるぞ。あの邪魔しそうなパンツロボもいなくなったもんな」
組長たちが屋敷に入った時であった。
「とおっ!」
突然屋敷の窓ガラスが割れた。
そこから入ってきたのはトバットスーツを着ている智樹だった。
「誰だ手前は!?」
「トバット参上、トバット解決。快傑トバット!!」
智樹はトバットと名乗った。
「快傑? どうみても変態だろ!」
「変態じゃない! 変態と言う名の快傑ヒーローだ!」
「変態じゃねえか!」
「やっちまえ!」
構成員達がトバットと名乗る智樹に向かって銃を撃とうとするが、智樹はそれよりも先に鞭を取り出し、銃をすべて叩き落とした。
「っ!」
「たあ!」
智樹は素手で構成員達を次々と倒していく。
「や、やべえ」
組長は負けると判断して逃げ出した。
組長は逃げるも空を飛ぶ機能も付いているトバッカーからは逃げられず、智樹に捕まってしまう。
「パンツロボを壊したのは貴様だな!」
「な、何のことだ?」
「嘘をつくな!」
胸ぐらを掴んでいた智樹は組長を地面に叩きつける。
「嘘じゃない! 俺じゃない!」
智樹はよく考えたら組長はパンツロボを狙撃した方向とは真反対にいた。
そう考えると組長がパンツロボを壊すことは不可能なのだ。
「こいつじゃないのか」
そんな時、被っているパンツからタイマーの警告音が鳴り響く。
「いけない、スーツの時間が……」
実はこのトバットスーツには時間制限がある。
パンツロボの残った外装で作ったとはいえ、パンツロボは元々自分でもよく分からないオーバーテクノロジーで作りだしたもの。
人間がパンツロボの外装を身に纏うというのはかなりの負担がかかる。
そのため、智樹はこのトバットスーツは5分という制限をかけ、4分30秒になるとタイマーが鳴るようにしておいたのだ。
ちなみにトバットスーツを5分以上装着すると、体がズタズタになる。
智樹は組長を離す。
「に、逃げろ……」
組長は再び逃亡を図ろうとする。
「トバットアターーーック!!」
そう言う名の飛び蹴りをくらわせ、組長は倒れ、気を失う。
「パンツロボ……」
智樹は顔を隠す二枚のパンツを取る。
「お前の本当の仇は取ってやるぞ」
その後智樹は警察に大連組を通報。
気を失っている組長の体には「T」と書かれたカードが落ちており、そこにはこんな文字が書かれていた。
『この者、やくざ!!』
付近の住人から地上げした事実もあったので逮捕された。
智樹のパンツロボの仇を取る旅に出たのだ。
それからどのくらいか経つのだが、悪党は何人も出てきてもパンツロボの仇に出会うことが全然なかった。
しかし、智樹はある奇妙なことに気が付いていた。
それは最初にコテンパンにした大連組の組長や行く先々の悪党、そして目の前で倒れている悪人の男の胸には同じ「S」のマークがついていたのだ。
「あの『S』にはなにか秘密があるはずだ」
智樹はいつものように警察に通報。
遠くから智樹は警察が男を捕まえる様子を見ていた。
「さてと、次に行こう」
智樹がその場を去っていく。
「桜井くーーーん」
そしてその智樹を追うのは大連組に地上げをされかけていた少女、風音日和。
実はこの子は智樹の幼馴染であった。
日和はさすらいのヒーロー、トバットが智樹だということに気づいている。
日和は礼を言いたいのもあって、智樹を追うのだが、智樹はパンツロボの仇にしか目がいかなくなっているが、何故か智樹は日和を無視している。
別に智樹が日和のことを嫌っているわけではないのに、智樹は日和をさける。
それでも日和もまた智樹を追う。
そしてその智樹を狙う謎の男と組織。
さあ、この後、どうなるのであろうか!?
つづく(?)
おまけ
智樹「クリスマスプレゼントを君に……。ちゅっ(投げキッス)」
作者「うわ~、キザ~」
智樹「お前がやれって言ったんだろ!」
作者「うん、言った。しかしキザだな。まあしかし調子に乗ってる時のお前はそれくらいでいいかもしれないな」
智樹「どういう意味だよ?」
作者「言葉通りかな」
智樹「ところでさ、一番大事な『日本じゃ何番目』ってのなかったよな」
作者「しまった! 忘れてた!」
智樹「忘れてたんかい!」
作者「かといって、お前が一番になれそうなのは下着ドロとかくらいだろ。それで警察のお世話になっちゃ話が終わっちまう」
智樹「…………。なあ、これって最後までやるのか?」
作者「基本的に単発だ。だが俺が『快傑ズバット』の最終回を見たら書きたくなるかもな。
まあその時まで分からないと言うことだ。
今年はこの辺で……。来年の初めに3周年お知らせでも言ったように恒例化している『SS大戦』でも投稿しようと思っている。まあそらおと勢の出番はないけどな。
それではみなさん、よいお年を!!」
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今回は『3周年だよ! BLACKのお知らせ!!!』http://www.tinami.com/view/519939 でもお知らせしたとおり400作品(+クリスマス)記念として「快傑ズバット」のパロディ的な作品を投稿したいと思い、投稿します。