No.521643

御貢アペンドの挑戦状! 再び見参!・初音ミク 第5話 暗号解読終了、そしてその先の道へ

enarinさん

○ボーカロイド小説シリーズ第10作目の”御貢アペンドの挑戦状! 再び見参!・初音ミク“シリーズの第5話です。
○食いしん坊雑誌記者の初音ミクさんが、またまた探偵となって、謎に挑みます。
○今回も例の温泉郷で事件があったようですが、ちと様子が違うようで…

☆今回で、暗号文の暗号解読は終わります。しかし、ミクさんは、何かの“違和感”を感じているようで・・・。

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2012-12-22 22:47:47 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:593   閲覧ユーザー数:593

(ミク達の宿泊部屋)

 

 会計を済ませたミクとめぐみは、“巡咲庵”に戻り、待機していた升太と忙しそうにしていたメイコには“自分とめぐみだけで謎を詰める”事を連絡して、“二人だけ”で部屋に戻った。これはミクの指示だった。実際、升太はセンターからの指令待ち、メイコは宿の仕事が忙しくなっていたので、結果的には同じ事になったのだった。

 

 ミクは、暗号文のコピー、解いて出てきた数字の暗号文のメモ、ミリアムの店で買った“アルファベット積み木”を畳の上に広げ、これからの事をめぐみに説明し始めた。

 

めぐみ:ミクさん、謎、解ったんですか!?

 

 ミクは静かに頷いた。

 

ミク:バッチシわかったミク。でもそれを“説明”するためには、入手したり解いてきた“資料”を全部使う事になるミク

めぐみ:そんなに“複雑”な謎だったんですか?

ミク:この謎は、最初の暗号文の文面にヒントがあったからミク

 

 ミクは最初の暗号文のコピーの一部を指さした。

 

めぐみ:この部分は・・・・最初の文面の・・・“英語の文章”ですか?

ミク:そうミク。この暗号文は、ここ以外は全部“日本語”で書かれているミク。でも、ある意味“どうしなさい”的な“命令文”が書かれているのは、何故か、唯一英語になっている、この部分だったミク

P.S. Can you solve this mystery?

めぐみ:そうですね。不思議には思ってました。英語にする必要がないのに、わざわざ英文でしたから。まぁ簡単な文章だから、間違えて訳する事はないと思いますが。最近はパソコンのソフトで英文を作ったり、翻訳できるから、支障はないと思うけど・・・

ミク:ここが“解読した後に出てくる「数字の暗号文」のヒント”だったミク

めぐみ:え!?

 

ミク:英文の訳は「この謎が解けますか?」ミク。そして英語。その意味は勿論“この暗号文を解けるか?”って事ミクが、“ここが英語で書かれている事“の真の意味は、“出てきた数字の暗号文の謎を解けますか”って意味だったミク

めぐみ:つ、つまり、二重のヒントだった!?

ミク:そうミク。そして、このヒントの“使い方”は、こうだったミク

 

 ミクは解読した数字の暗号メモを指さした。

 

ミク:この数字の暗号文は、箇条書きの文面から解読したから、“数文字単位で1つの意味になっている事“位はわかっていたミク。そして・・・

 

 ミクはアルファベット積み木を指さした。

 

ミク:この数字は、このアルファベット26文字の文字数“26”より大きくなってなかったミク。更に“数字が重複している”事が多かったミク

めぐみ:! つまり・・・

ミク:この数字は、“Aから数えて、何文字目のアルファベット”、って事を表していたミク。つまり、数字を“英文字”に変換する暗号だったミク

めぐみ:そ、そうか! そのヒントになっていたのが、不自然に英文になっていた“暗号文の命令文”!

ミク:そうミク。“ここで英語のカラクリを使え“って意味だったミク

めぐみ:よくわかりましたね、そんな難しい謎!?

ミク:入り口はミリアムさんとアイちゃんとショウタ君の会話ミク。最初でモヤモヤしていたミクけど、“順番”ってところでピーンと来たミク

めぐみ:あの子供達、表彰モノですね!

ミク:とにかくわかった以上、最後の謎を解くだけミク

めぐみ:ところで、こんな大事な事、一緒に解いてきたメイコさんとか升太さんを同席させなくて良かったんですか? まぁ二人とも本業で忙しかったからいいんですが・・・

ミク:この段階の謎解きは、たぶん最終段階だと思うミク。最初の方はまだまだ謎が解明されてなかったから、“みんなで解くぞー“ってノリだったミクけど、警察から任されているのは本来は、ミクとめぐみちゃんだけミク。それとこれから完全に解いた後、メイコさんと升太さんには、”警察と関係者を呼んで貰う“大事な役割があるミク。その後、ミク達が謎解きを公開して、警察が犯人を逮捕するミク。だから、この段階は任されているミクとめぐみちゃんの二人だけにしたミクよ

めぐみ:な、なるほど!

ミク:じゃあ、最後の謎解きに移るミク

 

 こうして、最後の暗号解読が始まったのだった。

 まず、アルファベット積み木を順番通りに、箱の横に、数字が読める位置に置いておいた。

 

ミク:今回も機械的な解読になるから、ミクが数字を読み上げるミク。めぐみちゃんはその数字の順番に当てはまるアルファベットを読み上げて欲しいミク

めぐみ:はい!

ミク:行毎に行くミク。じゃあ、1行目ミク。“20”

めぐみ:えっと・・・“T”です

ミク:“8”

めぐみ:え、えっと・・・“H”です

ミク:“5”

めぐみ:・・・“E”です

ミク:これが1行目で、“THE”になるミク

めぐみ:凄い! まさに“英文”の一カ所みたいですね!

ミク:次行くミク。2行目ね。“20”は“T”ミクね。次、“18”

めぐみ:・・・“R”です

ミク:“21”

めぐみ:えっと、“U”です

ミク:“5”は、“E”ミクね。これで英文は“TRUE”ミク

めぐみ:これも英単語ですね!

ミク:次は3行目ミク。“3”

めぐみ:・・・“C”です!

ミク:“8”は“H”ミクね。次、“1”は“A”ミク。えっと、次は“18”・・・これも既出ミクね、“R”。次は“1”・・“A”ミクね。次は“3”・・これは“C”。次は“20”・・“T”ミク。次は“5”・・“E”ミク。次は“18”・・“R”ミクね。って、ほとんど重複ミク

めぐみ:えっと・・・“CHARACTER”ですね

ミク:次は4行目。“15”

めぐみ:久々ですね。えっと、“O”です

ミク:“6”

めぐみ:“F”です。結果・・・、“OF”ですね

ミク:次の行へ行くミク。“13”

めぐみ:“M”です

ミク:“9”

めぐみ:えっと、“I”です

ミク:“11”

めぐみ:・・“K”です

ミク:“21”

めぐみ:・・・“U”です。うーん、“MIKU”になりますね。え!? “ミクさん“!?

ミク:そんなわけないでしょうミク。これは英文の一部分。なんか他の単語と組み合わせて使っていると思うミク。次の行ミク。“1”は“A”。“16”

めぐみ:えっと、“P”です

ミク:次も“16”だから“P”。次は“5”だから“E”。次、“14”

めぐみ:・・・“N”です

ミク:“4”

めぐみ:えっと“D”です。結果・・・“APPEND”・・・・“アペンド”!!!!

ミク:どうやら、さっきの心臓に悪い単語の“MIKU”は、これとセットだったみたいミクね。つまり“MIKU APPEND”=“御貢アペンド”ミクね

めぐみ:えっと、ここまでの英文は・・・“THE TRUE CHARACTER OF MIKU APPEND”・・・“御貢アペンドの正体”って事ですね・・・・って!!!! これ、“正体明かし”ですか!?

ミク:・・・・・・・・・・・・次以降で“その正体”が書かれているわけミクね・・・・・・。次は“9”

めぐみ:え、えっと・・“I”です!

ミク:“19”

めぐみ:“S”です。・・・“IS”。なるへそ、当然“動詞”が来ますよね

ミク:次の行。“19”

めぐみ:えっと、“S”です

ミク:“15”は、“O”ミクね。次は“14”・・“N”ミクね。次“7”

めぐみ:えっと、“G”です。・・・・“SONG”????

ミク:とにかく進むミク。次の行。“12”

めぐみ:・・“L”です

ミク:“15”は“O”ミクね。“22”

めぐみ:えっと、”V“です

ミク:“5”は“E”ミクね。えっと、“LOVE”ミクか・・・

めぐみ:“LOVE”????

ミク:とりあえず最後の行ミク。“19”は“S”。“14”は“N”。“15”はO“。”23“

めぐみ:最後に出番が来ました。“W”です!

ミク:最後の英単語は・・・“SNOW”・・・・・・・・・・・・ミ・・・ミクゥー!!!!!

めぐみ:どうしたんですか!

ミク:・・・・・めぐみちゃん、とにかく“今の段階”での結論をまとめておくミク。この暗号の最終解読結果は、なんだったミクか?

めぐみ:えっと、“THE TRUE CHARACTER OF MIKU APPEND IS SONG LOVE SNOW”です

ミク:主語はなんだったミク?

めぐみ:“THE TRUE CHARACTER OF MIKU APPEND”で、“御貢アペンドの正体”です

ミク:動詞は?

めぐみ:“IS”つまり、“is”だから、“AはBです”ですね

ミク:で、結局、正体はなんだったって書いてあった?

めぐみ:えっと・・・??、“SONG LOVE SNOW”・・・・なんですか、これ? 名前じゃないように思えるんですが・・・

ミク:・・・・英語で“SONG”は?

めぐみ:え!? “SONG”? えっと、名詞なら一般的には「歌」ですよね。動詞が“is”だから、この場合も“名詞扱い”でイイと思いますよ

ミク:“LOVE”は?

めぐみ:えっと、“愛”ですね

ミク:最後の“SNOW”は?

めぐみ:え!? “SNOW”は・・・“雪”・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・えええええええ!!!!!!!!!

ミク:そうミク。暗号文が“正体明かし”で間違いないのなら、この暗号文で書かれている“正体”は“歌・愛・雪”、つまり、あの“幹清館”の見習い女将であり“小学4年生”の、“歌愛 雪”(かあい ゆき)ちゃんって事になるミク

めぐみ:そ・・・そんな事って・・だって、彼女はまだ小学4年生ですよ! こんな難しい暗号、作れません!

ミク:確かに困難な事だと思うミクが、警察はその理由をくみ取ってくれないミク。1つ1つ時間をかけて計画的に作れば作れないことはない。特にこの温泉郷は、“学業に力を入れている”ので有名。アイちゃん達“幼稚園生”だって、このおもちゃで覚え始めようとしているミク

 

 ミクはアルファベット積み木を指さした。

 

ミク:英文はパソコンの翻訳ソフトを使えば、簡単に作れるミク。日本語暗号部分もパソコンで調べれば、情報は山ほどあるミク

めぐみ:だ・・だったら・・・・・・あんないい子、事件・・・というか、こんな“たちの悪い愉快犯”、するわけないです!

ミク:それも“人は見かけに寄らない”とか“旅館の関係者で、絵画のチェックをしていたのだから、いくらでも犯行は可能”って警察に一蹴されるミク

めぐみ:ミ・・・・ミクさんは、どうしても、雪ちゃんを犯人にしたいんですか!!!!!!

ミク:暗号のここまでの解読、今のままでは、その線を否定する事は出来ないミク

めぐみ:見損ないました!!!!

ミク:・・・・・ミクは、“ここまでの”としか言ってないミク

めぐみ:でも! さっき、“最終解読結果”って言ったじゃないですか!

ミク:・・・・そうミク。“暗号の解読”はこれで最終。残念だけど、あの解読文は間違ってないミク

めぐみ:やっぱり!

ミク:・・・。でも、“解読文自体の解読”はまだ続きがあるように思えるミク

めぐみ:!?!? “解読文自体”!?!?

ミク:この“暗号文”の解読結果は、“大きな違和感”、があるように思えるミク。ミクはこのヤマに取りかかる最初の段階で、“嫌な予感がする”って、ちょっと寒気がしたミク。たぶん、それは“この違和感”を予感していたんだと思うミク

めぐみ:す、すいません。私にはミクさんが言っている言葉の意味が全く分かりません

ミク:ミクもまだ完全に“真相”がわかってないから仕方ないミク。えっと、今の段階で考えている事を簡単に言うと、結果として出てきた解読文章と、その文章の内容に“違和感”があるって事ミク

めぐみ:えーーーーっと、つまり、雪ちゃんは、犯人じゃないんですか?

ミク:ミクの今の段階では、犯人にされちゃうミク。でも“真相”を暴き出せば、犯人にならないミク

めぐみ:えー・・・・!!! じゃあ、もしかして!!!!!

 

ミク:そう、犯人は雪ちゃんじゃない。なんらかの形で絵画を盗み出し、この暗号文を作りだして雪ちゃんを犯人にしようとした、“御貢アペンド”を語る「真犯人」は、別にいるミク!!

 

めぐみ:そ、それは凄く嬉しいんですが、今度は私の方から訊きます。“真相”にあるだろう、何かの“根拠”ってあるんですか? 警察って、物証とか揺るぎない事実でもない限り、認めてくれませんよ。暗号文の最終結果があれでは・・・

ミク:それが、今、“もやもや“で浮かんでこないミク。違和感は感じているミクが・・・

めぐみ:ところで、ミクさんが感じている“違和感”ってなんですか? 私にはこの“解読結果の文章”は、普通に思えますよ。“最初の元の暗号文“が普通だったみたいに・・・

 

ミク:これはまだ“もやもや”だけど、めぐみちゃんへの質問形式で、具体的にしていこうと思うミク。いいミクか?

めぐみ:私だって、雪ちゃんを犯人にしたくないです! 協力します!

ミク:じゃあ、行くミク

 

 こうして、ミクとめぐみの“真相暴き”が始まったのだった。

 

(続く)

 

CAST

 

雑誌記者・初音ミク:初音ミク

部下・勇気めぐみ:GUMI

 

温泉宿“巡咲庵”の大女将・咲音 女威子(メイコ):MEIKO

 

タクシー運転手・升太:墓火炉 升太

 

幹清館(かんせいかん)の見習い女将・歌愛 雪(ユキ):歌愛ユキ

 

旅行者・ソニカ:SONiKA

 

きのこ署のネル刑事:亞北ネル

同上のハク刑事:弱音ハク

同上の刑事の上司・テト:重音テト

 

きのこ温泉郷の休憩所“透音”の主・透音ミリアム(ミリアム):MIRIAM

 

月読さんちのアイちゃん:月読アイ

月読さんちのショウタ君:月読ショウタ

 

望日郎おじいさん、その他:エキストラの皆さん


 
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