No.521625

バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第五話

ザルバさん

ジキンハスギ、Bクラストノセントウガキッテオトサレタ。センントウノサナカ島田ガヒトジチニトラレタ。ドウスル鋼牙?
「白夜」
鋼牙ヲオコラセナイホウガイイゾ。

2012-12-22 22:14:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2261   閲覧ユーザー数:2186

「ところで雄二、次の試召戦争だが、Bクラスを狙う気だろう。」

「!よくわかったな、鋼牙。その通りだ。」

「マア、コイツハナカナカ頭ガ切レルカラナ。俺モソウ思ッタゼ。大方交渉スル気ダロウ。」

「コイツに頭あんのかって思ったぜ。」

「オイオイ、ソンナニコイツハ馬鹿ジャナイゼ。ソレニ言葉ガ話セルノニ頭ガ無イワケナイダロ。」

「それもそうだな。」

「お前のことだ。勝ったら教室の交換の代わりにAクラスに攻め込むように交渉するといったところだろう。」

「・・・・お前何者だ!」

「コイツハ・・・・」

「ザルバ!!余計なことを言うな!!」

 黄河が叫んだことに一同驚いた。

「おぬしがそこまで大きな声を出したのは久ぶりじゃのう。」

「・・・・・・・・・驚いた。」

「すまん。ついな。」

「ほんとに驚いたわよ。いきなり大声を出すんだから。」

「まあ言いたいことも多々あるだろうがこれからは切り替えていくぞ!」

 

「さて皆、総合科目テストご苦労だった。」

 教卓に立った雄二が皆の方を向いて話していた。午前中は補充テスト、午後からはBクラスの試召戦争。なんとまあ頭と身体が痛いことやら。まあ俺には関係ないがな。

「午後はBクラスとの試召戦争に突入する予定だが、殺る気はあるか?」

『もちろん当たり前だ!!』

「今回の作戦は敵を教室に追い込むことが重要になる。そのため開戦直後の渡り廊下戦は絶対に負けることが許されない。」

『おおー!』

「そこで前線部隊の指揮には姫路を投入する。閃光舞台には鋼牙、お前が行ってくれ。」

「が、頑張ります。」

「わかった。」

『うおおー!』

 今回の作戦には俺が出来るだけ敵を倒して相手を後退させることが任務だ。

 キーンコーンカーンコーン

昼休み終了のベルがなり響く。Bクラスとの試召戦争が開始される。

「よし、行って来い。狙うはシステムデスクだ!」

『サー、イエッサー!』

 皆は一斉に教室から出る。

「いたぞ、Bクラスだ!」

「高橋先生を連れているぞ!」

 正面を見るとゆっくりとした足取りでこちらに向かってくるBクラスの生徒がいた。数はざっと十人だな。偵察にしては数が多いな。

「生かして返すな!」

 物騒なこと言うな!

『Bクラス 山下健二 VS Fクラス 近藤吉宗

 総合  1943点        764点 』

 桁違いと思ったがここまでだと流石にすごいな。第一陣舞台が全滅した。

「降参したら?」

「そうはいかない!試獣召喚!」

『Bクラス 加藤今尾 VS Fクラス 冴島鋼牙

 物理   157点        897点 』

「ば、馬鹿な!」

「一気に決めさせてもらう。」

 鋼牙は閃光のごとく敵を切り裂いた。

「お、遅れ・・・・まし、た・・・・・・・・・。ごめ、んな、さい・・・・・・」

「大丈夫だ。それにいいタイミングだ。早速出悪いんだが・・・」

「は、はい。頑張ります。」

「長谷川先生。Bクラスの岩下律子です。Fクラスの姫路瑞希さんに数学で勝負をも仕込みます!」

「あ、長谷川先生。姫路瑞希です、よろしくお願いします。」

「律子、私も手伝う!」

 作戦としては間違っていないな。だが・・・・

『試獣召喚!』

 三人の試験召還獣が召還される。言うまでもないが姫路の召還獣の左手には腕輪が付けられている。

「えっ!腕輪がついてるってまさか!」

「ちょっと!やばいじゃん!」

「それではいきます!」

 姫路の召還獣の左手に付けられた腕輪から光がほとばしった瞬間、二人の召還獣は消滅した。

『Fクラス 姫路瑞希 VS Bクラス 岩下律子&菊入真由美

 数学   412点        189点&151点  』

その光景にBクラス生徒は動揺していた。

「い、岩下と菊入が戦死したぞ!」

「なっ!そんな馬鹿な!?」

「姫路瑞希、噂以上の危険人物だ!」

「だが冴島もなんかすごいぞ!」

「姫路、一旦退け。他のやつは中堅部隊と変わる長柄後退!戦士はするな!」

「は、はい。」

『やってやらああああ!!』

「上手クイッテイルナ。ン!」

「どうしたザルバ?」

 ザルバは自身の探知能力を使い何か察知した。

「マズイゾ鋼牙!ヤラレタ!」

『お、おい。今なんか冴島が指輪に話しかけていたぞ!』

『喋んのか、あれ!』

「どういうことじゃ?」

「代表ノ根元ガ教室ヲ襲イヤガッタ。」

「何!島田、ここを頼む。」

「任せて!」

「よし、行くぞ!」

 鋼牙達は数人連れて教室へと走った。

 

「これは酷いな。」

「まさかここまで来るとはのう。」

「・・・・・外道。」

 教室は見るも無残な姿になっていた。穴だらけの卓袱台、折られたシャーペン、粉々になっている消しゴム。

「これじゃあ補給がままならないですね。」

「ソノ心配ハナイゼ。」

『え?』

 鋼牙は畳を上げる。畳を上げたところの床には鉄製のダイヤル式金庫があった。鋼牙はダイヤルを回し金庫を開ける。

「鋼牙、それに入ってんのは何だ。」

「いざと言うときのために学園長の許可の下作った金庫だ。鉛筆消しゴムが入ってる。」

『おお~~!!』

「・・・・・・鋼牙。」

「なんだ、土屋?」

「・・・・その金庫は一つだけか?」

「いや、念のためもう一つ作ったがどうやら物資の量を計算したせいで今は空だ。」

「・・・・・その金庫を貸してくれ。」

「月3,000円でどうだ?」

「・・・・・・2,000円。」

「わかった。」

 二人は握手を交わした。

 だがその時Fクラス生徒須川が域を荒くして教室に戻ってきた。

「どうした!」

「まずいことになった!島田が人質にとられた!」

「なっ!?」

 今度は人質・・・・どこまで腐ったやつらだ!

「おかげで相手は残り二人なのにこっちは手間取っている。」

「俺が行く!」

 須川に連れられ舞台の人ごみを抜けるとそこにはBクラス生徒二人に拘束されている島田と召還獣の姿があった。近くには補修担当の西村先生の姿があった。

「島田!」

「鋼牙!」

「おっと動くな!動いたらこいつを補修室送りにするぞ!」

「卑怯下劣外道なやつとは貴様のことだな。いや、元々か?」

「これは須川が考えたことだ!」

「嘘を付け!下唇付近の筋肉を上に上げたな。それは自分の言葉に自信がない証拠だ。」

「へっ!だからどうしたってんだ。知ってるか、こいつがどうして摑まったか?」

「貴様らの考えなど創造するだけで反吐が出る!」

「てめえ!こいつが捕まったのはてめえが怪我したから部隊を離れて一人で保健室に行こうとしたからだよ!」

「島田、止めを刺すなら気を失っているときがベストだぞ。」

「なに暗殺方法言ってんの!」

「へっ!やっとわかったか!」

「ああ・・・・」

「どうした?言葉も出ないか?」

「貴様ら、俺を怒らせたのは間違いだ!サモン!」

 鋼牙は召還獣を召還する。召還獣は先の戦闘と違い白い槍を手に持ち、左耳にはイヤリングがついていた。

「島田!靴を片方脱げ!」

「え、ええ!?」

「早く!」

「う、うん!わかった!」

 島田は片方のシューズを脱いだ。鋼牙の召還獣は右の人差し指と中指を合わせてイヤリングを弾く。

 その刹那、島田のシューズが宙を舞いBクラス二人の顔を容赦なく叩く。二人は召還獣を上手く操作できなくなり島田と召還獣の拘束を解く。

「島田!来い!」

「うん!」

 島田は鋼牙のほうへ召還獣と共に戻ってきた。同時に島田の手元にシューズが戻ってきた。

「この野郎!」

 二人は同時に召還獣で襲い掛かってくる。鋼牙の召還獣は槍を二人のうちの一人に投げる。投げた槍は見事に突き刺さる。鋼牙の召還獣はピアスを弾き三メートルの距離を飛翔する。鋼牙の召還獣は槍の突き刺さっていない召還獣に蹴りを喰らわせる。Bクラスの召還獣に突き刺さった槍を鋼牙の召還獣は両手で持ちそのまま上に上げる。

「はああ!」

 鋼牙は気高い声を上げると同時に鋼牙の召還獣は力を込めBクラス生徒の召還獣を上げる。

「鋼牙、オ前ノ力ヲ見セツケテヤレ。」

 鋼牙の召還獣は槍先で空間に陣を描く。描かれた陣からは光が漏れ、鋼牙の召還獣に降り注がれる。それと同時にBクラスの召還獣は紅いバラのごとく散る。光が晴れ、紅いバラの中にいたのは穂先の部分が巨大化した白夜槍持ち、深紅の“背旗”を背中にまとった高貴な騎士。その名は

 

 

『白夜騎士・打無』

 

 

(今度は打無か。あれはまだ出さないつもりだな。)

「な、何だよそれ・・・・・何なんだよ!!」

「はあああ!」

 打無は槍を構え突く。Bクラスの召還獣は点数を削られる。打無は右に左に白夜槍を振る。Bクラスの生徒は防ごうとするがまったく防げていない。

「これで決める!」

 打無は全身に白い魔導火をまとわせる技・烈火炎装でBクラス生徒の召還獣に止めを刺す。

「クソッ!何で俺が馬鹿なんかに!!っ!!!!」

  Bクラスの生徒の胸ぐらを鋼牙は左手で掴み持ち上げる。

「お、おい!は、離せ、離せよこのクソ馬鹿!!」

 鋼牙の額に欠陥が浮き上がった。鋼牙は睨んだ。誰もが怯えるほどのさっきを放ち睨んだ。

 だが鋼牙はBクラス生徒を投げ飛ばした。

「貴様は殴る価値もない!」

「て、てめえ!調子にのんじゃねえ!」

 ガシッとBクラス生徒の肩を西村先生が掴む。

「貴様らは補修が必要だな。後生徒指導もきっ~~~~~~~~~~ちりとな。」

 Bクラス生徒は肩に担がれて補修室送りになった。

 鋼牙は島田のほうを向いた。

「大丈夫か!」

「う、うん。ありがと。あんなに怒ったとこ初め見たわよ。」

「あいつらは戦士としての誇りも何もない。殴ったところで治る性格ではない。西村先生にやってもらった方が正しい。」

「戦士ってあんた・・・・・・」

「それより補給に行って来い。」

「う、うん。」

 

 あいつ守るためにあんな手品使って助けてくれた。でも腕輪も何もないのにどやってあんなことしたんだろう?それにあの鎧、前と違ってたし何がなんだかわかんないわね。まあアイツは一年の頃から恐くて誰も話しかけなかったわね。うちが誤解を招くこと言った時にアイツはドイツ語で話しかけて通訳してくれたっけ。アイツ何かといいところあるのよね。でも授業にあんまりでない時期もあったけ。

 ほんとにアイツ、わかんない。

 

 Bクラスとの戦闘は今は停戦状態。何とか教室に追い込むことはできたがこちらの被害は

あまりにも酷かった。教室の襲撃に加えクラス生徒の戦死。全体としては良い状態ではなかった。

「ここまでは計画通りだな。」

「雄二よ、これからどうするつもりじゃ?」

「今のとこはあいつらが補給終わるまでこの状態にして明日に持ちこすってのが得策だな。」

「・・・・・・・・(トントン)。」

「ん!どうしたムッツリーニ?」

 さっきから音を立てずに忍び寄っていた土屋が雄二の耳元で何かを話していた。あいつ

は情報収集が専門だからな。

「なに?Cクラスの様子が変だと?」

「・・・・・・(コックリ)。」

「大方Aクラスへの試召戦争じゃなく巻き添えだろうな。」

「どうするつもりだ雄二?」

 雄二は頭をかきながら言った。

「とりあえずCクラスと停戦協定を結んでくる。」

「気ヲツケロ。タイミングガ良スギルカラナ。」

「どういうことだ?」

「ヨク考テミロ。今俺タチノクラスハ状況ガ良クナイ。ソレニ加エテCクラスノ試召戦争。

ナンカ作為的ナモノヲ感ジルゼ。」

「考えすぎだろ。とりあえず俺とムッツリーニと秀吉で行ってくる。お前らはここで待機していろ。」

 雄二の言葉に皆は返事を返した。

「しっかしCクラスも何で今頃試召戦争を起こすのかしら?」

「そうですよね。やるのなら私達が終わってからがいいですのに。」

「ナア嬢チャンタチ。」

「何?」

「何ですか?」

「Cクラス代表ッテノハ一体ドコノドイナンダ?」

「確か・・・・・小山さんだっけ?」

「確かそうでしたね。」

「ジャア根元ノ野郎ト小山ッテドンナ関係ダ?」

「噂では恋人同士だと聞いてます。」

「うちも。」

「なんだと!」

「ヤラレタ!」

「ど、どうしたのよ!?」

「そうです!そんなに驚いて!?」

「これは罠だ!須川が着いて行ったのが救いかもな。」

「「どういうことか説明してください(しなさい)!」」

「あいつらに停戦協定を持ちかけに行ったら須川は裏切りをしたと思いBクラスと共同して俺たちをつぶしに掛かる。」

「急グゾ、鋼牙!」

「あっ!うちも!」

 鋼牙と島田は駆け足でCクラスのほうへ向かった。

 


 
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