ラミナ警察署・中央ロビー…。
「…というわけで、我が署に新人のロボット警官が配属されることとなった」
と、バインダーに挟んだ書類を読み上げるのはカケル副署長。
「新人ねえ。一体どんなロボットなんです?」
と、質問をするのはK-9隊のアレク。
「…まぁ、いろいろとワケありでロールアウトが遅れたんだけど、私たちの新しい仲間であることには間違いないわね」
と、微笑みながらマキ署長が答える。
「しかし…肝心の本人はどこにいるのですか?」
と、エルザ。
「そうねぇ…そろそろここに来ててもいいはずなんだけど…」
と、マキが心配していると、ロビーに通じる廊下から怒鳴り声が聞こえてきた!
「待ちなさーい!!配属早々会議室のドアをぶち破るなんてどういう神経してるの!!」
怒号の主は会計課のサラ警部。怒鳴り声に続いて聞こえてきたのは悲鳴にも似た叫び声…。
「ひ、引っ張れば開くかなと思って引っ張ったら壊れちゃった!許して!!」
「全て自動ドアだから勝手に開くようになってるのよ!とにかく壊れた分は弁償してもらいますからね!!」
その追いかけっこを見ていた一同…やがてその中にいた捜査課のミンスター警部が口を開く。
「…マキ署長、先ほど仰っていた新人のロボットとは…もしやあの娘さんですか?」
「ええ、間違いないわ…ただどこでどう間違ったのか…あんな性格になっちゃってるけど…」
と、一同が冷や汗を流しながらその様子を見ていると、今度は破壊音が響いた!!
ロビー内にざわめきが走る…。
「こ、今度は何だ!」
「…あの方向は確か…機動3課のほうだ!!」
「あっ…ちょっとエルザ!?」
エルザはすぐさま握りこぶしを作ると破壊音の響いた方向へ向けて走り出した。
さて、機動3課の隊員室では…。
「なっ…なななななな…なんなんだお前はぁ!?」
突然の轟音と衝撃に勢いよく吹き飛ばされて尻餅をついているのは機動3課の隊長であるヴィルマー警部。
よく見ると、ヴィルマーの視線の先にあるはずの扉には人の形に穴が開き、そこに一人のロボットが立っていた。
そのロボットは口元に笑みを浮かべるとゆっくりと顔を上げ…。
「どうも初めまして!本日づけでラミナ警察署機動3課に配属となりました、大沼カヤですっ!」
と、大きな声で敬礼したのであった。が、次の瞬間、カヤの肩にサラの手が伸びる…!
「アンタって子は~~~~…!」
「ひぃぃ!?」
慌てて逃げようと身体を翻すカヤ。だが、逃げ出そうと走り出したその先には…エルザが立ちふさがっていた。
「…見つけたぞ、常識知らずのド新人め」
と、ため息を付きながらエルザはさらに続ける。
「…まったく、配属早々こんな失態をやらかすとは。ドアの開け方も知らんのか、君は」
「え、いやだからその、いち早く配属先の隊長さんの顔を拝見したいな~、なんてアハハハ。…ダメ?」
と、舌を出しながら自分の頭をコツンと叩くカヤ。だがその背後からはヴィルマーもやってきて…。
「まず壊したドアを全部修理してから出直してこーい!!」
「ごめんなさーーーい!!!」
かくて、ラミナ警察署に新米ロボット警官・カヤが加わった…が…本当にこんな調子で大丈夫なのだろうか…?
Tweet |
|
|
4
|
4
|
追加するフォルダを選択
カヤちゃんがドアの開け方も知らないようなアホの子だったら萌える。主に俺が。あと、苗字もこちらで設定させていただきましたー。
◆出演
エルザ:http://www.tinami.com/view/375135
アレク:http://www.tinami.com/view/376898
続きを表示