No.519659 IS x アギト 目覚める魂 10: 乱入と謎i-pod男さん 2012-12-17 17:10:29 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:3114 閲覧ユーザー数:2918 |
そしてクラス対抗戦当日。一夏は現在ピットで最終調整をしていた。と言うのも、待機状態のISが形を変え始めていたのだ。最初は白いガントレット型のゴツい物だったが、鎖の様に繋がった三つの腕輪に変わった。一つは赤い模様、二つ目は鋲の付いたパンクアクセサリー、三つ目は緑の瞳の様なデザインが付いた不気味な物。
「っしゃあ、行くか。」
首を回してISを展開すると、
「さてと。一回戦でいきなり当たるとは思わなかったが、よろしく。」
「言っとくけど、絶対防御も完全じゃないのよ?それを貫くだけの攻撃を当てる事が出来れば死なない程度に痛めつける事が出来るわ。」
「当たれば、の話だがな。」
肩に担いだトライランサーの柄を二つに分離させ、メリケンサックの様に拳を覆い、更にトンファーの様にエネルギーの刃が腕に沿って現れた。
「出来る限り壊したく無いんでな。」
『試合開始まで、十秒前・・・・・・・三、二、一、スタート!』
先手必勝とばかりに鈴音が双天牙月を振り回して来る。
(パワーじゃ向こうの機体の方が上か。)
そうは思った物の、一夏はトライランサーを突き出して真っ向から対抗する。火花を散らす得物。だが、最終的に腕力で勝る一夏に圧され始める。
「ちょ、嘘でしょ・・・!?」
「機体のパワーに頼り過ぎなんだよ!筋トレしたらどうだ、お前!うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
壁際まで追い詰め、イグニッションブーストで壁に叩き付ける。
「んの・・・・調子に乗ってんじゃないわよ!」
衝撃砲を使って一夏を押し止めた。零距離からの攻撃をまともに喰らった一夏は後ろに吹き飛ばされるが、ギリギリでガードしたのか、シールドエネルギーは殆ど減っていない。再びトライランサーの柄を連結させ、それが多節棍の様に分かれた。
「へえ、こんな風にもなるんだ。(ギルスフィーラーに似てるな。)」
扱い馴れた武器(と言うか体の一部に)類似した物を自在に操り、鈴音を近づけない。
「あーもう、鬱陶しい武器ね!」
「そら、もういっちょ!」
鈴音の腕にそれを巻き付け、右手に雪片をコールして切り裂く。二撃目とばかりに雪片を振り上げるが、その瞬間、二つの影が天井付近のアリーナのバリアが破って来た。一つは長い腕を持ち、体中に銃口やスラスターが付いた黒い機械、もう一つは人間と殆ど同じ体格だが、明らかに外見は人間のそれとは異なっていた。と言うより、逸脱している。
(アンノウン・・・・)
「何だあれは・・・?!状況をレベルDと認定、アリーナのバリアのレベルを上げろ!」
「駄目です!こちらからの操作を受け付けません!ドアも開かないです!」
「・・・・・ヤバそうだな。俺が行く。あの二人、特に鈴音の方は、シールドエネルギーを削られてる。避難させないと邪魔になるぞ。」
「許可しよう。行け。」
「で、でしたら私も!」
「「お前は駄目だ。」」
千冬と秋斗に真っ向から反対されてしまう。
「な、何故ですの!?」
「お前のISは一対多に向いている。それに、今のビット運びじゃまた撃墜されるのがオチだ。最悪フレンドリーファイアも免れないだろう。俺のISはそんな武装は積んでない。ゴリ押しでぶっ潰してやる。あの威力のエネルギー兵器がアリーナのバリアを破ったんだ。被害が広がれば生徒が死んでしまう。だからここにいろ。」
「けど、管制室のドアは」
「開かないなら、無理矢理でも開ければ良いだけだ。」
部分展開させた右腕と右足で扉を殴り、蹴り破った。ピットに向かい、G4-X0を展開した。
「この際だ、出し惜しみはしねえ!」
右手にはケルベロスII、左手にはガルベルストン、両肩に巨大なミサイル型兵器、タイタンとギガントを装備し、それを撃ち出す。ミサイルと銃弾の雨が降り注ぎ、所属不明のISをボロボロに破壊して行く。
「一夏!やれ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
すれ違い様袈裟切りに所属不明機を切り裂いた。
「後はあいつだが・・・・・」
「BZZZZZZZ!」
アンノウン、ビーロード・アピス・ウェスパがサーベルを持って秋斗に襲いかかって来た。
「バトルモード!」
飛んで来る所を一旦伏せて回避すると、タウラスをコールした。高出力ビームで応戦したが、面より点での攻撃に特化した攻撃は容易く避けられてしまう。
「これで行くか。」
ケルベロスIIの先端に弾頭を取り付け、コブラ、ヴァイパーを連結させてそれをケルベロスIIに接続した。装弾数が当初のケルベロスとは倍以上も量が違い、威力も上がった生身の人間には最早扱えない大火力の大型掃射武器、GXランチャー00の完成である。
「消え失せろ!!」
引き金を引き、ケルベロスバスターをまともに喰らったアピス・ウェスパは粉々になって爆発した。
「Rest in Pieces (安らかに散れ)。」(注:『Rest in peace=安らかに眠れ』を元にしたジョーク。発音が酷似している為。)
「ふう・・・・・」
事態はどうにか収拾がついた。所属不明機はやはり無人機で、登録不明のコアを使った物だった。と言っても、一夏、並びに秋斗がボロボロに破壊してしまった為何の役にも立たないが。
「しかし、あのISを生身のまま圧倒していた様に見える、この蜂の化け物は一体なんだったのだ?」
「そうですよね・・・・生物兵器、って訳でも無さそうですし・・・・あ、でも門牙君の攻撃は何で効果あったんでしょう・・・??」
スクリーンを睨みながらそんな問答を繰り返す千冬と山田先生。
「聞いてみた方が良さそうだな。」
秋斗は部屋で電話をかけていた。
『何ですって?!アンノウンがIS学園に?!』
「と言っても、直ぐに倒しました。やっぱりISじゃアレは倒せなかったみたいです。」
『成る程ね・・・・・所で、その後調子はどう?特にあの織斑一夏君は。彼も、アギトだって言ってたわよね?』
「大丈夫です。基本的にアンノウンは俺が倒す事にしています。いきなり訳の分からない世界に否応無しに放り込まれたんですから、適応するのに時間はかかりますし。」
『それもそうね・・・・他に何か必要な物はあるかしら?』
「今の所は大丈夫です。そっちは、どうですか?アンノウンは?」
『毎度の事ながら出てるわよ。ああ、後前に貴方が頼んでいた事だけど、織斑晴彦と織斑秋代、どちらもやっぱり行方不明ね。もしその二人がアギトになったなら、恐らくもう死んでる可能性が高いわ。でも、間違い無くあかつき号に乗っていた。二人の子供と一緒に。』
「やっぱりですか。」
『何を考えてるの?』
「いえ・・・・大した事じゃないんです。ただ、引っ掛かる事が。ありがとうございました。」
ノックが聞こえたので、電話を切り、ドアを開けた。
「何か用ですか?」
「お前に幾つか質問がある。あの生物の正体、お前は知っているんじゃないのか?」
「何故そう思うんです?」
「お前が持っていたあのIS、確かG4-X0とか言ってたな?だが、お前はそれをモドキと呼んだ。つまり、お前の言葉が正しければ、それはISとは違う別の兵器。それも、あの化け物を倒せる程の威力を持つ代物だ。近接戦はまだしも、お前は明らかに戦いに馴れ過ぎている。IS学園の学生に成り立てで専用機を持っているわ、代表候補生を何の苦も無く打ち負かすわ。はっきり言おう、お前には謎が多過ぎる。」
「・・・・謎、ですか。謎なら、もっとありますよ。他にね。」
「何?」
「例えば、白騎士事件で、本当に死者はゼロだったのか、とか。」
「話を逸らすな。今から私が言う質問に正確に答えろ。G4-X0とは何なのだ?」
「ISと似通ったパワードスーツです。警視庁によって開発された。試行錯誤と改良の積み重ねで、ここまで辿り着いたんです。」
「何故警察がそんな物を持っている?」
「テレビや新聞で、『不可能犯罪』と言う単語を耳にしませんか?」
「ああ。それがどうした?」
「それを引き起こしている相手を倒す為ですよ。ちなみに、俺もその部隊、S.A.U.LのG3ユニットのメンバーです。」
「G3ユニット・・・・?最後の質問だ。あの化け物は何だ?」
「不可能犯罪を引き起こす謎の存在、目的、行動、根城、その全てが不明な存在。人の形を持つ人ならざる物。アンノウン。」
「アンノウン・・・?」
「少なくとも、警察はそう呼称しています。ことわっておきますが、幾ら世界最強の兵器に成り上がったとは言え、ISがアンノウンを倒せる確率は、ゼロ。」
「馬鹿な・・・・!?」
「貴方は既にそれを見ています。現実から目を背けても何も変わりません。けど、G4-X0並びにG3ユニットの武装なら、アンノウンを倒す事が可能です。」
「・・・・・そうか・・・・」
「しないとは思うけどデータを盗もうとしても無駄ですよ。コイツは俺にしか反応しない様にプロテクトが掛けられている。盗聴器及びカメラも、全て破棄しました。後、何でワザワザ聞くんですか?もう見てるんでしょ?あのフェリー・・・・・あかつき号の上で。」
「な・・・・何故お前がそれを・・・・?!」
「俺もあの場にいたからだ。まあ、また現れれば、奴らは俺と俺の仲間がぶっ倒す。邪魔をするなよ?手を出そうとすれば、間違い無く死ぬぞ。これはお前らの為でもある。良いな?」
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