No.519161

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百六十四技 幕が下りる・・・

本郷 刃さん

第百六十四話です。
今回でラフコフ討伐戦そのものは、終了します。
正直言って、内容酷いかも・・・。

どうぞ・・・。

2012-12-16 10:08:26 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9002   閲覧ユーザー数:8351

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百六十四技 幕が下りる・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

デモントとの戦いに勝利した俺は、奴が吹き飛んだ方向に来たのだが、見つからない。

 

やはり死んだか?

 

この周囲では既に戦いが納まりつつある。

 

「………っ、見つけた!」

 

俺はデモントを視界に収めた。

 

奴は戦ったり、捕まったりしていく他の残党に目もくれず、這う這う(ほうほう)の体で逃げるように駆けていく。

 

俺が奴を追おうとした時だった。

 

「キリト君! デモントは!?」

 

「あ、あそこです! 今から追うつもりですが…」

 

カノンさんが合流したのだが彼女のあまりの勢いに思わず怯んでしまった。

 

「っ、あたしが追うわ! キリト君はハクヤ君の援護に行って、PoHとまだ戦っているわ」

 

「大丈夫なんですか…?」

 

彼女の只ならぬ様子に俺は不安を覚えた。

 

「大丈夫よ、お姉さんに任せなさい」

 

「……分かりました、お願いします」

 

「ええ」

 

いつも通りに答えたカノンさんに取り敢えず任せることにして、俺はハクヤがPoHと戦っている場所へと向かった。

 

キリトSide Out

 

 

 

カノンSide

 

キリト君には後で謝らないといけないわね。でも、これだけは譲れないから。

 

「デモント…いえ、鬼船久……アナタは、あたしがこの手で……」

 

あたしは『ヴァントゥール』を握る手に力を込めて、逃げるデモントの後を追った。

 

カノンSide Out

 

 

 

キリトSide

 

ハクヤとPoHが戦っている場所に向かっていると、

 

「キリトくん!」

 

「キリト、無事か!?」

 

「大丈夫か!?」

 

アスナとエギル、クラインと風林火山のメンバーと合流した。さらにそこに、

 

「「キリト(君)!」」

 

シャインとティアさんと合流した。

 

「黒衣衆は全員無事だぜ」

 

シャインの言葉にホッとした。だがハクヤは未だにPoHと戦闘中だ。

 

ハクヤの方が強いとはいえ、さすがに急がないとな。

 

「俺はPoHと決着をつける。アスナ、一緒に来てくれ」

 

「うん!」

 

「それとシャイン、ティアさん。「「おう(はい)」」

 カノンさんを追ってほしい、さっき一人でデモントを追いかけたんだ」

 

「それは本当なのですか!? どちらに!?」

 

俺の言葉を聞くとティアさんは驚愕の表情を浮かべてその方向を尋ねてきたので、

俺は勢いに押されてその方向を指差した。

 

「っ!」

 

「「「「「リーダー!?」」」」」

 

するとクラインはそちらに向かって走って行き、風林火山のメンバーが驚いた様子を浮かべた。

 

「っ、シャイン! クラインさんを追ってください!「お、おう!」 風林火山の皆さんはこの場に残って!」

 

「一体全体、どういうことなんだ!?」

 

ティアさんに言われてシャインはクラインの後を追い、エギルや風林火山の面々はその様子に大事だと悟ったようだ。

 

俺はPoHとの決着に対する逸る気持ちを抑え、話しを聞かなければならないと思った。

 

「カノンは八年前に、仲が良かった従兄妹のお兄さんを……鬼船に殺されたんです」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

それはマズイ! いまカノンさんがデモントに追いつけば…。

 

みんなも同じ考えに至ったのだろう、焦る表情をしている。

 

それを悟ったのかして、ティアさんは頷き、言葉を発した。

 

「カノンとクラインさんは私とシャインに任せてください。キリト君はPoHを、皆さんはこの場をお願いします!」

 

そう言ってティアさんは駆け出して行った。

 

「行くぞ、アスナ…」

 

「うん…」

 

俺はアスナを連れてハクヤとPoHの居る場所へと向かった。

 

 

 

俺とアスナが着いた場所は包囲網から抜け出ており、すぐ側の森の入り口だった。そこで、

 

―――ガギィンッ!

 

ハクヤとPoHが戦っていた。ハクヤは俺に気付き、PoHから距離を取る。

 

そして、奴も俺のことに気が付いた。

 

「キリトか……お前が来たってことは、デモントは死んだか捕まったのか?」

 

「逃げたよ。殺される可能性も十分あるけどな…」

 

「そうかい…まぁ、俺としてはどうでもいいがな」

 

やはりか、コイツはそういう奴だからな。

 

唯一の部下と言っていいザザは監獄の中、ジョニーも先程そこに自ら飛び込んだ。

 

そしてラフコフの残党や信者もほとんどが監獄に送られ、残りは逃げたか死んだ。

 

再起は完全に不可能だろう。

 

「お前も分かっているんじゃないのか? もう詰みだということに」

 

「何を言っているんだ、キリト。俺にとっては死んだ時に初めて詰みになるんだ、ぜ!」

 

「くっ!?」

 

奴は俺に突進してくるとすぐさま『友切包丁(メイトチョッパー)』を振るってきた。

 

俺はそれを回避し、すこしばかり後退する。

 

「つれねぇじゃねぇか!」

 

「いきなり仕掛けてくるからだ!」

 

俺は前進し、PoHと刃を交えた。俺の《二刀流》による剣戟に、奴は必死ながらに捌いていく。

 

やはりコイツには才能がある…だが、それを人殺しの為だけに使っている以上、止めるしかない。

 

俺は剣を握る手に力を込め、一気に斬りかかった。

 

「ふっ、この勝負はお前に預けるぜ…」

 

「!?」

 

奴は『友切包丁』で『ダークリパルサー』を受け止めると、そのまま右手を離した。

 

そのせいで俺は体勢を崩して倒れ込み、残った『エリュシデータ』で斬りつけるがそれも…、

 

「なっ!?」

 

PoHは自身の左手を犠牲にして躱し、森へと駆け抜けていった。

 

そしてすぐに青白いライトエフェクトが発生して、奴の所在地が分からなくなった。

 

「っ…クッソォォォ!」

 

「キリト、奴はどこかの街に転移したんじゃないのか!?」

 

「無駄だ! 奴が≪転移結晶≫を二つ持っていれば、すぐに他の警備が薄い街に飛んで、

 その街から逃げられる……戦いには勝ったが、俺の負けだ!」

 

叫ぶ俺にハクヤは急ぎ喋りかけてきたが、俺は無駄だと説明した。

 

完全にしてやられた。奴にとっては今回の戦いは遊びでしかなかった。

 

そのうえ掌で踊らされた、完敗だ…。

 

「チクショウ…」

 

「キリトくん…」

 

俺の呟きを聞いて、アスナが俺の体を抱き締めてくれた。

 

俺の中には悔しさがまみれていた。

 

結局、PoH以外の面々はほとんどが捕まったという。

 

そして俺は、デモントを追ったカノンさんのことが気掛かりでならなかった。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

展開が急ですね、すいません。

 

デモントを追うカノン、再び逃亡に成功したPoH・・・フラグが立ちまくりですねw

 

転移先の街や村に入れば、確かに警備NPCなどに追われますが、そこから出ればどうということはありませんからね。

 

それでは、次回はカノンの視点になります。

 

ではでは・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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