No.519003

IS x アギト 目覚める魂 08: もう一人の幼馴染み

i-pod男さん

お待たせしました。鈴音登場編です。そしてG4-X0、そして白式の新たな能力の初披露となります。

2012-12-15 23:19:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3032   閲覧ユーザー数:2905

あの後、セシリアはしつこい程二人に己の非礼を詫びた。秋斗にかなりのトラウマを植え付けられ、文字通り一睨みで竦み上がるから謝らなければ後が恐ろしい事になると思ったのだろう。

 

「全く・・・・結局俺がやるのかよ。」

 

「頑張ってね織斑君!デザート無料のフリーパスの為にも!皆が喜ぶよ!」

 

「・・・・分かった。俺も一応甘党だしな。・・・・あ、そう言えば転校生が来るとか言ってなかったか?」

 

「大丈夫だよ、今は一組と四組しか専用機持ちがいないんだし。」

 

「「その情報古いぞ(よ)。二組も専用機持ちが代表になったから、そう簡単に優勝はさせないだろう(わよ)。」」

 

ツインテールの少女が扉を開けて堂々と言い放ったが、思いっきり秋斗の言葉と被ってしまった。当然、そこにいる事、そして台詞を予知した為だ。

 

「って私の台詞に被るな!」

 

「すまんすまん。そもそも、そんな事を言う為にワザワザ外で待ち伏せとは・・・・・・フフッ。」

 

「・・・・・鈴、お前それカッコいいと思ってやってるのか?それに気取られた時点でアウトだぞ?」

 

立て続けに酷評をされる鈴音はたじたじだ。

 

「う、うっさいわね!」

 

「まあ、何にせよ、久し振りだな。相変わらず元気そうで。」

 

「元気なのは勝手だが、」

 

スパァアン!!

 

「入り口を塞ぐな。そしてとっとと教室に戻れ。私がお前を投げ込む前に。」

 

「は、はいぃ・・・・一夏、逃げんじゃないわよ!良いわね?!」

 

捨て台詞を残して走り去って行く。

 

「廊下を走るな、馬鹿者。」

 

袖の中からチョークがナイフの様に飛び出し、それを投げ始める。どれも寸分違わず鈴音に命中した。

 

「容赦無えな、おい・・・・」

 

「どこにあんなの隠してたんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼休み・・・・・

 

「待ってたわよ、一夏!」

 

「知ってる。食券買えないからどいてくれるか?しかも待つのにチョイスする物間違ってるだろ?伸びて不味くなるぞ?」

 

「う、うるさいわね!分かってるわよ。」

 

「分かってるなら何で買うのさ。まあ、俺は人の好みにどうこう言うつもりは無いけどさ。出来立てを食べないと、作ったシェフに失礼だぞ?」

 

「うぐ・・・・」

 

「分かったらどけ。いつまでそこに立ってるつもりだ?」

 

いつもの席に座ると、セシリアと箒が一夏を問い詰める。

 

「この方とはどう言う関係ですの?!」

 

「ま、まさか、付き合っている、のか・・・・・・?!」

 

「べ、別に、そう言う訳じゃ・・・・」

 

「幼馴染みだ。まあ、箒が面識が無いのは仕方無いな。引っ越して行った後、殆ど入れ違いみたいな感じで来たから。中学辺りは殆どつるんでた。飯もよく一緒に食べたしな。勘違いしない様に言っておくが、彼女の実家が中華料理屋だからだ。」

 

そう言ってカツ丼をほおばり始める。

 

「うん、美味いな、これ。で、まさかお前がここに来るとは思わなかったぞ?」

 

「あんたこそ、どうしてIS動かしてるのよ?テレビで見てたけど、びっくりしたわよ。」

 

「成り行きだ。それより、お前も代表候補か何かになったのか?専用機(ソレ)、第三世代だろ?」

 

「そうよ。そっちの三人は?」

 

「ああ、そう言えば紹介しなかったな。俺とした事が。すまん。」

 

「俺は門牙秋斗。一応十八だが、敬語は必要無い。好きに呼べ。」

 

「私は篠ノ之箒。一夏の最初の幼馴染みだ。」

 

『最初の』と言う部分で語気を強める箒。

 

「イギリスの代表候補生、セシリア・オルコットですわ。」

 

「「「よろしく。」」」

 

(あーあ、何か嫌な予感がするのは杞憂であって欲しいが。けど、俺の予感て結構良く当たるんだよねー・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

そしてグラウンドにて。二組との合同訓練が行われた。実技を担当する事になった山田先生がラファールで激突しそうになったが、秋斗のお陰で事無きを得た。

 

「さてと・・・・そうだな・・・・鳳、オルコット。前に出ろ、専用機持ちなら直ぐに始められるだろう。」

 

「何で私が・・・・」

 

「ほら、頑張れ。出席簿(てっつい)が降って来るぞ。」

 

仕方なしに二人がISを展開する。

 

「で、相手は誰?」

 

「俺だ。てか、やらせてください織斑先生。」

 

「ふむ・・・・良いだろう。許可する。」

 

「え〜!?折角展開したのに・・・・」

 

「じゃ、僭越ながら俺が相手しますよ?」

 

項垂れる山田先生を慰めるかの様に秋斗も自ら進み出る。

 

G4-X0(コイツ)も使わないと製作者に怒られますから。」

 

『Initiate』

 

「フルスキンタイプ・・・・!?」

 

「まあ、元々は警察で・・・おっとと。フルスキンはフルスキンですけど、それが何か?一応強さは折り紙付きですよ?スピードを殺してでも、体は守りたいですからね。」

 

「ではまず門牙からだ。始めろ。」

 

「じゃ、先生、お手柔らかに。」

 

二丁の大形拳銃の形をした突撃銃、コブラ、ヴァイパーを構えた。グリップのレーザーポインターがぶれずにラファールに向けられる。

 

「始め!」

 

その瞬間、イグニッションブーストで接近し、連射を開始する。だが、流石は人の上にたつ教師と言うべきか。反応速度の速さは尋常ではない。回避して自分もライフル、レッドバレットで応戦を始めた。

 

(やっぱり教師は嘗められんね。んじゃ、格闘に持って行きますか。)

 

一旦銃を引っ込め、今度は巨大なチェーンソーの刃を持つ刀剣型武器ユニット『エンド』と、フルオートのショットガン『ガルベルストン』をコールした。だがそう簡単には当たらない。加えてどちらの武装も大型の部類に入る物なのだ、G4-X0のスピードロスは免れないだろう。だが、両肩からワイヤーが伸びてラファールを掴んだ。

 

「え?!」

 

「GA-04Z ジェミニ。あるのをすっかり忘れてた。」

 

そのまま彼女を引き寄せ、ガルベルストンを連射した。ちなみに、ガルベルストンの弾薬は散弾数種類に加え、スラッグ弾も混じっているかなりえげつない武器だ。見る見る内にエネルギーを削られるラファール。だが、そこで終わっては教師の名が廃るとばかりに、ブレッドスライサーでワイヤーを切断して離脱、グレネードランチャーを三発程撃ち込んで来た。

 

「ヤバッ!?」

 

GG-02に強化改造が施されたリボルバー式のグレネードランチャ—イフリートを構え、それに対抗する。空中でグレネードが掠り、爆発した。爆風で後ろに吹き飛ばされて秋斗は仰向けにひっくり返っていた。

 

「いっつつつつ・・・・」

 

「それまでだ。」

 

「にしても、山田先生強いな。いきなりグレネードが来るからびっくりした。お見それしました。」

 

「山田先生は過去に日本の代表候補まで登り詰めた。今位の実力は何でも無い。」

 

「む、昔の話ですよ。それに結局候補生止まりでしたし・・・・」

 

照れる山田先生を尻目に、千冬は一夏、鈴音、そしてセシリアにISを展開させる。

 

「二対一で本当に勝てると思ってるの?」

 

「やれば分かる。」

 

「鳳、織斑を甘く見るな。痛い目に遭うぞ。お前達二人でも負ける可能性は充分ある。では、制限時間は十分だ。初め!」

 

先に仕掛けたのは、鈴音だった。両手に巨大な青龍刀の様な武器、双天牙月を連結させ、バトンの様に振り回しながら突っ込んで来る。だが、一夏は武装を展開せず、そのまま動かない。

 

「どうしたの?まさかビビッてる?」

 

「冗談は顔だけにしておけ。」

 

振り下ろされる武器を、何と一夏は掴み、頭突きを喰らわせた。

 

「あうっ!?」

 

いきなり脳味噌を揺らす攻撃を食らい、不覚にも武器を手放してしまう。それを掴み、棒高跳びの棒の様にそれを使って鈴音を空に蹴り上げる。それも、セシリアがいる所に。

 

「ウォオォォオオオオオォォオオオオオオオ!!!!」

 

野獣の如き咆哮を上げながら特攻、双天牙月を振り回す。

 

「コイツは返すぜ。」

 

そして投擲。鈴音にまともにぶつかり、セシリアもその巻き添えを食らってしまう。

 

「こんのぉおお!!」

 

両肩のアーマーがスライドし、何かが撃ち出され始めた。だが一夏はそれをまるで分かっているかの様に避け、更には軌道を剣でズラした。

 

「見えるぜ、ちゃんと、な。」

 

飛んで来るエネルギー兵器の嵐を剣一本で一掃して行く。その様は正に剣聖だ。そして遂にビットを二つ、双天牙月の内一本を破壊した。ここまでで僅か五分だ。

 

「衝撃砲まで避け切るなんて、何なの、コイツ・・・・信じられない・・・!!

 

「グルルォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーー!」

 

ギルスに変身したときと同じ様に叫びを上げながら攻撃して行く。

 

『ワンオフアビリティー:全身武装(ジェネラル・アーマメント)発動。』

 

そして、両腕、肩、踵、肘から刃が伸び始めた。

 

「何、あれ・・・・!?セカンドシフト?!」

 

「違うな。だが、これで、ようやくしっくり来るぜ!」

 

全身の刃が分離し、零落白夜のエネルギーを纏って回転しながら二人に迫って行く。だが、そこで・・・・

 

「時間だ。それまで!」

 

「良い所だったのに・・・・」

 

体から伸びたクローを全て収納し、ISも消した。

 

「そんな・・・・二人掛かりでも・・・・」

 

「全く歯が立ちませんわ・・・!」

 

「俺だっていつまでも弱い訳にも行かない。いつ俺を拉致ろうとする酔狂な輩が現れるか分かったもんじゃ無いからな。しかし、不思議だな。ワンオフアビリティーは一つしか無い筈なのに、何で二つも・・・・?(これもまた、アギトの力、なのか・・・・・?)」

 

「まあ、俺達は特異ケースだからな。何が起こっても不思議じゃない。ネットでフラグメントマップがどんな物か見て、それで俺とお前のを見て比べてみたが・・・・過去のパイロットのどの形にも当て嵌まらない。」

 

「一晩でそれを調べたのか?!」

 

「お陰で少し寝不足だがな。」

 

秋斗はISを解除し、目元を指差す。うっすらとだが隈が出来ているのが見えた。

 


 
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