「時に婿殿。マチルダ殿と妹君を我がヴァリエール家に迎えたいのだが可能か?」
「迎えるの意味にもよりますが…可能と思います」
あの後数分がたった後、唐突に義父上が聞いてきた
…迎えるって屋敷に招くって意味だよな?
そうだよな?
「そうか。ではマチルダ殿を婿殿の婚約者にしようか」
「ちょっと待ってください!何故いきなりそうなるのですか!?」
待ってくれ。本気で何でそういうことになったのかを聞きたい!
「うむ。話を聞けば、彼女達はアルビオンに住んでいるそうじゃないか。アルビオンはいま内乱が激化している。それなら我がヴァリエール家で匿ったほうが良いと思ってな。それに彼女達は公式には死んだ事になっているからな。アルビオン王家に生きているのを知られたらことだ」
「それは分かります。実際私も匿ってもらおうと思ってましたから。しかし何故マチルダと婚約することになるのですか!?それに私にはもう二人の婚約者がおります!エレンとカトレアが許すわけ無いでしょう!?」
エレンは特に今まで結婚を断られてた分、そういうことに厳しそうだし!
「わたしはいいわよ?」
「エレェン!?」
「私も構わないわ♪」
「カトレアまで!?」
何で!?二人とも寛容すぎないか!?
「ちょっと待とうか二人とも。学院の図書室で調べたが、確かにこのトリステインは一夫多妻が許されているが、二人はいいのか?」
「ええ。わたしも貴族だし、そういうことは理解できるもの」
「私はあなたに最初会ったときに、『この人はたくさんの人から好かれているな』って思ったって言ったでしょ?そのあとエレオノール姉さまと話して、私達が納得するなら一夫多妻でもいいって決めたのよ♪」
「それに一夫多妻って言うのなら、あなたは既にわたしとカトレアと婚約しているじゃない」
それを言いますか。痛いところを…
「で、でもマチルダが了承するかは分かりませんよ?」
「では今から彼女を連れてきてください♪わたくしとの決闘のときに使ったあの『飛雷神』という術ならすぐでしょう?」
「義母上まで!?…分かりましたよ。マチルダをつれてきますので、誰かこのクナイを持っていてください。私が戻ってくるときの目印になりますので」
そういって『飛雷神』のマーキングが施されたクナイを取り出す
「あ、それ私が持ってるわ。いいでしょ?」
「ルイズか。いいよ、はい。一応刃物だから気をつけてね?」
さて、マチルダにはマーキングクナイを持たせてあるけど…
しょうがないから迎えに行くか。はぁ…どうしてこうなった?
「では、行ってまいります…『飛雷神の術』」
俺は一瞬で、ある家の中に移動した
ん?マチルダが持ってるはずなんだけど…。ああ、子供達と遊んでるから刃物は置いていったのか
マチルダはっと…。お!いたいた
「おーい。マチルダ!」
「ん?誰だい。あたしを呼ぶのは…ッ///。…あんたか、何かあったのかい?」
…なんでマチルダは俺と会うたびに顔を赤くするんだろうか?
「いや、ちょっと用事があってな。一緒にきてくれないか?」
「用事?」
「ああ。ヴァリエール家絡みでな」
「ヴァリエール!?…そういえばあんたのご主人はヴァリエールの御令嬢だったねぇ。で?そのヴァリエール家があたしに何のようさね」
「ちょっと義父上と義母上がな…」
「…義父上?義母上?ちょっと待っとくれよ。どういう意味だいそれは?」
ああ。マチルダの報告を最後に受けたのはヴァリエールに行く前日だったな
「そういえば言ってなかったな。カトレア…ヴァリエールの次女の病気を治して、その縁でエレン…長女とカトレアと婚約したんだ…。まったくどうしてこうなったんだか」
…なんだろう。マチルダから尋常じゃない殺気がにじみ出ている
「そうかい…。あたしにあんなこと言っておいて、他の女と婚約?フフフ、イル・アース・デル『錬k」
「ちょっと待った!一旦落ち着け!」
おい!いきなり錬金して何をするつもりだったんだ!?
そういいつつ、俺はマチルダの腕を押さえつける
「大丈夫さ。あたしは落ち着いてるよ。落ち着いてあんたを土くれに還してあげようとしてるのさ…」
おーい!目からハイライトが消えてるぞ!
「そ、それで、義父上が何故かは知らないけどマチルダを俺の婚約者にしたいから、迎えに行けって言われて来たんだ!」
む?今度はだんだん殺気が消えてきた?
「…あたしがハヤテの、婚約者?…………ッ!?///(ボンッ!」
あ、真赤になって煙出た
「ちょ、ちょっと待っといてくれ!妹に報告して服を着替えて、湯浴みをしてくるから!」
「待て。明らかにおかしいのが一つあった」
なんだよ湯浴みって。妹とか着替えとかはまだ分かるが何故湯浴み?
「わ、分かったよ…。服を着替えて湯浴みをしてくるよ」
「何故妹を除外した!?湯浴みを外せ湯浴みを!」
そんな漫才を数分やった後、妹に紹介したいという事で広場に連れて行かれた
「テファ~?ちょっといいかい?」
「あ、姉さん。うん、いいよ」
呼ばれてきたのは、長い金髪に尖った耳という特徴を持つ少女だった
「あ、姉さん。この人は?」
「この間も話しただろう?ハヤテ・ナミカゼだよ。あたしの恩人だ」
「ああ!あなたがハヤテさんですか!いつも姉さんが話してますよ。『ハヤテは本当にカッコイ「余計なこというんじゃないよ!(ゴン!」…うぅ~、痛いよ姉さん~」
…どんな事を言ってるかがひっじょ~に気になるんだが?
「え~…。お会いするのは初めてですよね。初めまして。波風ハヤテと申します」
「うぅ~。す、すいませんご丁寧に。ティファニアです。言葉遣いは普通でいいですよ」
「そうか?ありがたいな」
「それで、今日はどんな用事ですか?」
え~っと…ちょっとストレートに言うのはなぁ…
「あっと…、少しマチルダに用があってな。迎えに来たn「なんかあたしを婚約者にしたいらしくてねぇ。その話し合いに行くのさ♪」…」
マチルダェ…
「ホントに!?そっかぁ…姉さんもとうとう結婚かあ…。わたしもしたいなあ」
…そういえばハーフエルフだから村の外に出れないし、人と会えないんだっけ?
何とかしてやりたいな。普通の人と違うのは耳だけだから、そこを何とかすれば…
でも変化だとそのうち効果が切れるしな…。アクセサリーかなんかに変化の術を込めればいけるか?
ちょっと試してみるかな
「マチルダ。ちょっと試したい事があるんだけど」
「うん?なんだい?」
「ティファニアの耳を普通に出来るかもしれない」
「「!?」」
「ちょ、ちょっとそれ、本当なのかい?」
「確証は無いけど、体に害は無いよ」
「…やってください。ハヤテさん」
「…そうだね。やってみておくれよ」
「うん。じゃあ、まずは『錬金』!」
俺は錬金で、プラチナの指輪を錬金した
そしてまた錬金し直して、不純物を取り除く
「ほえ~。とっても綺麗な指輪…」
「見事なもんだね。土のトライアングルのあたしでもあんな指輪は作れないよ」
「それじゃ次は…」
俺はミョズニトニルンのルーンを発動させ、どうすれば効果を込められるかを調べる
…なるほど。指輪自身に変化を掛ければいいのか
よし。方法は分かったから…
「『変化の術』」
指輪は白い煙を出して、翼を広げたような形になった
「それじゃティファ二ア。これをつけてくれ」
「あ、ハイ。分かりました」
指輪をつけたのは左手の薬指…。意味分かってんのかね
ティファニアが指輪をつけた瞬間、彼女の両耳から白い煙が上がった
煙が晴れた後、彼女の耳は…
「あ、ああ。テファ。み、耳が…」
「何?姉さん。耳がどうしたの?」
俺は手鏡を錬金して、ティファニアに渡した
「耳が、短くなってる…」
「成功みたいだな」
よかった。彼女みたいな優しい娘が迫害されるのは嫌だからな
もちろん迫害自体嫌いだけど
「ハ、ハヤテさん!ありがとうございます!」
「これで、街にもいけるんだが…、アルビオンは駄目だな」
「え?どうしてですか?」
「アルビオンでは内乱が起こってるんだ。今、街に行ったっているのは反乱軍の奴らだけだ」
「そうなんですか…。あの、わたしのことは『テファ』って呼んでください」
「ん?別にいいけど…」
「ちょっと。そろそろ行かないかい?」
おう、そういえばマチルダを迎えに来たんだっけ?
「ああ、じゃあそろそろ行くか。またな、テファ」
「…ハヤテさん。私もついて行っていいですか?」
テファがついていく?馬車は公爵家のだけあって随分広いから大丈夫だろうけど
「いいよ。それじゃあ、しばらく戻ってこれないかもしれないから子供達に言ってきな」
「分かりました!」
そういって嬉しそうな笑顔でテファはパタパタと駆けていった
反対にマチルダはなんか渋い顔でテファを見ている
「マチルダ、どうした?」
「…いや、なんでもないさ」
そうしている内にテファが戻ってきて、再び『飛雷神の術』を使い馬車に戻った
今回の『駆ける疾風』!三つの出来事は!?
ひとぉつ!ハヤテ新たな婚約者候補!!
ふたぁつ!ティファニア、耳が短くなる!!
みぃっつ!ハヤテ、ティファニアフラグを建てる!?
さて、ハヤテはどれだけハーレムを増やすのか!?チッ、リア充爆発しろ(ぼそっ
それでは、次回の投稿をお楽しみに!!
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第十九話です。お楽しみいただければ幸いです