No.516513

魔法少女リリカルなのはStrikerS~二次創作~ 第28話 「日常、不思議な1日」 後編

4mさん

続きです

2012-12-09 00:19:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3346   閲覧ユーザー数:3087

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~機動六課、自分用の控え室~

 

「ほら」

 

「ニャー」

 

「・・・にゃ」

 

「・・・」

 

あの日泊まった空き部屋のベッドに子猫たちを 放す

 

ずっと抱かれていたことに疲れたのか、特に動 かずベッ ドの上で丸くなっていた

 

「・・・」

 

一方女の子はというとは部屋が珍しいのか四つ ん這いに なって部屋を物色していた

 

「どーしたもんかなー」

 

俺もベッドの上に横になり、仰向けになった

 

これだけ探しても手がかり一つ見つからない

 

もしかしたらシグナムさんやフェイトさんが街 で迷子の 子猫について情報が入ったかもしれな い

 

あ、だとしたらはやてさんに報告するか・・・

 

「・・・俺だってね」

 

俺は金色の模様が入った猫を両手で持ち上げた

 

「できるならフェイトさんとかシグナムさんと かと仲良 くしたいんだよ」

 

「ニャー・・・」

 

「にゃ」

 

「でもなんだか俺の中で、『あの人たちは管理 局員』っ ていうイメージがついちゃってるんだ よね」

 

「・・・」

 

「仲良くなったらゲーセンとか一緒に行って、 プリクラ とか撮ったり、模擬戦も・・・嫌では ないんだ。恐いけ ど。でもさ・・・」

 

俺は金色の模様が入った猫を、リボンをした猫 のすぐ横 に降ろす

 

「なんだか・・・一歩踏み出せないんだよね、 否定され そうで」

 

そりゃそうだ、あの人たちは管理局員

 

遊んでいる暇などない

 

だから・・・そんなの夢のまた夢なのだ

 

「ふぁ~、今日はもうバイトもないしちょっと 寝かせて もらおうかな」

 

時計は十時くらいを指していた

 

ちょっとくらいなら大丈夫だろう

 

「疲れた・・・おやすみ」

 

大人しくなった子猫の頭を撫でながら、俺は眠 りについ た

 

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~機動六課、控え室~

 

「うーん・・・」

 

目を擦りながら周りを少し見渡す

 

枕元には子猫が二匹、床には女の子が体育座り という器 用な格好で寝ていた

 

「げ、女の子を床で寝かせるとか・・・最低だ な俺」

 

少し後悔しながら体を起こすと、それに気づい たのか女 の子も目が覚めたようだ

 

「あぁ、ごめんね。起こしちゃった。今何時だ ろう?」

 

時計を探して時間を確認してみると、針は午後 三時を指 していた

 

「うわ、やばい寝過ぎた」

 

でも幸い、バイトは今日朝で終わりだ

 

ほっとため息をつく

 

「この子たちは一体どうしよう・・・シャムの 家に連れ ていくわけにもいかないし・・・」

 

俺が悩んでいたその時だった

 

女の子がハッと何かに気づくと、突然子猫たち を抱きか かえ部屋を飛び出していった

 

突然のことに俺も驚きを隠せない

 

「え!?ちょっ!どこいくんだー!?」

 

俺も慌てて部屋を飛び出す

 

左右を確認したところ、一瞬だけ廊下の曲がり 角に白い ワンピースが消えたのが見えた

 

あっちは食堂の方だ

 

ーーーーーーーー

 

~機動六課、廊下~

 

「はぁ・・・はぁ・・・、どうしたの?急に走 り出して 」

 

俺が追いつくと、女の子は食堂の入り口の前に いた

 

いや、というよりも俺を待っていた

 

女の子と俺の間には若干距離がある

 

俺が来たことに気がつくと、女の子は振り向き

 

「・・・いつも・・・お散歩・・・ありがと」

 

・・・そう言い残し、食堂へ消えていった

 

「?」

 

俺はそのまま女の子を追い、食堂へと入った

 

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~機動六課、食堂~

 

「あれ?確かに食堂に入ったのに・・・」

 

食堂に入ったはずの女の子の姿が見つからず、 俺はます ます疑問が広がった

 

あの女の子は一体何者なんだ?

 

食堂を散策していると奥に人影が見えた

 

「なんだ、そこにいたのか・・・あれ?」

 

そこには

 

「・・・シグナムさんにフェイトさん?」

 

シグナムさんとフェイトさんがテーブルに突っ 伏して寝 息を立てていた

 

そのテーブルの上ではヤドカリくんがトコトコ 歩いてい る

 

「ヤドカリくん・・・ってシグナムさん、フェ イトさん 。起きてください」

 

寝ているシグナムさんとフェイトさんの体を揺 すると、 二人はゆっくりと体を起こした

 

「うーん・・・ダンテ・・・ダンテ!?」

 

「は、はい。自分はダンテですが・・・」

 

「ふ、ふぇ~!」

 

「あ、フェイトさん!一体どこへ!?」

 

「貴様・・・貴様ー!」

 

「シ、シグナムさん!やめてー!なんだか知ら ないです けどすいませんでしたー!」

 

そのあとしばらくシグナムさんに追いかけられ た

 

こうして、不思議な一日は幕を閉じたのであっ た

 

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~次の日、車内~

 

「・・・あの~」

 

「なんだ?」

 

「なんで今日は二人のパトロールに誘ってくれ たんです か?」

 

「えーとね・・・」

 

「きょ、今日行く場所の一つが私にはあまり経 験のない ところでな。そこでダンテに知恵を借 りようと思ってな 」

 

「はぁ・・・、それでそこはどんな場所なんで す?」

 

「その・・・ゲ」

 

「ゲ?」

 

「・・・ゲーセン・・・だ」

 

「は、はいぃぃぃぃ!?」

 

最近起こった中で一番びっくりした

 

ーーーーーーーー

 

「ところでシャムちゃん」

 

「なんですか?」

 

「あの薬って何だったの?」

 

「あー、あれは薬なんて大それたものじゃないですよ。た だの栄養ドリンクです。ですがたまに副作用が出ちゃう時 がありまして・・・」

 

「副作用?」

 

「はい。体に害があるものではないんですが・・・実はで すね」


 
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