「♪」
ルカは幸せそうに学校から帰っていた。
普段ならやっと学校から帰れるとほっとしているのだが、今日は学内交流が楽しかったようで嬉しそうだった。
ルカは普段学校で一人でいることが多い。休み時間は誰かと遊ぶのではなく、一人で勉強をしていることが多い。遊ぶのが嫌いなのではなく、一緒に遊ぼうと声をかけることができないのだ。そのため一人でいることになり、何もすることがないので勉強することが多かった。班だって自分から入っていったのではなく、クラスのリーダーであるクラスメイトが声をかけてルカを班に入れてくれたのだ。だから、今日のように上級生は勿論のこと、同級生ともあんなに長い時間一緒に遊ぶことはほとんどなく、そのため、今日の学内交流はルカにとって、とても楽しいものだった。
(「楽しかったなぁ・・・」)
学内交流のことを思い出しながら、幸せそうにルカは帰り道を歩いていた。その時、ルカは前の方に見知った人物が歩いているのを見つけた。
「!!」
ルカはその人物に向かって――いつもよりテンションが高いのもあって――走っていく。
「コンウェイ!!」
その人物――コンウェイ・タウ――が、ルカの方に振り向く。
コンウェイ・タウはキレイな顔立ちをした青年で、ルカの家の近くに住んでいる。ルカより9歳上の高校3年生で―‐学校帰りなのだろう―‐今は学生服を着ている。ルカが小さい頃からの付き合いで、ルカの面倒をよく見ていくれている。そのため、普段は引っ込み思案のルカだが、コンウェイには見つけるとすぐ近寄っていった。
コンウェイは自分のところに走ってくるルカを微笑ましそうに見ている。
「やあ、ルカくん」
「コンウェイ、帰るの?」
「ああ、そうだよ。一緒に帰ろうか?」
「うん!」
「ルカくん、今日は何か良いことがあったのかい?とても嬉しそうだよ」
「えっ―‐!?」
コンウェイはルカと一緒に帰ろうとするやいなや、ルカにそう尋ねた。
「なんで分かるの!?」
驚いたルカは大きな目をさらに大きくさせてコンウェイを見た。
コンウェイはルカのそんな様子を見て、クスクス笑う。
「ルカくんは顔に出やすいからね。すぐ分かるよ」
「えっ、えーー!」
ルカは顔を真っ赤にさせて慌てている。
コンウェイはルカの反応が面白くて、さらにクスクス笑っている。
コンウェイのそんな様子にルカはさらに顔を赤くさせて慌ててしまう。
ルカの反応を楽しんだ後、コンウェイはルカに尋ねた。
「それで、何があったんだい?」
「あっ、あのね――‐」
ルカが嬉しそうに話し始めたとき――‐
「ルカ兄ちゃん!コンウェイのおじちゃん!」
ルカとコンウェイの横の方向から、聞き覚えのある声がした。
「あっ!エルマーナ!!」
声をかけてきたのは、ルカやコンウェイの家の近くに住んでいるエルマーナ・ラルモだ。エルマーナはまだ7歳の小学1年生だが、大人びていて学校では1年生のまとめ役である。ただ、やはり7歳の子供であり、自分より年上の人をからかうのがよくあった。
「おじちゃん・・・!?僕はまだ高校3年なんだけど・・・?」
コンウェイがキレイな顔を引きつらせてエルマーナに言う。
しかし、エルマーナはそんなことなどお構いなしといった風に返す。
「7歳からしたら、おじちゃんやで!」
その日、小学3年生のルカがオタオタしながら、高校3年生のコンウェイと小学1年生のエルマーナの間を取り持つことになった。
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TOI-Rの現代パロの4話目です。