姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
第十五話
「初平の変 救出」
「な、何だと!?」
管理者が集う空間で外史を眺めていた男は、今起ころうとしている出来事に混乱を隠せなかった。
「これではまるで、司馬懿が魏国で起こしたクーデター……『正始の変』ではないか!」
『正始の変』とは、先ほど彼が言ったよう司馬懿が魏国に対して……というより、この時大将軍だった曹爽をその地位から引きずり降ろ
すために起こした事変である。
現在目に映っている光景だけを見ると何処にでも起こりそうな反乱だが、何故彼が正始の変のようだと思ったのか、それは……
「司馬懿が病だと偽り、相手を限りなく油断させた後、尚且つその相手が城から出て行った時に乱を起こす……もう疑う余地は無い」
そう、乱が起こるまでの重要な過程が一致しているのである。
(これが正始の変と同じような役割を果たしているというのであれば……)
彼は考えたあと、後ろを売り向いた。
「そこに居るなら出て来い」
「はっ、お呼びでしょうか……」
彼がそういうといつも報告をしている男が現れる。
「見ていたであろう……どう思う?」
「そうですね……」
どうやらこの後の展開について問われていると分かった報告役は少し考えたそぶりを見せた後、
「もしこれが史実や演技における『正始の変』ならばこの次に起こるのは北伐を開始した蜀との戦いを思いつきますが……」
「やはりお前もそう思うか……だが……」
彼は分からなかった。
正史などでは『正始の変』の後、蜀との長い激闘が始まる。
だが、そもそも『正始の変』が起こったのは、劉禅が蜀帝だった時の頃で劉備は既に死亡しており、さらに言えば諸葛亮が亡くなった
戦い、『五丈原の戦い』が終わった後の出来事である。
つまり……。
(劉備も諸葛亮も生きている……それどころか劉備はまだ国を興していない)
彼が分からないのはこの外史は何が条件で『正始の変』が起こったのかという事である。
この世界は外史……
正史を元に作られた世界である以上、独立度が高い世界だとしてもそういう条件の成立と言ったものは必ずあるはずである。
晋の国の始まりと言っても過言ではない出来事ならば尚更に。
元十常侍の李傕達ではその条件に足りえるとは思えない。
また、反董卓連合の失敗も条件に足りえない。むしろこれらは以前に予想を立てた史実どうりの動きになる条件に当てはまりそうだ。
だとすればその二つ以外で何かが起こっていたということになる。
彼はこの外史の様々な出来事や情報を思い出す。
そして……
「ん?、待て……」
彼は以前、報告役がもたらしたある事を思い出す。そこから一つの可能性に結びつき、はっとした。
「まさかな……」
しかし調べる必要はあると思った彼はすぐさま報告役にある頼みごとをする。
「五胡の動きが活発になっている件だが、調べる必要があるかもしれん……すぐに調べてくれ」
「かしこまりました」
理鎖の号令を掛けたすぐ後、一刀達は董卓達の救出に向かう。
「闇那、董卓さん達の場所は」
「董卓が書いた紙によるとどうやら長安から少し離れた此方の方角にあるそうです」
闇那は紙を見ながらその方角に指した。
「董卓さんはよくやってくれたな、李傕達に気付かれずに紙に書いて隠してくれた」
「というより気付こうともしないあいつらが馬鹿なんじゃない、一君?」
「まあ、それもあるかも知れないけどさ……」
董卓達の居場所が判明したのは彼女の覚悟があったからだった。
――あの時落ちた董卓を救ったのは密かに潜入していた一刀と闇那だった。
潜入するのは簡単だった。
警備兵は居たのだがろくに訓練されていないかったため居眠り、余所見が多かったからである。
その一刀達は彼女に自分達の策を伝え監禁される場所何としても此方に伝えて欲しいと頼んだのだ。
彼女はすぐに了承した。
最早味方は一人も居ないと思った彼女にとって一刀達の登場は大きな希望となる。
彼女は何皇后達が監禁されていた場所を把握していた。
自分が彼女達と同じ所に移動されるとわかった後、彼女は一瞬の隙に逃げ出したのだ。
しかしそれは李傕達から開放されるためでは無く、一刀達にその場所を伝える時間を稼ぐためだった。
彼女は逃げ出しながらすぐに政務室で紙を取りその場所を書き、かつて自分の部屋に隠した。
なかなかの博打だったがそこまで成功させた後に捕まり、気絶させられるまで殴られたのだった。
闇那は得意の隠密で董卓に指定された部屋まで行きその紙を入手したというわけである。
故にそうなるとわかっていた上で実行した董卓を一刀は賛辞し、美華は逃げていた董卓が何をしていたかを考えない李傕達を馬鹿だと
言ったのであった。
「とにかく急ごう。奴らが戻ってくる前に何としても救い出す」
「畏まりました」
「うん、わかってるよ一君」
そしてついに監禁場所にたどり着く。
無論警備兵が居るが、少数なので一刀達には何の問題にもならなかった。
「どけ!!」
警備兵の隊長格を瞬時に見極めて一刀は首目掛けて横一閃に斬った。
斬りつけられた隊長兵は言葉も発することも出来ずに首を刎ねられ絶命する。
周りの兵達は一瞬何が起こったのか分からなかったのか理解できなかったが、理解すると次々に一刀に襲い掛かるが……
「ふっ!!」
闇那が数人ほど兵の首に短剣を投げつけ突き刺した。
尽かさず一刀は殺気を放つ。
「死にたくなければ武器を捨てろ!!」
完全に戦意を喪失した兵達は降伏した。
降伏した兵から牢の鍵を獲り、董卓達の所に向かう。
牢に到達するとそこには何皇后と劉協、そして殴られぼろぼろになっている董卓がいた。
「お、お前は!?」
何皇后は一刀を確認すると思わず声が出るほど驚く。
「何皇后様、今救い出しますので少々お待ちください」
「な、何と……私達を救ってくれるというのか?」
さらに何皇后は驚く。
何せ自分が陥れた人間が助けるといったのだから……
「よし、鍵を開けた……闇那はすぐに何皇后様と劉協様を連れて行ってくれ」
「はい、任せてください」
「すまぬ……司馬昭よ」
闇那に指示するとすぐに美華と共に董卓の所に駆け寄った。
「董卓さん!、しっかりしてくれ!」
一刀が声を上げ呼びかける。
彼女の瞼が動きゆっくりと目を開けた。
一刀の顔を見た瞬間に董卓は涙を流した。
「司馬昭様……本当に……本当にありがとうございます」
こうして董卓達は一刀達に救出された。
あとがき
月達の救出に成功しました。
次から本格的に李傕達を追い詰めることになります。
また晋勢の新キャラを出す予定となっています。
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十五話目を投稿します。
実は小説の書き方を少し勉強しました。
どうでしょうか?