No.512492

ソードアート・オンライン ロスト・オブ・ライトニング 第一話 戻らぬ閃光の手がかり

やぎすけさん

原作のフェアリーダンス編スタートです。

2012-11-26 19:31:23 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2645   閲覧ユーザー数:2524

デュオ視点

エギルにメールで彼のやっている喫茶店兼バー<<Dicey Cafe>>に向かう。

山手線御徒町駅から徒歩でいくらか歩き、少しゴチャっとした感じの裏通りに、さいころを模した看板を掲げたエギルの店Dicey Cafe(ダイシー・カフェ)はあった。

表札にはCLOSEと書いてあったが、気にせず中へと入る。

そこにはマスターである、エギルことアンドリュー・ギルバート・ミルズともう一人、SAO時代の仲間、キリトがいた

 

キリト「デュオ・・・なのか・・・?」

 

どうやらエギルにもう一人くるとだけ聞かされていたようだ。

 

大地「久しぶり・・・というより、はじめましてって言った方がいいのか?」

 

キリト「まあ……現実(リアル)でははじめまして、だな」

 

苦笑するキリトに、俺はとりあえず自己紹介する。

 

大地「はじめまして、双葉大地だ。またよろしく頼む。」

 

キリト「こっちこそ。俺は桐ヶ谷和人。」

 

お互いに自己紹介を済ませると、席に着いてエギルに本題について訊く。

 

大地「で、どういう用件だ?」

 

アンドリュー「これについてだ。」

 

エギルは一枚の写真を差し出してくる。そこには、鳥かごの中にいる一人の少女が写っていた。

俺は口笛を吹くと、呟いた。

 

大地「これはまた・・・カズ。」

 

俺が声をかけるとわかってるというようにうなずいて口を開く

 

和人「ああ、アスナに似てる。実はアスナをはじめとする数百人のプレイヤーがまだ目覚めてないんだ」

 

大地「なるほど。」

 

茅場は全てのプレイヤーを現実に戻すと言った。彼の性格からするとそれを破ることはまずありえない。

すると、何かのトラブルか、あるいは誰かの意図か・・・

 

大地「見たところ、ゲーム内のスクリーンショットのようだけど、タイトルは?」

 

するとエギルはカウンターの下からゲームソフトを二つ取り出すと俺とキリトに手渡してきた。

タイトルは<<ALfheim Online>>。

 

大地「アルフヘイム・・・妖精の国か・・・」

 

アンドリュー「アルヴヘイムと読むらしい。」

 

和人「聞いたことないハードだな・・・」

 

キリトがそう言ったので右上に印刷された文字をみる。そこには<<AmuSphere>>と書かれている

 

アンドリュー「<<アミュスフィア>>。オレたちが向こう側にいる間に発売されたんだ。ナーヴギアの後継機だよ、そいつは。」

 

大地「てことはVRMMOか。」

 

和人「妖精・・・まったり系か?」

 

アンドリュー「それが、そうでもなさそつだぜ。ある意味えらいハードだ。」

 

そうキリトが言うとエギルはニヤリと笑う

 

和人「ハードって、どんなふうにだ?」

 

アンドリュー「どスキル制。プレイヤースキル重視。PK推奨」

 

和人「どスキル制・・・?」

 

アンドリュー「いわゆるレベルは存在しないらしい。各種スキルが反復使用で上昇するだけで、育ってもHPは大して上がらないそうだ。戦闘もプレイヤーの運動能力依存で、ソードスキル無し、魔法ありのSAOってとこだな。グラフィックや動きの精度もSAOに迫るスペックらしいぜ」

 

大地「なるほど。で、PK推奨ってのは?」

 

アンドリュー「プレイヤーはキャラメイクでいろんな妖精の種族を選ぶわけだが、違う種族間ならキル有りなんだとさ。」

 

和人「そりゃ、えらいハードだ。でも、いくらハイスペックでも人気出ないだろ、そんなマニア向けな仕様じゃ。」

 

するとエギルは再び笑う

 

アンドリュー「そう思ったんだけどな、今大人気なんだと。理由は“飛べる”からだそうだ」

 

和人&大地「「飛べる・・・?」」

 

俺とキリトは同時に首を傾げた。

 

アンドリュー「妖精だから羽根がある。フライト・エンジンとやらを搭載してて、慣れるとコントローラなしで自由に飛び回れる。」

 

キリトがへえっと声を上げる。

 

和人「それは凄いな。羽根はどう制御するんだ?」

 

アンドリュー「さあな。だが相当難しいらしい。初心者は、スティック型のコントローラを片手で操るんだとさ。」

 

大地「なるほどな。だけど、それとさっきの写真とどう繋がるんだ?」

 

エギルはパッケージを取ると裏返す。そこに描かれている巨大な樹を指差すと言った

 

アンドリュー「世界樹と言うんだとさ。プレイヤーの当面の目標は、この樹の上の方にある城に他の種族に先駆けて到着することなんだそうだ。」

 

和人「到着って、飛んでいけばいいじゃないか?」

 

大地「どうせ、飛行時間に制限があるんだろうぜ。」

 

呆れた声を出す俺

 

アンドリュー「そうだ。なんでも滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい。この樹の一番下の枝にたどり着けない。でもどこにも馬鹿なことを考えるやつがいるもんで、体格順に五人が肩車して、多弾ロケット方式で樹の枝を目指した。」

 

和人「なるほど。馬鹿だけど頭いいな」

 

アンドリュー「目論見は成功して、枝にかなり肉薄した。ギリギリで到着はできなかったそうだが、五人目が到達高度の証拠にしようと写真を何枚も撮った。その一枚に、奇妙なものが写り込んでたらしい。枝からぶら下がる、巨大な鳥かごがな。」

 

和人「鳥かご・・・?」

 

アンドリュー「そいつをギリギリまで引き伸ばしたのが、その写真ってわけだ。」

 

大地「そういうことか・・・」

 

俺が納得して頷くと、キリトが言った。

 

和人「エギル、このソフト、もらっていいか?」

 

一瞬気遣わしげな顔をしたが、次の瞬間それは和らいだ

 

アンドリュー「構わねえが、行く気なのか?」

 

和人「ああ、この眼で確かめる。ハードも買わなくちゃな。」

 

アンドリュー「ナーヴギアで動くぞ。アミュスフィアは、単なるアレのセキュリティ強化版でしかないからな。」

 

和人「そりゃ助かる」

 

エギルは、にやりと笑うと言った

 

アンドリュー「ま、もう一度アレを被る度胸があるなら、だけどな。」

 

和人「もう何度も被ってるさ。」

 

キリトが目配せしてくるので俺はうなずいた

 

大地「じゃあ、俺は帰るよ。ご馳走様、また情報があったら頼む。」

 

アンドリュー「情報代はつけといてやる。アスナを助けだせよ。そうしなきゃ俺たちの戦いは終わらねえ。」

 

和人「もちろん助けるさ。」

 

大地「じゃあ、キリトはゲーム側から調べてみてくれ。」

 

俺の言葉に、キリトが訊いてくる。

 

和人「俺はって、お前はどうするんだ?」

 

大地「俺は現実(こっち側)から、レクトの本社にハッキングを掛けてみる。」

 

アンドリュー「おいおい、そんなことして大丈夫なのか?」

 

大地「安心しろ。前に何度か軍事コンピュータに入ったこともあるんだ。」

 

2人の顔が驚きを通り越して、呆れ混じりになる。

 

アンドリュー「お前・・・無茶するな・・・」

 

大地「いつものことだ。」

 

俺は、苦笑する2人に言った。

 

大地「いつかここでオフをやろう。あの時みたいにな。」

 

和人「ああ・・・」

 

アンドリュー「必ず・・・」

 

三人で拳を合わせ、俺たちは外に出た。

 

大地「じゃあ、またその内。」

 

和人「おう。」

 

そう言って俺たちは別れた。これが俺たちの新たなる戦いの幕開けだった。

 

あとがき

すみません。パソコンが不調で投稿が遅れました。

パソコンもそろそろ限界なので買い替え時でしょうか・・・?(笑)


 
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