No.511663

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百四十二技 それは黙示録か・・・

本郷 刃さん

第百四十二話です。
ボス戦続行になりますよ。

どうぞ・・・。

2012-11-24 10:19:07 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9951   閲覧ユーザー数:9207

 

 

 

 

 

 

 

第百四十二技 それは黙示録か・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

リズがハクヤに≪還魂の聖晶石≫を使用したことで、彼のHPバーが全回復した。

 

安堵したのも束の間、〈The lord of falldowner(ロード オブ フォールダウナー)〉はハクヤとリズに向かって迫っていく。そこに、

 

「うぉぉぉぉぉ!!!」

 

シャインが奴の攻撃を『ダークリパルサー』と『アイギアス』で受け止めた。

 

六本の武器による攻撃を剣と盾で防いだのだ。

 

勿論、ユニークスキル《絶対防御》で防いだからこそだが、攻撃を受けきったシャインから声が上がる。

 

「ヒースクリフ、お前が来い! お前の《神聖剣》なら受けきれるはずだ!

 他の壁戦士(タンク)の奴らは三人くらいで一緒に受け止めろ、一人じゃやられる。

 俺の《絶対防御》でギリギリだからな!」

 

そう叫んだ。あいつ、自分のユニークスキルを…。ヒースクリフは頷き、シャインと共に壁役として入ってきた。

 

その間にハクヤとリズの元にケイタとサチが、カノンさんのところにクラインとヤマト、

ハジメの元にテツとロック、俺のところにアスナとエギルが来た。

 

「キリトくん、大丈夫!?」

 

「≪ハイポーション≫だ、飲め」

 

俺はそれを受け取るとすぐに飲み干した。HPが回復していく。

 

疲労で動きが取り難い俺達は肩を貸してもらい、一度後方に下がる。

 

俺達が後ろに下がるのを確認したのか、ヴァル、ルナリオ、ティアさんがシャインとヒースクリフの援護に向かった。

 

「気を付けろ! 奴の攻撃、下手をすれば一撃で殺られるぞ!」

 

俺が放った言葉を聞いて、周囲に戦慄が奔ったようだ。

 

奴と交戦中の五人は小さく頷くとそのまま戦闘を続行している。それに続いて、他のプレイヤー達も前に出た。

 

壁戦士達はシャインに言われた通りに三人一組で攻撃を受け、

他のみんなは隙を突いてヒットアンドウェイの戦法をとっている。

 

時折、壁役の奴らを交代させ、回復している。

 

「でも、どうしてみなさんが…」

 

「その話は後だ」

 

「今はボスを倒さないと…」

 

カノンさんが聞いたがクラインとアスナは今の状況の打開を優先する。

 

そうだ、いくらこの人数でも回復には限度がある。

 

黒猫団を含めたバックアップ組がいるとはいえ、決着は早い方がいい。そう考えていた時、奴のHPバーが四本となった。

 

大勢でのローテーションによる攻撃であればやはり被害は少ない。

 

加えて奴が纏っていた紅いオーラが消滅した。HPバーが減ったことで効果が切れたのかもしれない。

 

「奴の能力強化が切れた…!」

 

「っ、キリトくん。わたしも行ってくる!」

 

「お前の嫁さんは俺達がしっかり守ってやる」

 

「お前らは少しでも休憩しとけ……ま、危なくなったら来てくれよな」

 

そう言ってアスナとエギル、クライン率いる風林火山も戦闘に参加しにいった。

 

体力的にも精神的にも疲労しているとはいえ、見ているだけというのは…。

 

「歯痒いな…」

 

「キリト、今は少しでも回復するんだ。三人も…」

 

俺の気持ちを察してくれたケイタが諫めるように言った。

 

「どのみち最後のレッドになれば、奴は暴れまわるはずだし…」

 

「……ああ」

 

「そうね、そうさせてもらうわ…」

 

テツが言うとハジメとカノンさんも納得したようで、今は休憩を優先することにした。

 

それにしても、ハクヤの消耗が激しすぎだ。体を震えさせている。

 

当然だろう、死に直面しかけたのだから。その体をリズが抱き締めている。なんとか、上手く立ち直れればいいんだが…。

 

 

 

三十分程戦闘が続いたころ。ようやく奴のHPバーが二本目の半分まできた。

 

いまでは支援組の黒猫団も攻撃に参加している。幸い、いまのところ死者は出ていない。

 

だが、気を抜くことはできない。

 

「ハジメ、カノンさん……準備は?」

 

「……いつでも」

 

「あたしもよ…」

 

俺が聞くと二人が答えた、いつでも戦えるようだ。だがハクヤは…。

 

「わるい、俺は…」

 

「分かってる……リズ、ハクヤを頼む」

 

「ええ、任せて」

 

申し訳なさそうにするハクヤをリズに任せ、戦闘に復帰することを決めた。

 

奴のHPバーが残り一本になった……その時、

 

「!!!!!!!!!!」

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁ!?!?!?」」」」」

 

奴は全身から衝撃波を放った。それによって戦闘中のみんなが吹き飛ばされていく。

 

「きゃぁぁぁっ!?」

 

「アスナ!」

 

俺は飛ばされてきたアスナを抱きとめる。

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん、ありがとう」

 

俺はアスナに向けていた視線をボスに向けた。すると奴の体は再びオーラに包まれた。

 

だが先ほどのような紅ではなく、漆黒のオーラに包まれている。

 

さらに奴は武器を地面に突き刺すと手にラッパを持ち出し、それを吹き始めた。

 

「な、なんだ…」

 

「い、一体なにを…」

 

「この音楽、寒気がする…」

 

ロック、ヤマト、サチは不快な表情を浮かべながら言った。

 

どうやらこの部屋にいる全てのプレイヤーが不快感を受けているらしい。

 

奴がラッパを吹き終えると、奴の周りに七体の堕天使モンスターが現れた。

 

「『ヨハネの黙示録』第八章から第十一章、『ラッパ吹き』か!」

 

本来なら天使がラッパを吹くシーンだが、このSAOではこいつが吹いて七体の堕天使を呼んだのか。

 

しかも厄介なことにボス戦専用の固定モンスターらしい。

 

「ここからが、正念場だ!」

 

俺達は意気込んで奴らへと向かった。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

キリトが戦っていないので、一気に進めました。主役はキリトですしw

 

さて、再び能力を上昇させ、加えて堕天使の援軍を呼んだボス。

 

次回はさらに苛烈な戦闘となります。

 

というよりも、ハクヤ覚醒回になりますよ。

 

ボス戦はあと三話ほど続きますので、よろしくお願いします。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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