No.510469

夕暮れの追憶 前編

初投稿です。ホラーです。三部作の予定です。駄文です。
意見や感想よろしくお願いします。

2012-11-20 22:49:25 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:433   閲覧ユーザー数:363

 
 

夕暮れの追憶 前編

 

「―――ッ!―――ッ!」

 私は今、誰かに追われています。誰かは分かりません、ただ私を追っているのは分かっているのです。そして、追いつかれたらただではすまないことも・・・

 

事の始まりはいつだったでしょうか?おそらく入学して一週間ほど経った頃でしょうか。帰りの身支度をして帰ろうとしたら、何者かの視線を私は感じたのです。一回だけならば別に気にも留めないのでしょうが、それが一週間、二週間と続いていけばどうでしょうか?私は怖くなって友人に相談したのです。友達を選ぶような行為はあまりしたくなかったのですが、相談する相手は選びました。ちゃんと親身になってくれる方でないと私の自意識過剰で終わってしまうからです。

私が相談した方は、月島亜里香(つきしまありか)さんです。月島亜里香さんはとても快活な方で、高校入学したてで皆さんどことなく距離を感じているというのに、彼女は周りの席の方と親しげにしゃべっているのです。最初は同じ中学から進学してきたのかと思ったのですが、話し相手の対応を見ると、どうやら初対面のようでした。そして、私はそんな亜里香さんの『周りにいる人』のようでした。距離としては、となりの席から二つ前だったのですが、

「ねぇねぇ、あなたの名前は?」

芯の通った声で話しかけられました。

 

 そして、相談した日から亜里香さんと一緒に帰ることになりました。亜里香さんは体育系の部活であるハンドボール部に入っているので、委員長の仕事と生徒会の仕事があっても、私が、いつも亜里香さんが来るのを待っていました。

警察に頼み込むという方法も考えたのですが、実のところ視線は感じても姿を見てないので、こういった方法しか取れなかったのが現実です。それでもいつも一人でいない事は、相手が私を見ている目的がなんであれ、牽制にはなるのだと私たちは考えました。

 牽制というのは、現状の変化を目的とするために使うと私は思っています。そう言う意味で言えば、牽制は大成功でした。ただその視線が日増しに―――

 

―――殺意を強くさせてくる―――

 

―――というものでした。

 

その強くなっていく視線を亜里香さんも感じたようでした。私は彼女に、「もういいです」と言いました。このままだと彼女にも被害が及ぶのでは、と思ったからです。しかし彼女は首を横に振って、

「よくないわよっ!こうなったら必ず美樹のストーカーをとっちめてやるんだから!」

と言ってくれました。

 私は亜里香さんに感謝しながらも、それは違うと思ったのです。あの視線は、ストーカーの、人のする視線ではないのです。あれはもっと別の『ナニカ』のする視線なんですよ、亜里香さん。

 

 

 そして、今日です

今日はスポーツテストで一日使うので、授業もありませんでした。クラスの皆さんは、疲れたように帰っていく方もいれば、これからさらに運動していく方と様々でした。亜里香さんは、後者のようで私はハンドボール部の部活が終わるまで教室で待つことにしました。

「お、千田こんな時でも残って自習すんのか、すげえな」

 数学のベクトルの内積を学習していたら、橋村真太さんに声をかけられました。

 橋村さんは、終始落ち着いた方です。周りの方々は、達観していると茶化しながら言いますが、私は達観しているというより、自分という人間に対して希薄なのだと思います。つい自分よりも他人を優先してしまう。そんな優しい方だと思います。

「ありがとうございます、でも亜里香さんを待っているだけで、することがこれしかなかっただけですよ」

「ふーん、月島をね。お前ら仲いいな、一緒に帰ってるし」

「あ、ありがとうございます」

 なんといいますか・・・面と向かわれて仲がいいことを言われると恥ずかしいですね・・・

「別に顔が赤くなるようなこと言ってないだろ・・・そんじゃまたな」

「はい、さようなら」

 橋村さんが呆れながら手を振って、教室を出ていきました。

 どうやら橋村さんが最後だったようで、教室は私一人になりました。

 

 夕方です。一人です。

 

 最初に比べると、あまりにも痛い視線が私を刺します。本当にこれだけで人を殺せるのではないのでしょうか?大丈夫です。となりの教室はいつも、放課後に残っている方々がいるので大丈夫です。大丈夫ですよ。この静寂も亜里香さんが来るまでの・・・

 

「え、ちょっと待って・・・」

 

 心臓の鼓動が響いてきました。

『何も聞こえない』状態などあるのでしょうか?となりの教室からの話し声も、運動部の方々の掛け声も、遠くの車の通る音も、木々の擦れる音も、何も―――

 

――――――――トッ、トッ、トッ――――――――

 

―――足音がしました

 

――――――――ねぇ――――――――

 

 亜里香さんの声が聞こえて振り返りました。

 

 振り返ってしまいました。

 

そこには亜里香さんの形をした『物』がいました。私は、無我夢中で教室の外へ出ました。

 

――――――――タッタッタッ!!――――――――

 

―――足音が私を追ってきました。

 

――――――――大丈夫?疲れてるんじゃないの?――――――――

 

走りました、とにかく走りました、行く方向など決めていません。とにかく誰かに助けを呼びたかったからです。

「誰か助けてくださいっ!!」

となりの教室に行きました、いません。

「誰かいませんかっ!!」

全ての教室に行きました、いません。

「先生っ!!」

職員室に行きました、いません。

「先輩っ!!」

生徒会室に行きました、いません。

この学校には誰もいません。

学校の外へ出ようとしました、

「っ!?なんでっ!?」

開きません。

 

――――――――タッタッタッ!!――――――――

 

―――追ってきます。

 

――――――――可愛そう――――――――

 

「やめてくださいっ!!」

 

私は逃げました。開かない窓から外を見るとすっかり暗くなっています。所々明かりがついて、とても綺麗でした、もう夜です。

 

 泣いてはいけません 泣いてはいけません

 視界が滲むのをじっと堪えます。

 

 私は絶対に帰ります。こんな所で泣いてはいけないのです。今一度心を奮い立たせ、走りました。すると、外の景色以外に学校のとある場所がほのかに光っていました、あそこは・・・

「図書室・・・」

 私はそこに向けて走って行きました、その光が帰路への道標になることを願いながら。

 

あとがき

 

かみもりょう(以下、かみ)「皆さん初めまして、かみもりょうというものです」

かみ「今回、『夕暮れの追憶 前編』を投稿しましたが、中編、後編はプロットしか出来ていない状態です」

かみ「なんとか一ヶ月以内には中編を出したいですが・・・さてどうなるやら(^^ゞ」

かみ「最悪、エタなる可能性もあるので・・・」

 

 

かみ「かみもりょうの人物紹介談話室~♪」

 

なんかオープニング的な曲~♪

 

かみ「はい、というわけで始まりました!!人物紹介談話室!!今回は主人公である橋村真太さんをお呼びしております、ではどうぞ!!」

橋村真太(以下、唐変木)「どういうわけだよ!!てか、今回俺の出番少なっ!!」

かみ「いや、中編以降でどんどんだしていくので、今回は簡単な紹介をね」

唐変木「いや、あんたさっきエタなるって言ったよね!?」

かみ「はて?なんのことでしょうか?記憶にございません」

唐変木「シラ切んなやっ!!てか、名前のところ『唐変木』」ってなんだ!!直せっ!直せっ!」

かみ「いや、主人公は唐変木でしょ?」

唐変木「どんな偏見!?」

 

かみ「はい、橋村真太くんはこのようなクエスチョンマークやらエクスクラメーションマークが多い人物です。次回から語り部になってくれるので、期待してください」

 

 

 

 

橋村真太「感嘆詞多いのはお前のせいだろーー!!!」

 
 

 
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