No.51034

涼宮ハルヒの撞着 その③

桂 有希さん

そこのお兄さん!見てかないかい?

2009-01-08 21:41:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:608   閲覧ユーザー数:567

 

「長門ー。たまには一緒にボードゲームでもしようや」

 長門は首を縦に動かし、俺の真ん前に座った。さて、長門ができそうなゲームはっと・・・まぁ何でもできそうだがとりあえずここはオセロにしておこう。

「長門。オセロでいいか?」

「こっち」

「ん?」

 長門が手に持っていたのはテトリスだった。長門からしたいと言い出すのは少し意外なのだが俺はそれに応じた。

「テトリスか。それにしてもどうしてテトリスなんだ?」

「最近少しハマっている」

「そうか。なら手加減なしで勝負だ。こうみえても妹には一度も負けたことがないからな」

「そう」

 長門はなんの興味も見せずそう言った。

「アイテムはなしに設定する。真剣勝負」

「よし」

「じゃあ難易度選んで」

「難易度?CPがいるのか?」

「私の難易度」

 本気な上にやり込んでますな長門さん。

「真剣勝負だろう。遠慮はいらん」

「そう。だったら・・・スタート」

 カチカチカチカチカチ・・・

 それから数分たった。と言いたいところだが、まだ1分も経たずに勝負がついてしまった。結果は無残の敗北。いくら妹には負けないからといって、あの長門に勝負を挑んだのが間違いだった。

「あなたの負け。罰ゲーム」

「!」

 そうだった!SOS団に最近できた法律で、ゲームの敗北者はクジを引かなきゃいけないんだった!

「はい」

 そう渡されたのはSOS団エンブレム入りのくじ引き箱。ダンボールで作った古泉と俺の作品だ。

「せめて楽なのものを!」

 一番奥にあるクジを引いた。

「ん。これは」

 そこに書かれていたのは罰ゲームでもなんでもない、ただの手紙だった。

 放課後5時 屋上で待っています。

 朝比奈さんか?しかしこれは

「どうかした?」

「いや。なんでもない。長門、もう一度だけ引きなおしていいか?」

「構わない」

 俺の直感で、この朝比奈さんからと思われるメッセージ。古泉と同じで内密にということだろうと認識し。長門には黙っておくことにした。

 ガサガサッ

「えっと。・・・太陽にほえろ!?長門、今日くもりだし無しでいいか?」

「・・・」

「長門さん?」

「いい」

 長門が少しムスッとした表情で言ったように見えた。そんなに見たかったのか?太陽にほえろ。

 

 
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