「おかえり、お兄ちゃん」
家に帰るとソファーでゴロゴロしながらテレビを見ている妹がいた。
「クラスどうだった?」
妹を3人用ソファーから押しのけて隙間を作り無理やり座った。違うところに座ればいいのだが、残念なことに向かいにある一人用のソファーには妹の下着が無造作に散らばっているため座るにも座れない。
「かえでと一緒だよ」
楠木苺、中学2年生。髪には寝癖がついている。先ほど起きたばかりなのだろう。
「よかったじゃん。今からお祝いパーティーやろうよ」
「おーいいな」
「お兄ちゃんのお金で」
いつの間にか俺の財布を鞄から出し手に持っていた。
「ちょっ、おい。なんでだよ」
急いで財布を奪い返した。
「そこはお前が払えよ」
「やだよ」
「こっちだって嫌だよ」
「クラスどんな感じだった?」
「え?ああ、まあ、楽しそうだよ」
いきなり話が変わったな。
「お前のところは明日から学校だっけ?」
「うん、まあね。だけどさークラス替えがないからつまらないんだよね」
苺は女子高に通っているごく普通の女の子だ。見た目は。性格はいいが物は片付けられないし、めんどくさがりで料理は出来ない。全くとんだ妹だ。
「じゃあ、明日の準備してくるからおなか空いたら呼んでくれ。すぐに作るよ」
リビングを出て自分の部屋に向かった。
高校生活は失敗できない。次こそは彼女を作ってビバ青春だ!!
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桜庭高校(さくらばこうこう)に入学した、ごく普通の楠木紅葉(くすのきもみじ)と幼馴染の如月かえで(きさらぎかえで)。一年で13クラスもある中で5組と運よく同じクラスになった2人。紅葉は楽しい青春をおくるぞと意気込んでいる中クラスに入ると.... そんな紅葉についてつづりたいと思います