No.509605

真・恋姫無双~君を忘れない~ 百三話

マスターさん

第百三話の投稿です。

霞、白蓮、翠、三者の率いる騎馬隊が大地を駆け抜ける。大陸屈強の騎馬隊同士のぶつかり合いは、筆舌に尽くし難い死闘の様相を見せ始める。そして、その中で特殊な立ち位置にいる軍師、稟の実力が徐々に明らかになっていくのだった。

モチベーション先生から「探さないでくれ」という書置きをもらいました。そんな中での投稿です。それではどうぞ。

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2012-11-18 13:22:57 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:5721   閲覧ユーザー数:3933

 

 白蓮は目の前にいた筈の敵兵が忽然と姿を消してしまったことに狼狽しそうになった。しかし、彼女のこれまでの経験が、何とかそこを踏み止まらせ、完全に我を忘れてしまうには至ることはなかった。取り乱しそうになる自分を鼓舞し、冷静に戦況を見つめ直そうとしたことが功を奏した。

 

 ――背後か……っ!

 

 理論は極めて簡単なものである。

 

 白蓮、そして、翠の部隊は多少の誤差はあったものの、ほぼ同時に霞の騎馬隊に対して突撃を敢行した。白蓮たちの方が分かりやすいのだろうが、丘の中腹を越えた瞬間に、彼女たちは敵陣へと意識を集中させた。それは正確に言うならば、敵兵そのものではなく、敵兵がいる空間へ、と言い換えることが出来るだろう。

 

 彼女たちが敵に衝突すると思った瞬間、無意識に身体が硬直状態に陥ったのだ。長年の戦いの経験が、これから死闘を演じることへの緊張を身体へと伝え、それは覚悟として身体を硬くさせる。その瞬間だけ、敵兵の存在に対する注意力がなくなったのである。

 

 その隙に、霞の騎馬隊は白蓮と翠の遊撃隊を避けるようにして、丘を上ったのである。全部隊がほぼ別の方向へと進行したため、各騎の厚みはほとんどなくなっていた。そのため、ほんの僅かの瞬間で白蓮たちの後方へ移動することが出来て、白蓮たちからすればいなくなってしまったかのように映ったのだ。

 

 しかし、驚くべきは、それを実現させた彼らの馬である。

 

 ――あの跳躍力は烏桓族の馬の中でも、相当な駿馬ではないと可能ではない。それをこの決戦のために一万頭も仕入れたというのかっ!

 

 兵の質は調練の質で決まる。勿論、騎馬の扱いの巧みさには、生まれ持った才能もある程度は必要ではあるが、それも努力で何とかなるくらいのものである。白蓮も翠も自身で育てた兵士たちには自信がある。決して相手の兵士たちには劣っていないと言い切るくらいには。

 

 だが、馬はそうはいかない。

 

 益州はあまり駿馬がいなく、それでも詠が何度も北まで足を運んで、羌族の馬商人から何百頭という馬を買い集めてくれたおかげで、精強な騎馬隊を作り上げることが出来た。それでも、今の動きは出来るわけではない。あれは速く駆けるとか、長く駆けるとか、そういうものとは別の資質であり、それを兼ね備えた馬はかなり稀であるのだ。

 

「くっ! そういうことだったのかっ!」

 

 嫌な予感は当たっていた。しかし、それはまるで白蓮の予想とは違うものだったのだ。

 

 ぐっと歯噛みをするが、とにかくこの場を何とかしなくてはいけない。完全に位置を逆にされ、しかも、こちらは最高速度で駆けさせてしまっている。進行方向を変えるには、この状態では緩やかな弧を描くように駆けさせなくてはならず、そうしている内に間違いなく逆落としを掛けられる。

 

 翠たちもそれに気付いたようで、慌てているのが目に入った。だからこそ、白蓮は自分自身に狼狽することは固く禁じたのだ。今は慌てたところで、事態が何か変わるという状況ではない。そのような状況はとっくに過ぎ去ってしまったのだ。敵の初撃。これだけは何とかしてでも耐え抜かなくてはいけない。

 

 白蓮は騎馬隊の進行方向を修正し、翠たちの横を駆けた。時間はない。すぐに翠の横に馬を寄せ、部隊を纏まらせるように指示を出した。ここでばらばらに逃げてしまえば、隊列は即座に崩れてしまい、各個撃破されるのは目に見えている。

 

「初撃だ。何としてでも初撃を耐え抜く。そうすれば活路を見出せる」

 

「分かった。蒲公英、向日葵、全軍を三段に構えさせろ。先頭はあたしだ。少しでも敵の勢いは削いでやる」

 

「お、お姉さま……だけど――」

 

「蒲公英、今は翠様を信じる他ありません。白蓮様、こちらから撃って出ることは出来ないでしょうか? 翠様を先頭に、黒騎兵と白騎兵が纏まれば、そう簡単に崩されることはないと思います。それにこちらは四方を囲まれています。それを全て受け返すことは不可能と思います」

 

「そうだな。おそらく張遼は先頭を駆ける翠を必ず狙ってくる。ここで翠を討ち取れば、間違いなく黒騎兵の動きは鈍くなる。私だけでは黒騎兵を纏めることは困難だろうし、そうなれば、相手は二つに隊を分けて、まずはお前たちから蹴散らそうとしてくるだろう」

 

 白蓮は即断した。いや、それが最上の策かどうかは白蓮には、実際には判断が出来なかったのだ。しかし、時間が考える暇を与えてくれなかった。そうこうしている内に、敵の部隊は丘をほとんど駆け上り終え、こちらに向けて馬首を巡らせてきたのだ。

 

「来るぞ。翠、頼めるか?」

 

「分かってる。白蓮、後ろは任せるぞ。あたしは前しか見ないからな」

 

「任された。お前の邪魔は決してさせない。お前たちだけでも囲みから突破してくれれば、外から包囲を崩すまでいつまででも耐えてみせる」

 

 翠が力強く頷いた。

 

 黒騎兵はすぐに三段に陣形を組み直した。前方を、翠を先頭とする直属の精兵を配置し、それを支えるように蒲公英、向日葵の両名が陣形を整える。白蓮の白騎兵は、さらにその後方に位置し、背後から迫る騎馬隊の備えとした。決死の覚悟である。翠たちが囲みを貫けるが勝敗を分けることになるだろう。

 

 後ろから見ても、翠の闘気が急激に膨れ上がるのが分かった。正面に立っているわけではないのに、白蓮の方がそれに気圧される心地がした。また腕を上げたのだな、と思った。個人の武では、もしかしたら霞にも劣らないのではないかとも思った。

 

 来る、そう思った。

 

 だが、次の瞬間、喚声が上がったのだ。

 

 それは迫りくる敵部隊のものではなかった。自分たちのすぐ側から上がったのだ。

 

 ――伏兵だと……っ!

 

 見晴らしの良い平原とはいえ、人が隠れることが出来そうな草木は生い茂っていた。当然、白蓮たちが纏まっているところにもそれはあったのだ。数は少ない。ほんの五十名程度であろうか。それは白蓮たちを奇襲するために潜んでいたのではない。その手には、油に浸された布と、それに火をつけるための火打石が握られている。

 

 狙いはすぐに分かった。しかし、もう遅かった。

 

「翠っ! 行けっ! 私たちに構うなっ!」

 

「…………っ!!」

 

 白蓮には珍しい怒声に後押しされるように、翠たち他数百名の騎馬隊が敵に向かって突撃を開始した。それに続くように、周囲の草が燃え始めたのだ。大きなものではない。それで焼死することはないだろう。それが敵の狙いではないのだから。

 

「全軍、馬を抑えつけろっ! 振り落とされるぞっ!」

 

 馬は火を恐れる。それがどんなに小さな火であろうと、馬とどれだけ心を通わせ、自在に操ることが出来ようと、動物は火を恐れるのだ。白蓮の馬も変わりはない。白蓮はすぐに馬の目を遮り、火を見させないようにしたが、残りの者はすぐに行動出来ない者もいるようで、ところどころで馬が棹立ちになり、混乱が生じている。

 

 ――すぐにこの場から離れなければ……っ!

 

 周囲を見回し、火があまり上がっていない箇所を探す。見つけた。しかし、それは明らかに意図されたものであり、罠であることも隠そうとはしていない。それでも白蓮には他の選択肢などないのだ。そこを突破するしか、敵軍の猛攻を遮る方法はない。

 

 翠の支援は不可能になった。後は自力で何とかしてもらうしかない。いや、逆に白蓮は自らが囮となることを考えた。敵の狙いはこれで混乱した自分たちを一気に叩き潰すことにある。こちらが分かりやすい動きを取れば、翠の部隊ではなく、自分たちの部隊に敵は殺到するだろう。

 

「蒲公英、向日葵、右手から回り込む。そこに騎馬隊が突っ込んでくるから、私がそこを抑える。数は必要ない。二百程度を率いるから、残りはお前たちに任せられるか?」

 

 蒲公英と向日葵の表情が強張る。戦略を理解する二人はそれが何を意味するのか理解しているのだ。そこを抑えねば、確実に全軍が壊滅に追いやられること。だが、その数で抑えるには死を覚悟する必要があるということ。そして、残りの騎馬隊は翠たちに任せ、白蓮がその役目を引き受けるということ。

 

 そのときであった。

 

「将軍、その役目は俺が引き受けます」

 

 白蓮が自分に何かあったとき、その後の指揮を継ぐと指名された若き上級将校である。何か言おうと口を開きかけた白蓮だが、それを静かに閉じた。先ほどの混乱で落馬したのだろうか、彼の左腕はあらぬ方向へ曲がっていた。それでもまだ乗馬している。しかし、今後の戦いには参加出来ないであろう。

 

「……分かった。お前に任せる」

 

 すぐに二百名の決死隊が組織された。誰もがそれを望んで志願したのだ。死を厭うような軟弱者はこの場には誰もいなかった。益州軍の遊撃隊を名乗る者は、誰もがその覚悟を持っているのだから。そして、白蓮はそのことは何よりも誇りに思ったのだ。

 

「お前たちは私の最高の部下だ。だからこそ、最後に命令する。決して、敵を通すな。少しでも長く時間を作り出すのだ」

 

 百名の兵士は静かに、だが、力強く頷いた。周囲の兵士たちは彼らから決して目を逸らそうとはしなかった。誰もが間違いなくこの場で死ぬと思っているだろう。死に行く兵士たちの、友との最期の別れなのだ。だからこそ、白蓮は続けてこう命じた。

 

「死ぬな。生きて、再びお前たちを私の部下にさせてくれ。戦線を離脱し、お前たちと再会することを私の何よりの命令だと心得て欲しい」

 

 上級将校の目にうっすらと涙が浮かんだ。しかし、彼はそれを溢すことなく、頭上に広がる晴天の空を見上げることで呑み込んだのだ。そして、彼は二百名の部下を率いて白蓮たちの前から姿を消した。感慨に浸る暇などない。白蓮たちもその後に続いたのだった。

 

 

 丘の上から霞は敵の動きをつぶさに見ていた。

 

 さすがに混乱しているのだろうが、それもすぐに収まりそうだった。さすがに指揮官は冷静に徹している。この場で闇雲に動こうとする方が愚なのである。自分が相手の立場でも、騒ごうとする人間の首を刎ねてでも兵士たちの混乱を収拾させただろう。

 

 火の手が上がった。しかし、それでも混乱はそこまで大きくならない。

 

「……あんまし上手くいかへんかったな、稟」

 

「ええ。霞殿が相手でもいけると思った策なんですがね」

 

 稟の馬の動きを完全に理解した策は、霞にとっても驚異的なものであった。北方の駿馬の中でも更に駿馬のみを選んで、兵士たちに乗らせていた。先ほどの動きは、一日に一回が限度であろう。馬の方が潰れてしまうのだ。しかし、それをこのように使おうとは全く思ったことがなかった。敵の突撃を利用し、包囲網を構築し、その中に伏兵まで配して、徹底して混乱させようとするものである。

 

 敵が動いた。火の手が上がる直前に数百騎がこちらに丘を駆け上がってきた。霞たちも既に部下に突撃を命じている。丘の中腹辺りで衝突するだろう。こちらは逆落としであるが、敵の勢いを考えると殲滅は難しいかもしれない。それにあの翠がそこにいるのが見えたのだ。

 

「霞様、下知を」

 

 後ろから凪が声を掛けた。

 

 騎馬隊の指揮には慣れている。実力に関しても、充分と言えるだろう。自分が育て上げたのだ。並大抵の指揮官なら、倍の兵力を有していても容易に潰走させることが出来るだろう。それでもやはり翠と白蓮を相手にすると、一人では辛い。

 

「公孫賛の方を叩く。馬超は稟に任せるで? 凪はうちと一緒や」

 

「分かりました。すぐに部隊を纏めます」

 

「私では足止め程度しか出来ないのですが、それで良いのですね?」

 

「構へんわ。あっちはもう少しいたぶった方がおもろそうや」

 

 すぐに駆け始める。

 

 後ろから凪が四千程を率いている。残りの二千を稟が指揮して、翠の牽制を行い、残りの四千は遊軍扱いである。どちらでもすぐに駆けつけられるように指示をしてある。包囲網を構築するために、全軍を別方向に駆けさせている。各上級将校に指揮は任せているが、纏まった部隊はそこまで多くはない。霞と凪がどれだけ敵部隊を崩せるかにかかっているだろう。

 

 まずは白蓮と斬り合いたかった。昨日の戦いでは不満足なのだ。もっと相手の声を聞きたかった。立合いでしか聞くことの出来ない、武人としての誇りの声を。

 

「行くで。うちは五百を率いて回り込む。正面からは凪に任せるで」

 

「はっ」

 

 凪はすぐに部隊を二分して先行した。残った五百を率いる霞はまだ動きを決めていない。相手の部隊にはまだ五千程度の兵は残っているだろう。白蓮を始めとして、かつて西涼で戦った蒲公英と向日葵も共にいる。凪でも容易には翻弄されることはない。実直すぎる程に前へと出続けるのだ。

 

 一方だけ火の手が上がらない場所を作っていた。相手も罠であることは分かっているはずだ。それでも向かってきたということは、既に覚悟は出来ているのだろう。そこからどう行動するのか、霞の嗅覚にもまだ感じ取れていないのだ。

 

 じっと敵軍の動きを伺う。その様はまるで狩りをする猛獣のようだ。五百騎は相当の手練れを集めている。誰一人をとっても、他の部隊の下級将校並みの実力の持ち主なのだ。一人一人が相手の動きを注視し、すぐに飛び出せる態勢をとっている。

 

 凪が正面からぶつかり始めた。そこに二百騎程が前へ出て懸命に止めている。あれは死ぬつもりの者なのだろう。動きが自分たちの命を省みていないものである。片腕をもがれようが、馬を潰されようが、何が何でも止める構えである。

 

 ――あかんな。あれはよう突破出来へんわ。

 

 二百騎という少数でありながら、その戦いぶりは圧巻である。一人が五人分以上の戦いを演じているのだ。それに先頭で剣を振っている男の指揮が上手い。片腕は肘のところから捻じれてしまっているが、もう片方の手で果敢に攻め続けている。

 

 二百という小勢を五つの隊に分け、それを車輪のように回している。回転し続けるかぎり威力が衰えることはなく、正面の凪の隊と戦うことを考え、一つの部隊が戦い、四つの部隊が休息し、ぶつかっては即座に入れ替わることを繰り返している。そして、その指揮官は全ての部隊に入り続け、先頭で暴れまわっている。

 

 凪が部隊を何隊にか分けて、側面から回り込むように動ければ良いのだが、相手の指揮官は凪のみを狙い続けている。本人にまではまだ届いてはいないが、凪も本気で応戦しなければ届かせてしまう可能性があることを考慮しているのだろう。

 

 悪鬼の如き形相で戦い続ける指揮官に、霞は素直に敬意を表した。あれ程の戦いぶりは並みの人間では出来ない。もしかしたら、白蓮の部隊の副官なのかもしれない。そして、おそらく彼が自らの意志で決死隊を率いていることは、容易に想像が出来た。自らが死ぬことを厭わずに、大将を逃そうという彼の心意気は嫌いではない。そして、そう思わせるだけの人望を、白蓮は持っているのだろう。

 

「将軍、我らも参りますか?」

 

「まだや。しばらくはここで待機や」

 

 敵の戦いぶりに当てられたのか、部隊の中にいる上級将校が戦いたくてうずうずしているのが分かった。今のところは正面からのぶつかり合いはそこまで多くない。今日も稟の策に従って、目の前に敵兵がいるのに、一度も斬り合っていないのだ。

 

 二百騎の後方を白騎兵と黒騎兵の本隊が駆け去っていくのが見えた。二百騎の援護などしない。誰一人として後ろを振り返ることなく、整然と駆けていく。それを見て、凪も少し焦り始めたのだろうか、多少の犠牲を覚悟した動きに変わっていった。もう間もなく、殲滅することが出来るだろう。

 

 二百騎が見る見るうちに少なくなっていった。四十人ずつの隊列を五つ作ったのだろうが、一つの部隊にもう三十人もいないだろう。それでも止まることはない。先頭の指揮官もまだ剣を振るい続けている。あの男が死んだときが、動きどころだろう、と霞は判断した。

 

 凪が自身で前に向かった。相手の指揮官の実力が兵卒では勝てないものであったのと、死を覚悟した男を、自分の手で始末しようという凪なりの配慮なのだろう。二人が馳せ違った。凪は得物を持っていない。それは騎乗での戦いでなら、本来は不利なものなのだが、馳せ違う瞬間に、凪の拳が正確に相手の急所を突くのが見えた。

 

 その瞬間、霞は前進を告げた。

 

 五百騎の部下は一つの塊になって疾走した。相手の指揮官の身体がぐらつき、落馬するのと同時に、その部隊の横を通り抜けたのだ。相手の抵抗は皆無だった。指揮官を失ったことによる乱れが生じている。その指揮官も自分の後釜は決めているだろうが、その者が指揮を執り始める瞬間を狙ったのだ。

 

 相手の本隊はまだそこまで遠くに行ってはいない。自分たちであれば十分に追いつくことが出来るだろう。すぐに殿が見えた。一目でそこに白蓮がいることを察した。相手も自分が来ることを予期していたのだろう。備えはしてあるようだ。

 

 ――やっと待ちに待った時間が来たで。さぁ、存分に殺し合おうや。

 

 愛馬の腹を締め付ける。自分たちの乗る馬は、どの勢力よりも、いや、北方民族に比べても遜色はないどころか、自分の部隊だけであれば、速いと自負している。霞の乗る馬はその中でも、もっとも速く、もっとも長く駆けることが出来る。すぐに後続の部隊から突出するように前に出た。

 

 さぁ、どうくる。迎え撃つか。それとも逃げるか。

 

 どちらも選ばなかった。

 

 白蓮たちの部隊は即座に十隊に分かれた。前を走る黒騎兵はさらに速度を上げて前方へと駆けていく。そして、白蓮の率いる白騎兵はこちらに向かって駆けてくる。だが、それは自分のいる方向というだけで、自分に向かってではなかった。白騎兵五隊、それぞれが自分を無視するかのように通り抜け、後ろの部下に襲い掛かったのだ。

 

 こめかみに青筋が立ち、ぎりっと歯噛みする音が自分にも聞こえた。

 

「おもろいやんけっ! それが答えかいなっ! 公孫賛っ!」

 

 あっという間に霞のところから敵兵は離れてしまったのだ。短い間に後続の部隊と距離を置くことが出来る霞の馬にも驚きだが、純白の公孫旗は既にこちらの部隊の中にあった。相手の馬の質も侮れないことがよく見て取れた。南船北馬というが、駿馬を上手く集めたのだろう。

 

 即座に反転した。飛龍偃月刀を横に低く構え、敵部隊へと突っ込もうとした。馬鹿にされた。無視された。自分の武を穢された。その想いが霞に爆発的な突破力を与えたようだ。しかし、それと同時に冷静な判断力を奪ってしまった。

 

 横から剣圧が来た。

 

 それを本能的に避ける。馬に乗って、動きが制限される中、霞は信じられないことに、手綱から手を離し、馬の首を手で抱えて体勢を無理やり横にずらしたのだ。直後にその空隙を剣が通過していた。思わず、霞の背中に冷たい汗が流れた。

 

「……ちっ」

 

 その攻撃には見覚えがあった。昨日の遭遇戦の折、敢えて単身で牙門旗から離れ、敵将である白蓮に襲い掛かったときと同じであったのだ。そして、その攻撃の主もまた昨日と同様であった。白馬に跨る、北方民族から恐れられた白蓮がそこにいたのであった。

 

「はぁっ!」

 

 白蓮は霞に動く暇を与えずに連撃を仕掛ける。霞の目からすれば、その一撃一撃は大したものではない。返す刀で敵を一刀のもとに斬り捨てることは可能だろう。しかし、それは飽く迄も万全の状態での話だ。霞は両手が塞がった状態なのだ。それでも斬撃を切り抜けて元の体勢に戻れたのはさすがと言えるだろう。

 

 白蓮は相手が戦える状態になったと見るや否や、馬首を巡らし逃げ去ろうとした。行かせるものか、と霞が後を追おうとした直後、横から黒騎兵が突っ込んできたのだ。前方へと駆け去ったように見せかけた蒲公英と向日葵の部隊だ。ちょうど、霞の道を塞ぐように出現した。

 

「邪魔やぁぁぁっ!」

 

 気合一閃。

 

 目の前の兵を次々と屠りながら、霞は白蓮の後を探すが、既にそこに姿はなかった。

 

 

 そこからは乱戦になった。

 

 黒騎兵と白騎兵が再び一つに纏まると、今度はそこへ決死隊を壊滅させた凪の部隊が突入してきた。それで兵力は均衡になり、霞も指揮を執るために動き出すと、そこでようやく霞の騎馬隊の本領発揮と言わんばかりに、猛烈な攻めを見せる。それを受けた白蓮たちは徐々に押され始めた。

 

 しかし、押され始めると、すぐに無理な戦いは避けるように部隊を緩く纏め始めた。普通ならば、陣形がすぐに乱れ、潰走させることが出来る筈なのだが、霞の指揮をもってもそう出来ない。まるで手応えがなく、延々と水の中をもがき続けるような感じなのだ。

 

「このまま時間を稼ぐ。外から翠の騎馬隊が来る筈だ」

 

 白蓮はそう信じて疑わなかった。

 

 騎馬隊の本質は機動力と突破力にある。こうして陣形を組んでの衝突では、兵力差が響くのは当然のことだ。それを根本から覆したのが、この白蓮の陣形なき陣形である。彼女はそれを烏桓族の終わりの見えぬ戦いから生み出したのだ。圧倒的機動力、それは馬と共に暮らし、駿馬を大量に抱える彼ら北方民族の最大の武器であった。

 

 幽州に赴任してから、白蓮は幾度となく彼らと死闘を演じた。壊滅まで追い込まれそうになったことも何度かあった。しかし、彼女には守るべき民がいた。負けるわけにはいかなかった。

 

 ある日、烏桓族の部隊に急襲されたことがあった。最初は少数だった敵軍が、どこからか続々と湧いて出て、いつの間にか大軍に膨れ上がったのだ。堅く陣形を組み立て対峙するも、こちらより多い軍にかなりの劣勢を強いられたのだ。全力でぶつかり合っていた。その重みに耐え切れず、白蓮は自らの意志で陣形を崩したのだ。ばらばらになって逃げた方が良いとすら感じていたのかもしれない。

 

 しかし、崩れた陣形はそのまま保ち続けたのだ。相手が攻勢に出ようが、何故かそれを受け流すことが出来た。理論も何も、彼女には分かっていなかった。だが、自然とそう指揮を執ることが出来た。部隊はそのまま多くの犠牲の出すことなく、彼女たちは無事に本国にまで帰ることが出来たのだ。

 

 ――なんや、これは……っ!

 

 これまで戦ってきた相手とは全く異なる相手に、霞は困惑すら覚えた。

 

 自分の思い描く最強の騎馬隊は、西涼の王である翡翠が体現していた。機動力、突破力、そして、何よりも一度動き始めたら止めることの出来ない爆発的な力。それを求めて、霞はひたすら自分を磨き続けてきた。しかし、目の前にいる将は違うのだ。どの力をとっても、自分の方が上である。しかし、それにもかかわらず崩せないのだ。既に崩れているのに、それ以上崩せないのだ。

 

「あかん……。時間が足らんわ。姑息なことしいよって」

 

 何かを感じ取ったのか、霞は徐々に後退するように指示を出した。誰もがもう少しで崩せるところまで来ていると感じている。その中での命令に、さすがに露骨に不満な表情をする者はいないが、そう思っているのは霞が一番分かっていた。自分が誰よりも悔しい気持ちを抱いているからである。

 

 相手から追撃を受け、無駄な犠牲を出さないように、後ろの部隊から徐々に戦線を離脱させる。相手に追撃する暇を与えないために、自らが先頭で敵部隊に突っ込む。一人二人と確実に首を刎ね飛ばす。しかし、三人四人と続こうとすると、敵がのらりくらりと動き始め、無理強いをすると包囲されてしまうのだ。

 

「将軍、撤退の準備が出来ています。すぐに将軍も後ろへ」

 

「おう。次の突撃を合図に、撤退するで。遅れんなや」

 

「はっ」

 

 最後に大きく崩してやろう。そう思った。撤退すると決めてしまえば、周囲の人間は退路を確保することに執心する。つまり周りの人間に配慮する必要がないのだ。自分だけは包囲されても逃げ切る自信はある。雑兵など何十人いようが、相手にならないのだ。

 

 合図を出す。それと同時に敵にぶつかる。ぶつかった直後には、ほとんどの者が反転し、そのまま離脱して行った。霞だけはそこに踏み止まる。周囲に味方なく、敵兵の殺気が全て自身に向けられるのが心地良い。絶体絶命などではなく、自分の力を余すところなく発揮出来るのだ。

 

 実に変幻自在の指揮をする。ここまでの指揮は自分でも出来ないだろう。いや、そもそも発想すらない。だが、自分一人であれば崩すことも出来る。自分に向けられる憎悪を吹き飛ばす程の気を放つ。身体から力が溢れる。後は真っ直ぐに進むだけだ。

 

 突っ込む。一人目の首を刎ね上げ、二人目に向けてそのまま振り下ろす。今度は自分一人であるからなのだろう。即座に囲もうと動き出した。構わない。逃げないのだから、寧ろ好都合なくらいだ。退くことなどせず、こちらから相手に踏み込む。

 

 まるで竜巻のようだ。斬撃を目で追うことすら出来ない。霞が無造作に飛龍偃月刀を振り回すだけで、いくつもの首が飛び、血飛沫が舞った。無造作に見えるだけで、正確に一振りで敵を殺しているのだ。さすがにそれに怯えて隊列を乱す者はいないが、それでも徐々に霞を包囲する兵士たちの動きが止まり始めた。

 

「何や……? もう終いかいな? うちはまだまだ身体もろくに温まってないねんで?」

 

 全身に返り血を浴びている。顔に付着した朱色の化粧の中で、その瞳だけは爛々と白い輝きを放っている。それを見つめるだけで、死神が向こう側からそっと忍び寄るような心地がした。その血に興奮したのか、霞の乗る馬が首を何度も横に振り嘶く。西域より取り寄せた汗血馬だ。一際大きく目立つその馬は、その動きだけで周囲の馬を怯えさせている。

 

 一歩、二歩、と歩を進める。包囲の網もそれと同時に後退する。

 

 次の瞬間、その網を破るかのように黒い馬が突っ込んできた。

 

「でりゃぁぁぁぁっ!」

 

 気合と共に放たれた渾身の突き。それを霞は事もなげに撃ち落とす。しかし、それに怯むことなく、闖入者は続けざまに槍を振るう。大きく態勢を下げて斬り上げ、そのまま上からの連撃に繋げる。目にも留まらぬその攻撃を、霞は丁寧に撃ち落としては、余裕の笑みを浮かべている。

 

 駆け出す。部隊から離れて二人だけの戦いに酔い痴れる。その相手、翠の猛撃を全て捌き切り、一度距離を置くと、同時に不敵な笑みを浮かべる。一つでも撃ち損じれば致命傷になっていた。それだけではない。霞は一度たりとも反撃をしていないのだ。しかし、それはしていないのではなく、させられなかったという方が正確である。見事な武である。よくぞここまで練り上げたものだと思う。

 

「せやけど、まだ物足りひんわぁ……。身体の中から火でも出てくるんやないかって思うくらい、頭が沸騰して何も考えられへんようになるくらい、うちを滾らせや」

 

「言われなくてもそうするよっ!」

 

 同時に踏み込む。翠の持つ銀閃と霞の持つ飛龍偃月刀が火花を散らせる。

 

 常人の速度とは桁外れの打ち合いは、ほんの短い間に何十合と続けられた。その中で、さすがに最初は霞が圧倒していた。本気で攻める気になれば、翠も防戦に専念せざるを得ない。主導権はすぐに霞が持つが、その状態が徐々に変わり始めてきた。翠の動きが一合ごとに鋭く、そして、重くなっていく。こちらの斬撃を何とか受け止めるという状態から、受け流し、そして、斬り返すようになってきた。

 

 やはり母親の型に似ていた。実力は勿論その境地には至っていない。もっと戦の経験をし、死線を潜り抜ければ、それでもいずれかはそうなるだろう。しかし、霞にはそこまで待ってやる義理はない。少しでも隙があれば、容赦なく殺す。その程度の実力しか有していないのなら、所詮は霞の敵に値しないのだ。

 

 相手が強くなればなるほど、相手が成長すればするほど、霞も同時に強くなっているような心地がした。激しい斬り合いなどと形容することすら愚かしく、まるで嵐同士がぶつかっているかのように、敵味方に関係なく、そこに触れればずたずたにされそうだった。

 

 両者が同時に腕を大きく振り上げ、渾身の一撃を放つ。斬撃同士が悲鳴を上げる。その衝撃は周囲の草木を根っこごと吹き飛ばし、大地を揺り動かさんばかりであるが、霞と翠のところだけは、台風の目のような静けさを保っているように見えた。

 

 どちらの刃が砕けるまで続くかと思われた鍔迫り合いが、ほぼ同時に解かれた。

 

 翠の率いていた黒騎兵が駆けて来た。その後ろには稟の率いる部隊もあったのだ。翠は黒騎兵が来ると、踵を返して霞の前から去っていった。霞は追おうとは思わなかった。斬り合い、翠の実力を知れたのだ。翡翠譲りの腕前は、未熟だが霞を楽しませた。今日のところはそれで満足したのだ。

 

「霞殿、申し訳ありません。少数とはいえ、あの馬騰の娘、私程度ではやはり時間稼ぎがせいぜいでした。多少の痛撃を与えようと動いたのを逆手に取られてしまいました」

 

「まぁええわ。うちは存分とはいかんかったけど、充分には楽しめたで」

 

 翠の騎馬隊は包囲網の薄いところを集中して乱しては退き、白蓮の援護をすることで、見事に部隊の救出に成功した。そこからは霞の部隊との睨み合いが続いたが、お互いが同時に反対方向に駆け出すと、昨日のような遭遇戦の様相を見せ始めた。と言っても、お互いの斥候の速度が異常過ぎて、情報は入り乱れ、どちらも痛烈な一撃は与えることは出来なかったのだが。そうして、今日の戦いも終了したのであった。

 

 その日の夜、稟は今日の戦いについて霞と話し合いをしていた。戦は生き物であるということを理解し始めた稟にとって、過ぎてしまった戦いの分析など、もはや無用なものにも思えたのだが、やはりそこは軍師としての癖なのか、分析を重ねないと落ち着かなくなってしまっていたのだ。

 

「勝負所は明日でしょうね。おそらく相手も私の存在に気付き始めたでしょうし、何かを仕掛けるならば明日になると思うのですが……」

 

「明日ね……」

 

「どうかしたのですか?」

 

「何で明日やって思うん?」

 

「やはり一番は兵力差かと思います。今日の戦で壊滅的とは言えませんが、かなりの犠牲を出したはずです。そうなると、一刻も早く決着をつけようとするでしょう。時間が経てば経つ程、有利になるのは私たちの方ですから」

 

「いや……ちゃうねんて」

 

「は?」

 

 霞は何故かにやにやと笑いながら、稟の表情を見つめている。まるで稟がどれだけ騎馬隊のことを理解しているのか測っているかのように。試されているような心地がして、稟は少々不快だったが、霞が何を言おうとしているのかの方が気になっていた。

 

「明日なんて悠長なこと言うとるなんて、稟もまだまだ軍師やなぁ」

 

「それはどういう――」

 

 最後まで言葉を続けられなかった。

 

「ほぉら、奴さん、早くも来よったで」

 

 凄まじい馬蹄の音と共に兵士たちの悲鳴が聞こえた。

 

「さて、うちらも歓迎しに行こうや」

 

 物見山でもするかのように、稟の手を取って、幕営から外へと出る。ひんやりとした外気に晒されたと思った瞬間、稟の目の前に黒い塊が飛び出してきた。それが馬であるということに気付くまで、多少の時間が必要だった。

 

「おーおー、黒騎兵やな。そんなら、率いているのは馬超やろうな」

 

 自軍が奇襲にあっている。見張りの数は決して少なくない。寧ろ多いくらいだ。それでも突入されるまで誰にも気付かれなかったのか。あり得ない。しかし、実際に目の前で起きている。敵兵の数は少ないだろが、それでも陣内を真っ二つに切り裂いているのだ。さすがに霞の兵士たちはすぐに物陰に隠れてやり過ごしているようだが、それでも犠牲は出ているだろう。

 

「ええか、稟。明日やない。勝負所はとっくに始まってんねん。今晩はずっとこれに悩まされると思うで。今みたいに本気で突っ込んで来ることは少ないかもしれんけど、それでも奇襲があるっちゅう恐怖で、兵士たちは寝られへんやろうな」

 

 霞はこの奇襲を予期出来ていた。自分でもそうしただろう。そして、本気の奇襲が止められないことも知っていた。相手の馬は自分たちにも劣らないのだ。見張りなど、見つかってしまったところで、追いつかれることはないのだから。

 

「昨日は興奮して寝られへんかったけど、今日はやかましくて寝られへんやろうな。稟、、寝られへんかったからって、明日の行軍は今日と変わらんで? 覚悟しときや」

 

 奇襲部隊の先頭にいたのは間違いなく翠であった。こちらが向こうを発見したように、向こうもこちらを発見していただろう。攻撃してこなかったのは、楽しみは明日に取っておこうとしたのであろうか。そうであったら嬉しいと、霞は思った。戦の相性は、やはり馬超の方が良いだろう。殺すのが楽しみな反面、惜しいとさえ感じていたのだった。

 

あとがき

 

 第百三話の投稿です。

 言い訳のコーナーです。

 

 圧倒的存在感を放つオープニング。尺余り銀河。安定と信頼の作画。そして、何よりも他のアニメの枠を飛び越えたレーザー級さんの活躍っぷり。実はトータルイクリプスというアニメは伝説級のアニメかもしれないと思う今日この頃。原作は知りませんし、オルタナとも全然違うのは知っていましたが、原作でもあそこまでラブコメっているのでしょうか。逆に少し見てみたい。二回目の総集編でも生天目さんのタンク級のモノマネが見れるのを楽しみにしています。

 

 閑話休題。

 

 さて、前話の支援数が、この作品を投稿して以来の最低記録を更新してしまったため、モチベーション先生が裸足が逃げてしまったわけですが、何とか、そこを逆に、もうここまできたら、作者の好きに書いてしまってもいいんじゃないかと開き直って、地道に書いてまいりました。

 

 その結果がこれだよっ! 白蓮さん無双。本当は霞や稟の活躍を描いて、白蓮さんたちの窮地を描こうとしていたのですが、結果的に全部白蓮さんが持って行ってしまいました。翠たち黒騎兵の活躍ももっと描きたいのですが、次回以降に持ち越しになりそうです。

 

 蒲公英と向日葵もかっこよく書きたいのですが、蒲公英は公式でそこまでの実力者として描かれていませんし、向日葵は向日葵で、これまで自由な幼女キャラとして作者のギャグ回を支えてくれただけあって、シリアスでは動いてくれません。

 

 さてさて、ノリと勢いとノリと勢いで、彼らの騎馬隊の如くに描こうとしたこの遊撃隊編ですが、さっそく暗礁に乗り上げてしまったようですね。今のところ、白蓮さんの活躍しか満足に書けていません。

 

 まぁ、今回の肝はまずは稟先生の策を軸に、霞たちの猛烈な攻撃を描くところから始めようかなと。稟先生、馬のことを熟知した策を打ち出すは、霞から翠の隊に当たるように言われると、涼しい顔して、時間稼ぎしか出来ないと仰りますが、それだけでもうあなたは化物クラスだというのに。

 

 白蓮さんや、彼女の部下、そして翠の活躍により何とか窮地を脱しますが、それでも犠牲はかなりの数が出たようで、稟も勝負所は近いと感じ、明日であると霞に告げるも、霞は笑ってそれを否定しました。

 

 騎馬隊の戦いは朝昼夜関係ない。勝負所と感じたら、正にそのときである、ということですね。それを証明するかのように、翠の騎馬隊による奇襲が行われました。

 

 さてさてさて、十一月も半ばを過ぎ、寒さも身に沁みるようになって参りました。作者の仕事的にそろそろ忙しくなる時期になり、投稿頻度はまた少なくなってしまうかもしれません。何とか仕事が終わってから執筆するのですが、午前三時くらいの寒さが異常です。室内でも白い息が出てきて、そろそろストーブが必要になると思うくらいです。

 

 遊撃隊編は宣言通りに白蓮さんを活躍させるためのものですが、その中で翠の成長や戦術に焦点を当てたいなと思います。このまま白蓮さんばかりを書いていても飽きられてしまう可能性もありますので。

 

 では、今回もこの辺で筆を置かせて頂きたいと思います。

 

 相も変わらず駄作ですが、楽しんでくれた方は支援、あるいはコメントをして下さると幸いです。

 

 誰か一人でも面白いと思ってくれたら嬉しいです。

 


 
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