「ふぅ……やれやれ、それにしてもアイツいったい何者だったんだ?
『いや、しらない。少なからずお前たちのような新たな転生者が入ってきたら。通達があるはずだからな。』
だとしたらマズッたな~もしこれが管理局の人間だったら、コイツが消えたことでそこから足がついてしまうかもしれないし
「まあ、起きてしまったことを今更悔いても仕方ないな。幸いデバイスごと焼却したから多分問題ないはずだし。」
「それなら問題ないですよ~」
この聞き覚えのある声は……
「何の用だ?神」
「久しぶりに会ったのになんですか~?その態度、もっとこう……会いたかったよ。マイハニーみたいな……わー!!嘘です!嘘です!!だからその万華鏡写輪眼は閉じてください~」
「なら、早くさっきの奴のことについて教えろ。転生者は俺を含めあの学校にいた4人だけだろ?」
「そうなんですけどね~、実は私の同業者の人が故意に勝手に転生させてしまいまして。本来神が勝手に転生させるのは御法度なんですよ~。貴方達のようなケースの場合は大丈夫なのですが……それでお願いが」
「大体想像がつくが」
「本当ですか!?いや~やっぱり私と貴方の相性は――――冗談です、だからその輪廻眼をこちらに向けないでください。」
「早くしろ」
「その転生者を見つけたらなるべくでいいので、殺しちゃってください。その人の魂から直接情報抜き取りたくて……それにその人たちの器はとっくに存在していますので。保管するにも手間がかかるんですよ。因みにこちらでもそれなりに対処しましてその人たちは特徴として学校に入っていません。本来なら私達で何とかしたいのですが向こうにも規則がありまして………あ、証拠隠滅ならこちらにお任せください。存在すら無かったことにしますので~」
「簡単に言うな……了解した。あと人数は?」
「それはちょっとわかりません~今調査中で、なんでも昨日発覚したところでまだ犯神すら特定できてなくて…もしかしたら不正転生者はこの世界にはもういないかもしれませんし~なにせ、複数故に転生させる世界は本人に任せていますので」
「そうか……」
「ではまた~」
「ちょっと待った。」
この際だ、ついでに聞いておこう。
「はい?」
「あのバカ二人……」
「……ああ、あの二人ですか。どうしたんですか?」
「一応興味本位で聞くがアイツらの反作用はなんだ?」
まあ多分、オツムが残念とかそんなんなのだろうが……てか、コイツ絶対忘れてたな。
「確か、原作キャラには絶対惚れられないでしたっけ(確かニコポナデポでしたっけ……能力では絶対に彼女たちを振り向かせるのは不可能だったはず…あまり覚えてないけど。)……そんなんだったはずです。」
うわぁ、アイツ等の目的はおそらくハーレムという奴だろう。俺からしたらどうでもいいが、あの二人からしたら相当こたえるな……おそらくそうゆうキャラクターを見て選んだはずだし………そしてアイツらの頭は素でああだったのか……
「そうか、じゃあな」
「はいです~」
取りあえず正式に許可はもらえた。これで気兼ねなく、さっきの奴らは殺せるな。できることならあのバカ二人も消し去りたいところだが、アイツ等はさっきの奴と違って正規の転生者……それにいきなり消えて不信がられても困るし……ん?あの後のあの親子のこと?興味ないね。一応策は入れてやったんだ。後はどう転ぶかは向日次第だし。
『そういえばマスター。』
「なんだ?」
『どうでもいいが、なんで魔法を使わないんだ?』
「ん~、ミッドもベルカも悪くはないのだが……なんというか現存する完成された技術をすべてそのまま愚直に使うのになんか抵抗があるんだよな。この世界じゃ当然対策なんて山のように練られているだろうし……でも、だからといって写輪眼や輪廻眼ばかり使いたいわけでもないし、というよりこればっか使ってこれに頼り切りも良くないし。一応これにも原作ほどじゃないにしろリスクはあるわけだし。」
現に、輪廻転生の術の使用とさっきの戦闘のせいで、今輪廻眼を使うだけの瞳力無いから使えない(見せるだけならできる)し、万華鏡も後、なんにかしらの術を放つのが一発分で須佐能乎は現在使用不可、イザナギに関しては瞳力マックス状態じゃないと使えないからな………
『確か瞳力を戻すために特殊な儀礼が必要なんだったか………』
「ああ、そのかわり失明と開眼条件である『最も親しい者の死』が含まれていないだけ相当マシだがな。イザナギ使っても失明しないし。」
『それにしても意外だ、後者はともかく、利用できるものは極力利用するお前が』
「まあ、これからは平和がしばらく続くだろうからなんかオリジナルの魔法かあの二つのどちらかもしくは両方の術式を弄ることにでもするさ。幸い資料は山ほどあるし。まあ創り上げたら思う存分使うさ。」
『楽しみにしているぞ』
「おう!」
とりあえず今日は疲れたので帰って寝ることにした。―――――のだが。
コツン
「?」
不意に何かが足元にあたった気がした。振り向いてみるが何もない……
「気のせいか……」
そして再び歩き出す。すると
ゴツッ!
さらに強い衝撃が足元に伝わった。
「なんだ!いった……い?」
見るとそこには白い分厚い本があった。なぜに?
(……………まさかとは思うが……)
俺は、後ろを向きながら帰り道を歩く。すると、本が何故かついてくる。カパカパって感じに……なんか一生懸命でかわいいのだが
「なあ……これなんだ?新種のペットか?」
『いやどう見ても魔導書だろう……お前を気に入っているみたいだが』
「………まあとりあえずこのまま歩いて行って俺に対するあらぬ噂がたっても困るから持ち帰るとしよう。」
そう言ってその謎の魔導書を拾う俺だった。それにしても嫌な予感しかしないなこれ。
「………というわけで拾ってきた」
「いや何がだよ!?」
「いやさっき言った通りだ」
「にしたってこんな破天荒な魔導書見たことないぞ!」
ドタドタドタドタ!!
今、あの魔導書は歩くことになれたのか刃の家の中を走り回っている。なぜ刃の家に来たかというと、ジュエルシードの件が終わったこととなんかへんな転生者が出てきて、神に「ぶっ殺せ!私が許可する!」と言われたことを一応報告するためだ。本当は一度帰ってあの本を置いて行こうと思ったのだがついてきてしまうのでやむなしに持ってきて今に至るというわけだ。
「それは俺もだ。こんな活発で生きのいい魔導書は見たことが無い。」
「まあいい、でもこれで取りあえずの危機は去ったんだろ」
「ああ、最も、もっと手っ取り早い方法で終わらすこともできたんだがそれをすると後々が面倒臭いからな」
「因みにその方法て?」
「テスタロッサ家の抹殺もしくはジュエルシード完全無力化」
「……ずいぶんと物騒なこと言うね」
「だが、それをすると管理局に眼を付けられかねないし、前者の場合ジュエルシードの問題が解決しない。まあ、ジュエルシードの場合は何とかできるから構わなかったのだが……今回テスタロッサ家の人間が根からの悪人じゃなくジュエルシードのような制御できるものだったからこの手段を取れたが、そうじゃなかったらこの手段を取っていた。仮にジュエルシードの脅威を排除してもプレシアがまた新たなロストロギアを使って間接的にこの世界が滅んでも嫌だし、これなら後腐れもない。そういう意味で考えるとある意味奇跡だな。」
「お前らしいな。それからあの魔導書は一体なんなんだ?てか、うるせえ!」
「いやそれが中身を見てみたのだが、いまいちよくわからなくてな」
「何?」
「何かしらの魔法の習得方法みたいなこれといった物が無くてな。ただ最初のページの目次の項に人の名前みたいなのが大量に書かれているだけなんだよな。」
「なんだそれ?」
不審に思い、刃も中身を見ようとその魔導書を拾い上げるが……
ガブ!
「は?」
ガブガブガブ!!!
刃の手を噛んでいるつもりなのか、ものすごい勢いで開いては閉じてを繰り返している。そしてこの魔導書は分厚くて硬い………なので――――
「痛ええぇぇぇぇぇぇ!!?」
この日、刃の悲鳴が響き渡ったとさ。
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第十話:一難去ってまた一難・・・・・はあ~