No.507350 超次元ゲイムネプテューヌmk2BURSTレオさん 2012-11-12 14:01:04 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:557 閲覧ユーザー数:539 |
「皆さーん、ご飯ができたですよー」
部屋で休息を取っていたシンヤの耳にコンパの声が入ってきた。
あの後、シンヤは
「しばらくここに泊まってください」
とイストワールに部屋へと案内された。
と、言っても元は空き部屋だったので、ベットとクローゼットしか無かったが、必要最小限の物があれば良いと言うシンヤには関係なかったのである。
(もう食事の時間か…。はぁ、今日はジャイアントトウモロコシかな?)
と、今日の夕食のことを思いながらシンヤは一階に降りて行った。
「………」
現在シンヤは絶句していた。理由は目の前にある光景を見たからである。
その光景とは、真っ白なご飯、鶏の唐揚げ、キャベツの千切りと
いたって普通の食卓である。だが、其れはネプギア達から見ればの話である。
シンヤの世界ではアラガミが徘徊しており、食糧は限られた場所でしか作れないのである。
例え作ったとしても、直にアラガミがその食料を全て喰らってしまうため、少しでも多く食料を得る為に食料等を品種改良などによって生産性を上げて、配給している。
ただ、空腹感を無くす為なので全く美味しくないのである。
すると、コンパがシンヤの異変に気づいた。
「?シンヤさん、どうしたですか?」
「あぁ、いや、こんな豪勢な食事は偶にしか取った事が無いんでな、少し驚いただけだ」
「そうなんですか?」
「ああ。俺の世界はアラガミが徘徊しているから食料は限られた場所でしか作れないんだ。だからこんな食事を取るのは本当に久し振りなんだ。確か……四ヶ月ぶりだと思う」
「………」
ネプギア達はシンヤの言葉に絶句した。
自分たちの世界もマジェコンヌの支配によって食料の制限はあるものの、食糧危機等は無かった為である。
「ま、食えるだけでも有り難いと思ってはいるけどさ。じゃ、食べても良いかな?」
「そ、そうですね。頂きましょう」
そう言ってネプギア達は席に着いた。
「「「「「頂きます」」」」」
初めにシンヤが取ったのは主食である鶏の唐揚げである。
其れを口の中に入れ、思い切り噛み付いた。
サクッ、と言う衣の触感と、中からあふれ出る肉汁がシンヤの味覚を直撃した。
今まで食べた事の無いような味にシンヤは感激した。
「……旨い……」
シンヤの口から出たのはその言葉だけであった。
また、それと同時にシンヤの目から涙も零れ落ちてきた。
それが、シンヤの感動を表していた。
「シ、シンヤさん!? どうしたですか!?」
涙を流すシンヤを心配してコンパは声をかけた。
「いや、こんなに美味い物を食べたのは初めてでな、つい涙が出てしまったんだ」
目に涙を浮かべながらコンパにそう答えた。
「そ、そうですか。良かったです」
「……もしかしたら、もうコンパ以外の料理は食べれないかもしれないな……」
「え!? ど、どうしてですか!?」
「いや、まぁ、そんな事は無いとは思うけど、それ位旨かったって事だよ。有り難う」
と、コンパに笑顔を向ける。すると、コンパは顔を赤く染めて目を逸らした。
「? どうかしたのか?」
「い、いえ。な、何でもないです」
と、返事を返した。
「ていうか、アンタの世界の食料とかってどうなってるのよ?」
「一応食料とかは生産は出来てはいるんだよ。ただ、生産性ばかりを求めているから、味とかは殆ど無いから物凄く不味いんだよ。例えば、ジャイアントトウモロコシって言う物がある」
「ジャ、ジャイアントトウモロコシ?」
聞きなれない単語に首をかしげる。
「その名前のとおり、巨大なトウモロコシだよ。大きさ、長さ共に大体普通の奴の三倍くらいだな。それで空腹感を無くすんだ。だけど、それが全く味が無くてな、本当に空腹を無くすためだけにあるんだ」
「そ、そうだったんですか」
「まあ、俺は今、其れとは比べ物にならない位旨い物を食べたからな。暫くそういうのは食べられないかもな」
と、苦笑した。
「……あぁ、旨かった……」
食事を終えたシンヤは至福の表情で部屋に戻ってきた。
(さて、後はどうするかな…)
と、考えていた時、ドアがノックされた。
(ん? 誰だろう?)
そう思いながらドアを開けた。すると、其処にネプギアが立っていた。
「……ネプギア? どうしたんだ?」
「……シンヤさん。少し、時間良いですか?」
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更新が遅くなり申しわけ御座いません。
第四話 夕食とその後(前編)