No.506927

中二病でも変である 6

アッキさん

【注意】これは『中二病でも恋がしたい!』第6話、『贖罪の・・・救世主(イノセント)』のパロディネタです。
未見の人はネタバレな可能性もあるので気を付けてください。


『中二病でも恋がしたい!』の二次創作作品! 皆さんもどうかごゆるりとご堪能あれ!

2012-11-11 16:06:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:970   閲覧ユーザー数:942

【注意】これは『中二病でも恋がしたい!』第6話、『贖罪の・・・救世主(イノセント)』のパロディネタです。

未見の人はネタバレな可能性もあるので気を付けてください。

 

 

【評価・・・?】

7月某日。勇太達のクラスは美術の時間でペアを作り絵を描いていた。勿論、勇太のペアは他に知り合いのいない六花だった。

 

 

勇太「お前さ……もう7月だよな? お前のその設定を理解出来るのが俺だけだからしょうがないのかも知れないけどさ」

 

 

勇太が喋りかける中も、六花はただただ淡々と絵を描いていく。返事が来ないのも当然かと思いながら、勇太は言葉を続ける。

 

 

勇太「少しは他の奴とも話してみろよ」

 

 

六花「……。ユウタの他に、デコモリ、くみん、ニブタニと話している」

 

 

はぁー、と勇太は嘆息して、

 

 

勇太「まぁ、そりゃそうだけど……他にも……」

 

 

六花「ユウタもクラスで話すのは、私とニブタニ、ドMくらい。同じ」

 

 

勇太「待て。一色はクラスでどんな扱いを受けてんだよ……」

 

 

少しかわいそうだなと思う勇太であった。

 

 

【勇太・・・?】

六花と距離を放ちたいと思いながらも、六花のあの寂しそうな言葉が忘れられずにそれも出来ないと心の中で勇太が思っていると、後ろの席の女子Aが勇太に話しかけてくる。

 

 

女子A「富樫君。絵、上手いねー」

 

 

勇太「え……?」

 

 

女子A「この小鳥遊さん、可愛いー」

 

勇太「そ、そうかな?」

 

 

通りかかった女子Bも、

 

 

女子B「どれ、どれ? あっ、本当だ! 富樫君、漫画とか描いてたり?」

 

 

勇太「あっ、いやいや別にー……」

 

 

と褒めてくれる女子が勇太の背後から聞こえてくる。実際は中学時代、中二病的な絵を描きまくっていたから上達したのだが。ちなみにその絵は今は勇太の部屋には無い。妹である樟葉の部屋で大切に保管されている事を勇太は知らない。

 

 

六花「出来た! カッコいい」

 

 

女子A「本当? 見せて見せて―」

 

 

女子Aと女子Bは互いに見に行き、そして顔を見合わせる。

 

 

女子A「これ……、富樫君?」

 

 

六花「戦闘中」

 

 

女子B「戦闘中?」

 

 

その言葉にはっとなった勇太はすぐさま、六花の描いていたスケッチブックを奪い取り、その絵を見る。そこには――――――――黒い炎を纏った黒い龍の姿が……。

 

 

勇太「……。なんだ、これは?」

 

 

六花「戦闘中、ダークフレイムマスター第2形態」

 

 

女子A.・B「「……第2?」」

 

 

その言葉に女子2人はきょとんとしていたのだった。

 

 

【ラブレター・・・?】

一色から『ラブレターをもらった! どうしよう!』と言う相談を受けた勇太は、一色からラブレターを見せられる。そこには丸文字でこう書かれていた。

 

 

『この豚野郎め

   あんたのために土曜日の放課後、銀杏の木の下まで行ってやるから、首を洗ってまっておけ!

    クラスメイトより』

 

 

と書かれていた。

 

 

誠「あぁ、誰だろうな――――――」

 

 

勇太「……一色。お前にはこれがラブレターに見えるのか」

 

 

と、勇太は少し引き気味である。

 

 

【第2人格・・・?】

勢いよく『極東魔術昼寝結社の夏』の扉を開けて入ってきたのは、丹生谷森夏だったがいつもと様子が違っていた。そう、怒っているのだ。その原因は、美術の時間に森夏にいつものちょっかいを働いた凸守早苗のせいである。

 

 

森夏「馬鹿中坊―――――――!」

 

 

早苗「おおっ、やっと来たデスね!」

 

 

森夏「やっぱり馬鹿は思い知らせるしかないようね」

 

 

そう言う森夏の手には、早苗の苦手としている牛乳が握られていた。

 

 

早苗「あっ……! それは……白き水!」

 

 

森夏「たっぷり温めてあって、風味と香りを口いっぱい広がるようにしてあるわ」

 

 

早苗はその言葉を聞いてぶるぶると震え始めた。

 

 

早苗「き、貴様……悪魔デスか! あっ、でもこの場合、凸守は闇の者デスからー……。……!

貴様、天使ですか!」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、森夏の様子が変わった。そしてくるりと勇太の方を振り返る森夏。

 

 

森夏「ふふふ……。ゆーうーたくん!」

 

 

そう言って子供っぽい笑みを浮かべながら、勇太に跳んで抱き着く森夏。跳んで抱き着いたために、森夏のその豊満な胸が勇太に押し付けられる。

 

 

勇太「に、丹生谷!」

 

 

森夏「ふふ……。だーめ♪ シンカちゃんって呼ばないと、話してあげないぞー♪」

 

 

何が起こっていると言った感じで、この原因を作っただろう人物、早苗の方を強く睨む勇太。

 

 

早苗「ふふふ……! 凸守が偽モリサマーに対して何の策も思わずに、ちょっかいをかけたと思ったのデスか! こんな事もあろうかと、偽モリサマーには『天使』と聞くと、子供っぽくなる催眠をかけておいたのデス! 学年トップの実力を思い知るが良いのデス!」

 

 

そう言って、高らかに笑う早苗。

 

 

森夏「むぎゅー……♪ えへへ、富樫君って温かーい。シンカちゃん、大好き―」

 

 

勇太「ちょ、ちょっと……!」

 

 

あまりの森夏の変貌に戸惑う勇太。

 

 

六花「ユ、ウタ……。覚悟ハイイ?」

 

 

と、焦点定まらぬ目で勇太を見つめる六花、いやヤミナシ。

 

 

早苗「はぅ……! な、何故か今のダークフレイムマスターを見ると、胸が痛むデス! これも不可視境界線上からの攻撃デスか!」

 

 

と、胸の痛みを覚えてそう言う早苗。

 

 

くみん「むにゃむにゃ……。もうすぐ天下をとれるぞー」

 

 

と、謎の戦国の夢を見るくみん。

 

 

そして、

 

 

誠「なんだ、これは……」

 

 

と、困惑する誠の姿。

『極東魔術昼寝結社の夏』は今日もぐだぐだだった。

 

 

【ツンデレ・・・?】

駅の近くの道。勇太、誠、それに森夏は誠の貰った謎の手紙を見ていた。ちなみに六花は踏切前で謎の踊りをしている。

今、森夏はあの手紙を見てそれが本物かどうかを確かめていた。

 

 

誠「ど、どう思う? もしかして……悪戯?」

 

 

森夏「いえ、たぶん本当に女子が書いた物ね」

 

 

誠「おぅ、本当か!」

 

 

どうやらあの手紙が女子の物でないと興奮できないんだろうなと、勇太は心の中で思っていた。

 

 

勇太「誰が書いたか、分かる?」

 

 

森夏「そこまでは……」

 

 

誠「一目惚れって可能性は!?」

 

 

森夏「それ、あり得ると思う?」

 

 

と森夏が軽口をたたくと、勇太が心の中で考える。

誠が一目で殴りたくなる人物かどうかと言う事を。

 

 

勇太「無いな」

 

 

誠「お前が答えるな!」

 

 

フォローしてやったのになんて事を言うんだと勇太は思っていた。

 

 

森夏「つまりこの娘と上手くいくかどうかは、これからが肝心って言う事」

 

 

そう言って手紙を返す森夏。しかし、森夏は誠の手をがっしりと掴む。

 

 

森夏「そうそう。今日見た事、もう忘れたわよね?」

 

 

そう黒い声で言う森夏。そして勇太の方に振り返った森夏は、

 

 

森夏「ゆ、勇太君もちゃんと覚えておいてね! 約束だからね! 絶対だよ! じゃないと、本当に許さないんだから!」

 

 

そう言って、森夏は帰って行った。

 

 

誠「勇太……。丹生谷の反応、違くね?」

 

 

勇太「いや……。適材適所だろう」

 

 

と思った勇太だった。

 

 

【恋人・・・?】

手帳の件で女子からの痛い視線を一身に集めたかって誠は、「坊主になる!」と宣言して、坊主になっていた。ちなみに銀杏の木には誰も来なかった。

そして次の日の月曜日。

 

 

森夏「じゃあ結局、ラブレター(?)の主は現れなかった訳ね」

 

 

誠「丹生谷。誰か分からないのかよ」

 

 

森夏「分かった所でどうしようも無いでしょ?」

 

 

誠「まぁ、な」

 

 

森夏「でも、まっ。『男子守ってちゃんと坊主にした。その気持ちは悪くないんじゃない?』って思ってる女子は居るかもね?」

 

 

誠「本当か!」

 

 

森夏「馬鹿ね? 居る訳ないでしょ?」

 

 

誠「からかってんのか!?」

 

 

そう誠が言い返すと、坊主頭に手のぬくもりが感じられる。恐る恐る誠が振り返ると、そこには嬉しそうな五月七日くみんの姿があった。

 

 

くみん「あっ! ごめんねー。どうしても我慢できなくって。ついー。お願い、一色君。

触らせて?」

 

 

その笑顔に見惚れて、「あ、あぁ……」と言いながら頭を真っ赤に染める誠。

結局、誠はドMだが恋人は普通の女性の方が良いと言う話らしい。


 
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