No.506711 IS 二性の転生者は天才の義妹 十五話ユウさん 2012-11-11 00:52:17 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1229 閲覧ユーザー数:1156 |
「あー……」
どうも結渡です。
一時間目の授業が終わって休み時間。
隣では一夏がうなだれてる。
えっ、私?ああ、束印の超々ハイスペックPCで眼鏡の改良していますよ。
授業中は千冬さんにバレないように、他人には不可視の空中投影型ディスプレイでやってたんですが、それは性能があまりよくないので、休み時間の間は性能がいいこっちにしました。
それにしても、男のIS操縦者がいるせいか二、三年の先輩が詰め掛けてます。
でも、二人しかいない男子には話しかけずらいのか、全然話しかけて来ません。
私としてはそのままでいてほしいですね。だって、群がってきたら間の私にも被害がくるので。
「……ちょっといいか」
「え?」
んっ、誰だ?どうせ一夏か優斗目当ての人だろけど。
「箒?」
「………………」
えっ、箒ちゃん?まさか、一夏に告白?な訳ないよね。
相変わらずリボンが可愛いな。
それにしても、身長も胸も妹に負けるなんて。
まあ、この体も動きやすいからいいけどね。
ちなみに、私も普通ぐらいは胸はありますよ。貧乳じゃないです。
「廊下でいいか?」
別に教室でも変わんないんじゃない?
どっちにしろ他人には聞かれるでしょ。この状態じゃ。
「早くしろ」
「お、おう」
まあ、私には関係ないから眼鏡に集中しよう。
じー
あれ?箒ちゃんに見られてる気がする。
「お姉ちゃんも来て下さい」
「えー、お姉ちゃん忙しいんでけど」
「いいですから、来て下さい」
忙しいって言ったのに、箒ちゃんに腕を引っ張られて廊下に連れて行かれます。
廊下に出ると女子達がさあ~、と道を開け、ドーム状に私たちを囲みます。
「「そういえば」」
「何だ?」
私が喋ろうとすると、一夏と被る。
多分言いたいことは同じだろうし、一夏の後でいいかな。
「去年、剣道の全国大会で優勝したってな。おめでとう」
「おめでとう箒ちゃん。私は見に行ったんだよ」
「………………」
あれ?口をへの字にして顔を赤らめた。
あっ、一夏に誉められて照れてるのか。可愛いな。
「なんでそんなこと知っているんだっ!」
「なんでって、新聞で見たし……」
「な、なんで新聞なんか見てるんだっ」
あれ?私無視?
まあ、後でもいいよね。
「あ―、あと」
「な、何だ!?」
「………………」
「あ、いや……」
箒ちゃん、今のはないよ。いくら興奮してるからって。
「久しぶり。六年ぶりだけど、箒ってすぐわかったぞ」
「え……」
「ほら、髪型一緒だし」
相変わらず、このフラグ魔め。
私も(同性に)モテるけど、「私のペットになって」だとか、「私の奴隷になりなさい」とかだぞ。
私はMじゃないっての。
「よ、よくも覚えているもんだな……」
「いや、忘れないだろ、幼なじみのことくらい」
「……………」
まったく、一夏は女心をわかってないな。
こんなんだから、朴念仁だとか鈍感だって言われるんだよ。
キーンコーンカーンコーン
おっと、そろそろ戻らないと。千冬さんがきます。
私、まったく話してないけど。
「俺たちも戻ろうぜ」
「わ、わかっている。あ、お姉ちゃんは放課後また」
「ん、わかった」
放課後ね。箒ちゃんの部屋行けばいいかな。
同じ部屋だし。
パアンッ!
なんだ?ああ、一夏に出席簿が落ちたのか。
「とっとと席につけ、織斑」
「……ご指導ありがとうごさいます、織斑先生」
バカだな~、一夏。
ポッパー
「――であるからして、ISの基本的な運用は現状て国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は刑罰によって罰せられ――」
うーん、難しいなー。どこが間違ってるんだろう。
あ、授業のことじゃないですよ。眼鏡のことです。
理論はあってるんですが、どこが体に影響を与えているのかがわからなくて。
わかっても作り直しだから、完成は一学期の終盤辺りかな。
ディスプレイを見てると、ふと、視線に私を見ている一夏が映る。
「(どうしたの?)」
「(あ、ああ、ほとんどわかんなくて)」
ほとんど!?入学前にもらえる参考書を読めば、逆にほとんどわかるはずなんだけど。
まさか
「(一夏、入学前にもらった参考書は読んだ?)」
「(参考書?ああ、電話帳と間違えて捨てた)」
やっぱりか。
まったく、それは自業自得だよ。
「織斑くん、何かわからないところがありますか?」
私と一夏のやりとりにきづいたのか、山田先生が訊いてきます。
「あ、えっと……」
良かったじゃないか一夏、先生に訊いたらいい。
「わからないところがあったら訊いてくださいね。なにせ私は先生なんですから」
全然そうは見えませんけどね。どうでもいいけど。
「(良かったね一夏、頼れる先生が来たよ)」
「(そうなのか?)」
「(さあ、でも、先生はああ言ってるし、頼れるんじゃない)」
「(そうだな)先生!」
「はい、織斑くん!」
まあ、訊いても千冬さんに叩かれるだろうけどね。
「ほとんど全部わかりません」
はぁ、私の幼馴染はどうしてこうも、違うのだろうか。
優斗はしっかり、数回読み返すまでしたってのに。
「え……。ぜ、全部ですか……?」
ほら、先生が困ってるよ。
「え、えっと……織斑くん以外でわからないって人はどれぐらいいますか?」
山田先生が尋ねるが、誰一人挙げない。
一夏は、そんな馬鹿なみたいな顔してるけど、これが普通。
IS学園に入るには、筆記試験があり、それのためにかなりの勉強をした人がほとんどだ。
だから、この段階でわからない人なんて、いるはずがない。
「……織斑、入学前の参考書は読んだか?」
教室の端から千冬さんが一夏に訊いてくる。
さて、一夏はどう答える。素直に答えたら百パーセント、出席簿アタックだろうな。
まあ、他の選択肢でも、最終的に出席簿アタックは確定だから、どれも同じか。
「古い電話帳と間違えて捨てました」
パァンッ!
素直に答えたか、今の状況じゃそれが正解……なのか?
ま、まあ、言い訳なんかして鉄拳よりはいいか。
「必読と書いてあったろうが馬鹿者」
入学前の参考書を捨てた人なんて、一夏ぐらいじゃないかな。
「あとで再発行しつやるから一週間以内に覚えろ。いいな」
「い、いや、一週間であの分厚さはちょっと…」
「やれと言っている」
「……はい。やります」
一週間か、私は二日で読めるかな。読まないけど。
そんなことを考えてると、千冬さんはISの説明を始める。
「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らなければ必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういうものだ」
千冬さんが規則について語る。
言ってることは正しいが、その中には間違いがひとつある。
その間違いを否定するために、私は立ち上がった。
「なんだ、篠ノ之。文句でもあるのか?」
「もちろんありますよ」
私が言うと、周りの人がざわつく。
まあ、他の人からしたら自殺行為だろうから、当たり前の反応だな。
「千冬さん、ISは兵器じゃありません」
私がそう言うと、千冬さんは呆れる。
「はぁ、それか。そんなことは私も知ってるさ。だがな、教師として生徒に世間一般からしたら、間違ってることを教える訳にはいかんだろ」
「そうですけど、私の近くではあまり言わないで下さい」
だって、ISは宇宙に行くために創られた翼なんだ。
その翼を、兵器なんていう、クズ共のゴミと一緒にされるなんて、絶対にいやだ。
「はぁ、わかったが、いい加減に慣れろよ、やりにくい」
「これでも慣れたほうですよ。前なんか、半殺しでしたから」
「そうか」
慣れても嫌なものは嫌なんだから仕方ない。
「他の者も、篠ノ之の前でISを兵器とは言うなよ」
『は、はい』
満足した私は、席に着く。
すると一夏が話しかけてくる。
「千冬姉にもそれだけは言うんだな」
「まあね。これだけは譲れないから」
「そうか」
一夏はそれだけ言って、前を向いた。
「山田先生、授業の続きを」
「は、はい」
千冬さんの一声で授業が始まったが、私は何もせずぼーっとしていた。
だってあんなことしたら、千冬さんに警戒されて改良作業なんてできるわけないじゃん、ということで、一時間をぼーっとしていた。
後書き
えー、この度はこの作品をハーメルンにも投稿することにしました。
TINAMI様の方を主体にはしていくのですが、作品がひとつにまとまらないので、まとめられるサイトにも載せることにしました。
ここじゃ、見にくい、途中にSAOが入るからウザイ、ISだけが見たいという方はハーメルンの方で見てはいかがでしょうでしょう。
あと、更新が不定期になっていたのですが、一週間に一回のペースにしたいと思います。
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うなだれ一夏