キリト視点
俺は、自分が初めて入り、自分のついた嘘によって壊滅してしまったギルドのことを語った。
キリト「名前は【月夜の黒猫団】。俺を入れても6人しかいない小さなギルドだった。」
俺は、モンスターに襲われていた彼らを助け、ポーションが心許ないなどという嘘をついて街まで同行した。
街について、宿屋で食事をしていた時にレベルを訊かれ、俺は彼らより2~3上、本当のレベルより20も下のレベルを答えた。
すると、ギルドリーダーのケイタがギルドに入らないかと誘ってきた。
俺は、彼らのアットホームな雰囲気がとても眩しいものに見えていた。
俺は、ケイタの誘いを受けて黒猫団に入った。
ケイタは俺に前衛をしてもらいたいということと、ギルメンの片手剣のコーチをしてほしいと言って来た。
その子の名前はサチ。黒髪の大人しそうな少女だった。
俺は、攻略をしながらサチのコーチを行い、夜は前線に出てレベル上げをする毎日を送っていた。
そんなある日、サチがいなくなった。
マップ追跡も出来ないため、黒猫団全員が手分けしてサチを探すことになった。
俺はその時すでに、追跡のスキルを習得していたので、それを使ってサチを見つけた。
その時彼女は言った。
「一緒に逃げよう。」と。サチは今まで抱えていた不安や恐怖を俺に話してくれた。
俺はそんな彼女に「君は死なない。」と言った。
それ以来、サチは夜中になると俺の部屋に来て一緒に寝るようになった。
俺は、毎晩サチに「君は死なない。」と言い続けた。
だが・・・それは無責任で空虚な嘘になってしまった。
その日、ようやくホームを買えるだけのコルが集まったのでケイタがギルドホームを買いに行った。
その間に、残りのメンバーで最前線から三層下のフロアにコルを稼ぎに行った。
そこからの帰り道で、トレジャーボックスを発見した。
俺が止める間もなく、シーフのプレイヤーがそれを開いてしまった。
運悪く、それはアラームトラップだったのだ。
そこまで、聞くとデュオが納得したように言う。
デュオ「なるほどな。それでさっき青ざめてたのか。」
俺は、小さく頷いて肯定する。
俺を含めたギルメン全員が軽重はあるもののパニックに陥ってしまった。
俺は今まで隠してきた上位ソードスキルを全て使ってみんなを守ろうとした。
だが、一人、また一人とHPを削り取られてその体を飛散させていった。
そして、俺を信じていたサチも仲間と同じようにして、砕け散った。
その光景を目の当たりにした俺は、何も考えられなくなりその場に倒れてしまった。
そこに現れたのが、偶然中層に降りてきていたバスターズの五人であった。
キリト「俺はほとんど覚えてないけど、1人が飛び道具でボックスを破壊してから他のメンバーがモンスターを全滅させたんだ。」
バスターズに支えられて街に戻ってきた俺は、ケイタに事情を説明した。
仲間の死を知ったケイタは俺に言い放った。
「ビーターのお前が僕たちと関わる資格なんてなかったんだ」と。
そして、ケイタは外周に飛び降りて自殺した。
それを止められなかった俺は罪悪感から、自分も後を追おうとした。
キリト「だけど、それはバスターズのリーダー【マイティー】に止められた。」
マイティーは俺をギルドホームに案内した。
キリトは、そこで黒猫団とのことを全て話した。
キリトの話を聞いたマイティーたちは、何も言わず、ただ生きろとだけ言ってどこかに行ってしまった。
俺はマイティーの言葉通り、生きて戦い続けた。
ガッシュ視点
キリトの意外な過去を聞き終わると、デュオを含め、全員が驚きと悲しみが入り混じったような顔をした。
短い沈黙があり、俺がそれを破る。
ガッシュ「俺も、そうだ・・・」
俺の言葉に、キリトが顔を上げる。
キリト「どういうことだ・・・?」
俺は、キリトの顔を見据えて言った。
ガッシュ「俺はバスターズの5つの武器を全て持ってるんだ。」
アスナ「い、5つって・・・全員の武器を持ってるってこと!?」
ガッシュ「ああ、俺がまだ低レベルの頃、早くレベルを上げたくて、ひたすらモンスターを狩りまくってたことがあったんだ。」
今度は俺が、自分の過去のことを語った。
俺は、モンスター狩りを続けていた時に偶然隠しボスを発見した。
隠しボスとはいっても、ボス部屋から出てこなかったため逃げることもできた。
だが、調子に乗っていた俺はそれに挑んでしまった。
結果、HPはレッドゾーンに達し、回復アイテムも底をついた。
最悪の状況だった。
俺がもう諦めて死を覚悟してた時にバスターズが現れた。
みんなは何とかボスを倒したけど、ボスの攻撃で受けた毒でHPが消滅した。
その時、マイティーが俺に「生きろ。」とだけ言った
みんなは自分が消える瞬間まで笑ってた。
俺は、自分の無力さを思い知ったんだ。
だから、一人じゃだめだから、みんながくれた武器で、みんなの魂と一緒にこの世界を終わらせるって決めたんだ。
通常視点
ガッシュの話が終わると、キリトが口を開いた。
キリト「強いな、ガッシュは・・・」
するとガッシュは、首を横に振ってそれを否定する。
ガッシュ「そんなんじゃねえよ。ただ、せっかく助けてもらったのに、怯えて何もしないでいたらみんなは喜ばねえと思うんだ。」
キリト「そうか・・・」
キリトはただそれだけ言って後は何も言わなかった。
その様子を見たデュオが頬に笑みを浮かべて言った。
デュオ「なら、明日からもまた頑張らないとな。」
デュオの言葉にガッシュはニイと笑って答える。
ガッシュ「おう!」
するとガッシュにアスナが続く。
アスナ「デュオ君の言う通りね。私たちも頑張ろうキリト君。」
キリト「ああ・・・」
キリトたちは、改めてゲームクリアの意志を固めた。
それから、少し話をして時刻が9時を過ぎたのでお開きになった。
あとがき
投稿が遅れて、(しかもいつもより短くて)本当にすみません。
あと、最近スランプ気味ですので、投稿の遅れが多くなると思います。
自分勝手ですみません・・・(泣)
Tweet |
|
|
5
|
3
|
追加するフォルダを選択
ちょっと無理やりな気もします。