No.505924

真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第四節:平原の相へ、新たな戦いの兆し

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2012-11-09 00:29:30 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7017   閲覧ユーザー数:5278

まえがき コメントありがとうございます。はてさて、洛陽から平原に活動拠点を移した一刀たち。第四節に突入して話も急展開を見せるかも!それではごゆっくりしていってください。

 

俺たちは先日平原に到着し、とりあえず今日は街の情勢を調べるために警邏を中心に行動することにした。朱里、雛里、清羅は届いた竹簡の整理。華佗、貂蝉、卑弥呼は市民の体調の検査。たまに悲鳴が聞こえてきてるのは気のせいだろう。うん。・・・かといって警邏に回すわけにもいかないしな~。今は俺と桃香、流琉で一緒に街の警邏中。

 

「ところで流琉、探してた友達がいるなら曹操さんのとこに行かなくてもよかったの?」

「最初は向こうに行こうと思ってました。ですが、今は兄様たちと一緒にいたいです。桃香様たちとも仲良くなって、私も同じ志を持てました。だから、これからも一緒にいてもいいですか?」

「勿論。改めて、これからも一緒に頑張ろうね。」

「はい!」

 

それを聞いてちょっと安心した。せっかく仲良くなったのに敵として戦うことになったら辛いからね。

 

「それにしても、街を治めるって初めてだからなんか緊張する~。」

「そうだね、俺も初体験だから緊張するよ。月にちょっと聞いてくれば良かったかな。」

「そだね。とりあえず、今は警邏中だからその話はまた後にしよう。」

「あぁ。」

 

市を回ってると人々の活気のいい声が聞こえてくる。こんな状態がずっと続くように頑張っていかないと。

 

「兄貴、西区画の警邏終わったぜ。特に異状なしだ。」

「お疲れ様。細かい報告はあとで謁見の間で朱里に報告だからその時にまたお願い。」

「了解。じゃあまた後でな。」

「あぁ。」

 

蒼はまた来た道を戻っていった。さて、警邏の続きをしましょうかね。

 

・・・

 

俺たちは警邏を終え謁見の間に向かった。まだほとんど使ったことのないものだからちょっと落ち着かない。まぁ、すぐに慣れるだろうし、そこまで気にしないでおこう。

 

「それではまず、今日の警邏の報告をお願いします。」

「じゃあ俺から言うね。北区画は特に異状なかったよ。むしろ活気があったし、良い雰囲気だった。」

「次は私が言おう。東方面も特に異状なし。少し乱闘があったが、特に問題と言うほどではなかった。」

 

いや、乱闘は結構な問題だろ・・・。

 

「何が原因だったとか分かりますか?」

「いや何、機嫌の悪い男が道端でぶつかった男に怒鳴り散らして、ぶつかられた男がそれに機嫌を損ねて殴りつけたんだ。それが原因だな。」

「それで、どうしたんですか?」

「喧嘩両成敗として軽くぶっ飛ばしてやった。」

「はわわ!あ、愛紗さん!ぶっ飛ばしちゃだめですよ~!」

「勿論加減はしたぞ?」

「愛紗、そこは口頭で丸く収めなきゃ。毎度ぶっ飛ばしてたら街の皆がボロボロになっちゃうよ?」

「ご主人様、それなら一の皆が乱闘してることになりますよ・・・。」

「?」

 

ご主人様、しっかりしてるように見えてどこかずれてるんですよね・・・。はぁ~。

 

「朱里よ、今さらそんなことを思っても仕方ないぞ?」

「私の心を読まないでくださ~い!!」

 

・・・

 

ようやく報告会議が終わりました。今は雛里ちゃんと清羅さんと一緒にお庭でお茶をしてます。会議の途中で話題が逸れましたが、これで一段落です。ふぅ・・・。時々あーいうご主人様の天然が見えるんですよね。たまにビックリさせられます・・・。

 

「ご主人様の天然って、いきなり来るから驚かされるよね~。」

「そこがいいんじゃない。ご主人様のあれを見てると癒されるのよね~。」

 

「そうですね。けど、ご主人様の笑顔が一番好きです。いつ見てもドキッとさせられます//。」

「あの笑顔は反則だよね~。ついつい見入っちゃうもん。」

「それ分かるわ~!あれ見ちゃうとついつい甘えちゃうのよね~。」

 

私たちはそれからお茶そっちのけでご主人様について語るのでした。

 

・・・

 

「うにゃにゃにゃにゃー!!」

「そんなに適当に振り回しても私には当たらん!」

「二人とも~、頑張って~!」

「ほう、愛紗は結構冷静だな。主が見ているからか?」

「愛紗はいつも冷静だよ。それこそこういう戦闘とか模擬戦のときは特にね。」

 

ただ今愛紗と鈴々の模擬戦を観戦中。今見る限り愛紗の方が優勢かな。鈴々の動きを全部見切ってる感じがする。まぁ長い付き合いだからそれも当然と言えるのかな。

 

「うにゃー!そろそろ当たるのだ!」

「ふっ、当たると言われて当たっていたら誰も苦労しないな。ほら、こっちががら空きだ!」

「うにゃ!?」

 

おっ、今のは上手い。鈴々の蛇矛はリーチが長いけどその分隙が多くなるからな。そこはいつも実力でカバーしてるけど、どうしても癖は隠しきれない。鈴々の突きを体の重心を右に傾けることで躱してそこから愛紗の斬撃が繰り出される。

 

「ところがどっこいなのだ!」

「なっ!!??」

「ほう、あそこから手首を捻ることで蛇矛の長さを生かし愛紗の槍に当てたか。あれから愛紗が耐えれたら勝つ希望が見えるな。だが・・・。」

「うん。あそこで愛紗は勝利を確信して気が緩んだからね。今回は鈴々が一枚だったみたい。」

 

愛紗は鈴々からの思わぬ一撃に青龍刀を手から離してしまった。そして、愛紗の眼前にあるのは蛇矛の刀身。

 

「参った。私の負けだ。」

「やったのだ!愛紗に勝ったのだ!」

 

勝った鈴々が近くに寄ってくる。

 

「お兄ちゃん、勝ったのだ!」

「うん、おめでとう。」

 

俺が鈴々の頭を撫でてやるとにゃはは~と擽ったそうに身をよじって頬を紅く染めた。まったく、甘えん坊だな~。嫌な気はしないけどね。

 

「私もまだまだ精進が足りんな。ご主人様、機会があれば手ほどきお願いできますか?」

「俺で良ければいつでもいいよ。」

「ありがとうございます。」

 

愛紗に手ほどきか。俺に出来るかな?俺たちは少し談笑した後、昼食を食べるために庭に向かった。ちなみに今日の昼食当番は俺と清羅。何を作ろうかな~?

 

・・・

 

こんにちは、月です。一刀さんたちが平原に向かってから一週間が経ちました。七日間しか一緒にいなかったのにちょっと寂しいです。

 

「月、大丈夫?」

「恋さん・・・大丈夫ですよ。一刀さんたちは理想への一歩を踏み出したんです。私が寂しいからと言って引き留めるわけにはいきませんし。それに、また来るって約束してくれましたから。」

「恋、一緒。ねねも、詠も、霞もいる。心配しなくていい。」

「呂布、私もいるぞ。」

「大丈夫、忘れてない。言ってないだけ。」

「・・・。」

 

華雄さん、ちょっと落ち込んでますね。あとでお話し相手に付き合ってあげましょう。

 

・・・

 

私たちがお昼ご飯を食べていたら一人の兵士さんが息を切らせてこちらに近づいてきました。

 

「董卓様、ただ今よろしいでしょうか?」

「は、はい。その様子だとお急ぎのようですし。」

「はい、申し訳ありません。その、出来ればお伝えしたくないのですが・・・董卓様に朝廷からこちらにお一人で出向くように、とのことです。」

「・・・!!」

 

いずれ来るとは思っていましたが・・・結構早かったですね。

 

「どなたからか分かりますか?」

「・・・何進です。」

「あいつ、また月を利用しようと企んでるに決まってる!月、従う必要ないわ!」

「うちがど突き倒したる!」

「ううん、私、行きます。」

「月!」

「大丈夫。私なら大丈夫だから。」

 

月、そんなに辛そうな顔しないで・・・。

 

「伝令さん、ありがとうございます。」

「いえ、お力になれず申し訳ありません。」

 

そう言うと伝令さんは市の方に歩いて行きました。さて、私も行きましょうか。

 

「じゃあ皆さん、少しの間留守にしますので、洛陽のことお任せします。」

「月、気を付けてね。」

「はい。」

 

月の後ろ姿はどこか悲しそうな雰囲気を漂わせていた。そして、月の姿が見えなくなると私は一人の兵士をここに呼んだ。

 

「平原の北郷たちにこのことを伝えて。もしものときはあいつらを頼らないといけなくなるかもしれないから。」

「御意!」

 

月、無事でいてね・・・。

 

・・・

 

俺たちが平原に来てから一週間。朝廷から二つの知らせが届いた。霊帝の崩御。これには俺たちにも衝撃が走った。もう一つは袁紹さんという人から来た通達。これが問題だ。洛陽で暴政を行っている董卓を討つために各地の諸侯を集めているとのこと。その名も『反董卓連合』。史実にもあったことだけどすっかり忘れてた。月たちに会ってないなら俺たちも参加してるんだろうけど彼女たちと会っている今はそうはいかない。真名も預かってるし、信頼を裏切るわけにはいかないしそうしようとも思わない。

 

「朱里、雛里、明日にでも出発するから竹簡とか持っていく資料があれば必要最低限だけ持っていくものの選別をお願い。流琉は朱里たちが運べないようなものの持ち運びを頼む。愛紗、鈴々、星、清羅は兵士たちを纏めて出発の準備をしておくように言っておいてくれ。貂蝉、卑弥呼は朝廷に行って何か動きがないか偵察を頼む。華佗は医療道具の準備をしておいて。桃香は俺と一緒に来てさっき来た月のとこの兵士さんの話を聞きに行こう。みんな、そういうことで、迅速に行動してくれ。以上。」

「御意!」

 

皆がそれぞれ移動したことを確認すると、俺と桃香は少し離れたとこで待っている兵をこちらに呼んだ。結構焦っていたのを見るに重大なことなんだろう。

 

「待たせてすみません。それで、こちらに報告しないといけない事というのは?」

「は、はい。では簡潔に申し上げます。董卓様が朝廷の何進から呼び出しを受けてお一人で朝廷まで向かってしまいました。そこで一つ、董卓様をお救いしてください!反董卓連合を組まれた今、頼れるのは北郷様方しかいないのです。どうか、お願いします!」

 

月が一人で朝廷に向かった!?霊帝が崩御したという報告を聞いたのはついさっきのこと。もし月に何かしてみろ。俺が直々に殺しに行ってやる。

 

「顔を上げてください。私たちだって月ちゃんたちに助けてもらってるんだし友達だから。勿論助けに行くよ。ね、ご主人様?」

「あぁ。それで、一つ聞きたいんだけど、月が朝廷に向かったのっていつか分かる?」

「一週間ほど前に洛陽を出ました。」

「一週間か・・・少し急いだ方がいいな。桃香、明日の朝一には出発するよ。」

「うん!」

 

「じゃあ今日はここでゆっくりして、明日俺たちと一緒に洛陽に行きましょう。」

「あ、ありがとうございます。では、ご厚意に甘えさせていただきます。」

 

それから俺たちは城に戻り明日の洛陽行きに向けて支度を始めた。

 

・・・

 

「雪蓮、袁紹からこんなものが届いた。」

「袁紹から~?袁術ちゃん同様、変なものじゃないでしょうね?」

「これは利用できるぞ。孫呉復興にはもってこいのものだ。」

「冥琳、ちょっと見せて。」

 

ふーん、反董卓連合ね。これは利用できるとは思うけど、袁紹の思惑があるには違いないわ。

 

「冥琳、これをどう見る?」

「おそらく袁紹の一方的な逆恨み、妬み、その類のものだろう。だが、そこを情に流されるわけにもいかないのは雪蓮も分かっているだろう?」

「勿論。じゃあ明日にでも袁紹のところに向かうわよ。」

「分かった。では私は穏や明命に通達してこよう。」

「うん、お願い♪」

 

ふ~。それにしても、これは一悶着ありそうな予感がするわ。私の勘は当たるんだから♪

 

・・・

 

「華琳様!袁紹から連合への参加をするように通達が来ています。」

「麗羽から?次はあの馬鹿、何をしでかそうとしているのかしら?」

 

麗羽から何かされて良かった思い出がない。どうせろくでもないものなんでしょうけど。

 

「董卓という人物が洛陽で悪政を行っているのでそれを討ちに行く諸侯を集まらせているとか。」

「ふむ。麗羽には興味ないけど、これは私の覇道への一歩になるわ。他の諸侯の情勢も気になるしね。桂花、兵と春蘭、秋蘭、季衣、三羽烏にも伝えなさい。」

「御意。」

 

麗羽、これは利用させてもらうわ。それにしても、この前の劉備たちも参加するのかしら?劉備とあの御使い、北郷一刀と言ったかしら。あの子たちが私の目にかなうようになったのか見極めてあげるわ。

 

・・・

 

「!?!?」

 

何か寒気がしたんだけど・・・。誰かに狙われてるような感じが。近くに視線は感じないんだけどな?

 

「ご主人様、どうかした?何か焦ってるみたいだけど?」

「ううん、気のせいだったみたい。」

 

俺たちは洛陽への出発に向けて準備を進めた。そして翌日、兵を門の前に待機させ俺たちは謁見の間に集まっていた。

 

「じゃあこれから洛陽に向かうことになるけど、おそらく月たちと連合に立ち向かっていくことになると思う。改めてみんなの力を俺に貸してほしい。」

「勿論です。私の魂魄までも桃香様とご主人様のものなのですから、私の力、存分に発揮させていただきますよ。」

「主よ、心配なさらなくても私たちはあなたの目となり耳となり矛になりますぞ。存分に使ってやってくだされ。」

「そうですよ、兄様。私だって頑張ります!」

 

皆の言葉で胸の奥が温かくなっていくのが分かる。これならどんな状況になってもやっていける。

 

「うん。じゃあ皆、まずは洛陽に着いたら月の安否の確認。もしいなかったら奪還。その方向性で行くから。」

「御意!」

 

俺たちはそれからすぐに洛陽に向けて出発し、平原をあとにした。月、無事でいてくれよ!

 

あとがき コメントありがとうございます。反董卓連合を目前に控えた一刀たち。これからの動きにご注目していただければ幸いです。是非とも月には無事でいてほしいところですね。それでは次回 第四節:開戦、虎牢関! でお会いしましょう。


 
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