No.500168

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

2012-10-25 16:08:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1094   閲覧ユーザー数:1060

 

 

 

episode81 最初の出会いから現在まで

 

 

 

 

 

その頃

 

 

 

 

 

 

 

「ふむふむ・・・まぁこんなもんかな」

 

と、モニターに表示されたデータを見て束は顎に手を当てる。

 

「はっくんから貰ったデータを元に作った無人機だけど、ISは人が乗って本来の力を発揮するから、当然と言えば当然の結果かな」

 

そしてデータを閉じると、もう片方のモニターに向き直ってキーボードを叩いていくと、enterキーを押した。

 

すると目の前の窓の向こう側にあるハンガーで光が放たれて、アームが何かを掴んで束の前にある台にそれを置いた。

 

「さて・・完成したことだし、はっくんに渡しておこうかな」

 

 

 

 

 

『束さま』

 

すると少女がモニターに出てきた。

 

「やぁやぁくーちゃん。どうしたのかな?」

 

『アーロン様がこちらにやって来ました』

 

「あーくんが?」

 

『どうしますか?』

 

「(珍しいね・・・直接来るなんて)・・・・」

 

『・・・・』

 

「通していいよ。ついでにくーちゃんも来てくれるかな」

 

『分かりました』

 

 

 

 

そして束の後ろにある扉が開くと、一人の男性と少女が入ってきた。

 

 

 

「こうして直接会うのは久しぶりだな・・・束」

 

「そうだね・・あーくん。いや、アーロン」

 

そして束は立ち上がると、アーロンの前に立つと、お互い抱き合った。

 

「珍しいね。今日はどうしたの?」

 

束はアーロンから離れると話しを聞く。

 

「少し厄介なことがあってな・・・ある意味では避難してきたと言えるな」

 

「・・・?」

 

 

 

(ちょっと話しがある。二人だけでいいか?)

 

(う、うん・・・)

 

 

 

「くーちゃん」

 

「なんでしょうか?」

 

「ちょっとお使い頼めるかな?」

 

「なんなりと」

 

「じゃぁ、出来上がったばかりのこれを届けてね」

 

そして束は台の上にある白と青のペンダントを手にとって少女に渡した。

 

「届ける場所は――――」

 

 

 

「かしこまりました。では今から届けてきます」

 

そして少女は束に頭を下げて部屋を出た。

 

 

 

「今のは?」

 

「あれはね、はっくんから依頼を受けて強化改装したISだよ」

 

「隼人から?」

 

「うん。はっくんも束さん並に天才だよ。よくあんな機構を思いつくって感じだから」

 

「なるほどな」

 

 

「それで、話しって・・・?」

 

 

 

 

「言いにくいんだが・・・バシリスタが全滅してしまった」

 

「え・・・?」

 

束は唖然とした。

 

「どういう・・・こと?」

 

「数日前・・正体不明の敵が現れてな、応戦するが全く歯が立たなかった」

 

「・・・・」

 

「その結果・・・部下はフェイとフィアを除いて全員・・殺された」

 

そしてアーロンは拳を握り締めた。

 

「アーロン・・」

 

「さすがに俺もあの時は死を覚悟した・・・だがな」

 

「・・・?」

 

「正体は分からなかったが、あるやつらに助けられたからな」

 

「あるやつって・・?」

 

そしてアーロンはダークハウンドより投影モニターを出した。

 

「・・これって・・」

 

そこにはあるものが映っていた。

 

「バンシィに酷似した黒い機体に白いIS、それにISにしては少し軽量なISを纏った少女二人、そして俺達を襲ったやつと同型の機体によって助けられた」

 

「・・・・」

 

「悔しいが、あの時の俺達ではどうすることも出来なかった。隙を見て逃げ延びたのでな、それしか写してない」

 

「そっか。・・でも、それが正しいよ・・だって――」

 

と、束はアーロンの手を取る。

 

「アーロンだけは・・・死んで欲しくないから」

 

「束・・」

 

 

「でも、そうなるとこれからどうするの?」

 

「どうすることも出来ないな。船も破壊されてしまったからな。自由には動けんよ」

 

「そっか。ならしばらくは・・・ここに居るといいよ」

 

「すまないな」

 

「ついでに、君のダークハウンドを更に強化してあげる。あの二人のISも含めてね」

 

「そうか。そうしてもらえればありがたい」

 

「うん」

 

 

「できれば、すぐに出撃できるように強化をしてくれるか?」

 

「いいけど、どうしてそんなに早くしないと?」

 

「情報員の報告によれば、どうやら近々やつらが動き出すかもしれないと言う情報が入った」

 

「そう。またあいつが」

 

「・・できるか?」

 

「もちろん!最高の出来にして準備をするよ!」

 

「そうか」

 

そしてアーロンは首に提げているドクロのペンダントを束に渡した。

 

「フェイとフィアからISを貰ってくる。できれば早く始めてくれ」

 

「了解♪」

 

そうしてアーロンが部屋を出ると、束はすぐに作業に取り掛かった。

 

 

 

 

 

(でも・・不思議だよね)

 

と、束はそう思いながらもドクロのペンダントを少し離れた床に置いて、イスに座ってタッチパネルで操作してダークハウンドを独自展開した。

 

(最初はアーロンの事なんかちっとも思ってなかったのに・・・今じゃかけがえの無い存在になった)

 

そしてタッチパネルを物凄い速さで操作してダークハウンドの各所のパーツをアームを出して掴むと、各部パーツに分けて分解する。

 

 

 

(私がISを作って数年後に、彼は突然私の前に何の前触れも無く現れた・・・この隠れ家に・・)

 

分解したパーツの装甲を外していくと、ここから調整に入っていく。

 

(最初は興味なんかこれっぽっちも無く、警戒した。でも彼が偶然開発途中だった白式に触れて起動させた時から、少しだけ興味を持ち出した)

 

昔のことを思い出しながらも束は作業を進めて行く。

 

(そして彼が持っていた設計図を元に作り出した第二世代のIS『ガンダムAGE-2』を作って、私は彼にそのISを渡して依頼を出した)

 

次に各武装をアームで固定してそれぞれを出すと、調整を施す。

 

(彼は私の依頼を受けて、難なくこなして行った。でも私はただ彼を利用していた)

 

その表情は飄々としたものではなく、少し暗かった。

 

(そんなある日、彼はボロボロの状態で戻ってきた。謎の敵に襲撃を受けて、重傷を負うも私のところに戻ってきた)

 

そして一瞬タッチパネルを操作する手が止まるが、すぐに動き出した。

 

(その時はどうしてか、心の底から彼を心配した。その時は分からなかった。どうして私がそう思ったのか)

 

 

 

(瀕死の重傷を負った彼を看病した。私はただ彼を利用していた。なのになんで彼の事を心配するのだろうか。その時は不思議でならなかった)

 

 

 

(私は彼に利用していたことを告げた。彼は少し黙ってから・・・『知っていた』って言ったね)

 

 

 

(ならなぜ?って聞いたら『助けて貰った身だから、恩返しをしていた。それが利用されていることだとしても』・ってね)

 

そして調整を施していくと、ISのパーツを保管する倉庫よりいくつか武器をアームで運んで来させた。

 

(正直あの時は呆れたかな。私が呆れるって言うとおかしいかな)

 

束は少し思い出し笑いのように微笑みを浮かべた。

 

(それから私は彼の事を想う様になった。一人の男性として)

 

そして運んできた武装の中からダークハウンドが持つランスと同じ基部を持つ銃身の長いライフルを取り出して調整を施す。

 

(そして彼は世界の不正を正すって言って、バシリスタを立ち上げた。私もそう考えていたから、賛同だったね)

 

 

 

(バシリスタ専用のISを作り出して、AGE-2も改良して今のダークハウンドとして生まれ変わらせた)

 

そして調整を施しているダークハウンドの頭部を見る。

 

(だから私は彼を、アーロンを、支えていきたい。これからも、ずっと)

 

束はそれからアーロンが来るまで徹底的にダークハウンドの調整を施して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後のIS学園では

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

隼人は第二格納庫で投影型モニターの前で調整を行っていた。

 

目の前には襲撃者の一部のパーツと、一体のISが立っていた。

 

形状は千冬と山田先生が使うレッドフレームとグリーンフレームと同じであるが、白と黒は共通であるが、最も違うのは金色をしており、印象が違っていた。

 

(千冬さん・・・どうしてレッドフレームやグリーンフレーム、それにブルーフレーム、そしてゴールドフレームを持っていたんだろう。それにこれを楯無さんにやれって言われても)

 

 

(一応調査を終えた襲撃者のパーツを使ってもいいって言われたけど、勝手に使っていいんだろうか。まぁ、それがいいんだけどね)

 

ちなみに襲撃者の残骸と言うのは、ネブラブリッツのパーツがほとんどを占めており、一部の内部機器やパーツなどは他の機体のを使っている。

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・隼人」

 

「・・・・」

 

そんな様子を鈴とラウラが機材の陰より見ていた。

 

「師匠があんなに暗くなるとは」

 

「まぁ無理も無いよね。颯を連れ去られたら」

 

「あの戦いの最中に連れ去るとはな。さすがにやられたってところだ」

 

「・・・・」

 

「このままこの状態が続くのだろうか」

 

「さぁね。できれば颯を今すぐにでも連れ戻したけど、場所が分からないんじゃどうしようもない」

 

「仮に見つかっても、今の我々にはどうすることは出来ない」

 

「そうわよね」

 

鈴はため息を付いた。

 

 

 

(こんな時に何も出来ないのか。師匠を支えてやることが出来ないのか・・・私は・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか・・・。颯が連れ去られたんか」

 

「えぇ」

 

と、セシリアからそのことを聞いてエリーナは頷いた。

 

「もうちょっとうちが気をつけておけばなぁ・・」

 

「しかし、あなたとシャーリーさんは・・・バインドに襲われたから、無理も無いでしょう」

 

「せやな。だからこそ、悔しいんや」

 

「エリーナさん」

 

「借りは返さんとな。この右目のな」

 

「しかし、その状態では精密射撃は」

 

「心配ないで。うちの元々の射撃は乱れ撃ちや。精密射撃はあくまで必要の時意外は使わないんや」

 

「・・・・」

 

「右目が無くても、うちは戦えるんや」

 

「ですが・・」

 

「それにな、シャーリーの借りも返さんといかんからな。庇ってくれた借りのな」

 

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

アーロンが当初使っていたAGE-2は特務隊仕様の白い状態と思ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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