IS学園、1年1組の教室では…
コスプレ喫茶クスクシエで取ったアンケートの集計をしていた。
アンケートの内容はどのウェイトレスが良かったか。
「それでは…発表します!」
発表するのは虚である。
「1位は………ジンちゃんです!」
虚の言葉に1組、特に頑張ったセシリア達が固まった。
「因みにアンケートの内容は…『ジンちゃん、マジカワユス』、『ジンちゃん、ハァ…ハァ…』、『他のウェイトレス?居たの?』です…」
それを聞いた箒達は落ち込んだ。
特にセシリアとシャルはムンクの叫びみたいなポーズを取った。
すると、校門の方から爆発音が聞こえた。
「なんだぁ?!」
ジンヤは校門の方へ向かった。
校門には臨海学校で見た財団Xの白いISや右腕にガトリング砲を左腕にはグレネードランチャーをトンファーみたいに装着した黒いISが二体居た。
「財団Xの強襲かよ…」
そこに一夏達も駆け付けた。
『見付けたわよ…この泥棒猫の娘がぁ!!』
『そうよ!復讐してやる!!』
『千冬様の面汚しのできそこない!八つ裂きにしてやるわ!!』
黒いIS二体と白いISを装着したリーダー格の女がそう言って、顔を覆っている仮面を解除した。
それを見た一夏、鈴、シャルは驚愕した。
「お前は!」
「アンタ!なんでこんな事を!!」
「まさか…なんで貴女達が…」
そいつらの顔を見た一夏とシャルは驚愕し、鈴は怒った。
何故なら…
「久しぶりね、織斑…千冬様の面汚しがこの学園に入学できて良いわね…」
「貴様を八つ裂きにする為に脱獄してきたわ!」
「ママの仇よ!あんたをぶっ殺してやるわ!!」
1人は日本人で2人はフランス人だった。
「…佐渡美紀」
「ミレーヌ・パラノイア、リリーヌ・パラノイア…」
佐渡は一夏をいじめていたクラスメイトの女子達のリーダー。
ミレーヌが母でリリーヌが娘でシャルの母、アンナを人質にしてシャルを命令していた。
なお、他のメンバーは佐渡と共に一夏をいじめていたクラスメイトの女子達である。
「千冬様は私達、女性達の英雄…いや神よ!それなのにあんたは……千冬様の弟と言うことすら罰よ!!」
佐渡がそう言うと、後ろのゾルドXを纏った女子達も叫んだ。
『そうよ!千冬様は神よ!』
『チフユイズゴッド!』
『千冬様は私達、女性の神よ!逆らう者は死よ!!』
「バカか貴様等…」
すると今まで黙っていたジンヤは静かだが怒りを露にしながら言った。
「アイツは神なんかじゃねえよ、カネと権力欲しさに弟を捨てたゲス女だ…いや、神になろうとしている愚か者だな…」
『黙れ!男ふぜいが!!』
「そっちが黙れ…オレははらわた煮くりかえって煮汁も出ないんだよ…」
ジンヤの言葉に一夏達は驚愕した。
何故なら、ジンヤの一人称が僕ではなくオレになった。
「あんた、あの泥棒猫の娘に味方する気?!」
「なら、このトランスXの実験台にしてやるわ!」
「全員、あいつらを八つ裂きにするわよ!!」
佐渡の言葉に財団XのIS部隊は戦闘体制に入った。
「全く、このIS学園の警備はザルだな…」
「お前との因縁をここで着ける!」
「僕の悪夢をここで終わらせる!」
そして、ジンヤ達もISを展開し戦闘が始まった。
ゾルドXは弱いが数が多く、ジンヤ達は苦戦していた。
「多すぎる…こうなったら、セシリア、ラウラ、簪!アレをやるぞ!!」
「アレをやるのですか?」
「それで一気に片付けるぞ!!」
「…練習通りにやるよ」
ジンヤがそう言うと、ラウラは右肩の大型レールカノンを簪は背中に二門ある連射型荷電粒子砲、春風をセシリアのスターライトmkⅢに組み込んだ。
更にジンヤが左腕にあるレールガンパラケルススの魔剣をスターライトmkⅢの銃口にセットした。
そして、ラウラと簪はセシリアの肩に手を置いて、ジンヤは膝を地面に付き、肩にスターライトmkⅢをのせた。
そこで4人叫んだ。
「「「「超協力兵器レールライト!!」」」」
レールライトから放たれる光弾は複数に分かれると、ゾルドXに襲い掛かった。
『きゃああああ!?』
『バカなぁぁぁぁ!!』
『そんなぁぁぁぁ!!』
残ったのは佐渡、ミレーヌ、リリーヌ、ゾルドXが数体だけだった。
「そりゃ行くぜ!」
すると、ジンヤは1人のゾルドXを掴むと、上昇した。
そこで急降下して、日本代表、天上院刹那に使った技、急降下地獄を使った。
(ん?…なんか新しい技が浮かんだな…)
ジンヤは何やら新しい技が浮かんだようだ。
「一夏!アタシ達が残りを片付けるからアンタは宿命にケリを付けてきなさい!」
鈴達はゾルドXを相手に戦い、シャルはミレーヌを、一夏は佐渡を、ジンヤはリリーヌと戦っていた。
シャルはジンヤから借りた村正ブレードでミレーヌを圧倒していた。
ミレーヌは両腕にあるガトリング砲やグレネードランチャーをトンファーみたいに使うが、シャルの素早いスピードに押されていた。
「この…泥棒猫の娘が!!」
ミレーヌはシャルを罵倒して、一瞬の隙を作り出そうとするが…
「僕は………シャルロット・デュノアだ!」
シャルは村正ブレードでミレーヌを一刀両断にした。
「きゃああああああ!!」
断末魔を挙げ、ミレーヌのIS、トランスXは爆発した。
一方、一夏はロクサスになり、佐渡と戦っていた。
「ハァ!」
「きゃあ!」
一夏は白い盾付きの片手剣、白斬で斬撃を防ぎ、カウンターで黒の長刀である黒斬でダメージを与える。
「この、千冬様の面汚しが!!」
「俺は俺にしかなれない…」
すると、一夏の脳裏に映像が浮かぶ。
家族であるラウやジンヤ、BSAAの仲間達。
そして、愛する人である鈴。
「俺は絶対に…負けない!」
そう叫ぶと、一夏は白斬を掲げると、佐渡の周りに12本の光の柱に囲まれ、白斬の力が解放された。
「白斬解放!」
解放した白斬の力で佐渡に無数の光弾を放った。
「ば、バカな…面汚しふぜいにぃぃぃぃ!!」
そう叫ぶと、佐渡は倒れた。
一方、ジンヤはリリーヌと戦っていた。
素早いスピードで翻弄しつつ、素手での近接格闘で追い詰めていた。
「決着をつけるぜ!」
ジンヤはそう叫ぶと、リリーヌを掴むと、上昇してそのまま落下し始めた。
「バカめ!その技は見切ったわ!落下している時に攻撃すれば…」
すると、リリーヌの背中からチェーンソーやナイフを装備されているアームが複数出てきた。
「なら、それ以上の技を出せば良い!」
ジンヤがそう言うと、落下スピードをアップし、重力が発生した。
「ぐ、ぐわぁ!」
リリーヌの身体がのぞけり、複数のアームが破壊された。
「インフェルノ・G(グラビティ)ィィ!!」
必殺技を叫び、ジンヤはリリーヌを地面に叩き付けた。
「バカな…この私が…男ふぜいに…がはぁ」
リリーヌは意識を失った。
箒達もゾルドXを倒した。
「やったな、みんな!」
すると、そこにラウ、クリス、ジル、レオンが財団Xのエージェントをたくさん捕まえていた。
「ラウ兄!コイツらって…」
「ああ、財団Xのエージェントだ。さっきの襲撃は囮でコイツらがISのデータを奪う予定だったんだ」
「それじゃあ、僕達は手のひらで踊っていたの…」
ジンヤ達がショックを受けていると、ジルが言った。
「でも、ジンヤ達が止めなかったら、被害が大きくなっていたわ」
そして、襲撃したIS部隊やエージェントは待機していたBSAAに連行された。
「ラウ兄、所で奴等が使っていたISはどうするんだ?」
「そうだな…取り合えずスペックやそのISにある情報を調べる事だな」
「待て!」
すると、そこに千冬が来た。
「…何のようだ、織斑千冬」
「このIS学園で起きた事は全て私達が処理する。先程のIS部隊員やエージェントを渡して貰うぞ」
「…いい加減にしろ、貴様」
ラウがキレながら言った。
「貴様は何をしていた?爆発音が聞こえなかったのか?ジンヤ達が必死で奴等と戦っていたのに貴様は指示や他の職員と共に避難誘導をしないで何をしていた?」
「………」
「ま、貴様が何をしていたのかはアレだろ?」
そう言うと、ラウは千冬が後ろに隠していた物を取り上げた。
それは小型のビデオカメラだった。
それには先程の映像が写っていた。
「IS委員会からの命令でジンヤ達のISについてのデータを狙っているのは分かっていたが、まさか襲撃時に隠し撮りとは…常識が吹っ飛んだのか?」
「………」
千冬は何も言い返せなかった。
すると、待機していたBSAA北米支部アルファチーム隊員にしてクリスの副官的存在であるピアーズ・ニヴァンスが怒りを見せながら千冬に詰め寄った。
「あんた、教師なのに生徒より委員会の命令が大切だと言うのかよ!」
ラウはピアーズを制止しながらビデオカメラの映像を消して、千冬に投げ返した。
「アリスの報告も含めて、これで二回目…次やったらタダですまないぞ」
ラウがそう言うと、黙っていたジンヤが千冬に言った。
「…さっき襲撃してきたIS部隊の奴等はあんたを英雄や神だと言っていたよ」
「…神崎、何が言いたい?」
「しかも一夏をあんたの弟しか見ていなくて、何か出来れば『千冬様の弟だから当然』と言い、逆に出来なければ恥さらしと罵倒して、いじめていたよ。あんたは仕事とかで忙しかったのは知っているがちゃんと一夏を見ていたのか?」
「…………」
千冬は完全を言葉を失っていた。
「あんたは英雄でも神でも無い…ただ力の使い方を間違えた人間だ。あんたには世界を間違えた方向に導いた…だからあんたは世界を元に戻す義務が有るんだ」
ジンヤはそう言って、その場から去った。
そして、千冬以外がその場から去ると、千冬は呟いた。
「私が間違っているだと?神崎、貴様の方だ…」
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