No.497794

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START 十八話 一対三十六

モアイ像さん

欧州・アラスカではあれを書きたい、これを書きたいでもそこに繋げる話はどうする?と言ったパズルを組み合わせるように悩んでペースダウンしています

2012-10-19 11:54:44 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:9928   閲覧ユーザー数:9392

マブラヴ オルタネイティヴ RETURN OF START

 

 

十八話 一対三十六

 

 

 

アスカ SIDE

 

 

「嫌味な条件だされたなぁ・・・」

 

搬入されている不知火を見ながら受領書を眺めていた

帝国軍へ技術提供に当たって条件が出され、一対三十六で模擬戦

勝てば四番目が提示した強化案をそのまま通すことができるが、負ければ情報の開示だけで帝国は一から作り直さなければならない

無駄に効率が悪いとされるが、軍は香月博士の干渉をあまり良しとはしないみたいだ

 

「チーフ!不知火を格納しました、直ちに回収作業に移ります」

 

「分かった」

 

不知火の周りには、自分が埋もれるほどのコンテナが置かれ、天井は4つ水素プラズマジェットが吊られていた

今回の不知火には、一番最初に作ったファントムと同じ4基を使用する

空気制動の他にも推進力を使い旋回能力強化するためだ

燃費は多少悪くなるが元々燃料タンク要らずなのか、今までの跳躍ユニット以上の性能を出しているので問題がない

装甲はEカーボンのほかに追加装甲など搭載して重量が今までの1.5倍増量した

これは腕でカバーするしかない

 

「どう?順境に進んでいる?」

 

「跳躍ユニット4基は調節済み、Eカーボン・関節駆動系は取り返え、新規のOS作成、その他テストなど合わせて一週間後に完成します」

 

「一週間後・・・つまり模擬戦前日」

 

まったく軍から無茶な注文を押し付けて24時間フル作業することになった

整備士全員に負担が掛かる分、交替制するしかないな

 

『オーイ、ユウコちゃんそしてアスカ!』

 

振り向くと武装以外は改修されたサンダーボルトⅡがXAMWS―24を振り上げていた

サンダーボルトⅡは改修案を提供してフェイアチルド・リムパリック社のスタッフが担当し、テストを繰り返している

テストは着実に進み、そろそろ完成しそうだ

 

「あーそこのバカ、格納庫内で射撃禁止ね」

 

『それは分かっているよユウコちゃん、コレを見てくれ』

 

XAMWS―24に備え付けられたバヨネットが震え出し、周囲に金属音が鳴り響く

その金属音が窓を揺らし始めて、香月博士はあることに気づいた

 

「桜咲、全員耳栓を着用させなさい」

 

「えっ?」

 

訳も分からず、言われた通り全員に耳栓着用を指示すると・・・

 

「「「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

 

鼓膜が上下に激しく揺れ、なんとか耳を塞ごうとする

しかし高周波から発生した金属音はあらゆる壁に反響して強くなり、手を通り抜けて鼓膜に当たる

頭の中に除夜の鐘を連続で打ちつけられている感覚だった

 

「桜咲、なんとかしなさい!」

 

「分かっています!・・・トライアル作動!」

 

「了解!了解!」

 

格納庫に固定されたナドレが起動を始め粒子が放出

ナドレに組み込まれた対ガンダム戦、特殊システムが起動を始める

格納庫内にGN粒子が充満し、一部通信・レーダーに障害が発生すると同時にサンダーボルトⅡの出力が落ちていった

元々トライアルシステムを行使するにはイノベイトなどのヴェーダにアクセス権限があるティエリア、リボンズなどが使用可能で、ヴェーダとリンクする機体を制御する物である

しかし管理者が俺用に戦術機にも使用できるように調節が施されていた

 

「・・・あのバカ」

 

「耳が・・・」

 

「誰か、衛生兵を!」

 

「おい、山田しっかりしろ!来月、挙式を上げる予定だろ」

 

「・・・谷崎、俺はもうだめだ・・・里美を頼む・・・」

 

「や、山田――!!」

 

あれ?いつのまに山田さん、死亡フラグ建てていた?

最近、早い帰りだなーと思っていたけど、まさか彼女いたなんて・・・・・・リアじゅn

いや、どうかお幸せに・・・

 

「オイ、スタッフ!急に壊れたよ、改造に手抜きしていないよな?」

 

「「「・・・・・・」」」←全スタッフ

 

スタッフの皆、言いたいことは分かる!

毎日スタッフ同士が完璧に仕上げるため深夜も熱い議論(殴り合い)しながら、作業しているのは知っている

それに比べてケニー、お前は裸でまりもさんを追いかけたり、堂々と女湯を覗こうとして毎回MPにお世話になっているぞ

 

「サクラザキチーフ、工具が赤く汚れますけど大丈夫ですか?」

 

「いやいや、さすがに殺すのは不味いから」

 

「それでは、麻酔で眠らせドラム缶にコンクリートと一緒に積めて海に入れます」

 

「それもだめ!」

 

「チーフ!」

 

「あっ、止めてくれる」

 

「焼死体なら完全に出来ますが?」

 

「殺すことを過程に入れないで!」

 

「オーイ、どうしたんだ?もしかしてオレの武勇伝を話していたのか?」

 

こいつ・・・人の苦労を知らずに(怒)

 

「武勇伝なら・・・アグラバ!!」

 

動作を見せずに渾身の力でドロップキックする

ケニーの体は高速で縦回転しながら壁に激突、激突の衝撃で隣に積まれていたコンテナがケニー目掛けて落下

 

「スゴイ、助走とかつけずに吹き飛ばすなんて」

 

「チーフ、今日燃えないゴミの収集なんで片付けておきます、それと全員に積荷は厳重に固定と伝えます」

 

「お願いね」

 

「オマエら・・・」

 

あっ、生きてた!

 

 

アスカ SIDE END

 

 

帝国 SIDE

 

 

そこは、とある帝国軍の演習区画

模擬戦は非公式であるため、関係者以外立ち入り禁止、区画の外は厳重な警戒態勢が引かれていた

演習区画には、廃墟ビルが立ち並ぶ障害物が多く、36機の不知火は息を潜める

そのなかで演習区画を見渡せる会場では、忌み嫌うように視線が夕呼に向けられるが、夕呼は冷静沈着で時計を見ていた

 

「・・・あと開始まで2分」

 

一人の高官が相手の機体が居ないことに気づき夕呼に尋ねると、「ご心配なく、そろそろ到着しますわ」と答えられてしまった

尋ねた高官が確認するため基地司令部に連絡を入れようとすると、彼らの目の前に一機の戦術機が降り立った

 

「なんだ、あの機体は・・・」

 

「あれが不知火だと?」

 

目の前の不知火は、青を基調したカラー

外見は不知火に装甲が追加されているが、コクピットのあたりでは一回り、二回りも装甲が追加されている

脚部にミサイルコンテナが装備され、両肩には腰に装備されている跳躍ユニットが搭載

頭部にはツインアイを隠すようにオレンジのバイザーが覆われていた

夕呼は、インカムを取り出し通信を入れると不知火は発光信号で返すと肩・腰に備え付けられた4基の跳躍ユニットを吹かし廃墟ビルの中に消えていく

 

「・・・到着しましたので、評価試験を始めても宜しいのでしょうか?」

 

「・・・はい」

 

誰もが呆然とする中、模擬戦を開始するブザーが響き渡る

アスカが乗る不知火の動きを見ていた沙霧率いる部隊はより一層警戒する

 

『見た目に反してあの機動力・・・』

 

『小隊長、手を拱いては相手に隙を与えるだけです、先に仕掛けます』

 

『おい、待て!』

 

『うおおおぉぉぉぉ』

 

痺れを切らした若い衛士が長刀を振りかざし突撃する

振り下ろされた長刀は不知火を獲られるが、アスカは4基の跳躍ユニットを後ろに向かって噴射、長刀は当たらず空を切ってしまう

 

「なんか感情的に突っ込んできたな」

 

「坊ヤダカラサ!坊ヤダカラサ!」

 

「なるほど・・・・・・」

 

アスカは長刀を振り下ろした不知火に向かって鉄拳を与える

殴られた不知火は頭部が破壊され、首から火花と煙を出しながらその場で沈黙

 

『23番機、頭部破壊により戦闘不能』

 

夕呼を除く会場全員が凍りつくが、残り35機の不知火はアスカに向かって突撃砲が一斉に向けられる

しかしアスカは平然としてその場に立ち止まっていた

 

『撃てぇーーー』

 

次々とアスカに向かって砲弾の嵐が降り注ぐ

周囲のビルは蜂の巣にされ倒壊、一瞬にして瓦礫の山となり煙が立ちこめる

彼らの足元には数え切れないほどの薬莢が転がっていた

 

「以外と呆気ないものですな」

 

「たかが科学者に第三世代機をとにかく言う必要はない」

 

誰もが皮肉を言いながら戦闘不能の放送を待つが、一向に放送が入らない

夕呼は余裕に笑みを浮かべていた

爆炎が晴れると無傷な不知火が仁王立ち

 

『バカな、あれぼとの砲撃を食らってもまだ動くだと』

 

『火力を集中させるぞ!』

 

さらに砲弾が降り注ぐが、不知火は胸・肩・脚の装甲が展開を始めプラズマの膜が作り出される

砲弾が弾かれ不知火の回りに爆発が起こるが、また煙が晴れ不知火は堂々と立っていた

 

「やっぱり前面展開型のプラズマフィールドは、消費電力高いなぁー」

 

モニターに表示された電力が急激に下がり始め、プラズマフィールドが使用不可と表示される

まだ爆発は止まなくコクピットは大きく揺れるが、アスカは瞬時に目を動かす

目が動くと同時にモニターが同調を始め、モニターに映る全ての帝国軍の不知火がロックオンされる

 

発射(ファイアー)!!」

 

脚部に装備されたミサイルコンテナが開き、一斉にミサイルが飛び出す

発射されたミサイルは扇上に広がり左右から挟みこむように不知火に着弾、回避する機体もあるがミサイルは追尾され被弾する

至る所で爆発が起こるが全てコックピット以外の部分を直撃させていた

 

『15機、戦闘継続不可』

 

「15機が一瞬で撃破だと・・・ありえない」

 

高官や軍関係者はいきなり雷でも打たれたように呆然となる

戦力差があるにも関わらず、軍の中でも実力がある帝国防衛部隊は短時間に半数近くを撃破され、アスカの乗る不知火は無傷でミサイルと電力の消費だけ

誰もがフルアーマー化された不知火を見て思った

あれは本当に不知火なのか、別な機体ではないのかと・・・

 

『桜咲、準備運動も済んだことだから、さっさと潰しなさい』

 

「了~解、コンテナ及び追加装甲パージ」

 

アスカは気の抜けた返事を返し、操作を始めると追加装甲が膨れ上がりパージされた

追加装甲は地面に零れ落ち、帝国郡と同じ不知火が姿を現す

背中にはブレードマウント、ガンマンウトに長刀とトライデントストライカーが固定

右腕のナイフシース無く、飛行機のプロペラみたいな物を着けられ、右腕には折り畳まれた板が装備されていた

 

「軽くなったことだし、終わらせるか!」

 

4基の跳躍ユニットの出力が、0から100なり不知火は勢いよく前へと飛ぶ

沙霧の率いる部隊は、これ以上近付けさせるわけにはいかないと突撃砲で迎え撃つ

しかしアスカは4基の跳躍ユニットを巧みに動かし、縫うようにビルとビルの間進み回避させつつ接近

2機の不知火が長刀に持ち構え的確に斬ろうとする

 

「落ちろろろぉぉぉ」

 

「これ以上撃破されてたまるかー」

 

アスカは自分に対し少し呆れていた

一度目の砲撃を防ぎ、追加装甲が外した不知火にも同じものが装備されていると思われて警戒をしていると考えていたが躊躇無しに突撃されてしまった

 

「あ゛ーーなんというか、ドスフ○ンゴ?」

 

長刀は的確にコクピットを狙い斬られようとしているが、アスカは右腕で守るように構える

右腕を覆う二枚の板が展開され一枚の盾になり中心に備え付けられたディフェンスロッドが回転して長刀を防ぐ、もう一機が飛び越え上空で反転させ斬りかかる

 

「はいはい二段構えねぇー」

 

左腕のナイフシースが展開を始め、右手に短刀を持ち空に向かって投擲

短刀は上空から振り下ろされた長刀に直撃、そのまま長刀を破壊し不知火頭部に突き刺さる

アスカは目の前の不知火を蹴り飛ばして殴る、不知火は大きく後退させられ立ちあがろうとするとまた殴られビルに陥没して沈黙

 

『27・19番機、頭部破壊により戦闘不可』

 

次々と撃破され誰も声が出ない中、沙霧は冷静に物事を見ている

たった一機に部隊の半数を壊滅させられた

このままいけば、いずれ部隊は壊滅し負けるだろう

しかし自分達には無い操縦技術、部隊の連携、部下の慢心など今まで見えなかったものが見えてくる

自分たちのさらに上にかなりの実力を持った衛士が立ちはだかり自分を見つめなおすことが出来た

この模擬戦は自分たちにとって良い経験になり部隊が向上するかもしれない

 

「・・・・・・感謝する」

 

沙霧が発した言葉はアスカには届いていないのにも関わらず、それに応えるように沙霧に向かって長刀を構える

アスカの行動に驚くが操縦桿をより強く握り締め気を引き締めた

 

「・・・しかし負けるとはいえ、ただでは負けるわけにはいかない、一矢報いてもらう」

 

残った不知火は再び突撃砲をアスカに向け射撃、そのまま一定の距離を保ちながら包囲を始める

アスカは砲弾は全て避けるが時間が過ぎるごとにパターンが読まれてしまい動きが制限されてしまう

 

「くっ、攻撃が激しくなってきた」

 

じわじわと追い詰められるが、アスカは隙をついては戦闘不能にする

背後がビルに触れ、2機同時に斬りかかり長刀とディフェンスロッドで防ぐ

突然、アスカは寒気に襲われ長刀を投げ捨てる

長刀は爆発して粉々に破壊され近くにいた2機は爆発に巻き込まれる前に離脱していた

 

『やったのか!?』

 

『あの爆発ではもう動けまい、狙撃感謝する』

 

2機の不知火は爆発した場所から離れたビルの屋上で狙撃した不知火を見るが狙撃した不知火は両手両足が斬られその場に倒れこむ

 

『12番機、行動不能と判断し撃破』

 

『なんだと?』

 

『ヤツは一体何処に・・・』

 

2機同時に仕掛けた衛士は警戒する

しかしなにかが横を通り過ぎ、気づいた時には頭部が破壊されていた

その光景見ていた一人の高官はアスカの不知火に向かって声を上げる

 

「ナイフシースは一つではなかったのか!」

 

不知火には青いプラズマを輝かせる二本の短刀を持っていた

4基の跳躍ユニット・水素プラズマジェットはいままでにない力強い音を出し上空から一気に急降下

砲弾はアスカを狙うが機体の軌跡を追うだけ

次々と撃破され、ついに沙霧だけが残り長刀を構えた

アスカは一気に接近させプラズマソードで斬ろうとする

そのことに沙霧は長刀で防ぎせめぎあいになるが、一瞬で長刀自体が斬られ短刀に持ち替えた

 

「まだまだ!」

 

二本のプラズマソードは逆手に持ち、4基の跳躍ユニットは一つずつ別に可動し不知火を回転させながら上昇

短刀を持つ手は抉られるように破壊された

 

「ここまでか・・・」

 

『一番機、両腕破壊と確認、戦闘不能』

 

演習区画に模擬戦終了を告げるブザーが鳴り響く

会場にいた夕呼を除く軍関係者は揃いも揃って口を開けて立ち止まっていた

 

 

帝国 SIDE END

 

 

アスカ SIDE

 

 

ふう~危なかったー

砲弾で狙撃ポイントに誘導され囮に阻まれたとき、一時はどうなるかと思った

まさか一般用にリミッターを懸けていたもの解除するなんて、俺もまだまだだな

このリミッター解除はオーバーフラッグのパイロットに掛かる12Gと同等な推進出力を出してしまうため制限をつけた

そうしないと衛士は簡単に気絶してしまう

 

「アスカ、通信!アスカ、通信!」

 

「えっ?」

 

『桜咲、軍部がリニアライフルの使用されていないことと脚部のシーフナイフを見せなさい』

 

「了解」

 

脚部のナイフシース展開を始めると、会場内は驚きの声が上がる

右腕にGN―Ⅹと同じシールドを装備しているため、ストライクイーグルと同じ脚部にナイフシースを取り付けた

左腕も外しておけば数的にいいが、空中制動で色々とややこしくなるため、そのまま残した

 

『おおっ』

 

『では、リニアライフルの威力をご覧ください』

 

ガンマウントを展開させトライデントストライカーを持つ

00の世界であんまり活躍していないが、この世界ではトップクラスの性能だ

そのため今回の実弾を使う模擬戦で死人を出すわけにもいかず使用禁止とした

 

「目標はあのビルにするか」

 

何も変わらないビルに狙いを定め、撃つとビルに戦術機の腕が通るほどの大きな穴を開け貫通

続けて連射モードで撃つと一瞬に蜂の巣にされ倒壊する

 

『いかがでしょうか、これが四番目が開発した電磁投射砲です』

 

会場にいた全員はポカーンとした表情を浮かべて可笑しかった

さらに拡大して会場を見ていると一人だけこちらを眺めている人物がいた

 

「たしか光州作戦にいた彩峰中将・・・」

 

ずっと見ていると気づかれ、軽く一礼され口パクで言ってきた

 

―救援に駆けつけて、感謝する―

 

思わず機体で返礼してしまった、再び見ると微笑んでいる

もう隠すつもりはないがここから大変だ

帝国軍に配備すれば親米派から情報が伝わりあの国が動き出す、あらゆる手を使いリニアライフル・水素プラズマジェットを確保するだろう

そうなれば対策を考えないといけない

さらに横浜ハイヴの攻略をどうするか、宇宙軍の動きを注意など問題がある

 

「やべぇ、考え事してたらトイレ行きたくなって来た」

 

 

アスカ SIDE END

 

 

 

模擬戦が夕呼の満足のいく結果になり軽い足取りで、ピアティフがいる車に向かって歩いていた

すると後ろから怒涛の勢いで駆け寄ってくる人物がいた

 

「ユウコちゃーん、ここの基地で全ての完熟した女性だけにアタックしたら全て空振りで傷心したオレを慰めてくれよ~ウゴッ!?」

 

夕呼は腹に鉄拳を食らわせると再び歩く

ケニーをそのまま置き去りに駐車場に出ると物影からいつものトレンチコートを着た鎧衣が現れた

 

「いやはや、たった一機で36機を撃破するとは、正直驚きました」

 

「・・・あ、そう」

 

「電磁投射砲などの新技術は間違いなく戦術機開発に革命を起こすでしょう」

 

「・・・評論家みたいな話はいいから、それでうちの開発主任はいつ返してくれるのかしら?」

 

鎧衣のまぶたがほんの少しだけ微動し、それを隠すように帽子を深く被り直した

 

「気づいていたとは・・・」

 

「この数ヶ月、探りを入れているのは嫌でも分かるわよ」

 

勘弁したように鎧衣は両手を上げる、それを見て夕呼はため息をついてしまった

 

「最低でも一週間掛かると思われます、なにせハイヴを落としたと思われる人物なので」

 

「一週間ね・・・桜咲に言っておいて頂戴、良好な関係を築きなさいって」

 

「おやおや、博士は裏から操ろうとしているのですか」

 

「・・・そんなものじゃないわ、ただのバックアップの勧誘よ」

 

その頃、アスカはトラックの荷台に乗せられていたというか積み込みされていた

全身にロープで巻かれ身動きがとれない状態であるが本人というと・・・

 

「おっさんが・・・抱きついてきた・・・おっさんの・・・熱い抱擁が・・・」

 

「紅蓮大将、一体何が起きたのですか?」

 

「こやつには悪いが気絶させて貰った」

 

「はぁ・・・」

 

魘されているアスカを見て呆れて真耶は溜め息をついてしまった

 

 

 

 

 

機体設定

 

不知火 アスカ機

 

日本帝国軍から供与された不知火をフラッグの技術を流用・独自に改修した試作実験機

見た目は不知火の肩に跳躍ユニットを装備

オーバーフラッグと同等の機動力を引き出すことに成功したが衛士に12Gもの負担になるためリミッターを掛けられた

頭部には各種センサー類を増加し差別化を図るためオレンジのバイザーが付けられる

装甲、コックピットはファントム・アスカ機と同じく改修、さらに色々なモジュールをテストするため換装システムを取り入れ、様々な作戦に対応可能になった

武装は実弾兵器・フラッグ系統の武装が使用可能

左腕には対レーザー用としてGN―Xに使われたGNシールドをディフェンスロッド用に再設計され、日本・欧州などの空中制動に対応するためナイフシースを排除し、腕と一体型になっている

右腕のナイフシースを補うため、ストライクイーグルを元に脚部にナイフシースを搭載

 

不知火 重装甲型

 

従来の戦術機に対レーザー用として開発されたが急に舞い込んできた模擬戦のため急造した試作モジュール

追加装甲はEカーボンを使用、胸・肩・脚にはプラズマフィールド発生装置を搭載

防御面を重視され火力に乏しく、脚部にミサイルコンテナを装備して攻撃を強化される

重量は1.5倍となり熟練した操縦技術がないと扱いにくいものとなってしまった

 

 

 

 

あとがき

 

今回、クーデターとは別な形であの人と戦わせていたいと思い模擬戦をしました

ゲームでは死亡フラグ立ててしまい亡くなったり、アンリミテッド後の世界では敵側?に登場し因縁のある少佐と戦うことになったり

アージュ様、できればあの人に死亡フラグ立てないでください

 

そして次からは誘拐(拉致)されたアスカは帝都へ

斯衛と再び鬼ごっこ、唯衣と再会とか書く予定です

それではまた会いましょう

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
8
3

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択