No.497366

ゼロの使い魔 気ままに生きる転生者 14

竹取童子さん

さてさてだんだんと微妙にクロスする能力や技術が増えてきて、筆者は何処からか『ハチャメチャ』が押し寄せてこないか内心ドキドキです。でもやめない。しかし文章が幼稚になってきたような気がしないでもない。文才がほしいとおもいました、まる

2012-10-17 23:46:06 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3625   閲覧ユーザー数:3467

若返り薬事件から数週間が経過した。

 

その間に何か大きな事があったかといえば否であり、特にコレといって大きな出来事は無かった。

 

押し付けられた領地再生のための準備をしつつ、なりきり士の力で、今まで作った衣装の技術を覚えたり

 

新しい衣装を作ったり、趣味が高じてオルゴールを山のように作ってしまったり、まあ、概ね何時もどおりの生活だった。

 

そして―――

 

「≪『6歳になったよ!やったねネロちゃん!』≫」

 

「おいやめろ!」

 

―――と云うワケで6歳の誕生日を迎え、代々の伝統らしい、余の遊園会デビューの年がやってきた

 

当然だが、ルイズお姉さまは去年既にデビューしており、その時にアン・・・姫殿下と初邂逅したのだそうな

 

そんな話は知らない?余もついさっき姉上に自慢されるまで知らんかった。

 

そもそも、遊園会の事すらすっかり忘れていたのだ。興味が無かったとは言わんが、それ以上に面白い事が沢山あったからな。

 

面白いことが、あ っ た の だ ・ ・ ・ !

 

け、決して、母上(鉄仮面様)の訓練で、余だけ魔法禁止で遣らされて地獄を見たなんてことは な か っ た の だ・・・!

 

・・・なかったら、よかったなあ・・・・・・はっ!?

 

此処は・・・姉上の部屋か。何をしているのだったか・・・ああ、そうだ、暇だからルイズお姉様とお茶をしているのだったな。

 

「ルイズお姉様、最近何やらご機嫌が宜しいようで。何か良いことでも?」

 

目の前に居る姉上(ルイズ)は、誰が何処から如何見ても、すこぶる機嫌が良いように見える。

 

と言うか、ご機嫌も行き過ぎて、ちょっとアブナイ雰囲気が・・・本当に何があったのだ

 

「ふふふ、解る?今度、アンリエッタ姫様の遊び相手を勤めさせていただくことになったの!これほど名誉なことはないわ!」

 

――ついつい、うぉっ、まぶしっ!と入ってしまいかけるほど目をキラキラさせながら、姉上はそう言った。

 

ああ、成る程それでそこまで機嫌が良いのか、納得、納得。

 

「ほぉ、ほぉほぉ、凄いではないか!ふむ、丁度良い、そなたにこの二つのオルゴール・・・?を差し上げよう」

 

ルイズの死角に手を隠し、王の財宝から二つのオルゴールのようなナニカを取り出してテーブルの上に置いた

 

両方とも同じ曲が、魔法によってFulで内包されているマジックアイテムである。

 

もちろんこのオルゴールのようなナニカを作ったのは余である。

 

故に、オルゴールでも、ただのマジックアイテムでもあるはずがなく・・・

 

「・・・使っても大丈夫なの?爆発しない?」

 

喜色を大いに含んでいた表情から一変、とても胡散臭い物を見るような目を向けてきた。失敬な。

 

「大丈夫だ、たとえ渡すものを間違っていても建物が少し崩れるだけだ、大陸生成は・・・多分しない」

 

間違っていても、その程度の被害しか出ない、何と良心的なアイテムなのだろうか

 

おや姉上、顔色が優れないようだが、大丈夫か?

 

「るいずこどもだからよくわかんない でもじぶんがいまにげたいとおもっていることはわかるの、ふしぎ!」

 

「安心せよ、今調べたのだが、コレにそれほどの力は無い」

 

と言うか、録音した音を聞くための装置である。

 

もちろん、録音する機能は別に有るため、とある機能を除けば聴くくらいしかできないのだが、しかしその音質は保障できる。

 

片方のオルゴール・・・?に手を掛け、蓋を開いた。

 

≪――――――――♪≫

 

音が・・・否、歌が聞こえてくる

 

何処の言葉であるかは解らないが、意味は何故か理解できる。

 

そんな不思議な曲が、楽器は何処にも無いのに、楽器の演奏が、

 

力強く、何か、誰かを支えようとする、そんな歌が、このオルゴールのような形をした何かから聞こえてきた

 

ルイズお姉様の様子を見れば、目を閉じて聴き入っているようだった。

 

しかし、いまのこれはお試しのようなもの。途中で蓋を閉じることにした。

 

パタリと蓋が閉まる音と同時に、歌が止まる。

 

オルゴールと同じで、蓋を閉じれば音が止まる仕組みとなっているのだ

 

「聴き入っている途中で悪いが、ここまでだ」

 

えー・・・と、不満の声が聞こえるが、そろそろ余の訓練の時間なのでスルー。

 

「もう片方のコレには、別の歌が入っている。この二つをそなたに贈るとしよう。そなたの自由に使うが良い。ああ、両方同時に聴けば良いことが・・・おっと、もうこんな時間か」

 

二つのオルゴール・・・?を置いたまま部屋を出、一旦自分の部屋へ戻って戦闘用の衣装に着替え、木剣を携えて訓練場へ向かった。

 

 

 

 

 

少々殺気を感じつつ、早足で向かった訓練場には、少し難しい顔をした母上が、5000人のヴァリエール家の兵士の前に立っていた。

 

「ネロ、今日の訓練は中止です。ゲルマニアの方から大規模な亜人の群れが流れてきたので、潰しに行ってきます」

 

はて、駐在する兵士で対処しきれないとは、どれほどの群れなのか、むしろ有り得るのだろうか

 

と、そう思ってゲルマニア方面の気配を探ってみると、あら不思議、トロール鬼やらゴブリンやら、はてはオーガまで

 

軽く千を超えてそうな群れの塊が、此方に近づいてきているではないか。

 

・・・成る程、この殺気は、母上の殺気ではなく、こちらに向かってきている亜人の群れが発している殺気だったのか」

 

「・・・ほぅ」

 

・・・途中から口に出していたなのだろうか、母上から微弱では有るが威圧を感じる。

 

周りを見てみれば、兵隊さん達も、なんと云うか、若干怯えが伺える

 

「いまの無しで。・・・此度の防衛、余も往こう。と言えば母上、貴女の返答は如何に?」

 

「・・・貴女の母親としては危ないので否と言いたいところですが、貴族としては、そうですね、そろそろ本当の実戦経験を積んで欲しいので是と」

 

丁度良い機会、かつ、大きなターニングポイントでもある故、行く行かないは余の覚悟次第・・・か

 

「では、余も参戦するとしよう。もちろん、余のニューも一緒にな」

 

ニューは所謂、余が造り出したゴーレムだ。

 

ぶっちゃけ、夜空に見える月が落ちてきて、そのまま直撃を食らおうが、無傷でその場に立っていられるほど頑丈である

 

トロール鬼やオークごときがいくら寄り集まろうと何の障害にもならん。

 

加えて疲れも知らぬ故に、その殲滅力も衰えることは無い。

 

「良いのですか?彼女を失う可能性も有るのですよ?」

 

「それは無い。今の状態での実力的には、母上と同等、耐久度的にも、ニューに傷を付けるには質も量も足りなさ過ぎる」

 

いざとなれば武装ユニットも装備できるように許可もしている。正直ニュー単体でも過剰戦力なほどだ。

 

「本気を出せば私より上、と聞こえたのですが・・・まあ良しとしましょう。そこまで言うのなら、貴女とニューの同行を許可しましょう」

 

許可は貰った。ならばあとは準備を済ませるのみである。

 

「では早速、コホン・・・来たれ、我が至高の眷属!ニュー!」

 

足は肩幅、左手を腰に、右手をそれっぽく天に掲げ、それっぽい台詞を叫んでニューを呼び出す

 

一見ただの厨ニ病に見えるのだが、そうではなく、つい最近アンナが考えた、ニュー呼び出しの暗号の一つである。

 

今回の場合は、『武装ユニットを具現化し、されど装着はしていない状態で余の『()』を持って余の前に馳せ参ぜよ』と云う意味を持っている。

 

ここ最近のアンナの厨ニ病が進行して来ていることに気付いたのは、この案が出されたときだった。

 

その時には既にかなりの重症であったた。

 

しかし将来的には面白くなりそうな予感がした。

 

故に、今のアンナのアイデアを余の用意したノートに書かせることにしたのだ。

 

因みにそのノートの名前は「アンナの黒歴史の書(デスノート)」である。

 

一日一回必ず余に提出するように言ってあるため、その都度余の腹筋の耐久度がガリガリと削れているのは言うまでも無い。

 

 

閑話休題(それはともかく)

 

 

突如として空から高速で落下してくる影が二つ・・・ニューと、その背に浮く、まだ展開されていない長大な大剣の形をした武装ユニットである。

 

その影は当然の如く余の5メイル前で着地、土煙が舞うが、当の影によって瞬時に掃われた。

 

訓練場にいる余以外の全員がその影に警戒の視線を向けた。

 

ざわめかないのは、よく訓練された兵士であるためか、しかし全員が剣や杖に手をかけている。

 

が、次の瞬間、その警戒もいっきに吹き飛び、殆どの者の思考が一瞬停止した。

 

何故なら―――

 

「≪召喚宣言 を 確認 参上 完了 返答『厨ニ乙』工程 完了 次のオーダーまで現場待機≫」

 

普段メイド服を着込んでいそいそと作業をしている、お嫁さんにしたいランキング上位の女性が

 

ボディラインがくっきり解るスーツを一枚だけ着て、手には剣とその鞘を持ち、さらにその後ろには身の丈の1.5倍ほどの大きさの巨大な剣を浮かせているのだから

 

考えてもみてほしい、ひそかに人気が高かった、メイド服の似合う美少女が、いきなり空から「剣」を携えて降ってきたのだ

 

普通は思考の一つや二つ、一瞬でも停止するだろう。

 

まあ、今はそんな事は如何でも良いのだ。

 

「久々の実地での実験である、余の供をせよ」

 

因みに「実験」と書いて「戦闘」と読む。

 

習得した技術も、効果が小さいのは成功しているが、大きいのは周囲の被害が相応に大きくなるため、そう簡単に出来ずに居た。

 

大きい効果を発揮する技術は制御も難しく、ふとした拍子に暴発でもすれば目も当てられない。

 

故に今回の余の参戦は、この機会に一度発動させて感覚を覚えておくためでもあった。

 

「≪オーダー 認識 承認 諒解 オーダーの実行を開始します≫」

 

ニューの持ってきた余の剣を背に装着し、母上と5000の兵のいる方向に向き直った。

 

ニューは、余の約三歩後ろに控えて待機している。

 

兵士の方に視線を向けてみると、面白い反応が見れた。

 

「のぉぉぉ・・・!」とか

 

「そ、そんな・・・」とか

 

「ゴーレムっ娘萌え・・・」とか

 

「例え造られた存在でも愛してみせる・・・!」とか

 

後半の二つは色々駄目だろうとは思うが、まあ、様々な反応が見れた。

 

母上は、「またか・・・」と、呆れた面持ちで頭を抱えていた。失敬な

 

 

―――そしてこの10分後、兵士全員が戦支度を終え、さらに2時間後、余を含む討伐隊は、亜人うごめく戦場へと足を踏み入れる事となる。

 

 

 

 

彼の次代から約3000年、現存する歴史資料で、諸君も一度は聞いた事があるであろう

 

「黄金」が初めて歴史の表舞台に上がったのは、この「大規模亜人殲滅戦」からである。

 

最近のゲームにも出たあの「黄金」だよ、私もついつい熱中してしまったよ。面白いよね、「ブリミル無双」

 

私個人の意見としては、あれでも過少表現だと思えるのがまた面白いところでね―――

 

・・・おっと、チャイムが鳴ったね。では、今日は此処まで。

 

今度の授業は、「大規模亜人殲滅戦」から始めるとしよう。

 

 


 
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