~ 第38話 †旅行記 涼州編2† ~
当初の予定通り二人の女の子と一緒に武威(ぶい)まで行こうとしたが
二人の衰弱が思った以上に激しいので
近くの邑で暫く静養させることにした。
ちみっこい方は打撲や骨折がひどかったのでゴットヴェイドーの医術で治療した
もう一人の大きい方は特に目立った外傷は無かったけど
戦闘の疲れやら極度の緊張感からの解放されたせいか心が衰弱していた
あんまり無理はさせられないと思ったから
邑の人にお金を渡して看病してもらうことにした
まぁ最初は二人の女の子を見て御代なんかもらわなくても看病させてもらいます!
なんて言ってたから多分この前の董卓(とうたく)達と同じで
豪族の娘なんだろうな~と思ったが暮らしがあるだろうということで
ちょっと大目のお金を渡しておいたから大丈夫だろう
それよりも問題なのが・・・
「どうやって馬騰(ばとう)に会おうか」
本当にこれにつきる・・・
とりあえず武威についてからその辺りは考えるか
今は獄炎(ごくえん)との風になる旅を楽しんでおこう
そして、風になること数日無事に辿り着いた武威・・・
辺境の地なのに賑わってるなぁ
やっぱこういう賑わってる雰囲気はいいよな
俺はとりあえず獄炎を馬舎に預けて街へと情報収集に出かけた
獄炎を最初に見た馬舎の人達の驚き具合は笑ったけどな
馬に慣れ親しんだ人達でも驚く馬ってどんだけなんだろうな
こういう時はとりあえず飯を食ってからだな
そう思い、近くの食い物屋に入る
「い、いらっしゃいませ、1名様ですか?」
「1名だけど大丈夫?」
「こ、こちらへどうぞ」
看板娘らしき人におどおどと案内されて一人用の席へと案内される
「らっしゃい、お客さん旅の人かい?」
「あ~やっぱ分かります?」
「この辺りの人間が持つ匂いじゃないからねっ」
「そういうの出てます・・・?」
「そりゃーお面被った人なんかいないからね!」
「確かにすいません怪しいですよね・・・?」
「怪しさ満点だねぇ~でもお金はちゃんと払ってくれるんだろう?」
この店主・・・できるな
「そりゃー勿論美味しければ払いますよ」
「お~いってくれるねぇ・・・腕がなるよ!」
「期待させてもらいますよ?」
「それじゃおいらの秘伝の味を見せちゃうかな!」
そういうわけで注文はお任せになりました
初めてのお店だし、こういうのもわるくないよな
出された秘伝の料理は店主自慢の料理だけあって箸がとまらんかった
ある程度食べ終えたところで店主がニヤニヤしながら話しかけてくる
「おいらの勝ちかな・・・?」
「ですねーこんなに美味しい料理出されちゃ素直に払いましょう」
「へへっ毎度アリ!
それと話は変わるんだが旅の人」
「うん?何か??」
「あんたもしかして腕が立つ方かい?」
「一応ある程度の武はあると自負はしているけど」
「いや、ね・・・最近五胡の動きが活発でさぁ
軍が人を募集してあるんよ、もしかしてそれが目的かなと」
「なるほど・・・その話は初耳ですねー
しかし、良い事を聞きました。ありがとうございます」
「おーそりゃ良かった旅の人みたいな強そうな人が守ってくれるなら
おいら達も安心して食事を出せるってもんだ!」
「もし仕官できた場合はひいきにさせてもらいますよ店主」
「そいつは嬉しいねぇ・・・旅の人が来る度に腕を奮わせてもらいまさぁ!」
良い情報をもらった情報料を込みでお金を出しておいた
まっ貯めといた路銀も底を尽きそうだったからちょうど良かったな
俺自身もよく考えたら軍と言うものを知らないし
人を動かす用兵術も全く無い・・・精強な馬騰軍で習うついでに
馬騰に会えたらラッキー!程度で頑張ってみよう
そう思い、店主に教えてもらった募集場所へと行って見る事にした
「次」
「次!」
「次の奴!」
「ええい・・・次!」
俺の目の前で絶賛人が空中浮遊をしています
なんでこんなことになってるのかと言うと
「すいません、兵の募集をしていると聞いてきたんですけど
こちらで間違いないですか?」
眼鏡をかけた髪の長い優男の人が椅子に座り、机で受付らしきものをしている
「あ~はいはい、こちらに名前を書いてくださいね」
言われた通り名前を書く
「ふむ、厳白虎(げんはくこ)殿と・・・
武官志望ですか文官志望ですか?」
「両方ともやったことないので分かりませんが
武の方もある程度は、文の方も読み書きは問題ありません」
そういうと眼鏡がキラーンと光った気がする・・・光の反射だよな?
「ほほぉ・・・武の方は令明(れいめい)が受け持つとして
読み書きができる・・・孫氏などの兵法書は?」
「兵法書は読みましたが実際に使用したことはありません」
「なるほどなるほど・・・とりあえず僕の副官で・・・」
何やら思考の海に入ってしまったぞ?これじゃ先にすすまん戻さないと
「すいません、自分はどうすれば?」
「はっ・・・すまないね、とりあえず武の方を見たいから
奥の錬兵所にいって、そこにいるものと1対1で戦ってくれればいいよ」
「は、はぁ・・・」
そういって奥の錬兵所に着いてみた光景が最初になる
人を飛ばしてる人物はというと顔は・・・分からん!
この時代になんであるの?と思われる
中世の騎士がつけるようなフルフェイスの兜に全身鎖帷子・・・チェインメイルか?
小手と具足もごっついのつけとるし・・・
武器も中世のランスに身体の半分は隠しそうな盾を背中に背負ってる
何でこんなに人が飛ぶかって?ランスで突くんじゃなく払ってるからだな
しかし・・・重そうなのに身軽に動くなぁと感心していると
「最後・・・そこの仮面の奴来い!」
おっと・・・ご指名されましたーって他は皆いねぇ!
錬兵所の端で積みあがってました
さて、久しぶりにお仕事の為に頑張りますか!
腰に差してあるトンファー・島津を両手に構える
向こうもランスをこちらに向ける
「ふん・・・そのようなお遊戯紛いのモノで私に挑むなんて舐められたものだ」
「そいつは戦ってからの楽しみですよ将軍殿」
「口だけは立派だなっ!」
ランスを横薙ぎに振るってくる
大体この一撃で皆吹き飛んでるがどの程度のものかね
「ぐぅっ思った以上に重いな」
両手のトンファーでそれを止める少しその場から動いたが
手と足に気を込めて踏ん張る姿勢を作ってたので問題は無い
「その辺の男共とは少しは違うようだな」
「そりゃどう・・・も!」
少し力比べをしたが疲れるのが嫌なのでこっちから一旦離れて
向こうがランスを手元に戻すのと同じ位にこっちから飛び込む
「やらせんよっ!」
恐るべき速さの突きが繰り出されるがそれを右手のトンファーで上へと軌道をずらす
「なっ・・・くそ!」
それでも強引に今度は上からランスを振り下ろすが
その時にはすでに俺は相手の懐に入り込んでるので左手のトンファーで
武器を持つ手を小手の上から思いっきり叩く
「きゃっ!」
可愛い悲鳴だな~いかんいかん
あまりの衝撃に向こうは武器を落とす、で最後に首元に衝撃を与えて気絶させる
首周りも装備で頑丈そうだったから力加減が難しいわ
「ふぅ・・・こんなもんか」
額の汗を拭いながら気を吐くと後ろからパチパチパチと拍手が聞こえる
「これは嬉しい誤算だ、まさか令明に勝つなんて
ようこそ・・・我が軍に厳白虎殿」
それはそれは非常に眼鏡の光が怪しい先ほどの受付の優男が立っていました
正式に軍に入る事が決まったわけですが
この先がちょっと・・・かなり不安になりました
洛陽の二人は元気でやってるといいが、雪華(せつか)さんも成長してるといいな
そんなわけでこれから暫く馬騰軍で自分磨きをすることになりましたとさ
あとがきっぽいもの
前回のコメント通り内容が薄味になったり同じ味になってるとの指摘に
自分でもやっぱり駄目だよなと思いました
非常にありがたい皆さんの意見本当に感謝ですm(_ _)m
今回の涼州編は白ちゃん自身の成長の為に軍を学ぶという方向にしました
よく考えたら今後会う予定原作キャラで軍に所属してる人はいないなぁというのと
いきなり白ちゃんが軍を扱うシーンがあるなら不自然だよなぁと
ご都合主義でもあんまりだと思いました
これから自分流の味付けをまたしていきたいと思います
こんな駄文ですが次回もよろしくお願いします!
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この物語はオリ主メインの外史です
チート・ご都合主義・独自展開で書いています
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大丈夫な人は駄文にお付き合い下さい
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