そして、遂にその前日へとやってきました。
6月3日。はやてちゃんの誕生日の前日です。
先ほどすべての授業が終わりましたので、一度家に帰って荷物を整理したらはやてちゃんの家に向かいます。
親には学校の友達の家に泊まりに行くと言っておりまして、最初は駄目だと言ってきましたけど、何とか説得して両親とお姉ちゃんは説得しました。予想通りお兄ちゃんは最後まで駄目だと言ってましたけど、どんだけシスコンなんですか。
「ねぇ、本当に今日はなのは遊べないの?」
帰る準備をしていますと、アリサちゃんとすずかちゃんが私の席の方へ寄ってきました。
っていうか今日に限って何度も聞いて来るんですよね。なんででしょう?
とりあえず私は今日だけは絶対にはずせないので断ります。
「すみません、今日だけは外せない用事がありますので」
「やっぱり、駄目なの?」
「今日の用事はかなり前から決まっていたので」
「アリサちゃん、やっぱり今日は諦めよう。多分なのはちゃんに何を言っても無理だと思うから」
「……分かった」
アリサちゃんはすずかちゃんに言われて渋々諦めました。
昨日から二人で何かひそかに話しているのは知っていましたけど、一体何なのでしょう?
「それじゃあ、私たちはちょっと用事があるから」
「分かりました。それじゃあまた月曜日に」
それからアリサちゃんとすずかちゃんとは別れ、私も少ししてから教室を後にしました。
けれどもアリサちゃんとすずかちゃんが何度も今日が空いているか聞いてきたという事は何かあったのでしょうね。
とりあえず私は学校から直行で家へと帰り、帰るとはやてちゃんの家に泊まりに行く準備をします。
準備が終え、リビングに一度顔を出すとお兄ちゃんがどこかに出かけようとしているところでした。
「あれ、お兄ちゃんどこ行くの?」
「ん? すずかとかから聞いてなかったか? 月村家がすずかを誘拐したのを救ってくれたお礼にパーティを開きたいという事らしいのだが」
「……そういう事ですか」
ようやく二人が今日に拘った理由が分かりましたよ。そう考えると私は主役になるのですね……
アリサちゃんも主役みたいなものですけど、救ったのは私ですしね。パーティーという名の名目でお礼がしたいのでしょう。
アリサちゃんとすずかちゃんがその事を隠していたのは何か私にサプライズがあったからかと思いました。
今日が何もなければ行きたいところだったのですけど、生憎今日だけは外せない用事がありますからね。
「……そっか。なのはは友達の家に泊まりに行くんだったか?」
「はい。だから今日は行けないのですが……」
「そういう事なら分かった。なのはは用事があっていけないという事を伝えておくから。それじゃあ行ってくる」
お兄ちゃんはリビングを出て玄関へと向かい、家を出て行くのでした。
私も準備を終えていた事ですし、さっさとはやてちゃんのお家へ行きますか。
「それじゃあお姉ちゃん、行ってきますね」
「分かった。まぁこの後一旦店を手伝ったら、あたしも親と一緒に月村家に行くんだけどね」
「え、そうなの?」
どうやら家族全員で誘われていたようです。なんか悪い事をしたような気がしてきました。
だけど今日は先ほども言った通り、譲れない用事がありますから仕方ない事です。個人的には行きたかったのですけどね。
「それじゃあ、今度こそ行ってきますね」
「わかった。そのかわり今日はなのはの分まで楽しんでくるから」
お姉ちゃんとそんな会話をしてから、私は持っていく荷物を持って家を出ることにしました。
さて、今日から本格的に闇の書の事で行動しないといけませんね。もっといい結末を迎えるために、さらに言えば|あの子達《・・・・》も生きていられるためにも。
けどまぁ、本格的に始めるのはたしかシグナム達から聞いた事だと10月ごろでしたね。それまではとりあえず友好関係を築きながら闇の書への対策をするために頑張らないといけませんね。
闇の書のプログラムを変える為のアルゴリズムは大体纏めたあるのですが、実物を見ないと良く分かりませんし、あの子達を残すことも必要ですから修正などは多分かなり多くなると思いますね。
とりあえず今ははやてちゃんの家に行かないといけませんね。今考えても余り意味がありませんからね。
私は家を出てから何処にも寄り道することもなく、はやてちゃんの家に向かうことにしました。
そして数分してはやてちゃんの家に着きますと、ドアのチャイムを押してはやてちゃんが居るかどうか確認しました。
「……あれ、反応がない?」
チャイムを押して数分しても中から玄関へやってくるような感じはなく、はやてちゃんから返事も返ってきませんでした。
ってなるとはやてちゃんは出かけているという事になるんですけど、一体何処へ行ったのでしょう?
「あれ、もう来てたんか? もしかしてかなり待たせた?」
そう考えてると、背後からはやてちゃんの声が聞こえてきました。
振り返るとそこには車いすに座っているはやてちゃんがおり、どうやら丁度帰ってくる頃だったようです。
「いえ、ほんの少し前に来たばかりでしたからそれほど待っていませんよ」
「それならええんやけどな。とりあえず立ち話もなんやし入ろうか」
私ははやてちゃんの言葉に頷き、ドアを開けるために一度横に移動して、はやてちゃんをドアの前に移動出来るようにします。
それからはやてちゃんが鍵を開けて、私ははやてちゃんの後に続くかのようにはやてちゃんの家に入りました。
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新暦85年、高町なのははある任務の途中で死亡する。
任務は全て嘘であり、全てはなのはを殺害するための一部の管理局員による計画だった。
なのははその計画通りに殺されるが、その任務に向かう途中に偶然何故か落ちていた拾ったジュエルシードによって、なのははタイムリープをするのだった!!
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