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魔法少女と竜と漆黒の狂戦士と StrikerS編 第十話

あの子が帰って来ました!

2012-10-09 20:19:19 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5894   閲覧ユーザー数:5022

 

零冶  「これで実力差が分かったか?」

 

新人  「・・・・・・。」

 

 

     模擬戦が終了し、全員が食堂に集まっていた。

 

 

零冶  「ティアナ、スバル、エリオ、お前達はランク=強さだと思っているかもしれないが、それは間違いだ。違法魔導師が

     犯罪を犯してから成長していないとは限らない。事前情報が常に正しい訳じゃないんだ。それを考えて臨機応変に

     対応していかないと、必ずやられるぞ?と言ってもコイツらの場合、ただ試験を受けていないだけなんだが・・・。」

 

エリス 「そうですわね。私達は1対1ならAAAランクにも勝てる自信がありますからね。」

 

零冶  「さすがになのは達には敵わなかったみたいだがな。」

 

ヘンリー「・・・・。」

 

 

     ヘンリーが少し落ち込んでいた。ただ、ヘンリーだけでは無く、エリスやバライカ、キールもなのは達に勝てない事を

     理解している。それはただ単に経験の差だからだ。

 

 

はやて 「そりゃウチ等かて簡単に負けるつもりはあらへんよ?でもまぁ、結局は負けてしもうたんやけど・・・。」

 

フェイト「・・・零冶に瞬殺された。」

 

なのは 「・・・いきなりの不意打ちでリタイアしちゃった。」

 

はやて 「ウチとリィンは『ピーちゃん』にやられてもうた。ってか、あの毒の炎はなんや!?殺す気かいな!?」

 

 

     はやて達はジト目で零冶を見た。

 

 

零冶  「いや・・・はやてに関しては謝るが、なのはとフェイトは自業自得だろ?フェイトはただ単に力が無かっただけで、

     なのはの場合は油断し過ぎだ。」

 

 

なのは 「うにゃ~・・・。」

 

フェイト「うっ・・・・・。」

 

 

     二人は見るに落ち込んでいた。

 

 

零冶  「そう言えば、なのは達の魔力が昔より若干低く感じたのは何でだ?まさか手加減したとか言うつもりじゃ無いよな?」

 

はやて 「あぁ~それはな、ウチ等はこの六課で活動するのにリミッターを付けなあかんのや。」

 

零冶  「・・・どういうことだ?」

 

なのは 「えっと、それぞれの部隊が保有できる総合人員が決まっていて、ランクが低ければ多く取れるんだけど、

     高かったらそんなに取れないんだよ。」

 

フェイト「私達はちょっとした裏技ということで、ランクを下げて基準値に収まっているんだ。」

 

 

     零冶はそのことを聞いて呆れていた。一度三提督からそういう話は聞いていたが、実際に聞くとどうしても呆れてしまう。

 

 

     確かに戦力が均等に配置されるかもしれないが、逆に言えば戦力の分散もある。戦力の分散は戦場において

     最もやってはいけない事の一つだ。こんな事、子供でも分かるような事なのだが・・・。

 

 

零冶  「・・・それを決めた奴はバカか?」

 

はやて 「零冶兄ぃ、それはウチ等も分かっとる・・・。」

 

 

     はやて達は苦笑いを浮かべて言った。

 

 

零冶  「・・・・まぁともかく、これで模擬戦は終了だ。俺達はこれで撤収する。それじゃ、今日はありがとうな。」

 

エリス 「それでは御機嫌よう。」

 

バライカ「またね。」

 

キール 「楽しかったぜ!」

 

ヘンリー「・・・。」

 

 

     そう言って零冶達DOG隊は六課隊舎を後にした。

 

 

 

 

 

     模擬戦が終了して数日、零冶は今ジェイルのラボへ遊びに来ていた。そしてウーノが淹れてくれたコーヒーを飲んでいる。

     また、近くにあるソファーにはいつものようにゼスト隊が談笑している。

 

 

チンク 「それで、どうだったのだ?新隊舎は。」

 

零冶  「ああ、文句の言いようが無い程設備は充実している。まぁ、シミュレーター場が土地的な理由で六課と共同だが。」

 

チンク 「そうか、それは良かった。」

 

ウーノ 「でも、シミュレーター場が共同って、やり難くないかしら?」

 

 

     そこへ、ウーノが口を開いた。

 

 

零冶  「ああ、そこがちょっとな・・・。俺達の訓練は・・・普通じゃ無いからな。」

 

チンク 「むしろアレを普通と言ったらお前の神経を疑うぞ?何処の世界に魔導師ランクSを越える竜種を複数相手にさせる奴がいる?」

 

零冶  「此処にいるだろ?」

 

チンク 「馬鹿者。」

 

 

     そんなアホな返答をして零冶は右隣に座っていたチンクに頭を叩かれる。

 

 

ジェイル「やぁ、零冶君。数日ぶりだね。」

 

 

     そこへ珍しく研究室からジェイル出てきた。

 

 

零冶  「ああ、久しぶりだな。それにしても珍しいな。ジェイルが研究室から出てくるなんて。」

 

ジェイル「いやいや、いくら造られたからといっても私も人間だよ?さすがに息抜きの一つぐらい取らせてもいいじゃないか?

     それに、君は一体どういう目で私を見ているんだい?」

 

零冶  「三度の飯よりも研究しか頭にないマッドなサイエンティスト。」

 

 

     即答である。

 

 

ジェイル「・・・・酷いと思わないかい?チンク、ウーノ。」

 

チンク 「いや、流石にそれは弁護できませんね、博士。」

 

ウーノ 「自業自得じゃないかしら?」

 

ジェイル「しくしくしく・・・・・。」

 

 

     ジェイルは二人の言葉に涙した。

 

 

零冶  「まぁ、それは置いておいて。ウェンディやディード達はどうしているんだ?」

 

ウーノ 「ああ、それならもうすぐ訓練から戻る頃d「疲れたぁ~~!」来ましたね。」

 

 

     そこへウェンディ達新人組とトーレが訓練から戻って来た。

 

 

ウェンディ「あ!零冶兄だ!」

 

零冶  「ああ、お疲れdうおっ!?」

 

 

     零冶を見つけた途端、ウェンディが後ろから零冶に抱きついた。それを見たチンク及び数人の眉がつり上がる。

 

 

チンク 「おい!ウェンディ!零冶から離れろ!!」

 

ウェンディ「え~!別にいいじゃないッスかぁチンク姉ぇ。」

 

ディード「良くありません。即刻零冶お兄様から離れなさい。」

 

セイン 「一人だけ言い思いをさせてたまるもんですか!」

 

セッテ 「離れなさいすぐに離れなさい今すぐに離れなさい!」

 

 

     チンク、ディード、セイン、セッテがウェンディを引き剥がそうとする。その様子をゼスト隊が笑い、クイントが微笑ましく見ていた。

 

 

零冶  「まぁまぁ4人とも、そこまで目くじらを立てる事じゃないだろ?」

 

チンク 「し、しかしだな!これでは零冶が動きにくい上に鬱陶しいだろう!?」

 

零冶  「いや、別にそんな事は無いぞ?それに、妹分が甘えているんだ。それを相手するのが兄貴の務めだろう?」

 

セイン 「うぅ~・・・。」

 

セッテ 「だけど・・・。」

 

ディード「で、でも零冶お兄様!」

 

 

     尚も渋る4人。零冶はそんな4人を見て溜息を吐いてウェンディに離れるように言った。

 

 

零冶  「はいはいそこまで。それとウェンディ、他の4人がそう言ってるから離れてくれ。」

 

ウェンディ「えーー!?嫌ッス!離れn「ふむ、久しぶりに俺とくんr」イエッサー!!」

 

 

     ウェンディは顔を青くして零冶から全力で離れた。

 

 

ジェイル「ははは、いつ見ても微笑ましい光景だな、トーレ?」

 

トーレ 「はいドクター。妹たちも零冶にかなり懐いているようです。」

 

ウーノ 「うふふ。そうですねぇ。」

 

 

     それを見ていたウーノとトーレ、ジェイルが笑って見ていた。

 

 

ジェイル「ところでウーノ、トーレ・・・君達もあの中に入らないのかい?」

 

ウーノ 「私は今回は妹たちに譲りますよ。これも姉としての配慮ですからね。」

 

ジェイル「ふむ・・・トーレはどうだい?」

 

トーレ 「いえ、私は零冶の事をそういう風に見てませんので。ですが、良き家族だと思ってます。」

 

 

     意外にもトーレは零冶のことを恋愛対象として見ていなかった。実際、零冶の事を恋愛的に好いているのはウーノ、チンク、

     ドゥーエ、セイン、セッテ、ノーヴェ、ウェンディ、ディードの8人である。オットーとディエチは純粋に零冶を兄として見ていた。

 

 

ウーノ 「うふふ、トーレには既に好きな人がいるものねぇ。」

 

ジェイル「ほほぅ!」

 

トーレ 「う、ウーノ!?な、何を言って!?」

 

 

     ところが、ウーノが爆弾発言をしてトーレが今までに無いぐらい動揺した。そこにいつの間にか隣に立っていたクイントも食らい付く。

 

 

クイント「あら?トーレさんも春が来たのですね?」

 

トーレ 「く、クイント!?いつの間に!?い、いや、私はそのような事は・・・。」

 

ウーノ 「あら、誤魔化そうとしてもダメよ?私、トーレがヘンリー君と話している時にとっても楽しそうにしていたのを知ってるのよ?」

 

トーレ 「な!?いつそれを!?・・・・・って!何故皆こっちを見る!?」

 

 

     気がつけば、騒いでいた他のメンバーもトーレの相手に驚愕していた。

 

 

零冶  「し、知らなかった。」

 

チンク 「わ、私もだ。」

 

セイン 「う、うそ・・・トーレ姉ちゃんに春が・・・」

 

セッテ 「あ、あり得ない・・・。」

 

ウェンディ「や、槍が降るッスよ!?」

 

 

      最後の2人に関しては割と酷い事を言っていた。

 

 

トーレ 「よしセッテ、ウェンディ・・・少し外に出ようか?」

 

セッテ 「ひぃっ!?」

 

ウェンディ「ご、ごめんなさいッス!!」

 

 

     トーレがもの凄い殺気で2人を睨んだので全力で謝った。

 

 

零冶  「それにしてもヘンリーが相手かぁ・・・頑張れよ、トーレ。」

 

トーレ 「あ、ああ///」

 

 

     零冶が励ましの言葉を贈るとトーレはほんの僅かに顔を赤らめていた。

 

 

ジェイル「はっはっはっは!!中々面白いことになってるじゃないか!いやぁ、父親としては嬉しい事だ!」

 

トーレ 「ど、ドクター!」

 

 

     ジェイルの発言にトーレはムキになる。

 

 

ジェイル「おっと、これ以上言うと後が怖いからね。今日はこれぐらいにしておこう。」

 

 

     そう言ってトーレをからかうのを止めたジェイルだが、突然何か思い出したように言った。

 

 

ジェイル「おお!そうだった忘れていたよ!零冶君、久しぶりにあの子達が帰って来るそうだよ?」

 

零冶  「あの子達・・・?」

 

ジェイル「ああ。もうすぐ到着すると思うのだg「零冶お兄ちゃーん!!!」どうやら来たようだね。」

 

零冶  「・・・はい?ぐはぁっ!?」

 

 

     薄紫色の髪を腰まで伸ばした女の子が零冶に抱きついて嬉しそうにしている。

 

 

ルーテシア「わぁ!お兄ちゃんだぁ!やっと会えたよぉ!」

 

 

     突如、零冶の鳩尾に弾丸のように体当たりして悶絶させた子の正体はルーテシアであった。

 

 

零冶  「ぐ・・・お・・・る、ルーか!?」

 

メガーヌ「あらあら、ルーったら♪」

 

 

     そこへ後から現れたメガーヌが微笑ましそうに見ている。

 

 

クイント「メガーヌ!久しぶりね!」

 

メガーヌ「クイント!本当にね!」

 

 

     2人はゼスト隊の中でも特に仲が良かった為に再会を喜び合う。もちろん、ほかのゼスト隊も再会を喜んでいた。

 

 

ルーテシア「お兄ちゃん、お姉ちゃん!ただいま!!」

 

みんな 「お帰り、ルー!(ルーちゃん!)」

 

 

     ナンバーズもルー達の帰還を祝福した。

 

 

ルーテシア「あのねお兄ちゃん。実はお兄ちゃんに見せたい子達がいるの!」

 

零冶  「見せたい子・・・?」

 

ルーテシア「うん!出てきて、ガリュー!」

 

 

     そういってルーは魔法陣を展開した。しかも、古代ベルカ式の魔法陣だ。

 

 

零冶  「なっ!?」

 

 

     そして魔法陣の中から出てきたのは人間大サイズの漆黒のボディに尾、赤い眼と思わしきものが5つある、爬虫類というより

     昆虫に近い容姿をした召喚獣ガリューだった。ガリューはルーの横に立って、辺りを見回していた。

 

 

ルーテシア「この子、ガリューって言うの!私が付けた名前なんだよ!それに、とっても強いんだよ!」

 

零冶  「マジか・・・・。」

 

 

     メガーヌとルーを除いた全員がガリューに驚愕していた。その屈強な体とその身から発する威圧感でかなりの力量だと

     言う事が知れる。

 

 

     そんなガリューを召喚したルーに全員は驚いた。

 

 

ガリュー「・・・・・。」

 

ルーテシア「えっとね、ガリューは喋らないの。でも、私たちの言う事はちゃんとわかってるみたいだから大丈夫だよ?」

 

零冶  「そうか・・・。ガリューとか言ったな?これからよろしく頼む。」

 

ガリュー「・・・・・。」

 

 

     零冶が手を差し伸べると、ガリューはしばらく零冶と手を見比べていたが自らも手を差し伸べて握手した。

 

 

ルーテシア「それと、もう一人紹介したい人がいるの!ほら、アギト・・・もう出てきていいよ!」

 

アギト  「っぷはぁ!息苦しかった・・・。えっと、あたしの名前はアギトって言うんだ。これからよろしくな!」

 

 

     ルーが持っていた小さなポーチから出てきたのはリィンⅡと同じぐらいの大きさのユニゾンデバイスと思わしきアギトであった。

 

 

零冶  「ああ、よろしく。」

 

メガーヌ「実はルーの修行で、去年に違法研究施設を私とルー、それとガリューでそこを襲撃した時に偶然見つけて助けてあげたのよ。」

 

零冶  「修行って・・・・。」

 

 

     普通は娘の修行で違法とはいえ、厳重に警戒している研究施設を襲撃したりはしないから。

     どれだけスパルタなのだろうかこの親は。

 

 

ジェイル「ははははは!ともかく、これからまた賑やかになりそうだね。」

 

零冶  「ああ、まったくだ。」

 

 

     零冶はこれからまた賑やかになるのに苦労するだろうと疲れるが、それと同時に楽しくなりそうだと楽しみにしていた。 


 
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