No.493938

IS インフィニットストラトス~騎士を駆る少年~

ロキさん

主人公の専用機の初登場!チートすぎだけど、その辺は勘弁して下さい。

2012-10-08 23:32:00 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3938   閲覧ユーザー数:3788

場所は変わって訓練所。

 

ここではまだ機体が配備されていない人や地上では大幅に動かせないため、シュミレーターで訓練を行う。

 

「殿下、準備はよろしいでしょうか?」

「ああ。いつでも構わない」

「それではコントロールを殿下に譲渡します」

「了解。草薙晃、【ペンドラゴン・クロスエンド】出撃する」

 

このシュミレーターは本物と限りなく似せてあるため、衝撃なども本物と同じレベルでフィードバックする。

 

起動させると何もない真っ白な空間に俺は現れた。基本的な色は黒で頭部に一本の角があり、腰部には二個の白い三角錐(?)みたいなものがあった。しかもそこから緑色の粒子が溢れていた。更に背中側の腰部にはスカート状の物…シールドビットが広がり、両肩には線の入った盾に銀色のコーティングをしたビットがくっついていた。

 

 

『あれは…黒い、ユニコーン?』

『GNドライブ…しかもツインドライブ搭載型だと?』

 

 

この声は残りの異次元からの漂流者であるバナージ・リンクス君と刹那・F・セイエイさんだ。

 

 

「殿下、如何ですか?ペンドラゴンの具合は?」

「上々だね。技術部に報酬を出しておかなきゃな」

「ふふっ。それでは殿下、相手はいかほどで?」

「打鉄とリバイブを15機ずつだ。フィールドは…海上にしてくれ」

「了解しました」

 

 

突如視界が変わり、下には広大な海が広がり目の前には大量のISが現れた。

 

 

「それではペンドラゴン・クロスエンドの模擬検査を開始します」

 

 

まずはランスロットと同じヴァリスを展開して威嚇射撃。蜘蛛が散るようにバラバラに別れた。そして弾丸が飛んできた。

 

「シールドビット、展開」

『YES.MASTER』

 

は?何だ?今の声は?俺はそんな物を搭載した覚えはないぞ。

 

「まさか…お前なのか?ペンドラゴン」

『はい。何か問題がありましたでしょうか?』

「AIシステムの導入までしたのか。本当の意味でお前は世界に一つだけの機体だな」

 

AIシステムの導入のおかげでビット操作が今までよりも楽になった。機体操作に余裕が出来るくらいにはな。実はこの機体の一番のネックは、機体操作だった。この機体は最高で三種類のビットを同時に使用しなければならない。

 

一種類ならまだしも、三種類の並行操作ともなればどうしてもそちらに集中力を割かねばならない。ならその状態で一番キツいのは?機体操作だったんだが…これなら大丈夫そうだな。

 

「俺のサポートを頼むぞ!ペンドラゴン!」

「YES.MASTER!」

「ライフルビット、ソードビットも展開。波状攻撃で相手をすりつぶす」

 

肩の盾からソードビットが展開され、シールドビットの中からライフルビットが射出された。エネルギー運用はツインドライブが行っているため、エネルギー切れの心配はない。

 

心配されるのは推力だが、それは一度この機体とドッキングすればまた回復出来る。相手の機体が次々と墜ちていく。

 

「これでも喰らっとけ!」

 

俺は両肩の盾を機体にドッキングして先を相手に向け、そして大出力のビームを放った。5機が墜ちた。ちなみにこの盾はIフィールドの機能もあり、攻防移を兼ね備えている。

 

「ペンドラゴン、IS-Dは使えるか?」

『…使うのですか?』

「使うさ。中途半端に力を抜いても意味がないからな。お前の実装テストだぞ?これは」

『了解。使用承認』

 

 

――――IS Destoryer System Activation

 

 

その表示と共に俺の機体--ペンドラゴンはその姿をさらした。体の各所が展開され、最後に頭部の角が割れた。赤い光を纏いながら佇むその姿はまさしく--

 

『ユニコーンガンダム……』

 

「まだだ!トランザム、始動!」

 

 

――――TRANZAM SYSTEM ACTIVATION

 

 

GNドライブから大量の粒子が排出され、機体全体が赤く染まった。放出量300%以上って…半端じゃないな。

 

「始めるか!」

っていうか実際に動かしてみるととんでもない機体だな。並みの--代表候補生程度では確実に乗りこなせない。国家代表でも厳しいレベルだぞ?

 

三種類のビットの同時操作。機体スペックを三倍に引き上げるトランザムシステム。さらに機体のスペックを向上させるIS-D…IS Destroyer system。

 

これだけで機体性能もそうだが、使用者の負担も尋常ではない。トランザムシステムを併用してたった百秒間だけとはいえ、消耗が激しすぎる。しかも10機以上残ってたのに数秒で終わったよ。

 

「はぁ…。疲れた。なんとか負担を軽減させないと使えないな」

「お疲れ様でした。実物を動かしてみた感触は如何でしたか?」

「スペックは問題ない。だがかかる負担を軽減させないと長時間の運用は出来ないな」

「トランザムとIS-Dの同時併用をすればその程度の負担はむしろ当然でしょう。通常形態なら問題ないのですね?」

「通常形態じゃ意味がない。相手は世界最強だぞ?生半可では済まない」

「それなら使うのはその時だけでいいでしょう」

「こんな急激な身体強化だぞ?時間制限にその後の弱体化もすぐに見切られる。むしろもう少し武装を充実させたい。実弾系の武装も用意してくれ」

「【零落白夜】対策に、ですか?」

 

自分のシールドエネルギーを使用して放つ織斑千冬の専用機【暮桜】と一夏の専用機【白式】の唯一無二能力である【零落白夜】。

 

相手のシールドエネルギーを無視して相手を斬る。それが関係ないのは実弾系武装のみ。できれば中国のあの武装を積みたいところだけど…厳しいだろう。

 

「はぁ…。分かりました。技術部に提案してみます」

「本当か!?」

「はい。しかし、その分時間も掛かりますし、負担もかかります。よろしいでしょうか?」

「構わない。もう五年以上待ってるんだ。今更数ヶ月程度の遅れなど、どうということはないしな」

 

この機体の完成と、皆のナイトメアの完成させるのにこれだけの歳月を掛けたんだ。もう完成はしているんだ。気にする必要はない。

 

「そういえばアレの作業は終わった?」

「はい。ここに」

 

そこには一角獣の紋様をあしらったペンダントに加え、何の紋様かは分からないがブレスレットがあった。バナージ君のユニコーンガンダムと刹那さんのダブルオー・クアンタだ。

 

「晃!」

「やあ、バナージ君に刹那さん。久しぶりだね」

「一体あの機体は何なんだ?」

「ペンドラゴンの事ですか?あれは2人のガンダムの能力をこれでもかとばかりに注ぎ込んだ上に、魔改造と言わんばかりに改造した機体です」

「あれは相当な機体だけど…身体は大丈夫?」

「ナイトメアにはISと同じ絶対防御が搭載されてるから、大丈夫だよ。…さて、2人にはこれを返さないとね」

 

俺がさっき受け取った物を見せただけで2人はこれが何なのかを理解していた。まあ、当然か。自分と共に戦った相棒なんだから。

 

「変化点を説明しておきます」

「変化?何かしたのか?」

 

「いえ、過去の戦闘データを読み取って加えただけです。

まずユニコーンガンダムは通常形態、NT-Dに加えてフルアーマーの奴も加えた。あとビームマグナムのカートリッジを拡張して一つのマガジンで10発撃てるようにした。

 

ダブルオークアンタは搭載されていたヴェーダからダブルオーライザー、ダブルオークアンタ、ケルディム、アリオス、セラヴィーの計5種類を使う事が出来ます」

 

「それはまた…やり過ぎじゃない?」

「あはははっ。すいません。技術部の人達が張り切り過ぎちゃって…」

 

俺も聞いた時は驚いた…というより呆れた。わざわざ過去の戦闘データを取り出して何をするのかと思ったらこんな事をしでかすとは。

 

「…待て。どうやってヴェーダにアクセスした?」

「え?…ああ。刹那さんにはまだ言ってませんでしたっけ。俺の体質みたいな物の事」

「体質?」

「ええ。例えば…こんな感じで」

 

俺の瞳は金色の光彩を放ち始めた。バナージ君は単純に眼が光り出した事に驚き、刹那さんはこの眼の意味を理解し驚愕という雰囲気を出した。

 

「イノベイター…だと?お前も純粋種なのか!?」

「…純粋種が何なのか、俺には分かりません。俺は他の人の特殊な因子みたいな物を受信し、その因子を己の物にするんです」

「それじゃあ、晃はニュータイプでもあるってこと?そんな事が起こるの?」

「俺自身、この力のことをよくは分かっていない。それでも関係ないんだ。おれは目的のために努力するしかないんだから」

 

あの時の誓いを果たすために、俺は強くあらなきゃならないんだから。その為に今まで散々努力してきたんだから。

 

「俺が言えることは無いだろう。だが変えてみせろ。自分にとっての歪みを」

「出来るだけ傷ついて欲しくはない。でもそれが君の可能性を消すものなら、早く終わらせた方が良い」

「はい。この歪みを、俺を縛り付ける呪いを断ち切る為に…俺は」

 

 

「戦います」

 

 

翌日、ゼハートさんとフラムさん、それにアスカさんにホークさんにお別れを告げてからペンドラゴンで光学迷彩をしながら帰った。

 

そしてIS学園に戻ると、懐かしい顔に出会う事になることをこの時の俺はまだ知らなかった。

 


 
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