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真・恋姫無双 ~新外史伝第77話~

今回は戦いのシーンですが、ここでも蓮華さん、かなり劣化していると思います。(蓮華ファンの方申し訳ありません)

都合主義、自己満足の戦闘シーンとなりましたが、ご容赦下さい。

では第77話どうぞ。

2012-10-07 10:08:29 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5919   閲覧ユーザー数:4959

「て、敵襲――――!!敵、二千から三千の兵がこちらにやってきます!」

 

追撃していた蓮華の軍の前に一刀たちの軍勢を見て、兵が大声で叫んでいた。

 

「な、何!?」

 

これに驚いたのが蓮華であった。先に追撃していた思春や明命の軍勢はいったいどうしたのかと思っ

 

ていると一人の兵が駆け寄り

 

「も、申し上げます。甘寧様と周泰様の部隊は正体不明の軍勢の奇襲に遭い現在応戦中!」

 

「……まんまと敵の罠に引っ掛かったということね。でもこちらに向かっている敵の軍勢が私たちの

 

三分の一か半分程度しかいないわ。そのような姑息な罠など打ち破ってくれる!」

 

兵の報告を聞いて蓮華は、一刀たちの罠に嵌まっていたことに気付いていたが、まだ自分たちの方

 

が、兵の数が多いことで精神的余裕を持っていたのであった。

 

そして蓮華の部隊は一刀の部隊の突撃するのを手ぐすね引いて待ち受けていたが……

 

「よし!我らはこっちだ!」

 

「関羽隊は右へ!」

 

予め一刀の指示を受けていた星と愛紗の部隊が、蓮華の部隊の先鋒に当る前に素早く左右に分かれて

 

展開する。

 

「部隊を左右に分けて応対しろ!」

 

これを見た蓮華が素直に部隊を左右に分けて対応した。

 

蓮華の部隊の動きを見た星と愛紗は

 

「まんまと引っ掛かってくれたな」

 

「よし、こちらに喰い付いてきたぞ!」

 

二人は蓮華が予想通りの行動を取ったことに苦笑んでいたのであった。

 

前の部隊が左右に展開したので正面は手薄になり、蓮華もこれを当然予測し固めようとしたが、ここ

 

で蓮華の誤算があった。

 

何故なら、ここで突撃するのが、一刀が指揮する弓騎隊だったのだから。

 

「突撃―――!」

 

一刀の号令で最初の百騎は、陣に無理やり穴を開けるため突撃を敢行。そしてその開いた穴を目がけ

 

て残りの四百騎も弓を射ながら突撃を開始したのであった。

一刀の部隊の勢いはなかなか止まらず、蓮華の前衛の部隊が崩れつつあったので、それを見ていた蓮

 

華は癇癪を起こすかの様に

 

「が、我慢ならないわ!今こそ私が先頭に立って、あの部隊を討ち取ってくれる!」

 

自ら剣を持って、部隊の先頭に出ようとした。

 

「お待ち下さい、孫権様!今、出ると危険です。後方に下がって下さい!」

 

家臣は蓮華の身を案じ進言したのであるが…

 

「何!貴様…」

 

蓮華は血走っていた様な目をその家臣に向けていた。

 

蓮華はここで雪蓮の事を意識し過ぎていた。というのは、よく雪蓮は、部隊の先頭に立って戦うこと

 

があるが、これは雪蓮の熱くなりやすい性格も関係するが、最大の理由は自分の腕に自信を持ってい

 

たからである。また自分が出ることによって、部隊が鼓舞されるというのにも理由に上げられる。

 

蓮華はそんな雪蓮の表面だけを見て、自分の武が雪蓮よりも弱いにも関わらず、倣って実践しようと

 

したが、この場で行うことは余りにも無謀であった。

 

「れ、蓮華様!これ以上進むと危険です!ここは守りを固めて、援軍来るまで我慢して下さい!」

 

だから周りの将は、何とか蓮華をこの場に押し止めようとしていた。

 

「我々の右背後から敵襲!兵力約二千!その全て騎射を行い、後方の部隊、混乱しています!孫権

 

様、指示を!」

 

「くっ!私は何という醜態を見せてしまっているのだ。倍以上の兵力を持ちながら敵に翻弄されるな

 

んて…」

 

蓮華が嘆いていると明命が、ようやく蓮華のところにたどり着いた。

 

蓮華も懸命に駆け付けた明命の姿を見て少しは落ち着いたのか

 

「明命、前の様子はどうなっている」

 

「はい。思春様と私の部隊は追撃中、敵の騎馬隊による伏兵の攻撃を受けて、現在苦戦中。何とか思

 

春様が部隊を纏め、応戦しています。そして私は、思春様の命で、これ以上の進軍は無理と言うこと

 

を知らせに参ったのです」

 

「ですので蓮華様、今回は堪えて下さい。私が必ず敵の正体を突き止めて、蓮華様のこの屈辱を晴ら

 

すようにしますので、ここは何卒!」

 

「……分かったわ。ここは貴女に任せるわ」

 

「まずは部隊を小さく纏め、援軍が来るのを耐えましょう。しばらく持ち堪えれば、必ず援軍が来ま

 

す」

 

明命が蓮華に告げると、今の自分ではどうすることが出来ないことが漸く分かった蓮華は、ただ頷く

 

しか無かったのであった。

 

だが明命の説得を蓮華が受け入れたことで、ようやく部隊の動揺を防ぐことができたのであった。

「紫苑、璃々、無事だったか!」

 

「ええ、ご安心下さい。ご主人様、見ての通り二人とも無事ですわよ」

 

「あれ位へっちゃらだったよ~、ご主人様」

 

一方、一刀は紫苑と璃々が無事、合流出来たことに安堵し、紫苑や璃々も一刀が無茶な行動をせず、

 

無事にいてくれたことに安心していた。

 

「紫苑、敵の部隊が小さくまとまったけど、これからどうする?」

 

「そうですね。ああ小さく亀のように固められますと崩すのに手を焼きそうですわ」

 

二人が悩んでいると、後方に呉の追撃部隊が予想されたので紫苑が、予め監視の為に置いていた兵が

 

一刀、紫苑たちのところにやって来て

 

「申し上げます!敵、城攻略部隊は、城占拠後、予定の早さよりもかなりの早さでこちらに向かって

 

おります!その数、約三千!」

 

更に

 

「呉の陣から、約四千も新たに出陣、こちらもかなりの早さでこちらに向かっております!」

 

城を占拠した太史慈こと晶は、焦っている蓮華が危険な目に合う可能性があると考えていたので、城

 

占拠後、軽兵約三千で蓮華の元に向かい、そして亞莎も念のために予め追加の追撃の兵を出していた

 

のであった。

 

これを聞いて一刀が

 

「流石にこれ以上は無理だな。撤退した方がいいよな」

 

「ええその通りですわ、ご主人様。璃々、合図の矢を」

 

「うん。分かった」

 

紫苑が璃々に指示をすると璃々は、返事をして手にした鏑矢(意味:(かぶら)とは矢の先端に付け

 

る武具の一種。射ると大きな音響を発して飛ぶ。鳴り矢)を空に放った。

 

これは紫苑が、一刀と現代に戻った時に紫苑は、いろいろと弓の事を学んだが、こちらに戻った時に

 

その知識を生かして、特製の鳴り矢を作り、そして今回撤退する時の合図として使ったのであった。

 

それを聞いて星と愛紗はそれぞれ撤退を開始し始め、一方思春と激闘を繰り広げている翠のところに

 

も璃々の合図が聞こえ

 

「おっ。合図だな。残念ながら、今回はここまでだ」

 

「何!貴様、ふざけるな!ここまでやられて、黙って帰ると思っているのか!」

 

翠が言うと頭に血が上っていた思春は、まだ翠に突っかかろうとしたので

 

「チィ!やっぱ黙って帰してくれる訳がねえか、仕方ねえ」

 

「はああああああああっ!全力で行くぜーーー!」

 

翠はぼやきながら、手にしていた銀閃を三回ほど地面に叩きつけた。すると翠の怪力もあり地面に大

 

きな穴が開き、結構な量の土や小石が掘り起こされ、土煙が宙を舞うと同時に小石も思春の元に飛ん

 

でいった。

 

思春は何とか小石を躱して、砂煙が舞ったため、防御しながら、翠の追撃に備えた。

 

土煙が薄くなり思春は周りを見ると、翠は土煙の煙幕を利用して、その間に騎乗、そして退却の態勢

 

を整え

 

「アバヨ、甘興覇!次、会う時までその首預けといてやるぜ!」

 

翠は思春の返事を聞くこともなく、部下と共に退却した。流石の思春も馬の速さに勝てる訳もなく、

 

無言で無念の歯がみをしていたのであった。

 

一方、蓮華の方にも璃々が放った鏑矢が聞こえていたので、敵が何か仕掛けてくると考えられたの

 

で、明命は、援軍が来るまでの時間稼ぎを優先にして、星と愛紗の部隊に引き釣られていた部隊も戻

 

して守りを固めた。

 

すると一刀たちは攻勢に出ず、一刀、星や愛紗の部隊を先に撤退させ、そしてや紫苑の部隊並びに途

 

中で翠の部隊も加わり、それを殿にして撤退を開始したのであった。

 

「情けない…。私は敵に振り回され踊っていただけか…」

 

撤退の知らせを聞いた蓮華は、そう呟いて、右手を強く拳を握り締め、その力が手の平に爪が食い込

 

んでため、赤い液体がポタポタと地面に落ちていた。

 

そして援軍に救われた蓮華は、襄陽にいる漢の軍勢に一刀たちを討伐するよう依頼したのであった。

 

 


 
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