退屈な日
春先に起こった異変も終息を見せ始め、辺りは元の静けさを取り戻しつつあった。
しかしあの怠惰な死神が職務を全うするとも思えないし、しばらくは現状のままだろう。
様々な種類の花に彩られながら、季節は夏を終えようとしていた。
爽やかな朝。
まだまだ暑さの残る昼間に比べるといくらか過ごしやすい、そんな時間。
風見幽香は大体いつもと変わらないタイミングで目を覚ました。
「今日はまた一段と騒がしいわね……」
外から聞こえてくる賑やかな声に、家主である幽香は心底面倒くさそうに口を開いた。
身を起こし、気だるげな足取りで窓辺へ向かう。
窓から覗いてみると案の定、外では妖精達が駆けずり回っていた。
快活なのは結構だが、もう少し場所を選んでくれないものだろうか。
※改行は調整済み、画像は表紙と裏表紙
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
紅楼夢8で無料配布予定のコピー本、その1ページ目です
文庫サイズで本文4ページの短編
スペース:ヌ-10b
サークル「ICE TEA」
続きを表示