No.49288

憂鬱holiday

xx凛さん

ざあざあと降る雨。
嗚呼、なんて憂鬱な日。
止む気配の見せない雨音を聞きながら、私の休日は過ぎてゆく。

2008-12-30 11:25:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:590   閲覧ユーザー数:577

 

「ひま・・・・」

 

 

ぼそりと呟いた私の言葉は、雨音によって消された。

ベッドに身体を投げ出して、片足を落して、とても楽な状態で寝転ぶ。

長い髪がベッドに錯乱するが、気に留めない。

誰もいない家は、私一人には広すぎる感じがして、少し寂しい。だからこうして自室にこもっているのだ。

 

ひま、と呟いて見ても別に暇がなくなるわけでも、楽しいことが起きるはずが無い。

暇と言えば言うほど、その暇さが浮き出て目立つような気がする。

 

 

 

ひま、暇、ヒマ

 

 

 

やることが無いことがこれだけ憂鬱だとは思わなかった。

ちらりと窓の外へ顔を向けると、雨が休むことなく降っている。

がらりと音を立てて窓を開けると、閉めていた時よりも激しく煩い雨音がざあざあと耳に響く。

その音さえも私の気分をもって悪くさせ、私はまた勢い良く音を立てて窓を閉めると、そのままベッドに飛び込んだ。

 

「うー、う゛ー」

枕に顔を埋めてて意味も無く唸って見る。

その行動の意味の無さにまたイライラする。

 

 

止まる気配の見せない音。

身体を起こしてまた窓の外を見ると、あたりまえだがまだ雨は降っている。

折角の休みなのに、雨だなんて。心で思い、無意識に溜息を吐いていた。

課芋に行くのも面倒くさいし、雨に濡れるのも嫌だし。

只でさえ雨が嫌いな私は、憂鬱の原因をつくった雨を睨む。

 

しかし雨は知らん顔で降り続けていた。

雨を降らす雲が本当は悪いのか。なんて考えていても、やはり雨が恨めしい。

 

 

外で雨の中、色鮮やかな傘を差し、駆けて行く子供達。

いつもなら笑顔で見つめるところだが、雨なので私は窓の外から時計に目を逸らした。

時間を刻む針の音が雨と共に部屋に響く。

時計の針を見て、「あぁ、まだお昼になっていない」なんてぼやっと考える。

雨が時間がを遅くしていると思ってならない私は、また枕に顔を埋めた。

 

 

 

『雨よ、早くやめ。』

 

 

 

なんて思っているくせに、てるてる坊主も作らない。

努力しても雨は止んでくれないと分かっているからなんだろうね。

けれど、なんて憂鬱なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の折角の休日は、憂鬱な音と共に過ぎてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

end.


 
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