No.491335

SAO~菖蒲の瞳~ 第一話

bambambooさん

今回はあの二人とほんの少しだけ接触します。

書いていて思ったのですが、文章がくどくないですか?

2012-10-02 18:31:54 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1873   閲覧ユーザー数:1771

 

第一話 ~ 始まりの街 ~

 

 

虹色のリングをくぐった先にあったのは、真っ白な空間だった。

 

周りを見渡していると、目の前に文章と様々なパラメータが現れた。

 

どうやら《キャラクター・メイキング》らしい。

 

俺は文に書いてある手順に従い、SAOの中での自分を作ることにした。

 

出来上がったものがこれ。

 

プレイヤー名《アヤメ》。

 

性別《男》。

 

髪型は俺のリアルに一番近い毛の短いもの。色はデフォルトの黒。

 

肌の色を少し薄くし、瞳の色は菖蒲色に。

 

身長165センチ。

 

体型はやや細目。

 

以上である。

 

瞳の色が菖蒲色なのは、名前を表す部分が一つ欲しかったからと、妹の涼が好きな色だからという理由から。

 

因みに、リアルの俺の身長は155センチ前後である。

 

「これで、あとは決定を押すだけ」

 

そう呟き、右下にある決定ボタンを押す。

 

すると、体が光に包まれて視界がぼやけだした。

 

しばらく経ち、視界がクリアになると、そこには広大な石畳と道に沿って街路樹が植えてある中世のような街が広がっていた。

 

視界の左上を見てみると《はじまりの街》と表記され、一瞬で消えた。

 

その反対側には、《アヤメ》の名前と青色のHPバーが一本引かれている。

 

今の気持ちを言葉に表すとしたら、歓天喜地である。

 

「さて、行きますか」

 

《浅居正武》あらため、プレイヤー《アヤメ》はSAOの世界、《アインクラッド》に第一歩を踏み出した。

 

 

SAOの世界に居ることをひとしきり噛み締めたあと、俺は街の裏道に入って武器屋を探した。

 

探しているのは、ベータテストプレイヤーの友人から教えて貰ったお徳な安売り武器屋である。

 

友人と言っても、前にオンラインゲームで知り合い、意気投合してその後もチャットで会話したりしている程度だ。

 

当然、顔も知らない。

 

「確かここらへん…」

 

立ち止まって辺りを見渡すと、曲がり角から二人の男性が出て来た。

 

ちょうどいい。

 

「すみません」

 

「あ、はい…なんですか…?」

 

俺が声をかけると、前を歩いていた黒髪の男性が返事をした。

 

「この辺に武器屋があるはずなんですが、見かけましたか?」

 

「ああ。それならその角を曲がって直ぐにあるぜ。俺たちもちょうどそこで買ってきたところさ」

 

「ちょ…クライン」

 

「まあまあいいじゃねぇか」

 

今度は赤髪のクラインと呼ばれた男性が答えてくれた。

 

そのことに対し、黒髪の方は何やら焦りだした。

 

やはり、こういう穴場は秘密にしておきたいのだろうか?

 

その気持ちは分からないでもない。

 

「大丈夫。俺もこの場所を安々と教えるつもりはないですから」

 

それに、こういう場所は物語後半でもなかなか良いもの売っていることもあるからな。

 

それを聞いた黒髪の方は、ホッと息をついた。

 

「では失礼します」

 

俺は二人に一礼をして言われた角に入っていく。

 

後ろから「無愛想なヤツだなぁ」とか聞こえてきたが、無視することにした。

 

しばらく歩くと、確かに武器屋があった。

 

「いらっしゃいませ」

 

近づくと、NPCと思しき男性商人が声を掛けてきた。

 

俺はそれに軽く会釈してから、並べられた武器を品定めする。

 

どれもシンプルで、いかにも初期装備らしかった。

 

俺はその中から剣を一本選び、軽くタッチしてポップアップメニューを表示させる。

 

(カテゴリは《短剣》。名前は《ブロンズナイフ》か)

 

「試しに振ってみても構いませんか?」

 

「ええ。構いませんよ」

 

商人に確認を取ったあと、俺は店から離れた位置に立つ。

 

先ずは横に一閃。

 

続けて縦、左逆袈裟、と繋げていく。

 

振る度に鳴る、ヒュン、という風切り音が耳に心地いい。

 

最後に、剣を持った右腕を限界まで引き絞り、前へと突き出す。

 

――ビュンッ

 

すると、その一撃は緑色の軌跡を宙に描き、今までに無い速度で撃ち出された。

 

今のは《ペック》と言う、短剣基本技の《剣技(ソードスキル)》。

 

初めて剣技を撃ってみたが、かなり爽快だ。それに、この短剣も扱いやすい。

 

これにしよう。

 

「これにする。いくら?」

 

「200コルになります」

 

確かに安い。

 

さっき見てきた表通りの武器屋は400コルだったのに、まさかの半額。

 

俺は商人に200コル渡し、《ブロンズナイフ》を購入した。

 

そのあと直ぐにメニューを開き装備する。

 

腰にかかる重みに、僅かな感動を覚えた。

 

「さて。武器も手に入れたことだし、時間までフィールドに出てみるか」

 

俺は意気揚々と武器屋をあとにした。

 

 

オリジナル剣技

 

《ペック》

・短剣基本技。

・右腕を引き絞った状態から放つシンプルな突き。

 

 

オリジナル設定

 

《コルについて》

・ゲーム開始時に500コル支給される。

 

 


 
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