「山田先生、一夏の状態は。」
「・・・はい。背中を火傷していて意識はまだ回復していません。ただ・・・」
「なんだ。」
「織斑君の肉体のほうが問題です。」
「どういうことだ。」
「教えてくれないかな?」
「篠ノ之博士!・・・・・はい。実を言いますと織斑君の肉体は異常なほどに筋肉を使っています。今まで立っていられたのが不思議なくらいです。」
「「!!!」」
「さらに言うと筋肉の状態が常に人間の限界まで使ってる状態なんです。」
「じゃあ、あの時苦しんだのは・・・」
「おそらく・・・・・な。」
どこかわからない空間。ただわかるのは目の前に白い少女がいることだけ。
「あの・・・・・・なに?」
「・・・・・・・・・」
だんまりか・・・
一夏は後ろのソファーに戻ろうと反転した途端、少女が話しかけてくる。
「何のために力を欲しますか?」
「え?」
「何のために力を欲しますか?」
「・・・・・・・守るため。」
「え?」
「力がないものを力があるものが守る。それだけだ。」
「自らを犠牲にしてでもですか?」
「ああ。」
「たとえ死ぬとしても?」
「多分。」
「その志は本心からかい?」
「「!!」」
二人は声のするほうを振り向く。そこには一人の男性が立ったいた。
「あなたは・・・・・・・」
「俺の名は舜一。真木舜一。君にとって大先輩、最初のデュナミストだ。」
「あなたが!」
「どうしてここに。」
「さあな。だがもしかしたらそいつが呼んでくれたのかもな。」
真木は一夏の懐を指差す。一夏は懐にしまっているエボルトラスターを取り出す。
「君は守るために戦うと言ったね。」
「ええ。あなたは?」
「俺は愛する家族を守るため。君とはちょっと違うけど。」
「でも同じです。」
「そうか。それよりこんなところにいてもいいのかな?」
「え?」
「そうですね。」
突如、少女は白いISを身にまとった人となった。
これは・・・・白騎士・・・・
一夏は目を覚ました。
「今のは・・・・・」
一夏は立ち上がろうとした。その途端身体に違和感を感じた。一夏は自分の身体を見る。そこにはいくつもの包帯が巻かれていた。一夏はそれを全部取りISスーツに着替えて千冬の元へ向かった。
「織斑先生!」
「あの馬鹿ども。感情に流されおって!」
突如襖が開く。二人が振り向くとそこには一夏の姿があった。
「「織斑(くん)」」
「どうも。」
「大丈夫なのか!」
「はい。状況は。」
「それがだな、あの馬鹿どもが勝手に出撃して福音と交戦中だ。」
「・・・・織斑先生。」
「なんだ、織斑。」
「行かせてください。」
「正気か!」
「今の身体で行っては・・・・」
「大丈夫です。」
「「!!!」」
「今度は負けません。そして生きて帰ってきます。」
「・・・・・・・・・わかった。」
「仕方ありませんね。」
「ありがとうございます。」
「では命令だ。あの馬鹿どもを助けて来い。」
「はい!」
「もう一度・・・一夏に・・・」
福音に苦戦している箒達。絶対絶命と思った瞬間であった。突如、紅い発光体が箒達の前に現れた。徐々に光は薄れ、そこにいたのは胸にYの文字を刻み、両腕にアームドネクサスを持つISを操縦する一夏の姿であった。
「一・・・・・夏・・・・」
「大丈夫か、箒。」
「あ・・・・ああ。」
「よかった。あ!そうだこれ。」
「え?」
一夏は箒にリボンを手渡した。
「今日は七月七日、誕生日だろ。」
「覚えててくれたのか?」
「当たり前だろ。」
「一夏・・・」
「それより、決着つけないとな。」
雪羅・ジュネッスの福音がぶつかり合う。
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謎の空間に立っている一夏。目の前には・・・・