No.490245

ソードアート・オンライン デュアルユニークスキル 第十話 デュオのホーム

やぎすけさん

デュオは22層にマイホームを持っています。
今回はそこでの女の子2人の会話です。

2012-09-30 03:50:39 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3090   閲覧ユーザー数:3003

エルフィー「何なの今のは!?」

 

デュエルが終わってすぐにエルフィーがデュオに訊く。

 

デュオ「やっぱ、言わないとダメか?」

 

デュオは言いたくないという顔をするが

エルフィーはそれを許そうとはしない。

デュオは観念したようにため息をついてから

さっきの技の正体を話す。

 

デュオ「俺の隠し技だよ。エクストラスキル【スタイルチェンジ】。その名の通り状況に合わせてスタイルを変更できる。」

 

エルフィー「そんなスキル、聞いたこともないよ!」

 

デュオ「だろうな。おそらくユニークスキルだ。」

 

デュオの言葉にエルフィーは言葉を失っている。

その時、シリカが口を開いた。

 

シリカ「デュオさんってユニークスキル使いだったんですか?」

 

デュオ「そう言うことになるだろうな。出現条件は俺にもわからない。」

 

エルフィー「ちなみに使えるスタイルっていくつあるの?」

 

ここで放心から回復したエルフィーが質問する。

 

デュオ「さっき見せた【トリックエース】【ソードマスター】【ハイパーガード】の他にあと3つある。」

 

エルフィー「あんなのがまだあるの!?」

 

驚くエルフィーにデュオは呆れたように言う。

 

デュオ「あのな、さっき使ったのは基本的なのだけだ。もっと異常な能力を持ったスタイルもある。」

 

エルフィー「うっそ・・・」

 

エルフィーは信じられないものを見るような目でデュオを見た。

そんなエルフィーを見て、デュオは疲れた顔をしながら立ち上がる。

 

デュオ「とりあえず、俺のホームに移動しないか?俺もシリカもお前に呼ばれる前に戦ってたから疲れてるんだ。」

 

エルフィー「そうだったの?ごめんごめん。」

 

エルフィーはそう言いながら、出しっぱなしだった愛剣を鞘に収める。

その間にデュオはシリカに向かって言う。

 

デュオ「シリカ。俺たちは、ホームに向かうけどお前も一緒に来るか?」

 

シリカ「えっ・・・!?い、いいんですか・・・!?」

 

デュオ「別に俺は構わないけど。」

 

シリカ「じゃあ、折角なので行きます。」

 

デュオ「よし。じゃあ面倒だしこれで行くか。」

デュオはそう言って、ポーチから青い結晶を取り出す。

 

エルフィー「クリスタル使っちゃっていいの?」

 

エルフィーが訊いてくるとデュオは嫌そうな顔をして言った。

 

デュオ「お前がこんな面倒な場所に呼び出さなければ、使わずに済んだ。」

 

デュオはそう言いながら、シリカとエルフィーの腕を掴んで叫ぶ。

 

デュオ「転移!コラル!」

 

結晶が砕け散ると3人は光に包まれて消えていった。

二十二層コラル

森と湖が多数存在するフロアの南西部に位地する小さな村。

二十二層は迷宮区を除くすべてのフィールドでモンスターが出現せず

迷宮の難易度も低かったので3日で突破されてしまったためあまり知られてはいないが

落ち着いて生活したい人には打って付けの場所である。

デュオ、シリカ、エルフィーの3人はデュオのホームへ向かうためこの層にやってきた。

転移門から少し歩くと大きめのログハウスの前に着いた。

 

デュオ「ここが俺のホームだ。」

 

デュオは目の前にあるログハウスを見て言う。

 

シリカ「ここって・・・」

 

エルフィー「デュオ君ってマイホーム持ってたの!?」

 

デュオ「ああ。余ったコル(かね)で買った。」

 

当然のことのように言うデュオにシリカもエルフィーもポカンとしてしまった。

それも当然である。

SAOで家を買うとなると並大抵の金額ではすまない。

しかも大きめのものであれば、その金額は

攻略組10人分の所持金くらいになる。

デュオも攻略組であるが結晶アイテムを多用するため

所持金に余裕などあるはずがない。

しかしデュオはもう1つのユニークスキル【ドロップアウト】によって

真面目な攻略組20人分くらいの収入を得ている。

そのため、所持金にはいつも余裕があるのだ。

 

デュオ「じゃあ、中に入ろうぜ。」

 

デュオは2人を促すと家に入る。

 

デュオ「しばらくまともに使ってなかったから、散らかりっぱなしだな。」

 

中にはデュオが前に使っていた剣や古い新聞などが散乱していた。

デュオはそれを手早く片付けるとシリカたちをいすに座らせて

適当なお菓子を出す。

 

デュオ「はい。どうぞ。」

 

シリカ「あ、ありがとうございます。」

 

エルフィー「さすがデュオ君気が利くね。」

 

デュオ「それはどうも。じゃあ何から話す?」

 

デュオはどうでもいいようにお礼を言った後、エルフィーに話題を求める。

 

エルフィー「じゃあ、この家はいつ買ったの?」

 

デュオ「攻略が五十四層の時だから、ちょうど半年前くらいかな?」

 

シリカ「そんなに前から持ってたんですか!?」

 

デュオ「まあ、だいたいそのくらいだな。」

 

その時、デュオにメッセージが届いた。エギルからだった。

[頼まれてた品が入ったから買取に来い]

とのことだ。

 

デュオ「悪い、俺ちょっと用事ができた。」

 

デュオはそう言って立ち上がると玄関に向かう。

 

デュオ「俺が戻ってくるまで留守番してて。宿屋に泊まるのが面倒だったら泊まっててもいいから。」

 

デュオは振り返りながらそう言うと扉を開けて外に出る。

するとエルフィーがデュオに言った。

 

エルフィー「調理器具とかも使っていい?」

 

デュオ「ご自由に。」

 

デュオは転移結晶を取り出すと、五十層のアルゲードへ転移した。

シリカ&エルフィー サイド

 

デュオが出て行った後、シリカとエルフィーは二人で夕食を作っていた。

とはいってもSAOの料理は簡略化されているため

あっという間に2人分の夕食が出来上がった。

2人はいただきますと言ってから食事を始める。

女の子同士ということもあって2人は自然と話が弾んだ。

食事を終えて、それを片付けた後、2人は食後のお茶を飲みながら

話をしていた。

 

エルフィー「ところでシリカちゃん。」

 

シリカ「はい・・・?」

 

エルフィー「シリカちゃんはデュオ君とどういう関係なの?」

 

エルフィーの質問にシリカは飲んでいたお茶を噴き出しそうになる。

 

シリカ「どうといわれても・・・命の恩人でしょうか・・・?」

 

エルフィー「どういうこと?」

 

シリカはデュオと出会った時から今に至るまでのことを話した。

それを聞いたエルフィーは納得したように頷いた。

 

エルフィー「なるほどね。」

 

シリカ「あの、エルフィーさんはどこでデュオさんと出会ったんですか?」

 

エルフィー「私?私はね・・・」

 

エルフィーもシリカにデュオと出会ったときのことを話した。

 

エルフィー「何ヶ月か前に48層のボス攻略をした時のこと。私は当時仲間だった7人のプレイヤーと一緒に計8人のパーティーで迷宮を攻略していた時に偶然ボス部屋を見つけてたの。その時は、調子に乗ってて何も考えずにボスに挑んだの。」

 

エルフィーは一呼吸おいてお茶を飲んでから再び話す。

 

エルフィー「でも、ボスは私たちの予想以上に強くて、一度は全滅させられそうになったの。その時にデュオ君が現れたの。彼は私たち8人が協力してやっと戦えたボスと1人で戦って勝った。」

 

エルフィーはもう一度お茶を飲んでから続ける。

 

エルフィー「そしてデュオ君はその後に回復結晶を私たちに投げて、上の層に上がっていったの。その時の姿がカッコよくて私は彼の隣で戦えるようになりたいと思った。だからソロでレベル上げをして攻略組なったんだよ。」

 

エルフィーはそう言って微笑んだ。

エルフィーの話を聞いた後、シリカはエルフィーに訊いてみた。

 

シリカ「エルフィーさんはデュオさんのこと、どう思っているんですか?」

 

その質問にエルフィーは少しだけ顔を赤くして答えた。

 

エルフィー「デュオ君は私の憧れの人って感じかな。強いって意味でも、好きって意味でも・・・」

 

エルフィーの反応を見てシリカは理解した。

エルフィーはデュオのことが気になっているということを。

 

エルフィー「そう言うシリカちゃんはデュオ君のことどう思ってるの?」

 

シリカ「あたしは・・・えっと・・その・・・」

 

エルフィーの質問にシリカは言葉を詰まらせる。

顔が真っ赤になり、自然と俯いてしまう。

だが、エルフィーは自分の気持ちを教えてくれたのに

自分だけ教えないのは卑怯だと思い口を開く。

 

シリカ「あたしは・・・デュオさんのこと・・・」

 

シリカが言おうとしたちょうどその時、扉が開いた。

 

デュオ「ただいま~。」

 

エルフィー「でゅ、デュオ君・・・!?」

 

シリカ「デュオさん・・・!!」

 

突然現れたデュオに2人はびっくりして立ち上がる。

その様子にデュオも驚く。

 

デュオ「ど、どうした・・・!?」

 

エルフィー「な、なんでもない。なんでもないよ・・・」

 

シリカ「は、はい・・・なんでもありません・・・」

 

2人はとりあえずデュオを家に入れることにした。

その時デュオは「俺のホームなのに・・・」と愚痴を言っていた。


 
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