No.489108

戦国慕歌路絵巻 風雲!鏡音伝 第6話 家族愛?姉弟愛? それとも…

enarinさん

○ボーカロイド小説シリーズ第9作目の” 戦国慕歌路絵巻 風雲!鏡音伝“シリーズの第6話です。
○巫女の鏡音姉弟(?)が主役の擬似タイムスリップジュブナイルです♪
○メインは和風の妖怪とか陰陽師とか出てくる、バトル物でもあります。

☆大きな戦の後のひとときです。ネル達の寝返りもありますが、リンレンのちょっとドキドキなイベントを作ってみました。

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2012-09-27 12:42:40 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:723   閲覧ユーザー数:722

(夕方・遠江国・掛川宿の温泉宿『平屋(たいらや)』)

 

 一戦から帰ってきたレン達一行は、男子の部屋に入り、とにかく捕虜3人を尋問する事にした。レンは捕虜を紐で縛ったままなのを気の毒に思ったが、これは戦事なんだと我慢した。

 

 壁際に紐で縛られた捕虜3人、部屋の中央にレン達全員がランダムに並んでいた。捕虜3人を道側に向けなかったのは、言わずもがな“逃がさない”ためだった。

 

 まずミクは家康本陣に連絡するため、水晶玉と陰陽術を使って、ルカと通信した。

 

ミク:ルカ、朗報ミク。秀吉側の召還師を撃破し、残りの家来3人を捕まえ、そして敵の機動兵器“ヘリコプター”を奪取したミク

水晶玉の中のルカ:まぁ! 家康様! 聞いての通りです!

水晶玉の中の家康:うむ! 天晴れじゃ! これで戦局はこちらに大きく傾いたぞ! ところでその“へりこぷたー”とはどういう物なのじゃ?

ミク:空を飛べる未来のカラクリです。多人数の搭乗はできませんが、これで“空域”も手に入れましたミク!

水晶玉の中の家康:おお! ということは、安土城の空飛ぶカラクリには、伏見城を攻略しなくても、直接潜入できるかもしれないのじゃな?

ネル:そうはいかねーよ、狸!

水晶玉の中の家康:なんじゃ! あの無礼なおなごは!

ミク:捕虜のうちの一人でネルと申しますミク。で、残念ながら“ヘリコプターの唯一の操縦者”ミク

水晶玉の中の家康:うぬぬ・・・ヘリコプターを使うためには、そのネル一行の“協力”が必要というわけだな

ネル:は! 捕虜の私がそう簡単に“協力”すると思うか?

水晶玉の中の家康:・・・・学歩達よ、なんとしてでもこの捕虜3人の協力を手に入れるのだ。ヘリコプターと捕虜3人の力はあまりに大きい。どうしても協力しない場合、ルカの力で秀吉側の水晶に、この3人の捕虜とヘリコプターとの交換条件を突きつけても、戦略的には確かに使える。しかし、ワシの感では、それは“一番下手な戦略“だと思う。こちら側が”空域を入手できるヘリを戦力に出来る“事の方が遥かに上じゃ! 難題だとは思うが頑張ってみてくれ

学歩:御意!

 

ネル:は! 狸親父! 無駄なことを部下に押しつけるとは、ここの部下に同情するぜ!

ハク:私たちはそんなに軽くないですよ?

てと:(#`皿´)

 

 シュン

 

 ミクは水晶での通信を終え、家康側の全員が、ネルハクてとへ目線を向けた。

ネル:まぁ、解ると思うが、紐で縛った相手に協力する間抜けはいないね。それくらいわかるだろ?

学歩:紐を解いたら逃げるだろうが! ここで逃がしたら明らかに“ヘリでとんずら”。せっかくの戦力を逃がしてたまるか!

ネル:んじゃ、協力しねー。ぜってー!

升太:うぬぬぬ、なんて悪態女だ!

ミキ:・・・こいつ、ちょっと私のアホ毛カッターでシメていいですか?

ネル:は!? とうとう拷問か? 正義の味方気取りの家康側も地に落ちたもんだねぇ

海斗:とりあえず秀吉側の情報を吐かせるために、我々忍びの丸薬“自白剤”を使うか?

メイコ:私の尋問技で、優しく吐かせる事もできるわよ~♪

 

レン:待ってください

 

 全員が、レンの方を振り向いた。レンは、役小角が残した“ドッグタグ”を手に持っていた。

 

レン:ネル、これは役小角が“識別用ドッグタグ”って言っていた、いわゆる“身分証明書”だ

ネル:それが?

レン:そして、彼はロボットだった。あの残った小さい機械人形が変身して、役小角の姿になったんだろうね

ネル:で? あんた何が言いたいのよ!?

レン:さっきからネルとハクの首の後ろに“鈍く光っている金属片”が付いているのに気づいたんだよね

ネル:なに?

ハク:私にも?

レン:二人ともごめん、ちょっと“ソレ”取らせて貰うよ

 

 レンはネルの首の後ろに手を入れて、ソレを探した。

 

ネル:こら! スケベ! 何すんだ!

 

 ブチッ

 

レン:・・・あった。ハクもちょっと我慢してね

ハク:あの・・・優しくしてね・・・

 

 同じようにハクの首筋に手を入れて、ソレを探してむしり取った。

 

 ブチッ

 

 レンはむしり取った2枚の金属片を両手に1枚ずつ持って、文字が書かれている方を上にして、ネルとハクに見せた。

 

「Type:Neru」

「Type:Haku」

 

レン:そしてこれがさっきの役小角のドッグタグ

 

 レンは2枚を左手に持ち、右手に先ほどの役小角のドッグタグを持って、ネルとハクに見せた。

 

「Type:Prima」

 

ネル:こ・・・これは・・・

ハク:もしかして、私たち・・・

 

レン:そう、君たち二人“も”、役小角と同じように、“変身ロボット”だったんだよ。役小角の話から考えると、“未来から持ってこられた”・・・

ネル:そ・・・そんな・・・

ハク:わ、私たちが“ロボット”・・・

 

レン:ネルについての立証は簡単に出来るよ。“ヘリを動かせた“。僕たちでも無理なのに、君は何の苦もなく。たぶん”そういうタイプのロボット“だったんだろうね。変身対象は、”メカに強い女の子“、だったんだろう。ハクについてもヘリの副操縦が出来るわけだから、”操縦のサポートができる女の子”に変身したんだろうね

 

ネル:な・・なら、なんで“あの人”はあの戦、いや“今”、役小角が言っていた“強制指令”を送って、あなた達を襲わせないのよ!

ハク:確かに役小角の話が本当なら、とっくにあなた達に牙を剥いているはずよ!

 

レン:酷なようだけど、その“あの人”って人も秀吉も、“君たち3人とヘリを見捨てた“んじゃないか? 強制指令も送らない、秀吉側からも”君たちとの交換条件“の連絡がこない。”あの人”がヘリを経由してずっと見ていたのなら、自分から直接、または秀吉経由で、すぐにでも連絡、もしくは、奪回の刺客が送られてもいいと思うんだよね

 

升太:それとよ、あのヘリに装着してあった“水晶体”、はずれたんで、持ってきたんだよね

 

 升太は風呂敷包みを広げ、あのヘリの通信用の水晶体を取り出した。

 

ネル:あ・・・・

 

リン:もう私たちの現在位置は、あの人って人も、秀吉も知っていると思います。あなた達、コレ使って、あの人って人と秀吉に連絡を取ったらどうですか? この水晶体、光っているから動いているんでしょ?

 

 ブチッ

 

ネル:え?

 

 レンはネル達の紐を斬って自由にした。

 

レン:両手で操作するんでしょ? とにかくやってみてよ

 

ネル:う・・・うん

 

 ネルは両手を器用に使って水晶体のパネルを操作して、秀吉が映る状態に持っていった。

ネル:秀吉様!

秀吉:あ? なんだ、あの3人か。水晶体経由で、今の状態は知っておる。捕まったらしいな。ヘリも

ネル:聞きたいことが2つあります! なんで助けを送ってくれないんですか! ここの場所は解っているんですよね!?

秀吉:死んだ魚に餌はやらん。あ、いや、死んだカラクリに油は刺さん、か?

ネル:やっぱり私たち、カラクリだったのですね・・・でも、まだ死んでないです! 助けて下さいよ!

秀吉:・・・・めぐみ様から先ほど連絡があってな、お前達を使った戦略は、“終了”、したんだと。ヘリもくれてやることにしたとか。つまり、お前達は、秀吉、信長軍から、“暇に出された”わけだ。好きなようにしてくれていい。めぐみ様も、お前達へ“強制指令”を送らないと言っておった。安心してこれから自由に生活するがいい、とのことだ

ネル:そ・・・・そんな・・・・

ハク:ひどい・・・・

てと:。゚(゚´Д`゚)゚

秀吉:ちなみに、そこの家康軍ども! 我々はこいつら3人の戦力なんぞ、次の戦略を立てる時間稼ぎ程度にしか考えてない。めぐみ様は、役小角を使って、最後の試験を行われたようだが、役小角自身があの最後を向かえたため、完全に諦めたそうだ。まぁ“おまえらの現在位置と戦力”がわかっただけでも儲け物だ。そいつら3人。お前らが煮るなり焼くなり、好きにするがいい。どうせポンコツロボットだ

ネル:ぬぬぬぬ・・・・

ハク:なんてヤツなのよ・・・

 

秀吉:あ、言い忘れておった。その“てと”一人だけはロボットではない。お前の方にいる“テト”の未来の姿だ。こいつらと一緒に未来から連れてきたそうだ

 

テト:( ̄□ ̄;)!!

てと:( ̄□ ̄;)!!

 

升太:そ・・・そうだったのか・・・どおりで似ているはずだ・・・

ミキ:同一人物???

リン:あのどっかの映画でみたんですが、“過去未来の同一人物が出会うと、とんでもないことになる”、そうなんですが・・・

学歩:・・・いや、同一ではないな。テトだって、身体である“人形”は永遠に保てるものじゃない。この“てと”の身体が、ちょっと違う人形なのは、これから先、いろいろな人形の体に移り変わっていって、その“てと”になったのだろう。だから完全同一ではない

升太:紙一重だとは思うがな

 

秀吉:では、我は“次の作戦”のため忙しい。ではさらばだ

ネル:こ・・・・・こ・・・・・この・・・・・・『猿野郎』!!!!!!!!!

 

 ブチン

 

 秀吉との通信は完全に切れてしまった。

ミク:あー、こりゃ、もう秀吉へは通信できないミクね。というか、これ、今の状態では“どこにも通信できない”ようになっているミク。どうするミク?

ネル:・・・・・陰陽術でミクさんの水晶玉とあんた方の親方様の所に繋がるようにしておいてよ・・・・

ハク:ネル?

 

ネル:あーもー、ヤケのやんぱちよ! ヘリの操縦だろうがなんだろうが、やってやろうじゃないの!

レン:ということは!

ネル:そうよ! 秀吉の猿親父軍を裏切って、こっちの狸軍に鞍替えよ! ハク! てと! いいわね!

ハク:それしかないわよね。では皆さん宜しく!

てと:m(_ _)m

 

学歩:よ、宜しくお願いする

升太:こちらこそ、宜しくな

ミキ:宜しく。これでヘリが戦力になったわね

テト:ヾ(*´∀`)ノ

 

海斗:ま、まぁ、“忍びで裏切りは死”なんだが、忍びじゃないし、いいだろう。こちらこそ宜しく

メイコ:よろしくねー♪

 

レン:はぁ~、なんか凄い展開だけど、宜しくな!

リン:一度命を狙われたから、複雑だけど、まぁいいや、宜しく!

 

 こうして、仲間が3人、強力な兵器が1機配備されたのだった。

 

学歩:うんじゃ、戦で腹も減ったし、まずはメシを喰うか!

ネル:よかった・・・機械でも私たちのタイプはお腹空くのよね

ハク:お酒が久々に飲める~♪

 

テト:☆(o^-^)o~♪

てと:☆(o^-^)o~♪

 

 こうして、大所帯で、夕飯が始まったのだった。

(夜・温泉宿『平屋(たいらや)』・男子の部屋)

 

 今日は学歩の取り計らいで、(この時代としては)いつもよりかなり豪華な食事になった。全員、腹が空いていたのか、感動しながら食べていた。

 

 パクパクパクパク

 

ネル:はぁ~、このとろろ汁、美味しい~♪、朝のおにぎりだけだったから、五臓六腑に染み渡るわ~

ミク:(ネギ焼きをかじりながら)ロボットでもそうなるミクね・・・

ハク:この鰻の蒲焼き、はぁ、なんて美味しい・・・。お酒が進むわ・・・・

学歩:うむ、この茄子田楽、いい仕事をしている。天晴れだ!

升太:飯がうまい! おかわりいくぞ!

ミキ:杏の甘酢煮、美味しい!

メイコ:はぁ~、刺身が美味しい! それにハクちゃんいける口だね~、まま、もういっぱい

ハク:はい。お酒がわかる人でよかったです

海斗:あのメイコとサシで飲めるとは・・・。なかなかの戦力だ(そして俺の“酒飲み相手の仕事”がなくなって良かった・・・)

 

リン:ねえねえ、レン、この時代ですでに“天ぷら”、あったんだね。しかも美味しい!

レン:本当に俺達のところとは時系列が違うんだね

 

テト:ヾ(*´∀`*)ノ゛

てと:(≧▽≦)

 

 こうして現代の時間で夜10:00頃まで宴は続いた。相当どんちゃんやっていたようだった。

 

***

 

(夜・食後)

 

 グーグー

 

 リンとレン以外、疲れて眠ってしまったようだった。

 

レン:ふぅ、久々に腹一杯食べたな。エネルギー充填完了!

リン:あの・・レン、お風呂・・・・つきあってくれない?

レン:あ、そうか、風呂がまだだったね。疲れているし、そろそろ入・・・・え? “つきあう”?

リン:うん。ここも“混浴”なんだ・・・

レン:ちょ・・・え・・・えっと、その、リン姉、どうしたの?

 

 リンは頬を赤く染めながら、レンの左手を掴んだ。

 

リン:なんでもいいの! 女の子を待たせないの! さっさと来るの!

 

 リンはレンを強引に風呂まで引っ張っていってしまった。

(夜・宿の混浴温泉・結びの湯)

 

 リンとレンは、別々の脱衣場所を使った後、背中合わせになって、湯船に浸かっていた。違う脱衣所だったのだから、レンは逃げられたのだが、あの強気のリンからは想像できない行動だったため、リンが心配になり、逃げずに湯船に入ることにした。

 

レン:・・・・

リン:・・・・ねぇ、こうやって二人だけでお風呂に入ったのって、何年ぶりだろうね?

レン:小学4年位から入ってないから、たぶん、4年ぶりくらいかな

リン:・・・・ここ、ほんと、静かだね

レン:そうだね。前の混浴風呂は全員で入ったから賑やかだったけど、今は二人きりだからね。それに今、過去の世界だから、近くを自動車とか電車が走ってないしね。僕たちの声も、温泉の隅々まで通るみたいだ

 

リン:・・・・ありがと

レン:え?

 

 なんとリンは振り向いて、レンの背中に抱きついた!

 

レン:え! ちょ! リン姉、胸が当たる・・・・

リン:あのとき、助けてくれて、本当にありがとう・・・。今日のあの戦い、ものすごく怖かった・・・。私たちは後方支援でマシだったけど、レンは最前線で、しかもボスと戦っていて・・。そしてあの鬼に襲われそうになったとき、レンは危険を省みないで、しかも覚醒までして、私とミクさんを助けてくれた・・・

レン:い、いや、なんて言うか、“リン姉を守りたい”って思う心が体の中で爆発して、信じられないチカラが沸いてきて、それであんなことができたんだ。役小角も追ってこなかったし、ラッキーだったのかな

 

 リンは更にきつく抱きしめた。

 

リン:私・・・いつもは強気の女の子だけど、いざって時・・・・全然弱いよね。すごい神器とかつけているのに、自分の身も自分で守れない・・・。すごく心細くなって・・・。だからこうして、レンと一緒にいたいって思って・・・

 

 リンはちょっと泣いているようだった。抱きしめていた両手はいつの間にか離されていた。

 

レン:・・・・・・

 

 レンはリンの方に振り向いて、リンの両肩をそっと掴んだ。

 

 リンは不意打ちを喰らったかのように、目を一瞬大きく開いた。が、すぐにトロンとした目に戻った。顔は真っ赤だった。

 

リン:レン・・・

レン:リン姉、目をつむって

リン:え・・・・うん

 

 リンは素直に目をつむった。“レンになら・・・・“、一瞬、そう思った。

 

 チュッ

 

 レンはリンのおでこに軽くキスをした。

 

リン:え・・・・

レン:これ以上のことはできないけど、でも、リン姉の気持ち、素直に嬉しいと思った

リン:レン・・・・

レン:リン姉は俺が守る。そして俺も死なない。ここの事を片づけて、一緒に元の世界に帰るんだ

リン:・・・うん、一緒に帰ろうね

 

***

 

(夜・宿の混浴温泉・結びの湯)

 

 そんなリンとレンの光景を、温泉の周りの大岩の後ろで見ていた集団がいた。部屋で寝ていたり酔っぱらっているふりをしていた残りの仲間だった。その光景を見ながら小声で会話していた。

 

学歩:二人の事が心配だったから尾行してきたが、うっうっ(涙)、なんという美しい姉弟愛!

メイコ:でーもー、私の勘は当たっていたようね~。やっぱりリンちゃん、レン君の事、好きだったんだ

海斗:それに、レンもリンのこと、まんざらでもないようだな

ミキ:どうでもいいけど、海斗さん達男子軍団、これ“のぞき”と違いますか?

升太:でも、女子だって、レン君への“のぞき”になってないか? お互い様だ

ネル:姉弟って聞いてきたけど、あんた達の男女関係って、どうなってるの?。面白いけど。

ハク:わかっていると思いますが、皆さん、ここでの事の口外は御法度ですよ

テト、てと:(*゚д゚*)

 

 こうして大岩の後ろの一行は、静かに部屋に戻ったのだった。

(夜・温泉宿『平屋(たいらや)』・男子の部屋)

 

 リンとレンが帰ってきた後、その他が風呂に入りに行き、ネル達を含めた全員の準備が整った後、男子の部屋に集まり、恒例の作戦会議を始めた。

 

学歩:さて、今回は仲間になってくれたネルさん達と入手したヘリの事を含めた、当初考えていた作戦の変更を行いたいと思う

升太:まぁ、前案ってのは、勿論、このまま東海道を進んで、伏見城近くに陣取って、門番戦って事なんだがな

学歩:そう。でも今は空域を手に入れた。よって、空中にある安土城を直接攻撃できる可能性も出てきた。ということで、ネルさん、正直、ヘリで安土城を直接攻撃し、直接進入できるものなのか?

ネル:うーん、たぶん無理ね。なにせあの城には“空対空防衛装置”が配備されていて、ヘリの機動力ですら、近づくと撃墜されます

学歩:なるほど。あのカラクリを凌駕する武装が施されているのか・・・。さすが敵本陣

ミキ:感心している場合じゃないでしょ!

升太:ということは、やはり前案の通り、伏見城を攻略して安土城を地面に降ろしてから、その“空対空防衛装置”ってのを破壊して、ヘリの活躍はそれからってことになるな

ハク:今更ですが、安土城を浮かしている装置は、伏見城の中枢にあります。その装置を破壊すれば、安土城は地に足を着けることになります

ネル:伏見城に入ってから、装置の場所までの誘導は、私たちが担当するよ

学歩:ありがたい。そこら辺のことは前案では“行き当たりばったり”になっていた感があったのでな

ミク:ということは、前案の通り、次の戦は“伏見城門番戦”ってことになるミク

ネル:知っていると思うけど、あの3人は役小角と同じくロボットです。だからレンの天叢雲剣以外、効果無いです

学歩:うむ、知っている。我々も彼らが来る前に、あの門番戦で一度負けている。門番の相手は、情けないながら当初と同じくリンとレンに任せることになる。頑張ってくれ、リン、レン

レン:・・・え? あ、はい! 頑張ります!

リン:は、はい!

ミキ:(あの後だもんね、ぼーっとするわよね)

 

学歩:とにかくヘリで安土城を直接攻撃できない以上、明日、伏見城近くの宿に“陣”を設けて、門番戦に関するもっと詳細の作戦会議をしないといかんな。我々はこれまでと同じようにトリンで向かう。ネル達はヘリで我々を追いかけてきてくれ

升太:一応、敵軍からの攻撃に気を付けてくれ。“寝返った”事は、夕方のあの通信でばれているだろう。今度は問答無用でヘリを攻撃するはずだ

ネル:了解!

学歩:では、次の宿は、伏見城の近く、山城国の三条大橋の近くの温泉宿にしよう。ヘリのこともあるので、出来るだけ広い場所を選ぶことにする。では、今日は疲れているだろうから、各自、じっくり睡眠を取ること! 以上! 解散!

全員:了解!

メイコ:(さーて、リンちゃんとレン君、あんなことがあった後、ちゃんと眠れるかしらね?)

 

 こうして、今回はネル達を含めた各自が、男子の部屋、女子の部屋に分かれて、じっくりと眠りについた。但し、リンとレンは各自の部屋のふとんに入った後も、少し寝付けない様子だった。

 

(夜・男子部屋)

 

レン:リン姉・・・みんなも含めて・・・俺が守るよ・・・絶対に勝つ・・・

 

(夜・女子部屋)

 

リン:・・・まだドキドキしてる・・・レン・・・私も強くなるよ・・・レンを守れる位に・・・

 

 それでも二人とも、深夜には疲れて眠ってしまったのだった。

 

(続く)

 

CAST

 

巫女・鏡音リン:鏡音リン

巫女(?)・鏡音レン:鏡音レン

 

巫女・初音御貢(ミク):初音ミク

巫女・巡音流歌(ルカ):巡音ルカ

 

拳の升太:墓火炉 升太

アホ毛のミキ:miki

人形のテト:重音テト

 

懐刀の侍・神威学歩:神威がくぽ

忍者・海斗:KAITO

くノ一・女威虎(メイコ):MEIKO

 

めぐみ:???

 

カラクリのネル:亞北ネル

深酒のハク:弱音ハク

人形の“てと”:重音テト

 

家康、秀吉、etc…:エキストラの皆さん


 
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